アプローチショットにはいくつか種類がありますが、その中でもランニングアプローチは距離感がつかみやすく、初心者にもおすすめです。
今回は、ランニングアプローチのメリットやデメリット、打ち方、練習方法などについて解説していきます。
ランニングアプローチを身に付けることで、グリーンオーバーなどで無駄にしていた1打がなくなり、スコアアップにつながることがあります。ぜひ、普段の練習に取り入れてみてくださいね。
ランニングアプローチとは?
ランニングアプローチは、ボールを少しだけ飛ばした後に大きく転がしてピンに寄せていくアプローチショットです。まずは、その特徴を整理しましょう。
ランニングアプローチのメリット・デメリット
ランニングアプローチのメリットは以下の2つです。
- 距離感がつかみやすい
- ミスショットに強い
ランニングアプローチはパターの延長のように転がすショットなので、距離感がつかみやすいです。
特に、ピンまでの距離が長い場合に使えます。
また、ボールを上げないので、多少トップやダフリがあっても、大きなミスショットにつながりません。
デメリットは以下の2つです。
- ハザード越えのアプローチでは使えない
- 砲台グリーンでは傾斜に負けることがある
ランニングアプローチは、ショット地点からピンまでの間にバンカーなどのハザードがある場合は使えません。
ボールを上げないので、ハザードを超えることができずにハマってしまうためです。
同じように砲台グリーンでは、転がした球が傾斜に負けてしまい、戻ってくることがあります。
グリーン周りの状況によっては、ランニングアプローチが不向きな場合もあるので注意しましょう。
「ピッチショット」「ピッチエンドラン」との違い
アプローチショットの中で、ボールを高く上げてスピンを効かせピンに寄せるアプローチを「ピッチショット」と呼びます。
バンカー超えや砲台グリーンといった難しい状況からピンに近づけるための打ち方ですので、難易度は高めです。
ピッチショットとランニングアプローチの中間が「ピッチエンドラン」です。
ピッチエンドランはショットからボールが空中にある時間と転がる時間が同じくらいの打ち方です。
ランニングアプローチの延長にあるため、習得もしやすくあらゆる場面で使えます。
初心者はまずランニングアプローチを身に付け、徐々にピッチエンドランやピッチショットにチャレンジしていくとよいでしょう。
ランニングアプローチを使う場面
ランニングアプローチはボールを高く上げる必要がないため、ピンまでの間に障害物が無く、グリーンエッジが近くにある場面に適しています。
このような状況でピッチショットやピッチエンドランを使用してしまうと、トップやダフリが発生した際に大幅にショートしたりオーバーする恐れがあるからです。
ランニングアプローチが使える場面では、積極的に使っていきましょう。
ランニングアプローチのクラブ選択と比率
ランニングアプローチで使用されるクラブは、ピッチングウェッジやアプローチウェッジなどのウェッジ系のクラブや、9番アイアンや8番アイアンといったショートアイアンです。
クラブ選択には好みもありますが、クラブによってキャリーとランの比率が違います。
一般的に、ショートアイアンを使ったほうがロフトが立っているためランニングアプローチに向いています。
最初は9番アイアンやピッチングウェッジを使って練習してみましょう。
クラブごとの比率の目安は以下のようになります。
比率(キャリー:ラン) | |
---|---|
9番アイアン | 1:4 |
PW(ピッチングウェッジ) | 1:2 |
AW(アプローチウェッジ) | 1:1 |
SW(サンドウェッジ) | 1:0.5 |
ランニングアプローチの打ち方
それでは、ランニングアプローチの打ち方について、アドレスからスイングまで解説します。
ランニングアプローチを打つときのアドレスは?
ランニングアプローチを打つときは以下の点に注意してアドレスをとりましょう。
- グリップは短めに持つ
- スタンス幅は狭くする
- オープンスタンスに構える
- グリップの位置は左足の太もも内側くらいにする
グリップを短く持ち、スタンス幅を狭く構えると手元と体の位置が近づき、振り抜きづらくなります。
さらにオープンスタンスに構えることで、手元の通り道が作られるため振りやすくなりますので、意識しましょう。
また、グリップの位置を左足の太もも内側くらいに設定することで、ハンドファーストとなり、インパクトの方向が安定します。
ランニングアプローチは、小さく振ること、そして転がす意識と方向性が重要です。アドレスの注意点を意識して、しっかりと構えましょう。
ランニングアプローチのスイングは左足体重で
ランニングアプローチは、スイングの振り幅が小さいため体重移動をほとんどしません。
左足に体重をかけると体の軸が安定し、ブレずにスイングすることができます。
スイング中に軸がブレなければ、ダフリやトップといったミスを軽減することにつながりますので、左足体重を意識しましょう。
ランニングアプローチでやってはいけないこととは?
ランニングアプローチを打つときには以下の点に注意しましょう。
- 手で打ちに行く
- 力加減で距離を調整する
ランニングアプローチは小さな振り幅で打つアプローチショットであるため、手首や腕を使った手打ちになってしまうことがあります。
手打ちになると方向や距離感が安定しないことがあるので、注意しましょう。
また、力加減で距離を調整するのも同様です。スイングの途中で力を緩めたり、入れたりすることはミスショットにつながります。
【参考】ランニングアプローチを打つときのボールの位置は?
