ゴルフには、「フォロー」や「アゲンスト」といった、風に関する用語があります。
ゴルフの風は、ショットやスコアに大きく関わるため、言葉の意味やプレーへの影響を知っておくことが大切です。
この記事では、フォローやアゲンストの意味や使い方、風速ごとの飛距離への影響について解説します。
コースでの風の読み方や、風に負けないショットの打ち方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ゴルフでの風の言い方(呼び方)
ゴルフでは、「フォロー」や「アゲンスト」という言葉をよく耳にします。
これらはゴルフにおいてたびたび使われる風にまつわる用語。プレー中に頻繁に出てくる言葉なので、知らずにいると恥をかいてしまうかもしれません。
そうならないためにも、風にまつわる用語を覚え、使い方についてもしっかり理解しておきましょう。
ここでは、ゴルフでの風の呼び方と、実際にどんな使われ方をするのか解説します。
「フォロー」とは
フォローとは、ゴルフで「追い風」のことをさす言葉です。
打ちたい方向に向かって追い風が吹いているときに、口語で「フォロってる」と使うゴルファーもいます。
フォローのなかで打つと、風の影響で普段より飛距離が伸びるため、ゴルファーの味方になるケースが多いといえます。
しかし、飛びすぎてグリーンオーバーや、バンカーなどの障害物に入ることもあり、かえってスコアを落としてしまう原因にもなるので、フォローの具合をみながら、打つ力を調整することが大切です。
「アゲンスト」とは
アゲンストとは、ゴルフで「向かい風」を意味する言葉です。
目標方向に対して向かい風が吹いているときに、「アゲている」という表現で使われます。
アゲンストでは、普段より飛距離が落ちるため、多くのゴルファーはネガティブなイメージで使います。
フォローやアゲンストは、ゴルファーとして知っておきたい用語なので、意味と使い方をマスターしておきましょう。
ゴルフにおける風の影響は
風の強さは、ゴルフにどのような影響を及ぼすのでしょうか。
ショットしたボールは、空気抵抗を受けながら飛んでいくので、風の強さや向きによって、飛距離や飛んでいく方向に大きく影響します。
以下の表は、気象庁が発表している風力階級ごとの様子です。
風速(m/s) | 陸上の様子 |
---|---|
0.3未満 | 静穏、煙がまっすぐ上昇 |
0.3〜1.5 | 煙がなびく |
1.6〜3.3 | 顔に風を感じる。木の葉がゆれる |
3.4〜5.4 | 木の葉や細い枝がたえず動く。旗がはためく |
5.5〜7.9 | 砂ほこりが立ち、紙片が舞う。小枝が動く |
8.0〜10.7 | 葉の茂った樹木がゆれ、水面に波頭が立つ |
10.8〜13.8 | 大枝が動く。傘の使用が困難になる |
13.9〜17.1 | 樹木全体がゆれる。風に向かって歩けない |
(出典:「風力階級」|気象庁)
ショットの弾道にもよりますが、風速1〜2m/s以下の場合、ゴルフでの風の影響はほぼないといえるでしょう。
風速3m/sあたりから風の影響が出始め、風速5m/sを超えてくると、飛距離や方向性への影響が顕著に現れます。
木の枝や草が大きく揺れているときは、ボールが受ける風の影響を考慮しなければ、スコアメイクを崩す原因となります。
では、風の影響で飛距離はどの程度変化するのでしょうか。フォローとアゲンスト、両方の場合における風速ごとの飛距離の変化について説明します。
フォローでの飛距離の目安
フォロー(追い風)の場合、風速2m/sまでの風の影響は弱く、飛距離への影響はほとんどないといえます。
風速3m/sのときは、弾道の高さによっては、5ヤードほど飛距離が伸びることがあります。
ただ、5ヤード前後の飛距離差は、ショットの誤差によっても変わる範囲なので、風よりもショット精度の影響のほうが大きくなることも。
風速5m/sのフォロー時は、飛距離が約10ヤード前後伸びる傾向にあります。
10ヤードも飛距離が変われば、狙い目やピンポジションによって、クラブの番手を変えることも考慮する必要があるでしょう。
風速10m/sともなれば、フォローでは20ヤード以上飛距離が伸びることがあります。
