ゴルフのスイングは、バックスイング・ダウンスイング・インパクト・フォロースルーの4つの動作から構成されています。その中で最も重要なのが、トップから切り返してボールにあてるダウンスイングでしょう。
この記事では、正しくダウンスイングをするコツや体の細かい使い方について解説します。イメージがしやすいよう具体的に説明するので、ゴルフ初心者でもすぐに実践できるでしょう。
ダウンスイング=トップからクラブを真下に下ろすこと?
ダウンスイングとは、スイングの動作のうち、トップから切り返してインパクトするまでを指します。
飛距離や弾道、方向性に大きな影響を与える動きなので、とても重要な動きです。ダウンスイングによってショットの良し悪しが決まるといっても過言ではありません。
そのため、正しいダウンスイングの動きをマスターすることで、ゴルフがぐんと上達するでしょう。
正しいダウンスイングとは、トップから切り返しの場面で下半身から始動し、腕は体に巻き付くように下ろすスイングです。
そのためには、切り返しの場面でトップからクラブを真下に下ろすイメージを持つことが大切。人によっては「右肘を下に落とす」とか「クラブを落下させる」という表現をしますが、伝えたいことは同じです。
理想は「体の沈み込み」がわかること?
体の沈み込みとは、ダウンスイングの始動時において、左足を踏み込むことで自然に起こる現象です。沈み込みをすることによって地面からの反発力を使えるので、より強い打球を打つことができます。
ただし、沈み込みは自然に起こるもので、無理やり起こすものではありません。無理やり沈み込もうとすると、ダフリやミスショットの原因となる可能性があるので注意しましょう。
理想的なダウンスイングとは、始動の瞬間に、無意識で体の沈み込みが起こるスイングです。
ダウンスイング始動のきっかけはどこ?
ゴルフを人から教わるとき、「AさんとBさんで言っていることが違う!」という経験をしたことがある方も多いはず。
これは、感覚の違いによるものです。Aさんは腕の使い方を意識することでうまくスイングできる人である一方、Bさんは下半身や腰といった腕以外の使い方を意識することで、うまくスイングできるタイプであることから、両者の主張が食い違うのです。
この章では、諸説あるダウンスイングの始動のきっかけについて解説します。それぞれの特徴を理解し、自分の感覚にあった始動のきっかけをつかみましょう。
「ダウンスイングは手から始動」
ダウンスイングの始動では、クラブを真下に下ろす感覚が重要です。
始動の瞬間は左腕を伸ばしたまま、右肘を下に落とすイメージを持ちましょう。右脇がギュッと締まる感覚でもよいかもしれません。始動のときに右肘を下に落とせば、その後のダウンスイングでインサイドからクラブが振り下ろせるようになります。
このとき、始動から腕を使って打つと手打ちとなり、飛距離が伸びないスイングとなるので注意してくださいね。
「ダウンスイングは右足から始動」
ダウンスイングを右足から始動させるときのポイントは、右膝を左方向へ入れるイメージです。そうすることでスムーズに体重が移動し、インパクトにかけて右膝は目標方向へ向くようになります。右足がスムーズに連動することによって、インパクト時の蹴り上げる力も強くなるので、飛距離も伸びます。
飛距離を求める人や右足の感覚が強い人は、右膝から始動するイメージでスイングしてみましょう。
「ダウンスイングは左足から始動」
ダウンスイングの基本は、左足からの始動です。トップから切り返す瞬間、左足をグッと踏み込んで始動させましょう。
そうすることでスイングに「間」ができ、全身を使ったスイングがしやすくなります。
【体の部位ごとに解説】ダウンスイングのコツ・クラブの振り下ろし方
この章では、ダウンスイング時の体の使い方について解説します。
スイング中の細かい動きなので意識しにくいと思いますが、わかりやすく解説するので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
腕全体の動き・下ろし方は?
ダウンスイング時の腕全体の動きは、体に巻き付くように振り下ろされるのが理想的です。始動の瞬間で左腕は伸び、右肘からクラブにかけてはそのまま真下に下ろすイメージです。
振り下ろす場面では、体の回転に合わせて徐々に右腕が伸びていき、フォロースルーの場面で両腕が伸びるのが理想的です。
右肘を伸ばすタイミングは?
右肘はフォロースルーのタイミングで目一杯、伸ばしましょう。そのためにはインパクトの瞬間、右の手のひらをボールにしっかり押し込むイメージを持つことが重要です。
ダウンスイング時に右手でしっかりと押し込むイメージを持てば、フォロースルーのときには自然と右肘が伸びるでしょう。
ダウンスイング中の手首の使い方は?
