フランチャイズは起業の敷居を下げ、安定的な経営が期待できるビジネスモデルとして注目されています。しかし、選び方を間違えるとフランチャイズ経営でも失敗するケースがあります。
本記事では、フランチャイズ経営における失敗の実態と、業種別の失敗例・失敗談を紹介します。また、フランチャイズに多い失敗原因と、その対策についても解説します。
失敗確率を下げるための具体的な方法についてもお伝えしますので、フランチャイズ経営に挑戦する前にぜひご一読くださいね。
フランチャイズ経営における失敗
フランチャイズ経営には多くの失敗例があり、失敗した場合には多大な損失を被ることがあります。ここでは、フランチャイズ経営における失敗について詳しく見ていきます。
まず、フランチャイズ経営における失敗とは、以下のような状況を指します。
- 片手間で始めたため経営が上手くいかず、開業資金を回収できない
- 本部からのサポートが不十分で、経営に行き詰まる
- 契約書の不備や誤解により、法的なトラブルに巻き込まれる
- 競合他社との差別化ができず、集客に苦戦する
- 地域の経済状況や市場ニーズの変化に対応できない
- 人手不足で運営が回らない
- 本部とのコミニュケーション不足により、方針やルールの共有が困難になる
これらの失敗は、フランチャイズ経営において一般的なものであり、業種や地域によって失敗事例は異なります。しかし、どの業種でも共通しているのは、本部とのコミュニケーションやサポート体制の不備が失敗の原因となることが多いということです。
また、フランチャイズ経営は、個人経営とは別のリスクを伴います。たとえば、本部の経営方針やマーケティング戦略に従わなければならないため、自由度が低く、自己決定権が制限されることがあります。さらに、ブランドイメージや信頼性に大きく依存しているため、ブランド価値の低下が起こると、直ちに店舗経営に影響が出てしまいます。
以上のように、フランチャイズ経営における失敗は、多岐にわたる問題が絡み合って生じるものであり、対策を講じることが必要です。
【業種別】フランチャイズ経営の失敗例・失敗談
では、業種別に「失敗事例」、あるいは失敗につながる業界特有の事情をみていきます。
フランチャイズの失敗1）買取ビジネス
貴金属やブランド品の買取FCです。
失敗談として、「貴金属・ブランド品」という言葉に引きずられたのか、必要以上に豪華な内装にしてしまい、運転資金が足りなくなったというケースがあります。この方は、資金繰りに苦慮している状況で折あしく偽物を掴んでしまったことが大打撃となり、廃業を決意したのでした。
フランチャイズの失敗2）不動産会社
不動産業への参入は、通常の店舗開設資金のほか、宅建団体入会金、弁済業務保証分担金と、他業種にない必須の出費があります。この辺を甘く考えていて、お金が足りなくなるケースがあります。
フランチャイズの失敗3）パン屋・食パン専門店
一時期ブームになった「食パンFC」ですが、2023年現在は、原料となる小麦のほか、バターや砂糖、脱脂粉乳の価格が著しく上昇しており、この影響を強く受けています。
あるFCでは、加盟店の採算がとれない状況下で本部がロイヤリティの引き下げに応じず、世間を騒がせています。
最近は、この業界の「成功ハードル」が以前より高いと肝に銘ずるべきでしょう。
フランチャイズの失敗4）介護・デイサービス
高齢化に伴い、介護は他人事ではなくなっており、マーケットとしては拡大が予想されます。しかし、スタッフの供給がそのマーケット拡大スピードに追いついておりません。簡単にいうと、「有能なスタッフ」が、この業界に入ってきません。賃金が安い、という理由もあります。結果として、人手不足で運営が回らない、という失敗が多いようです。
フランチャイズの失敗5）結婚相談所
この業界は特別な資格やスキルも不要なので、参入障壁が低いです。しかし多くの事業者が参入しやすいため、競争が激しくなるということを意味します。
加えて、未婚率が上昇したことに伴い、市町村など公的団体も「結婚相談業」に乗り出してきています。これでますます競争激化です。
フランチャイズの失敗6）キッチンカー
簡単そうにみえますが、やはりそれなりの失敗原因を抱えています。
良い出店場所を、自分で探す必要があります。イベント会場など、いわゆる「良い場所」については、そのパイが限られています。キッチンカーオーナーは、イベントの無い日の出店場所を自分で探し、かつ出店許可を取らなくてはなりません。この交渉がうまくいかず、撤退している方もいます。
フランチャイズの失敗7）コインランドリー
「空地があるから、コインランドリーFCをしよう」と考えると、失敗します。その業種に適した土地、というものがあり、適していない場合は集客に失敗します。初期投資が多い業種であり、結果として資金回収できないことになります。
フランチャイズの失敗8）ハウスクリーニング
ハウスクリーニングに関しての一番の失敗理由は、「家庭の掃除なら、簡単だと思った」というものです。しかし、「プロ」としてお金をもらう掃除は、そうそう簡単ではありません。