いつもの感覚で打つと、手前に落とすつもりがバンカーや池に届いてしまったり、グリーンを大きくオーバーしたりすることも考えられます。
フォロー時は飛距離が伸びるため、飛びすぎてしまうおそれがありますが、番手を下げたやさしいクラブを使えるというメリットもあります。
フォローをうまく活用できれば、スコアメイクが有利になるといえるでしょう。
アゲンストでの飛距離の目安
アゲンスト(向かい風)では、飛距離への影響がフォローよりも大きくなることが多いので注意しましょう。
風速2m/sまでは、フォロー時同様、さほど飛距離に影響は出ませんが、ボールが高く上がるアイアンショットなどでは、数ヤード飛距離が落ちることがあります。
風速3m/sのときは、普段より5ヤード程度飛距離が落ちることが多くなります。
ショットの精度にもよりますが、グリーンオンを狙うなど、高いロブショットをする際は注意が必要です。
風速5m/sでのアゲンストでは、15ヤード前後飛距離が落ちると考えておきましょう。ボールの滞空時間が長ければ、ボールが受ける風の影響も大きくなるので、打ち下ろしなどでは20ヤード近く飛距離が落ちることもあります。
さらに、風速10m/sのアゲンストでは、30ヤード以上、状況によっては40ヤードほど飛距離が落ちることも珍しくありません。
これほど飛距離に差が出ると、クラブを2〜3番手ほど上げなければ目標に届かないショットになってしまいます。
上記のことから、フォローよりもアゲンストのほうが、風が飛距離に与える影響が大きいことが分かります。
アゲンストでは、飛距離を稼げるフォローとは反対に、普段より番手を上げたクラブ選択が必要になるため、スコアメイクが難しくなります。
アゲンスト時の飛距離への影響を把握しておくことが、スコアを落とさないためのポイントです。
横風は方向性に影響する
ゴルフでは、横へ流れる風の影響にも注意が必要です。
ターゲットへまっすぐ打ったつもりが、横風で流され、目標から外れた場所へボールが落ちてしまうことが多々あります。
風速5m/sの横風では、5〜10ヤードほど流されることが多いです。たった数ヤードのズレで、ワンペナやバンカーなど、スコアメイクにおいて不利な状況になるかもしれません。
このような事態を避けるためには、風の強さだけでなく、吹いている方向も計算に入れてショットする必要があります。
また、横風への対応は、ショットの弾道がフェードなのかドローなのか見極めることも重要です。
右への横風のときにフェードボールを打ってしまうと、予想以上に右へ曲がってしまいます。逆に左への横風のときにドローボールが出れば、左へ曲がりすぎてしまうことに。
左右のどちらから風が吹いているのかを見極め、自分の弾道も考慮することが大切です。
横風が吹いているときは、ボールが流されることを想定したうえで、ターゲットラインを調整しましょう。
風速15m/sを超える風はプレーが困難な場合も
風速が15m/sを超える風は、まともにプレーできないほどの強風です。
風に向かって歩きにくくなり、場合によっては転倒するおそれもあります。木の枝が落ちてくることも多く、グリーン上のボールが勝手に動いてしまうかもしれません。
風で飛ばされた障害物がぶつかる危険もあるので、プレーできるかどうかの判断は慎重におこないましょう。
また、ゴルフコース内や併設の練習場には、ボールが場外へ飛ぶのを防ぐための防護ネットが設置されています。
強風時は、これらの設備が倒壊するおそれもあるので注意が必要です。支柱などの建造物はめったに倒れることはありませんが、防護ネットに使われているワイヤーは切れてしまうことが多いので注意しましょう。
瞬間風速が15〜18m/sを超えると、自動的にネットが下がるよう設定しているコースもあります。
ネットが下がっているときは、要注意。たとえゴルフ場がプレー中止を宣言しなくとも、危険と感じたらプレーを中止する判断が必要です。
雨や夏の暑さなど、自然環境に左右されずにじっくりゴルフの練習をしたい方には、インドアゴルフスクールがおすすめです。
ゴルフコースでの風の読み方
ゴルフは風の影響を大きく受けるスポーツのため、正確に風を読むことがスコアアップのカギです。
ここでは、ゴルフのコース内で、風の強さや向きを読む方法を紹介します。
- 木や草花の動きをみる
