アプローチのお助けクラブである「チッパー」は、アプローチに苦手意識のある初心者ゴルファーにおすすめのクラブです。
一方で、初心者向けというイメージから「ダサい」「ずるい」といった否定的な意見を耳にしたことがある方もいるでしょう。
この記事では、チッパーの特徴やメリット・デメリット、チッパーに対する意見などをまとめて紹介します。
選び方や打ち方も解説しているので、チッパーの利用を検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
チッパーとは?
「チッパー」とは、グリーン周りのアプローチショットで使用するクラブです。
転がして寄せる、「チップショット」をするためのクラブなので「チッパー」と呼ばれます。
チッパーはパターのように使えるので、ダフリやトップのプレッシャーがなく、初心者でも扱いやすいクラブです。
チッパーは「パター型」「ウェッジ型」の2種類
チッパーには主に「パター型」と「ウェッジ型」の2つのタイプがあります。
パター型のチッパーは、その名のとおりパターのような形状をしており、パター感覚でアプローチできるのが特徴です。パターが得意な方は、パター型のチッパーが使いやすいでしょう。
ウェッジ型のチッパーは、正面から見るとウェッジのような形をしています。
通常のウェッジよりもソールが幅広く作られており、地面に突き刺さってしまう「ざっくり」を防げるのが特徴です。
それぞれに特徴があるので、自分に合ったチッパーを探しましょう。
チッパーとウェッジはどう違う?
チッパーとウェッジは、アプローチショットで使うという点では同じです。2つの違いは以下のとおり。
ウェッジ | ・主に、100ヤード以内のショットで使われる ・バンカーショットでも使える ・砲台グリーンやバンカー越えなど、球を上げる場面で使われる |
チッパー | ・主に、5〜15ヤード程度のショットで使われる ・バンカーショットでは使えない ・転がして寄せることが可能な場面で使われる |
チッパーはグリーンエッジ付近など、近距離から転がす場面で使われます。
対してウェッジは、100ヤード以内の中距離からのショットやバンカーショット、砲台グリーンなどの球を上げる必要がある場面で使われるクラブです。
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チッパーのロフト角のポイント
チッパーのロフト角は、35度・45度・55度の3種類を中心に展開されています。
ロフト角が大きいほど球が上がりやすく、小さいほど球が転がりやすくなるので、自分に合ったロフト角のものを選びましょう。
チッパーの特徴を活かした「転がるアプローチ」で寄せたい方は、35度程度のチッパーがおすすめです。
チッパーは競技で使えるか否か
チッパーは、競技においてルール適合クラブとして認められています。そのため、一般的に市販されているほとんどのチッパーは競技でも使用可能です。
一方で、過去にはルールに適合しないチッパーも存在しました。
チッパーは、ルール上アイアンとして扱われるため、アイアンのルールから外れるものは違反とみなされます。
例えば、パターのグリップを装備しているものや、センターシャフトになっているものなどです。
競技で使う場合は、違反になっていないか確認しましょう。
チッパーのメリット・デメリットは?
転がすアプローチで安全に寄せやすいチッパー。安全に寄せられるなら、使ってみたいと思う方も多いでしょう。
ここでは、チッパーのメリットとデメリットを整理して解説します。
メリット
チッパーのメリットは、大きく3つあります。
- ダフリやトップを防止できる
- シャンクが出にくい
- 距離感をつかみやすい
チッパーはソールが広く、クラブは短く作られています。そのためボールにミートしやすく、広いソール幅は芝を滑るためダフリづらいのです。
また、ネックがボールに当たらないようなつくりになっているため、シャンクが出にくいという特徴もあります。
加えて、パターのような打ち方ができるため、距離感がつかみやすいのが特徴です。
振り子運動で打てるためスイングの安定性も高まります。ミスの防止にもつながるでしょう。アプローチでのミスを減らして、確実に寄せたい方はチッパーの使用を検討してみましょう。
デメリット
一方で、デメリットは3つあります。
- 使用範囲が限定される
- 決まった打ち方しかできない
- クラブセッティングに制限がかかる
チッパーは、グリーン周りで転がせるスペースでの使用に限られます。30ヤード以上の距離や、間にバンカーなどのハザードがある場面では使えないのがデメリットです。
打ち方も限られるため、ウェッジのようにフェースの開き方で球筋を変えるようなことはできないでしょう。
チッパーを入れた分ウェッジを減らした場合、対応できない場面が出てこないか、慎重に考えてくださいね。
ゴルフでチッパーが「ずるい」「ダサい(かっこ悪い)」と言われる理由
ゴルフにおいて、チッパーの使用にはさまざまな意見があります。
基本的にチッパーは転がすアプローチに特化したクラブであり、グリーン周りのアプローチを苦手とするプレーヤーには使いやすいクラブです。
この「お助けクラブ」としての性質が、一部のプレーヤーから「ダサい」「ずるい」というレッテルを貼られる要因になっていると考えられるでしょう。
一方で、チッパーを使うことでミスが減り、スコアがよくなるなら使うべきだという意見もあります。
チッパーの使用には賛否両論あるため、自分のプレースタイルや得意不得意に合わせて使用を検討しましょう。
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チッパーを使ったほうがよいゴルファーの特徴は?
