バックスイングは、クラブを後ろに振り上げる動作で、ゴルフのスイングの中でも特に重要な部分です。
間違った上げ方をすると飛距離が落ち、狙った方向に飛ばないことも……。
この記事では、ゴルフ初心者向けにバックスイングの基礎知識や上げ方、よくある悩みとその解決方法などを解説します。
バックスイングについてしっかり学び、ゴルフ上達を目指しましょう。

ゴルフのバックスイングとは?
ゴルフのバックスイングとは、クラブを後ろに引いて振り上げる動作です。
正しいバックスイングができると、以下のようなメリットがあります。
- スイングのリズムが安定する
- フォームが整い、かっこよくなる
- 全身の力が伝わるため、飛距離が伸びる
- ショットが安定し、ミスが減る
- 狙った方向にボールを出しやすくなる
逆に、バックスイングがうまくいかないと、以下のような事態につながりやすくなります。
- スイングが安定しない
- フォームが汚く見える
- 力が分散し飛距離が出ない
- ショットが不安定になり、ミスが増える
- 狙った方向にボールが飛ばない
正しいバックスイングを身につけることは、ゴルフ上達・スコアアップにもつながるため、ゴルフ初心者は意識して練習したほうがよいでしょう。
また、バックスイングと似た言葉に、「テイクバック」という言葉があります。テイクバックは、バックスイングを開始する最初の動作です。どこまでがテイクバックで、どこからがバックスイングかは厳密には決められていません。
本記事では、バックスイングの始動をテイクバックとして解説していきます。
ゴルフのスイングの始動にあたるテイクバック。初心者ゴルファーの中には、テイクバックの動かし方に悩んでいる人も多いはず。正しいテイクバックは、正しいスイングにつながるため、ゴルフの上達には欠かせない要素だといえるでしょう。この[…]
ゴルフのバックスイングの上げ方
バックスイングを身につけるためには、まず正しいバックスイングの上げ方を知る必要があります。
ここでは、バックスイングの始動や右腕、左膝の使い方など、バックスイングの上げ方の基本を解説します。正しく上げるためのコツや注意点なども紹介するので、要チェックです。
どこから始動する?
バックスイングの始動であるテイクバック。ゴルフ初心者はどこから動かしはじめたらよいのか悩む人も多いでしょう。
プロゴルファーの吉田一尊選手は、「体→腕→クラブ」の順番で動かすことを理想としています。
手首を使って先にヘッドを動かすと、ダウンスイングでもヘッドが先に動いてしまい、飛距離が出せず、ボールも曲がりやすくなってしまうからです。
同じくプロゴルファーの藤田寛之選手も同じように、体が先に動いてクラブがついてくるイメージで始動させています。
いずれにしても、「右腰がリードする」「右肩で引っ張る」「左肩で押し上げる」など、体が先行して動いていれば正解です。バックスイングの始動は「クラブよりも体が先に動く」ことを意識しましょう。
右手で引く(引っ張る)のが正解?
バックスイングでは右手をうまく使わないと、手首をこねてクラブを上げる形となりスイングが安定しません。手首はなるべく使わずに、右手を引く動きでクラブを振り上げましょう。
レッスンプロである菅原大地プロは、右手の引く動作と左手の押す動作が重要だと述べています。
バックスイングの始動では、右手を体のほうへ引き、左手を地面に向かって押す「押し弾きの力」によってクラブを上げていくことが基本です。
岩本肇コーチも同様に、左手で押しながら右手を引く感覚でスイングすることで、体の回転に沿ってヘッドを加速させられると解説しています。
右手で引く動作と、左手で押す動作を同時に行うことを意識してスイングしましょう。
右肘は曲げない?
プロゴルファーのスイングを見ると、ほとんどの選手がトップの位置で右肘を曲げています。
では、どのタイミングでどのくらい曲げればよいのでしょうか?
福田慈英コーチは、どこかのタイミングで意図的に右肘を曲げるのではなく、アドレスで作った肩と両手の三角形を保つイメージでクラブを上げていくと自然に曲がっていくと述べています。実際に複数のプロゴルファーのスイングを観察すると、選手によって右肘を曲げるタイミングが異なっていることがわかります。
人によって柔軟性や体格が異なるため、右肘が自然に曲がるタイミングも異なるのです。
一方で、右肘を曲げないイメージを持つことが大事だと言われる場合もあります。
開人コーチは、手と胸の距離が遠くにあるように意識することで、ヘッドスピードが上がっていくと解説しており、右肘は伸ばすイメージで振ることを推奨しています(実際はスイングの最中に自然と曲がる)。
右肘は、意識しなくても自然と曲がるようにスイングすればよさそうですね。
フェースの向きは?
