ゴルフスクール開業に関する記事です。最近また、ゴルフが「プチブーム」のようで、今回は特に若年層に広がりをみせているそうです。一時は「シニアだけのスポーツ」などと揶揄されていましたから、良い傾向だと思います。
さてそうしたブームの中、「好きなゴルフを仕事にしたい。いまなら商売になるのではないか」とお考えの方もいるかもしれません。「ゴルフが好きだ。教えるための技術も自信もある。ゴルフスクールを開業できないだろうか」と。
今回は、そんな方のための記事です。疑問点をクリアにして、次の一手を考えましょう。
ゴルフスクールの開業前に把握しておくべきこと
まずはゴルフスクール開業の「概要」からみていきます。この章では、「どんなビジネスモデルにするのか」「アウトドアとインドアにはどんな違いがあるのか」「そもそも儲かるのか(商売になるのか)」の3項目について説明します。
ゴルフスクールのビジネスモデル
まずはビジネスモデル。ゴルフスクールに限らないのですが、最初に経営方針を定めておかないと、具体的な開業作業を進めるにあたって「進むべき方向」を誤ります。
たとえば対象者。初心者メインとして、コースに出られるレベルに教えていくのか。あるいは、中級者をターゲットにしてスコアを良くするティーチングをするのか。
ターゲットが決まると、トレーニングメニュー(またはカリキュラム)を決定することができます。きれいなフォームでティーショットを打てることを主目的にするのか、スコアメイクのためにアプローチやパター練習も取り入れるのか、など。
さらに、収入源の複数化のために飲食スペースを設けるのか、多様な人が来店しやすいようにキッズスペースを設置するのかなど、考えることはいくらでもあります。
アウトドアゴルフ(屋外)とインドアゴルフ(屋内)の違い
新たに開業するなら、ロケーションを決める必要があるのですが、その前に「アウトドアかインドアか」の判断をしなければなりません。
これまで、ゴルフ練習場・スクールはアウトドアが主流だったのですが、最近はもっぱらインドアです。なぜなら、以下のメリットがあるからです。
場所選定の難易度および初期コスト
インドアのほうが場所の選定が容易で、初期コストも安いです。アウトドアの新規開業を考えた場合、広大な用地の確保、鉄塔・ネットの敷設、ボール回収の仕組みなど、いかにも費用が掛かりそうです。インドアなら、街中のビル内などで開業できます。
受講生の通いやすさ
場所選定に関連するのですが、アウトドアの場合だと、家から車で用具を持って出かける、というスタイルになります。帰宅後だとかなり遅めの時間になりそうですし、そもそも仕事帰りにまた家から出かけるのは、おっくうです。
これに対しインドアだと、会社の帰りに立ち寄ってレッスンを受ける、ということが可能です。またインドアの方が営業終了時間も遅いので、レッスン受講時間の自由度も高いです。
ゴルフスクールはそもそも儲かるか
この見出しは、「商売は儲かるか?」という質問と同じ意味です。ですから回答は、「やり方による」というしかありません。
ゴルフスクール営業の収支勘定について、考えてみましょう。
<収入>
- レッスン料
- 用具販売収入
- (場合によっては)レストラン収入
<支出>
- 賃料
- 水道光熱費
- マットやネットなど摩耗して取り替えが必要なものの購入・交換費
- (場合によっては)人件費
- (場合によっては)フランチャイズのロイヤリティ
支出に関しては上記以外に「初期コスト」がかかっています。内装費、設備・用具購入費、広告費(HP作成費用等)、シミュレーター導入費用などが一般的には必要になります。
これら初期コストを、毎月の利益(収入-支出)で返済できなければ、本当の黒字事業とは言えないわけです。
最近はオンラインゴルフレッスンというビジネスも
最近は「オンラインでのゴルフレッスン」というものが登場しています。まずはどんな仕組みなのか、例をあげてみていきましょう。
<レッスンの流れ>
- 自分の苦手な行為(たとえば、ロングアイアンでのセカンドショット)について動画を撮ってコーチに送る(LINEなどを使います)。
- コーチからコメントが返ってくる。
- 代金をクレジットカードなどで支払う。
簡単にいうと上記のフローになります。この形式の場合は、事前にコーチとの契約やクレジットカード登録が必要のようです。
次は、メリット・デメリットをみていきます。
<メリット>
- コーチ、受講者とも、時間・場所の制約を受けない。
- ピンポイントの指導が受けられる。
<デメリット>
- 「動画」と「コーチの説明」のやり取りで、そもそも理解できるのか。
- 最初の疑問から次の疑問が発生した場合、追加質問となり料金がかさむ。
- コーチからの返事が遅い場合があり、まだるっこしい。
上記のようなイメージなのでこれをメインの仕事にするのではなく、本業=「リアルのゴルフスクール」、副業=「オンラインレッスン」、というのが現時点では正しいのではないでしょうか。
ゴルフスクールの開業に必要なもの