チッパーが向いているゴルファーにはどのような特徴があるでしょうか。
ここでは、チッパーを使ったほうがよいゴルファーの特徴を解説します。
グリーン周りのアプローチが苦手な人はチッパーを使おう
チッパーは、グリーン周りで以下のような悩みを持っている方におすすめです。
- ざっくりやトップなど、アプローチでのミスが多い
- 距離感がなかなかつかめない
- 狙った方向にアプローチできない
チッパーは、ソールが広く作られているため、ざっくりやトップなどのミスを防ぐのに役立ちます。パターのように転がして打てるため、距離感をつかみやすいのも特徴です。
また、通常のウェッジよりもフェースコントロールがしやすく、狙った方向に飛ばせます。
グリーン周りのアプローチで、無駄なショットを打ってしまいがちな方は、ぜひ使用を検討してみてください。
「チッパーの名手」といえば……
「チッパーの名手」と呼ばれる有名プレーヤーは、あまり知られていません。
その理由は、上級者やプロゴルファーはチッパーをあまり使用せず、操作性の高いウェッジを使用する傾向にあるからです。
一方で、アプローチが苦手なゴルファーや初心者に、チッパーの使用を推奨する声は多くあります。
チッパーを使うかどうかよりも「スコアアップにつながるか」を重視しており、スコアアップにつながるなら有効活用すべき、と考えるためです。
一部の否定的な意見に惑わされず、自分のプレースタイルに合ったクラブを選びましょう。
チッパーの選び方
先述のとおり、チッパーにはパター型とウェッジ型があり、それぞれに特徴があります。
また、ロフト角やライ角、ソール幅もさまざまです。
ここでは、どのチッパーを選んだらいいかわからない方に向けて、チッパーの選び方を解説します。
パター型かウェッジ型か
チッパーには、パター型とウェッジ型の2種類があり、それぞれにメリットがあります。
パター型のメリットは、パターと同じようなストロークで打てる点です。パターと同じ打ち方ができるため、距離感がつかみやすく、転がすアプローチでミスも減らせます。
ウェッジ型のメリットは、通常のウェッジに似た形である点です。リーディングエッジが鋭く、深いラフからの脱出にも使えるほか、ウェッジに近い操作性も兼ね備えています。
ウェッジに苦手意識がある方はパター型を、ラフからも使用したい方はウェッジ型を選ぶとよいでしょう。
ロフト角とライ角で選ぶ
チッパーのロフト角は主に以下があり、それぞれに適したショットがあります。
- 35度…ランニングアプローチ
- 45度…ピッチエンドラン
- 55度…ピッチショット
ロフト角は、自分の得意な打ち方に合ったものを選びましょう。
チッパーのライ角は65度〜75度が一般的です。ライ角が大きいほど、パターに近い感覚となります。打ちやすいと感じるものを選びましょう。
ソール幅で選ぶ
アプローチショットでダフリに悩む方は、ソール幅が広いものを選びましょう。
広いソールは芝の下に潜り込みにくいので、ダフリを防止できます。
チッパーを選ぶ際はこれらのポイントを考慮して、自分のプレースタイルやスキルレベルに合ったものを選びましょう。
チッパーの正しい使い方・打ち方
チッパーはアプローチショットが苦手でも簡単に寄せられるクラブです。しかし、正しく使わなければチッパーのメリットを活かせません。
ここでは、チッパーの正しい打ち方を解説します。
見てまねできるよう具体的に説明しているので、ぜひ日ごろの練習に取り入れてみてくださいね。
パターを打つ感覚でストロークしよう
チッパーを打つときの構え方とストロークの仕方は以下のとおりです。
- 足・腰・肩のラインを目標方向に揃えて構える
- 肩・肘・手首を結ぶ五角形を崩さずにテークバック
- ソールを滑らせるように使ってインパクト
- 手首を返さずにフォロースルー
パターと同じように、シンプルに打つことで、チッパーのメリットを最大限に活かせます。
握り方はアイアンと同じ
チッパーにはアイアン用のグリップがつけられているため、握り方はアイアンと同じです。
特殊な握り方はせず、いつもどおりの握り方を意識しましょう。
グリップが緩むと、フェースコントロールがブレてチッパーの良さを引き出せません。
通常のアプローチと同じように、インパクトでグリップが緩まないように注意しましょう。
狙う距離は適切に
チッパーは「転がして寄せる」という性質を持つクラブなので、狙える距離が限られます。
50ヤード以上の距離を打とうとするとショットに近くなるため、返ってチッパーでは打ちづらいと感じるでしょう。
チッパーを使う際は、30〜40ヤード以内に留めておくと安心です。
それ以上の距離では、ウェッジを使えるように練習しておきましょう。
スコアアップを目指す人にはコースレッスンの活用がおすすめ◎
1ラウンドのスコアの6割は100ヤード以内のショットといわれており、アプローチショットの精度はスコアに大きな影響を与えるといえるでしょう。
今回解説したメリットや打ち方を参考に、アプローチが苦手な方は、チッパーの使用を検討してみてくださいね。
また、アプローチの練習は打ちっぱなしだけでなく、実際のコースで練習することも大切です。
練習場では傾斜や風の影響を受けにくいため、いざコースに出たときに「練習と同じように打てない」ということもあるでしょう。
ステップゴルフのコースレッスンでは、実際のコースでラウンドしながらレッスンを受けられます。
傾斜や風、グリーンの転がり方など、リアルなコースでしかつかめない感覚を鍛えるのにぴったりです。
スキルレベルに合わせて複数のレッスンプランがあるので、初心者の方は安心して、中級・上級者の方は自分の目的にあった指導を受けられますよ。
まずは、最寄り駅の店舗で練習風景をのぞいてみてくださいね。