ゴルフ練習場やインドアゴルフスクールを経営する場合、物件の家賃は固定費のうち大きな割合を占めます。そのため、居抜き物件のように家賃の安い物件を見つけることができれば、大幅な経費削減につながります。
本記事では、ゴルフ練習場やインドアゴルフスクールの経営を左右する物件選びのコツを紹介します。
さらに記事後半では、インドアゴルフ練習場を居抜き物件で開業するメリットとデメリット、インドアゴルフ練習場の売り物件を探すポイントも併せて解説します。
インドアゴルフ練習場に適した物件の要件とは
インドアゴルフ練習場やインドアゴルフスクールに適した物件を探すには、いくつかの要件に注目します。
ここでは開業に求められる要件として、以下の3つにフォーカスして解説します。
- 物件の立地
- 物件の種類
- 内装や設備にかかる費用
物件の立地
集客に成功しているインドアゴルフ練習場やインドアゴルフスクールは、おしなべて最寄駅から徒歩圏内の場所に店舗を構えています。
とくに公共交通機関が発達した都市部では、利用者の主な交通手段は電車やバスです。したがって、多くの人が利用する駅やバス停の付近で物件を見つけることができれば、集客力を大幅に向上できます。
立地の良さに加えて、必要な広さが確保できる物件かどうかもチェックしましょう。
インドアゴルフ練習場を開業するには、打席やシミュレーターを設置するスペースや、利用者がドライバーをフルスイングできる高い天井が必要です。一般的に、立地に優れた物件はスペースが狭い傾向があるため、アクセスの良さと広さの両方を十分に考慮して物件を探す必要があります。
物件の種類
スケルトン物件か居抜き物件のどちらを契約するかも大きなポイントです。
スケルトン物件とは内装や設備が一切施されていない状態の物件です。一方、居抜き物件とは過去に入っていた店舗の内装や設備が残されたままの物件を指します。
物件の種類ごとの具体的な施工費用は後述しますが、一般的に居抜き物件の方が開業費用を安く抑えられます。
内装や設備にかかる費用
物件そのものの契約金や家賃だけでなく、その物件をインドアゴルフ練習場として改築するための費用も考慮しなければなりません。
物件の内装工事や設備工事にかかる費用が、初期費用の多くを占めます。したがって、内装工事や設備工事が少なくて済む物件を見つけることができれば、初期費用のコストダウンにつながります。
もしも新たに設備を導入する必要がある場合は、新品よりも中古品のほうがコスト削減に効果的です。
インドアゴルフ練習場を居抜き物件で開業するメリット
インドアゴルフ練習場を居抜き物件で開業する主なメリットとして、以下の3点をピックアップして解説します。
- 施工費用を抑えられる
- アクセスの良い立地で開業できる
- 物件を見つけやすい
施工費用を抑えられる
とくに前事業者が室内ゴルフ練習場やインドアゴルフスクールを運営していた居抜き物件の場合、打席やシミュレーター、貸し出し道具など運営に必要な設備が揃っていることがあります。
したがって、スケルトン物件からインドアゴルフ練習場を作る場合に比べると、設備工事の手間や費用を抑えて開業できます。
スケルトン物件と居抜き物件それぞれに必要な施工費用は次の通りです。
スケルトン物件の施工費用
内装も設備もないスケルトン物件の場合、インドアゴルフ練習場の開業にかかる施工費用はおおよそ500万円〜1,000万円が相場です。高級志向の利用者をターゲットとする場合は、施工費用が2,000万円近くかかることもあるでしょう。
スケルトン物件は自分のイメージ通りに内装や設備を決められるほか、居抜き物件よりも比較的見つけやすいのがメリットです。
居抜き物件の施工費用
物件の状態にもよりますが、使える設備が多いほどコストダウンを図れます。
過去にインドア練習場として使われていた居抜き物件ならば、インドア練習場の運営に必要な設備がすべて揃っている場合、数十万円ほどの施工費用で済むこともあるでしょう。
ただし、一般的に店舗物件の取引においては、スケルトン物件の状態で渡し、スケルトン物件の状態に戻して返すのが原則です。居抜き物件の取引が成立するのは、物件の所有者、閉業するテナント、新規開業するテナントの3者全員が合意している場合に限られます。必然的に居抜き物件は市場に出回っている数が少ないため、見つけるのに時間と手間がかかることを知っておきましょう。
アクセスの良い立地で開業できる