ダウンスイング中は、トップの場面で作った手首のコックをキープしましょう。
インパクト直前までコックをキープして、インパクトからフォロースルーにかけてコックを開放させるイメージです。そうすることによって、右手でしっかりとボールを押し込みやすくなります。
左手は引っ張る?
ダウンスイングを左手でリードすることで、右手をスムーズに使えるようになります。
右手や右肘の動きがうまくできない人は、左手を意識してダウンスイングをしてみましょう。
右肩は下げる?
ダウンスイング時に、右肩が下がる動きはNGです。スイング中、肩は水平に動かすことが鉄則。右肩が下がるとざまざまなミスショットの原因になります。
うまい人のスイングを見ると右肩が下がっているように見えますが、アドレスで作った前傾姿勢を軸に両肩が回っているので、実際には水平に動いています。
ダウンスイング時でも、肩は水平に動かしましょう。
左膝は伸ばす?
ダウンスイングからインパクトにかけて左膝を伸ばすことで、ヘッドスピードが上がり、飛距離が伸びやすくなります。
ダウンスイング時の始動で自然と沈み込みができている人は、左膝を伸ばしながらインパクトしましょう。
ただし、左膝を伸ばすイメージが強すぎると上半身まで伸び上がり、トップや空振りといったミスショットが起こりやすくなります。左膝は違和感のないフィニッシュがとれる範囲で伸ばし、その状態でインパクトしましょう。
意識するポイントが多いダウンスイング。教えるプロであるゴルフインストラクターに見てもらったほうが早く上達できるはず!
ダウンスイングでグリップエンドの方向はどこが正しい?
グリップエンドを意識してスイングすることで、正しいダウンスイングができることもあります。ただし、ダウンスイングではグリップエンドの向きが目まぐるしく変わるので、シンプルにイメージすることが重要です。
ダウンスイング中、グリップエンドを意識する場合はまず、切り返しの瞬間にグリップエンドを目標方向とは反対側に向けましょう。そして、振り下ろす際はグリップエンドをボールにぶつけるイメージでスイングしましょう。
このようなイメージでスイングすることによって、クラブがインサイドから下りてきやすくなります。
体に加えて、グリップエンドも意識して練習すれば、さらに正しいダウンスイングの動きが身につきやすくなりますよ。
クラブによってダウンスイングに違いはある?
基本的に、ドライバーもアイアンもダウンスイングに違いはありません。しかし、少し意識を変えるだけで、よりスムーズに打てるようになります。
この章では、クラブごとのダウンスイングのコツを紹介します。
ドライバーは踏み込みを意識すればOK
ドライバーを大きくゆったりとスイングするポイントは、切り返しの場面での踏み込みを意識すること。切り返しから始動の瞬間、左足をしっかり踏み込めばスイングに「間」が生まれ、全身を大きく使ったスイングになりやすいからです。
ドライバーやティーショットで大きくスイングしたいときには、ダウンスイングの始動の瞬間、左足をしっかりと踏み込むイメージを持ってスイングしてみましょう。
アイアンはハンドファースト、ドライバーはハンドレイト
ドライバーもアイアン同様に、ハンドファーストに構える人は意外と多くいます。
しかし、ドライバーをハンドファーストでアドレスしてしまうと、どれだけいいダウンスイングができてもインパクトの瞬間にはフェースが開いてしまい、スライスの原因になってしまいます。
ドライバーを構えるときは、ヘッドがグリップより目標方向に飛び出している状態でアドレスしましょう。この状態をハンドレイトといい、ハンドレイトができていれば、正しい軌道でドライバーがスイングできるようになります。
ダウンスイングの習得なら、インドアゴルフがおすすめ◎
ダウンスイングは、スイングの中でも最も重要な動作です。ダウンスイングがうまくできれば、ボールに強い力を伝えることができ、ミスショットも低下します。
正しいダウンスイングを手に入れて、さらなるスコアアップを目指しましょう。
正しいダウンスイングを確実に、早く身につけたいなら、インドアゴルフでの練習がおすすめです。
インドアゴルフでは、ビデオやセンサーなどを搭載したゴルフシミュレーターなど最新の機器を使って、ダウンスイングの動きを客観的に確認することができます。
さらに、経験方法で教えることに長けているゴルフインストラクターからレッスンが受けられるので、自分では気づかないクセや問題点も指摘してもらえます。
ダウンスイングは、自分では感覚がつかみにくい動作です。自分だけで身につけるのが難しいと感じたら、インドアゴルフやゴルフスクールのレッスンに足を運んでみてはいかがでしょうか。