ゴルフショップをフランチャイズで経営することを検討している、そんなあなたのための記事です。
ゴルフ人口は減少傾向が続いていましたが、コロナ禍にあたり「密にならない外遊び」と認識され、最近のプレー人口は、2020年891万人、2021年1,025万人、2022年1,051万人と増加傾向にあります。(出典:経済産業省 特定サービス産業動態統計調査)
このような傾向は、ゴルフ業界への進出に興味を持っている方々にとって、まさに追い風です。
今回、実際にゴルフショップのビジネスモデルや特徴、メリットなどについて解説しています。
ゴルフショップのビジネスモデル
ゴルフショップのビジネスモデルをみていきます。
まずは、店舗形態です。一般的には、以下のパターンがあります。
- 独立店舗(街中、ロードサイド)
- ゴルフ練習場に隣接して出店
- ゴルフ場内に出店
- ネットショップ
取り扱い商品は、ゴルフクラブ(新品・中古)およびアクセサリー類(ウェア、キャディーバッグ、小物など)が中心です。
特徴としては、特にクラブはシーズンごとにモデルチェンジがあり、きっちりとした仕入管理・在庫管理をしないと、すぐに不良在庫を抱えることになります。また最近は、レディースやジュニアの需要も増加しており、品ぞろえにも工夫が必要です。
経営のポイントとしては、秋から冬にかけては来店・売り上げが落ち込むという特徴があります(特に、北国では顕著です)。顧客の組織化によるリピーターを増やすなど、安定的な需要確保が必要になります。
ゴルフショップの利益率の目安は?
開業決断にあたって重要なのは、「儲かるのか?」あるいは「暮らしていけるだけの収入があるのか?」などの収益性の確認です。
ゴルフショップの利益計算
以下は、ゴルフショップのフランチャイズを展開している会社の公開資料からの引用です。ある意味「PR資料」ですから、一定程度は割り引いて考える必要があるでしょう。
粗利率 (%) | 営業利益A (円) | 初期投資B (円) | 初期投資回収期間 【B÷A】(円) | |
---|---|---|---|---|
小規模独立店(注1) | 36 | 622,000 | 6,000,000 | 9.6 |
大規模独立店(注2) | 20,545,448 | 61,000,000 | 2.9 | |
練習場隣接店(注3) | 34 | 558,000 | 21,000,000 | 37.6 |
ゴルフ場内店(注4) | 32 | 492,847 | 12,500,000 | 25.3 |
(注1)施工費、初期在庫は本部負担
(注2)施工費、初期在庫は加盟店負担
(注3)初期費用は、現有練習場の規模、集客力により大きく変動する
(注4)「18H以上有し、かつ店舗面積として20坪以上確保」という条件あり
利益率の高い商品・低い商品
卸価格の詳細なデータがないため、各商品について、「定価」と「ネット最安値」を比較して、その差を粗利と見立てて考えてみましょう。
メーカー・型番 | 定価 (円) | ネット最安値 (円) | 粗利 (円) | 粗利率 (%) | |
---|---|---|---|---|---|
クラブ | ピンG430アイアン6本セット「ALTA J CB BLACK」 | 171,600 | 137,200 | 34,400 | 20.0 |
ボール | テーラーメイドSOFT RESPONSE2022 12個 | 3,300 | 2,850 | 450 | 13.6 |
ゴルフショップを個人店として起業・経営する場合の特徴
開業を見据えて準備を始めても、「フランチャイズに加盟しようか」「それとも、腕に覚えもあるし自分で一からやってみようか」と迷うところです。この章では、個人で始めるメリット(つまり、フランチャイズ加盟のデメリット)について確認していきます。
個人店のメリット
大きくは、以下の4点です。
思い通りに経営できる
せっかく開業して「一国一城の主」になるのであれば、経営は自分の思い通りやってみたいですよね。個人店は、これが可能です。
フランチャイズ加盟をした場合は、フランチャイズ本部のマニュアルがあります。マニュアルには、「取り扱い商品」「サービスポリシー」「営業時間や休日」が定められていることが多いです。自分の店の性質やロケーションに応じ、いろいろ工夫をしてみたいと思っても、それができないこともあります。自分が良いことだと思って実行しても、マニュアルに反している場合は「契約違反」と判断される可能性があります。
ロイヤリティがかからない
フランチャイズ加盟には、ロイヤリティの支払いが必須です。ロイヤリティとは「加盟一時金および月額特約料」のことで、これらの支払いが発生します。さらに月額特約料の決め方(契約)次第では、利益が出ていないにもかかわらず、毎月特約料を支払わなければならないケースもあります。