過去にテナントとして使用されていた居抜き物件は、ほかの物件よりもアクセスに優れた場所にある可能性が高くなります。アクセス性はインドアゴルフ練習場の経営を左右する重要な要素なので、好立地の居抜き物件を見つけることは経営成功への近道といえます。
ただし、アクセスの良い居抜き物件を見つけられたとしても、その居抜き物件がインドアゴルフ練習場に耐えるスペースを有しているかどうかは別問題です。物件の坪数や天井の高さも併せてチェックしましょう。
工事期間を短縮できる
居抜き物件の場合、内装工事や設備工事にかかる時間を大幅に短縮できます。
したがって、物件を契約してから短期間でインドアゴルフ練習場を開業できるのが大きなメリットです。できるだけ早く開業したい方には、工事が少ない居抜き物件がおすすめです。
インドアゴルフ練習場を居抜き物件で開業するデメリット・注意点
居抜き物件で開業することには、メリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。ここでは居抜き物件のデメリットや注意点として、以下の3つを挙げて解説します。
- 追加工事が必要な場合もある
- 取引時の注意点が多い
- 改築時の費用が予想できない
メリットとデメリットの両方を十分に理解したうえで物件を探しましょう。
追加工事が必要な場合もある
たとえ居抜き物件だとしても、インドアゴルフ場を開業するために追加工事が必要な場合もあります。
具体的には、店の看板やロゴを貼り替える、前のテナントにはなかった設備を導入する、などです。
居抜き物件を契約する際は、あらかじめ追加工事の有無とその費用を確認しておくとよいでしょう。
取引時の注意点が多い
前述のとおり、居抜き物件の取引が成立するには物件の所有者、前テナント、新規テナントの3者による合意が必要です。
そのほかにも、居抜き物件を契約する際は、設備のリースが残っていないか、物件の老朽化は進んでいないか、前テナントのイメージを引きずり過ぎないかなど、事前に注意しておくポイントがいくつもあります。
改築時の費用が予想できない
改築費用を抑えるために居抜き物件を契約したにもかかわらず、契約後に物件の老朽化や必要設備の不足が発覚して追加工事が必要になるケースもあります。
想定外の工事費用がかかると、開業後の資金繰りが困難になる可能性もあります。
インドアゴルフ練習場の売り物件・賃貸物件を探すコツ
インドアゴルフ練習場に適した売り物件や賃貸物件を探すには、いくつかのコツがあります。ここではゴルフ練習場の用地を探すうえで知っておきたいポイントを紹介します。
フランチャイズに加盟する
新規開業する場合は、フランチャイズに加盟するのがおすすめです。フランチャイズ本部が物件募集をかけているため、フランチャイズ加盟店はインドアゴルフ練習場に適した売り物件を効率的に探せます。
物件探しのほかにも、フランチャイズに加盟することでインドアゴルフ練習場の経営ノウハウを学べたり、運営に必要な設備や道具を簡単に調達できたり、本部のブランド力によって集客ができたりなど、さまざまなメリットがあります。
SNSで情報収集する
最近のトレンドとして、物件情報を扱うSNSアカウント(Twitter・Facebookなど)を探して情報収集する方法があります。
物件情報サイトを使ったり不動産屋に相談したりする一般的な方法では、なかなか理想の物件がみつからないという方は実践してみるとよいでしょう。
競売物件もチェックしておく
地方での開業を検討している方は、売り物件を探すことを中心に考えていることもあるでしょう。その場合、理想の物件に出会える可能性を高めるために、通常物件に加えて競売物件もチェックしておきましょう。
競売とは、債権回収のために行われる物件オークションのようなものです。インドアゴルフ練習場の用地が競売に出されているケースは極めてレアですが、好条件の物件が売りに出されている可能性もゼロではありません。
落札できるとは限りませんが、低予算で開業したい場合は競売物件も調べておくことをおすすめします。
物件探しに困ったら、フランチャイズの活用も検討を
物件探しはインドアゴルフ練習場の経営を左右する重要な要素です。独力で理想の物件を見つけるのが困難な場合は、フランチャイズに加盟することも検討しましょう。
開業支援実績の豊富なフランチャイズを活用すれば効率的に物件を見つけられるほか、集客やブランディングなどのメリットもあるため、きっと経営の近道になります。