室内ゴルフ練習場を開業するには、室内でゴルフができるよう適切に施工する必要があります。
どのような内装にするかによって施工内容、施工価格は変わってきますが、大まかな目安だけでも把握しておけば計画が立てやすいですよね。
この記事では、室内ゴルフ練習場を開業したいと考えている方に向けて、必要な設備やそれぞれの費用相場、施工費用を抑えるコツなどを解説していきます。
室内ゴルフ練習場の経営に必要な設備一覧
室内ゴルフ練習場の経営に必要な主な設備は以下の通りです。
- ゴルフシミュレーター
- モーションカメラ
- プロジェクター
- 消音スクリーン
- 圧縮チューブマット
- スタンスマット
- ブースクッション
最低限、上記の設備が整っていれば室内ゴルフ練習場を運営できます。
室内ゴルフ練習場の各設備の施工費用
室内ゴルフ練習場をオープンするには上述した設備はもちろん、店として運営するための基本工事が必要です。
室内ゴルフ練習場の施工費用の目安を項目ごと表にまとめました。なお、設備費用に関しては1打席分の金額試算です。
費用項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
工事費(内装・電気・防音) | 800万円程度(概算) | 現在の環境、およびオーナーの希望次第で大きく変動する |
ゴルフシミュレーター | 70万円~700万円程度 | メーカー・グレードにより異なる |
モーションカメラ | 30万円程度~ | |
プロジェクター | 25万円程度~ | |
消音スクリーン | 5万円程度~ | (1枚タイプ、3m×3m) |
圧縮チューブマット | 14万円程度~ | (12m×1.1m×厚さ1.5cm) |
スタンスマット | 6万円程度~ | (175cm×125cm×厚さ2.4cm) |
ブースクッション | 25万円程度~ | (100cm×50cm×厚さ6cm) |
それぞれの項目について解説します。
基本工事(内装、電気設備、看板設置など)
打席ブース作成工事、および必要な電源工事、PRのための看板設置などが該当します。
このとき天井の高さは、ドライバーをフルスイングしてもよい高さとして約3mは必要でしょう(3mない場合は、追加で改築工事が必要な場合もある)。
防音工事、防音設備
室内ゴルフ練習場では、実際にボールを打つので防音対策も必須です。
ボールのヒット音は、70~80デシベルと言われています。ちなみに80デシベルは飛行機の機内音に相当します。
また、ゴルフボールを打ち込むネットの音も考慮すべき点です。
店舗のロケーションが街中か、郊外かにもよりますが、対策として、床や壁に防音材を入れる、防音機能があるマットやネットを設置するなどの対策が必要でしょう。
ゴルフシミュレーター
利用客を飽きさせないためには、ゴルフシミュレーターが必要です。
製品によっては、世界各地の有名ゴルフ場やプロトーナメントが開催されるゴルフ場のデータが搭載されています。
また、自分のスイング映像が前方・後方から撮影・確認できたり、弾道分析ができる機種もあります。しかし、機能と価格は正比例します。どこまでの機能を必要とするのかは検討の必要ありです。
さらに、利用者の中には超初心者も考えられ、想定外の場所へボールが飛んでいくことも……なので、センサーやモニターの設置場所もボールが当たらない場所にする必要があります。
モーションカメラ
利用者のスイングが確認できる機能を使用したい場合、カメラも設置します。前方用・後方用と2台設置することが多いです。
プロジェクター
ゴルフシミュレーターの映像を映す装置です。プロジェクターを天井に設置する場合は、追加工事が必要です。
消音スクリーン
読んで字のごとく、消音タイプのスクリーンです。利用者はこのスクリーンに向けて打球を放ちます。当たった打球音はこのスクリーンにより軽減されます。
圧縮チューブマット
打席マットとスクリーンの間に敷き詰めます。これによりボールの跳ね返りが軽減される床材です。
スタンスマット
いわゆる、利用者が立つ打席のマットです。
ブースクッション
壁と天井に敷設するウレタンの「防球用クッション材」で、防球ネットの代わりに使用します。
防球ネット使用の場合は、壁から20cm程度のスペースが必要になるのに対し、ブースクッションの場合はこのスペースが不要で、防球ネットよりおしゃれに仕上がります。特に高さが重要となる天井には有効です。
【番外編】自宅にゴルフ練習場を作る場合はもっと安い?