メイン項目の一つである「エアコンクリーニング」に関しても、おそうじ機能付きエアコンなど、分解の仕方一つとっても、メーカーごとに異なります。自分で行う場合もスタッフを育成する場合も、「苦戦の連続だった」との声も散見されます。
フランチャイズの失敗9）カフェ
カフェは、客単価が低いわりに長時間滞在する業態です。つまり、「儲かりにくい」といえます。加えて、そもそも夜間の集客には適していません。
売上を増やすためには店舗の大型化が必要ですが、つまり初期費用が増え、回収まで長期間要します。
フランチャイズの失敗10）学習塾
オンライン経営も可能で、生徒さえ集められれば運営しやすい学習塾。その失敗談を紹介します。
この方の場合、本部の説明では「生徒40人で採算ライン」という話でしたが、実際には50人でトントンという感じだったとのこと。結局想定通りに採算を合わせることができず、撤退をしています。反省点は、事前に「固定費を確認」「地域の状況をリサーチ」するべきだったということです。
フランチャイズの失敗11）美容室・ネイルサロン
今度は、ネイルサロン失敗の実例。
このオーナーは一度ネイルサロンを廃業しているのですが、その理由の一番が「下手だったから」と言っています。結果として、リピート率が低かったとのこと。
オーナーいわく、「サロン業は、リピート業」だそうです。専門学校卒業後もスキルを磨いてじょうずになることが、リピート率を高める、とおっしゃっています。
フランチャイズの失敗12）エステ・マッサージ・リラクゼーション
エステ業界も競争激化により、低価格化が進んでいます。よそと合わせた低価格にしたため、収益が上がらないケースがあります。
また、施術用機器も100万円単位の価格なので、手持ち資金との相談が必要です。
フランチャイズの失敗13）中古車販売・レンタカー
レンタカー業ですが、一番重要なのは開業場所です。観光客が多く訪れるエリアなどがベターです。
また、車両メンテナンスを考慮する必要があります。車両が定期的にメンテナンスされていないと、安全性に問題が生じます。
フランチャイズの失敗14）保育園
社会貢献の意識が強すぎると失敗するため、ビジネスとしてとらえる必要があります。
また、事業の性格上、役所との付き合いが多く発生します。そこを理解していないと通用しない点が多々あるため、それで経営に失敗した方もいます。
フランチャイズの失敗15）コンビニエンスストア
コンビニの状況については、ご存じの方も多いと思います。以下の問題点があります。
- オーナーに、自分の時間がない
- アルバイトが雇えない
- ロイヤリティの負担が大きく、利益が残らない
- ライバル店の出現により、地域の状況が激変する（場合によっては、同一ブランドの他店が近所に出店する）
フランチャイズに多い失敗原因とその対策は？
失敗例は前述していますが、以下の点についてその対策を説明します。
地域経済や市場ニーズに対応できない
十分な調査と準備をすることです。
フランチャイズビジネスは、事前に準備が必要です。ビジネスモデルの確認や市場調査、開業資金の調達など、細かな準備が必要です。また、フランチャイズ加盟店としての義務や責任を把握し、経営に必要なスキルを身につけることも重要です。
副業として片手間で始めた
そもそも副業には適していません。
フランチャイズビジネスは、副業として始めることができますが、それだけでは経営を成り立たせることが難しいです。副業として始める場合でも、一定の時間や労力を投入し、真剣に経営に取り組む必要があります。
競合他社との競争力不足
競合他社と差別化を図ります。
競合他社との差別化を図り、独自の魅力を持った店舗を作り上げることが重要です。商品やサービスの質を高めることや、特別なイベントを実施することなどが有効な手段です。
人材不足やモチベーション不足
適切な人材を確保し、モチベーションを高めます。
従業員の研修や育成プログラムを提供し、スキルアップの機会を与えることで、やる気を引き出すことができます。（そのようなプログラムを提供してくれるFC本部を選ぶとスムーズでしょう。）
また、フランチャイズ加盟店としてのミッションやビジョンを共有し、従業員とのコミュニケーションを密にすることで、チームワークを高めることも必要です。
フランチャイズで失敗しない・失敗確率を下げるなら、本部選びが大切！
フランチャイズ経営で少しでも失敗確率を下げるために、オーナー自身が知識を深めることが大切です。
しかし、それと同じくらい大切なのが「本部選び」です。
もしフランチャイズ本部が加盟金やロイヤリティのことばかり考えたビジネス設計をしていれば、オーナーがどれだけ考えても高確率で失敗してしまいます。
ぜひ本記事を参考に、オーナーの成功を本気でサポートしてくれるフランチャイズ本部を探してくださいね。
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