ランニングアプローチを打つときは、右足の前にボールを置くのがおすすめです。右寄りに置くことで、ボールが低く出るためよく転がります。
ただし、右に置きすぎるとトップになることがあるので注意しましょう。インサイドから入りすぎるとダフることもあります。
ちなみに、左寄りにボールを置くと高く上がりやすくなります。
ステップゴルフのコースレッスンでは、ランニングアプローチをはじめ、実際のラウンドで直面する課題やお悩みをレッスンプロと一緒に解決していきます。
ランニングアプローチが「難しい」「苦手」な原因は?
すでにランニングアプローチを試したことがあり、その際に難しいと感じた方もいるでしょう。
ランニングアプローチは、転がして寄せるためミスショットに強いですが、下記のような点に注意しないと難しく感じてしまいます。
- ロフト角の大きいクラブを使っている
- 手首を使って打っている
ランニングアプローチは転がして打つという特徴から、ロフトを立ててインパクトしなくてはなりません。
アプローチウェッジやサンドウェッジなどのロフト角が大きいクラブを使うと、意図的にロフトを立てなくてはならないため、難しくなります。
また、振り幅が小さいからといって手首を使って打つことも、ランニングアプローチを難しくする要因の一つです。
小さい振り幅でも、全身を使ったスイングを心がけてみてはいかがでしょうか。
ランニングアプローチのコツ
ランニングアプローチは、注意点を意識しないと難しいと感じてしまうでしょう。
練習する際は、ここで紹介するコツを意識して取り組んでみてくださいね。
振り幅で距離感をつかむ
ランニングアプローチを含むアプローチショットやパッティングなどの、ホールを狙うショットでは、距離感が重要です。
距離感は、振り幅でつかむことが基本となります。
インパクトで力を緩めたり、力を入れたりするとミスショットの原因になるためです。
振り幅で距離感をつかむ際のポイントは、時計の針をイメージすることです。
アドレスの位置を6時として、5-7時、4-8時というように振り幅を決めていきます。
それぞれの振り幅で打てばどのくらいの距離になるかを練習して覚えましょう。
ロフトの立ったクラブを使う
ランニングアプローチは転がして打つため、ある程度ロフトを立ててインパクトする必要があります。
ロフト角の大きいウェッジ系のクラブでは、意図的にロフトを立ててインパクトするため、毎回違う角度でクラブがインパクトしてしまい、ショットが安定しません。
この場合は9番アイアンや8番アイアンなどのロフトが立っているクラブを使うと、常に一定の角度でインパクトできます。
ウェッジ系のクラブでランニングアプローチをしている場合は、ぜひショートアイアンを試してみてください。
手首を使いすぎない
ランニングアプローチに苦手意識を持っている方は、手首を使いすぎていることがあります。
手首を使ったスイングは再現性が低く、ミスショットにつながったり距離感がつかみにくいので、
アプローチショットのように小さな振り幅でも手首を使いすぎないように注意しましょう。
左腕とクラブを一体にする感覚でスイングすることで、手首を使いすぎないスイングが可能になります。
ランニングアプローチの練習方法
具体的なランニングアプローチの練習方法を紹介します。
これまで解説したランニングアプローチのコツや注意点を意識して、普段の練習に取り入れてみてください。
両脇にタオルを挟んでスイングを安定させる練習
1つ目は、両脇にタオルを挟んでスイングする練習です。これは主に手打ちによるダフリの矯正に役立ちます。
両脇にタオルやグローブなどを挟み、落とさないようにアプローチを行います。脇を締めて打つことで、体の回転を使ったスイングとなります。
片足スイングで下半身を安定させる練習
ランニングアプローチは小さなスイングのため、下半身を使いすぎないことが重要です。
手打ちにならないことを意識しすぎて、下半身が左右に動いてしまうとダフリやトップにつながります。
下半身の使いすぎを矯正するためには、片足でのスイングを行いましょう。
全体重を左足にかけるか、左足1本で立ってアプローチを打ちます。これにより下半身が安定し、左右にブレずにスイングする感覚を身につけられます。
手首を使ったスイングを防止する練習
ランニングアプローチで手首を使いすぎてしまう人は、グリップにタオルを巻いてアプローチを行うことが有効です。
タオルを巻いたグリップは太く、手首を使ってスイングすることができないため、体幹を使ったスイングになります。
この練習は、アプローチだけでなくフルショットでも全身を使ったスイングができるようになるので、おすすめです。
ランニングアプローチをマスターしたいならゴルフレッスンへ!
ランニングアプローチはミスショットに強いため、初心者こそ覚えておきたいアプローチショットです。
しかし、転がす感覚を覚えることや小さな振り幅で手打ちにならないようにすることなど、多少コツのいる打ち方でもあります。
そのため、独学で身に付けようとすると時間がかかってしまうのこともありますよね。
そこでおすすめしたいのが、ゴルフレッスンです。
ゴルフレッスンでは、専門のコーチにランニングアプローチの打ち方を指導してもらえるので、間違ったやり方で覚えたり、なかなか上達しないといったリスクを避けられるでしょう。
正しいランニングアプローチの打ち方を学ぶことで、ゴルフがもっと楽しくなると思いますよ。