人によっては、自宅にゴルフ練習場を設けたいと考えるでしょう。
ここからは自宅にゴルフ練習場を作る際の施工ポイントについて、建物パターン別にみていきます。
戸建て既存住宅を改築する場合
天井の高さがネックになりますが、戸建ての場合は改築可能でしょう。
あくまで一例ですが、12畳部屋をゴルフ練習部屋に改造した人の例によると、改築にかかった総費用は工事費・備品含めて375万円とのことです。
ただし、この方は最初から「天井の高さ」を確保した住宅に住んでいたので、通常の場合は、プラス「天井の高さ改築費用」が必要になるといえるでしょう。
とはいえ、どのレベルの設備をどれだけそろえるかによって金額は大きく変わるので、自身の状況により金額は抑えられるといえます。
戸建て新築の場合
新築で一戸建てを立てる場合、望みどおりに設計してもらうことが可能なので、ゴルフ練習部屋単体での工事費は既存住宅の改築に比べて大幅に減額されるでしょう。
ただ、新築時にゴルフルームが設計図にあると、役所の「建築確認」がおりない、という風説もあります。
ゴルフルームを作っても実際に問題がないかは、事前にお住まいの自治体で確認してしてみることをおすすめします。
マンションの場合
前述しましたが、ゴルフルームとして活用するなら天井の高さが3m必要です。一般的なマンションは、それより低い高さで建築されている物件が多く、3mの確保は難しいといえるでしょう。
また、防音の観点からも問題があります。
マンションの防音は、左右に強く、上下に弱いと言われています。どうしてもマンションにお住みでゴルフルームを作りたい場合は、上下の階の住人とトラブルにならないよう、対策を立てておく必要があります。
室内ゴルフ練習場の施工費用を抑えるコツ
室内ゴルフ練習場を用意して事業を始めるとなると、ある程度大きな金額が必要になります。新たに事業を始める際に、できるだけ開業資金を抑えたいと考えるのは当然でしょう。
初期費用の大部分が施工費用なので、施工費用を抑えられれば開業資金自体を抑えられます。
室内ゴルフ練習場の施工費用を抑えるコツは以下の4つです。
- リース契約にする
- 中古品を買う
- 内装工事を一部自分でおこなう
- 補助金を使う
それぞれ詳しく解説していきます。
リース契約にする
まずは、室内ゴルフ練習場の設備の一部をリースでそろえるという方法です。
リース契約とは、リース会社にリース料を支払い、リース会社から備品を貸し出してもらう契約です。
リース料は月々支払っていくことになるので、初期の施工費用を大幅に抑えられるでしょう。リース料はプランや期間、借りる備品のクオリティにより変動します。
実際にゴルフシミュレーターを貸し出している企業もあり、月々およそ40,000円から利用できるところもあります。
また、リース契約の場合、支払った料金に対して減価償却が不要なので節税対策にもなります。
ただし、月々のリース料のほかに保証金、設置費用、保守費用等がかかる場合もあるので、リース契約を結ぶ際は、何の費用をいつ支払うのかを隈なくチェックしておきましょう。
中古品を買う
すべての備品を新品でそろえようとすると、初期費用が莫大な金額になります。施工費用を抑えたい方は中古の品の購入がおすすめです。
ゴルフシミュレーターについては、中古品を販売しているメーカーは多くないですが、一部メーカーは割安で中古品の販売をおこなっています。機器によっては、定価の60~80%で手に入ることも。
また、メーカーによりますが、中古のゴルフシミュレーターを購入すれば、打席マットやスクリーンなどの消耗品が新品で手に入るケースもあります。
さらに、リース契約が満期になれば、割安で機器を購入できるケースもあるのでケースもあるので、長く使うことを見越して取得手段を考えることが大切といえるでしょう。
内装工事を一部自分でおこなう
内装工事の一部を自分でおこなうのも施工費用を抑える方法の1つです。
例えば、ゴルフネットやターゲットネットの取り付け、ゴルフシミュレーターの設置などは自分でできる場合もあるでしょう。特に自宅の場合はDIYとして自ら設置する人も多いようです。
ただし、安全性への配慮や施工不良などの心配があるので、事業としておこなう場合、工事に関しては業者に依頼するのが一般的です。
インドアゴルフ練習場の施工業者はいくつかあるので、複数社から見積もりをもらって比較検討することをおすすめします。
補助金を使う
新たにインドアゴルフスクールの開業を考えている場合は、補助金を施工費用にあてられます。
特に最近注目を集めているのが「事業再構築補助金」です。
事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスの影響で、事業が立ちいかなくなった事業者に向けて、新分野への業態転換などを条件に国が事業の再構築を支援する制度です。
事業再構築補助金の要件には、売上の低下や新分野展開などがあり、これらを明確に国に対して示す必要がありますが、採択されれば数百万から数千万円の補助金を取得できます。
実際に、室内ゴルフ練習場に関する採択事例も多く、これから事業転換してゴルフ関連事業を始めようと考えている方にはうってつけの補助金制度です。
ゴルフ関連事業に使える補助金制度については以下の記事で詳しく解説しています。
ゴルフ事業で使える補助金まとめ。再構築補助金の採択事例も紹介
ステップゴルフは室内ゴルフ練習場の経営を考えている方におすすめ!
今回は室内ゴルフ練習場の施工費用について解説してきました。
事業として室内ゴルフ練習場の経営を考える場合、収益の安定性は最重要項目といえるでしょう。
新たにインドアゴルフスクール事業を立ち上げ、成功したいという方にはステップゴルフのフランチャイズ加盟がおすすめです。
ステップゴルフは、日本一の店舗数、累計会員数を誇るゴルフスクールであり、インドアゴルフスクール運営に関する成功パターンを熟知しています。
施工に関する相談はもちろん、コーチの採用、集客、業務の進め方などあらゆる点においてサポート体制が整っています。
初めてのインドアゴルフスクールで事業を興したいと考えている方は、ぜひ一度お問い合わせください。