さて、ゴルフスクール開業を真剣に検討する段階になった場合の、その検討項目を一つずつみていきます。
開業資金
開業資金(=初期コスト)に関しては、どのような場所(繁華街か郊外か)、どのような規模、どのような設備、どのような人員体制か、などにより大きく変わってきます。つまり「金を掛けようと思えば、いくらでも掛けられる」ということになります。
また開業資金で忘れてはいけないのは、当面の運転資金です。開業当初は(ゴルフスクールに限らず、どんな業種でも)売上はほとんどないのが通例です。その期間に、もろもろの支払いをするための手持ち資金が必要です。そのような資金、数カ月分を確保しましょう。
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物件
物件を「アウトドアにするかインドアか」を最初に決めるのですが、実質的な選択肢はインドア一択になります。
さらに先ほども述べましたが、インドアでやるメリットの一番は、「駅チカなどにあれば受講生が通いやすい」というものです。したがって物件は、(予算とも相談ですが)できれば繁華街を選びたいものです。
設備
設備で迷うのは、シミュレーターをどうするか、という問題です。シミュレーターは100万円台の中古品から、最新機種であれば1,000万円弱するものまで、ピンキリです。
シミュレーター以外の必要設備は、前述のとおりです。
コーチ・スタッフ
コーチ・スタッフなど、「人を雇うかどうか」の問題です。
新規事業は、「自分一人でできる範囲でスタートする」のが常識に近いと思います。なぜなら、費用負担の一番重いものが社員の人件費、だからです。
さらに人を雇うと、労働保険の支払い手続きや社会保険の会社負担など、さまざまな法規制による作業がのしかかってきます。人を雇うことは、「マンパワーが不足する規模まで事業が拡大してから」と考えるのも一案です。
カリキュラム
カリキュラムは重要です。最初に「スクールのターゲット」を決めているはずですが、その「ターゲットの心に刺さるカリキュラム」がないと、ビジネスモデルは「絵に描いた餅」になってしまいます。
カリキュラムをじっくり練り上げ、ホームページやSNSなどで告知して、集客につなげましょう。
営業許可
ゴルフスクール開業にあたり、特別な営業許可は必要ありません。ただし、レストランを併設する場合は、保健所の許可が必要になります。
ゴルフスクールそのものの営業開始にあたり、しておくべき手続きは「開業届」を税務署に提出することです(個人事業主の場合です。法人の場合は、会社設立等の手続きが発生します)。さらに開業届は、「税務署の受付印」を押印したコピーを保有しておきます。このコピーは、各種助成金を申請する場合など、後日必要になることがあります。
加えて、「開業届」とともに「青色申告承認申請書」も提出するのが良いです。こうしておけば、毎年の確定申告の際に「青色申告控除65万円」が適用になり、税額が減少します。なおこの申請は、開業から2カ月以内に行う必要があります。
(注)青色申告控除の適用には、そのほかにも条件があります。
ゴルフスクールの開業方法・流れ
前章では、開業の「主にハード面」について説明しましたので、今度は「ソフト面」を説明していきます。
料金を決める
まずは収入の柱であるレッスン料を決めましょう。グループレッスンの場合は定員を何人にして、一人いくらにするのか。プライベートレッスンは、何分でいくら取るのか。また、施設の構造によっては、別途「施設利用料」を徴収するケースもあるでしょう。
ホームページを作る
告知は大事です。なんといっても、新規開業なのですから。そのなかで、ホームページの保有は必須です。ホームページがないと、最近の人は情報収集をあきらめてよそのスクールを探します。
そしてホームページの作成ですが、プロに依頼しましょう(自身が「スキルに自信がある」なら別ですが)。専門外の作業に時間を費やすよりも、開業に伴う営業活動に時間を割く方が、断然有益です。
支払い方法を検討する
受講生の代金支払い方法として、現金以外も取り扱うのかを検討します。現金のハンドリング・コストや心理的負荷は、結構大きいものがあります。
クレジットカードを扱うのか、最近では電子マネーやQRコード決済を導入するのかを検討します。
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ゴルフスクールの開業なら、フランチャイズがおすすめ!
さてここまで、「ゴルフスクールの新規開業に必要なこと」について説明してきました。文字で書くと簡単そうにみえても、実際自分でやるとなるとかなりハードルの高い項目もあると思います。
かといってここで立ち止まるのではなく、そんな時にはフランチャイズの活用も検討しましょう。フランチャイズは開業から運営に渡るノウハウを持った会社です。これを利用することで、開業のハードルはぐっと下がります。
まずは気軽に問い合わせしてみてはいかがでしょうか。