バックスイングでのフェースの向きは、インパクト時のフェースの向きにも影響するため、正しい向きで上げることが必要です。
バックスイングでフェースが閉じると左に、開いていると右に飛び出してしまうでしょう。
プロゴルファーの佐藤信人選手は、バックスイングのフェースは、地面とクラブが平行になったタイミングで、垂直か背骨と同じ角度がベストと解説しています。
バックスイングでフェースを閉じたり開いたりすると、ダウンスイングで「戻す作業」が必要となるため、ゴルフ初心者にとって難しい動作となるでしょう。そのため、フェースはなるべく変えないことが基本です。
めいいっぱい力を入れてスイングすると打球は右へそれてOB…スライスしないようにスイングしたら、ボールはまっすぐ左の林へ…こんな状態になると、どうやってスイングしたらいいかわからなくなりますよね。そんな人はフェースが開いてスイ[…]
上げる方向は?縦?それとも遠くに上げる?
ゴルフ初心者の悩みで多いのは、バックスイングを上げる方向です。
縦に上げたらよいのか、まっすぐ後ろに引いたらよいのかなど、考えるほど悩みが深くなってしまうことも……。
プロゴルファーの平野茂選手は、グリップを基準にしてクラブを上げる方向を決めています。具体的には、「左手親指方向」です。
スイングは、右から左に向かうイメージで右方向に上げてしまう人も多いですが、右に上げるとフェースが開くためスライスの原因になります。
正しい方向に上げられているかは、クラブが地面と水平になったタイミングからアドレスの位置に戻せるかをチェックするとわかります。元の位置にフェース面をスクエアな状態で正しく戻せば、正しくクラブを上げることができます。
バックスイングを上げる方向に迷ったら、グリップを基準にして考えましょう。
左膝は内側に入ってOK?
クラブを上げていくと、左膝が曲がって内側に入っていく動きとなりますが、この動きが正しいのかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
レッスンプロの安田泰道プロは、ゴルフのスイングは左膝の動きが重要だと語っています。
バックスイングの際に左膝を右足に向かって曲げることで、腰の回転量が増えてタメを作ることができます。
ただしこのとき、左膝が前に出すぎる動きにならないように注意しましょう。左膝が前に出るように曲げると、クラブがアウトサイドに上がってしまい、スイングはカット軌道になるため飛距離も出せません。腰を回転させるために、左膝は内側へ曲げるように意識しましょう。
手首の角度は?コックはどこで入れたらいい?
狙った方向に球が飛ばないのは、バックスイングの手首の角度が原因かもしれません。
「手首の角度」といっても、大きく3つに分かれます。
- クラブを立てるような縦方向の角度
- 立てたクラブを左右に振るような横方向の角度
- クラブのフェースを開閉するような水平方向の角度
プロゴルファーの青山加織選手は、正しい軌道でバックスイングを上げると、トップの位置でクラブの重みによって自然と縦方向にコックが入ると解説しています。
このとき、水平方向に手首を折らずに腕と手首がまっすぐになることが理想です。トップの位置で手首が水平方向に折れていると、フェースが閉じたり開いたりしてしまうため、打ち出し方向が安定しません。
バックスイングでは、特に水平方向の角度に注意して上げるようにしましょう。
ゴルフスイングの基礎は、会員数・店舗数実績国内ナンバーワンのステップゴルフで身に付けよう◎
バックスイング〜ダウンスイングの軌道はどうなる?