- ピンフラッグや旗竿の動きをみる
- コースの地形や場所で予想する
それぞれ順に解説します。
木や草花の動きをみる
コース内で風を読むのにもっとも効果的な方法は、周りの木や草花の揺れ具合を見ることです。
先の風力階級で記載したとおり、木の葉が揺れていれば風速3m/s前後、木の枝や葉が常に動いていれば風速5m/s前後と、ある程度の風の強さが予想できます。
枝先だけが揺れているのか、木全体が大きく揺れているのか、注目してください。
また、揺れている方向を見れば、どちらから風が吹いているのかも判断できます。
風の流れが分かりづらいときは、地面の芝をむしって、パラパラと散らしてみるのもおすすめ。これはプロもおこなう手法なので、ぜひ試してみてください。
ゴルフコースは自然の中にあるので、木や草がまったくないということはないはずです。身近にある植物の様子を見れば、風の状態をある程度予測できるでしょう。
ピンフラッグや旗竿の動きをみる
カップに立っているピンフラッグや旗竿の動きも、風を読むのに役立ちます。
ピンフラッグがバタついていたら、風速3m/s以上の強さであることが予測できます。
また、フラッグだけでなく、旗竿自体も大きく揺れていたら、風速は5m/sを超えているでしょう。
ピンフラッグは目立つ色になっていることが多いので、揺れ具合も見やすいはずです。
ピンが見える位置にいるときは、フラッグと旗竿の動きに注目して風を読みましょう。
ミドルホールやロングホールでは、吹き流しの動きも目安になるので、ピンフラッグの代わりとして活用してください。
コースの地形や場所で予想する
風の強さは、コースの地形や場所である程度予想することもできます。
ゴルフコースは、周りに高い建物などの障害物がなく、開けた場所にあることが多いので、市街地よりも風を受けやすいです。
特に、海沿いなどのシーサイドコースは、平均風速が速くなる傾向に。
瞬間的に強い風が吹くこともあるので、コース形状を把握しておくとよいでしょう。
さらに、同じコース内でも、高度の高い場所では風が強くなりやすいです。地上から離れるにつれて風も強くなり、ボールの受ける影響も大きくなります。
また、冬は夏に比べて風が強く吹きやすい季節です。
関東の場合は、特に2月〜4月にかけて強風が吹きやすいので、これらの時期にプレーする際は、より風の影響を考慮する必要があるでしょう。
風に強い球を打つ方法
風に負けない強い球を打つためには、いくつかのポイントがあります。
まずは、適切な番手のクラブを使うことです。
ゴルフの風にまつわる言葉に、「2クラブアゲインスト」「1クラブフォロー」があります。これは、風の影響を考慮したクラブ選択の目安となるものです。
風速がおよそ5m/s前後のときに、アゲンストの場合は2クラブ大きい番手を、フォローのときは1クラブ小さい番手を使うのが目安になります。
風の強さに応じて適切なクラブを使うことが、スコアメイクを有利にするための重要なポイントです。
そして、ショットの際は弾道の高さに注意。
ボールは、高く上がるほど風の影響を受けやすくなります。強いアゲンストのときは、ボールが高くなるほど飛距離が落ちてしまうので、弾道が低くなるようなショットが有効です。
ドライバーの場合は、ティーアップを低めにセッティングすると、弾道が低くなりやすいので試してみてください。
アイアンの場合は、ボールを右足寄りに置くと、弾道の高さを抑えやすくなります。
逆に、フォローの風を活かして飛距離を伸ばしたい場合は、やや左足よりにボールを置いて、高い弾道のショットを打つとよいでしょう。
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ゴルフにおいてフォローやアゲンストとは、風の流れを指す言葉です。スコアメイクを崩さないためにも、プレー中はこれら風の強さと方向を読み、適切なクラブを選択することが重要です。
しかし、風の読みに慣れないうちは、飛距離のコントロールなどに苦労するかもしれません。そもそもショットの精度が安定していなければ、風を計算してクラブを選んだとしても、狙った飛距離が出せないこともあるでしょう。
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