自分の判断で転業・廃業できる
せっかく出店はしたものの、思ったようにいかなかった。あるいは、環境が激変した(コロナ禍などありましたよね)。そういう時に、個人店であれば、傷の浅いうちに撤退しやり直しが可能です。
これがフランチャイズ加盟店になると、契約で運営期間が縛られているケースがあり、勝手に転業・廃業した場合、ペナルティ(違約金の支払いなど)が課せられます。
ほかの加盟店の影響を受けない
独立した個人店の場合、たとえ同業他社が何か不祥事を起こしたとしても、その影響が及ぶことはありません。
それがフランチャイズ加盟店となると、同じブランドの他店で起きた不祥事が、ブランド加盟店全体に及ぶケースがあります。
最近の「回転ずしチェーンの悪質動画拡散」では、全店が悪影響を受けています。ゴルフショップは飲食ではありませんので同様のケースは発生しないでしょうが、何かしらのトラブル発生可能性はゼロではありません。
ゴルフショップをフランチャイズで起業・経営する場合
今度は前章とは逆に、フランチャイズを選択するメリットです。加盟金などを払うのですから、いろいろなメリットがあると予想されます。では、みていきましょう。
フランチャイズのメリット
こちらも、以下の4点です。
未経験部分をサポートしてくれる
フランチャイズに支払うロイヤリティの、一番大きな対価はこの「サポート」です。ゆえに、加盟店オーナーがその業界に未経験でも挑戦可能になるのです。当然その分、加盟店本部がサポートするわけです。
具体的には、「開業前研修」によりその道のプロがゴルフショップ経営のノウハウを教えてくれます。開業後も、フランチャイズ本部の担当者が定期的に訪問・確認して、必要に応じアドバイスをしてくれます。
店舗運営に専念できる
個人店であれば、通常運営以外に考えるべきことがたくさんあります。たとえば、どこから仕入れるのか、どんな品ぞろえにするのか、などです。
フランチャイズ加盟であれば、通常店舗運営以外の「周辺業務」は、フランチャイズ本部の役割になります。また仕入に関していえば、本部一括仕入れによる「ボリュームディスカウント」が期待できます。
知名度が最初から高い
フランチャイズ加盟により、本部がこれまで築き上げてきた「ブランド価値」をすぐに利用することができます。具体的には、商号や商品ブランドです。フランチャイズによっては「PB商品」があったりもします。
顧客の側でもそのブランドを認知していますから、開店直後でも安心して来店することができるのです。
本部が広告展開してくれる
本部が、テレビやWeb、ポスターなどで全国的に広告展開してくれます。というより、ロイヤリティの使い道の大きな部分が、広告展開なのです。これにより前節で述べた「ブランド力」がさらに強化され、結果として集客力アップにつながっていきます。
【参考】中古品に特化したゴルフショップを開業する場合
ゴルフクラブなどは、高いものはうんと高いので、中古品のマーケットも結構広範囲です。したがって、「中古品も扱うゴルフショップ」というのも開業の選択肢になるでしょう。
中古品を扱う場合に最も大事なのは、「中古品の仕入」です。つまり、「買取作業」になります。この大事な作業は、オーナー自らが行う必要があります。なぜなら、この点こそが中古品ショップの経営のキモ、だからです。
また、同業者の倒産や廃業情報にアンテナを高くして、そのような情報を得たときには現金をもって走り、安く仕入れてくることが肝要です。
「ゴルフ用具マニア」の方が一定数存在しますので、これらの方との信頼関係を構築し、今のクラブに飽きたら売りに来てくれるよう依頼します。このような方が、購入側になることも多いです。
いずれお客様とのコミュニケーションを密にし、固定客化を図っていくのが成功の秘訣です。
ゴルフショップ以外にも魅力的なビジネスが増えている?
今回は、ゴルフショップの開業に関して、「フランチャイズ加盟か否か」を中心に説明してきました。ご理解いただけましたでしょうか。
あなたはゴルフが好きで、「ゴルフ業界で新しい商売をしたい」ということでこの記事を読まれたと思いますが、実は選択肢はゴルフショップだけではありません。最近のゴルフ業界の流行に、「インドアゴルフスクール」があります。
「教えるのには自信がない」と思ったとしても、そのためにフランチャイズ加盟があります。ゴルフショップの場合は開店のロケーションは1階部分に限定されますが、スクールであればビルの2階以上でも可能です。駐車場も必須ではありません。
興味を持った方は、ぜひ問い合わせしてみてくださいね。