バックスイングとダウンスイングは、同じ軌道をたどるようなイメージをよく持たれます。
しかし実際の軌道は異なるのが基本です。
プロゴルファーのスイングを観察してみると、バックスイングよりもダウンスイングのほうが低い軌道(やや横振り)となっていることがわかるでしょう。ダウンスイングがバックスイングよりも低くなることで、クラブがインサイドから入る軌道となり、しっかり球を捕まえることができます。
ゴルフ初心者は、バックスイングとダウンスイングの軌道を逆にしがちです。バックスイングでインサイドに引き、ダウンスイングでは上から叩くように打つ動作が原因といえるでしょう。
ダウンスイングとバックスイングが同じ軌道になったり、バックスイングよりも外側に沿った軌道になったりすると、カット軌道となりスライスしてしまいます。
スライスの改善に困っている方は、バックスイングとダウンスイングの軌道を見直してみてくださいね。
ゴルフのバックスイングでよくある悩み
バックスイングのポイントは多岐にわたるため、悩みのポイントも人それぞれです。
ここでは、バックスイングについてよくある悩みとその解決方法を紹介します。
「テイクバックがわからなくなった」
テイクバックの上げ方がしっくりこなくて、どう上げたらよいかわからなくなってしまうことがあります。
テイクバックの悩みポイントは「始動」と「上げる方向」に多いでしょう。
テイクバックで悩んだときの解決方法は「右肘を少し引く」動作です。右肘を少し引くことで、どちらの悩みも解決できます。
アドレスをとったら、右肘を少しだけ体のほうへ引きましょう。すると、肘の動きに合わせて肩・腕・クラブが自然と動き、そのままクラブを上げていけば、正しい軌道でバックスイングできます。
「トップで腕が上がらない」
体を回転させているのに腕が上がらないときは、手元の動きに原因があります。
テイクバックでインサイドに引きすぎていたり、胸より下でクラブを操作したりするとトップで腕が上がらず、スイングが小さくなってしまいます。
これを解決するには、クラブを一度体の正面に大きく振り上げてから腰を回転させる動きが効果的です。すると、腕がしっかり上がったトップを作り出すことができます。
手元を体に寄せすぎず、遠くに上げるイメージでバックスイングしましょう。
「アウトに上げすぎる」
バックスイングがアウトに上がりすぎるのは、手で上げていることが原因です。バックスイングは、体から動かすことを意識しましょう。
この悩みを解決するには、ペットボトルを使った練習がおすすめです。
ペットボトルを、クラブの右側(クラブを上げる方向)に置き、バックスイングでまっすぐ後ろに飛ばすように動かしたとき、ペットボトルがまっすぐ動けば正解です。
外側や内側に転がってしまう場合は、軌道がズレています。
水を入れて重さのあるペットボトルを使用すると手上げの防止にもなるので、ぜひ試してみてくださいね。
「頭が沈む、前に出る」
ボールを打ち込む意識の強い人は、バックスイングで頭が前に出てしまうことがあります。
頭が沈み込んだり前に出たりすると、インパクトの最下点がズレてダフリやトップの原因にもなるでしょう。
バックスイングで頭の位置がズレる人は、壁を使った練習がおすすめです。クラブを持たずに壁の前でアドレスを取り、そのままバックスイングしてみてください。頭が沈みこんで前に出る人は、頭が壁にぶつかってしまうでしょう。
【参考】沈み込む(しゃがむ)のはむしろプラス?
バックスイングで沈み込む(しゃがむ動き)のは、飛距離を伸ばす上でプラスになります。
体が伸び上がる動きを防ぎ、地面の力を使ってスイングできるので、飛距離も伸ばせるでしょう。
トップで沈み込み、インパクトで伸ばす動きをすると、クラブの遠心力が高まりヘッドスピードも上がります。
安定してヘッドスピードを上げたい方は、ブランコを漕ぐイメージで屈伸運動を意識したスイングを試してみてください。
バックスイングの練習・上達ならステップゴルフがおすすめ◎
正しいバックスイングを身につけると、飛距離アップやショットの安定といったメリットが生まれるので、ゴルフの上達につながります。
しかし、バックスイングでは腕や体の動かし方、クラブの軌道など意識するべきポイントが多岐にわたるため、ゴルフ初心者が独学で身につけることは難しいかもしれません。
効率よく、最短で上達したい方はインドアゴルフスクールに通い始めてはいかがでしょうか。
店舗数・累計会員数業界No.1のステップゴルフでは、一人ひとりの課題に合わせたオーダーメイドの個人カルテを作成し、ゴルフが確実に上達できるようサポートしています。
駅チカで駐車場完備のスクールもあるため、通いやすいのも嬉しいポイント。
まずはお近くの店舗で無料体験レッスンから申し込めるので、ぜひ検討してみてくださいね。