ゴルフのスイングは下半身主導が基本。その軸となる足の使い方は、スイングを安定させるために重要です。
この記事では、ゴルフスイングにおける効果的な足の使い方を「左足」と「右足」に分けて解説します。
間違いやすい足の使い方や、重心移動に効果的な練習ドリルも紹介します。ぜひ参考にしてください。
なぜ?ゴルフスイングで足の使い方が大切な理由
ゴルフでショットを安定させたりや飛距離を伸ばしたりするために重要なのは、下半身リードのスイング。軸となる両足を正しく動かす必要があります。
しかし、この足の動かし方や力のかけ具合を間違えると、あらゆるミスショットを引き起こしてしまいます。
例えば、左足を正しく使えないとスイング中に体の軸がブレてしまうため、ダフリやトップのミスショットが出やすくなります。
また、スライスに悩んでいる人は、右足を動かす方向やタイミングがずれ、カット打ちになっていることも多いようです。
さらに、下半身リードを意識するあまり、必要以上に足を使いすぎてミスにつながることも。
このように、足を使うことはゴルフのスイングに欠かせませんが、使い方を間違えると大きなミスにつながります。
スイングの基礎を作るにも、フォームを改善するにも、正しい足の使い方をマスターすることが大切です。
ゴルフスイングの「左足」の使い方
スイング中の足の使い方には、意識すべきポイントがいくつかあります。
ここでは、スイングの軸となる左足の使い方のコツを解説します。
アドレスからダウンスイングにかけての、左足の動かし方は以下のとおりです。
- 左足はベタ足で踏ん張る
- バックスイングで左膝を前に出す
- インパクトまで膝の角度をキープする
順に解説します。
左足はベタ足で踏ん張る
スイングを安定させるには、左足でしっかり地面を踏ん張る意識が必要です。
トップやダフリなどのミスショットが出る原因のひとつに、バックスイング時に左足かかとが浮いてしまうことが挙げられます。
特に初心者がやってしまいがちなのが、バックスイングで腰を回転させたものの、左足の踏ん張りが足りず、かかとが浮いてしまうケースです。
こうなると、体の軸がブレる原因となり、インパクトでアドレス時の状態に戻すのが難しくなります。
また、体が右に流れやすくもなるので、左足のかかとをしっかり地面につけることを意識しましょう。
ドラコン選手など、飛距離を出すためにあえてかかとを上げるゴルファーもいますが、安定したショットを目指すアマチュアの場合は、ベタ足の意識を持つほうが無難です。
バックスイングで左膝を前に出す
バックスイングでは、腰を回転させるとともに左膝を動かしますが、このときのポイントが左膝を動かす方向です。
膝を右に動かすと、体が右に流れるスウェーの動きになり、姿勢が安定しません。
逆に膝が左へ向いていると、右腰を回しづらくなり、十分に捻転できなくなります。
正しい動かし方は、左膝を前に出す動きです。
アドレスで膝が正面を向いていることを確認し、バックスイングで左膝を前方の地面方向へ動かす意識を持ちましょう。
こうすることで、右腰が自然と後ろへ回り、正しい体重移動ができるようになります。
腰を回転しづらい人は、アドレスの時点で膝が外を向いているかもしれません。
ガニ股にならないことを意識し、ももの内側に力を入れて構えるようにしましょう。
インパクトまで膝の角度をキープする
ゴルフでは、スイング中の上下運動は基本的にNGです。
ダウンスイングからインパクトにかけて膝が伸びてしまうと、頭の位置が上がるヘッドアップが起こり、ミート率が下がります。
アドレスで作った膝の角度は、インパクトの瞬間までキープするよう意識しましょう。
膝の角度を保つために、アドレス時からすでに膝を伸ばして構える方もいますが、これは姿勢を崩しやすいのでおすすめできません。
コースには傾斜があり、地面の状態も一定ではないため、多くの場面でスイング中に体勢を崩します。
膝はまっすぐな状態よりも、少し曲がっているほうが柔軟に対応できるため、バランスを保ちやすくなります。
アドレス時の膝の角度をキープする意識を持って構えましょう。
ゴルフスイングの「右足」の使い方
ここからは、スイング時の右足の使い方について解説します。
ポイントは以下の3点です。
- バックスイングで右足のかかとに重心を乗せる
- 右膝を外側へ向けて回転する
- フォローで右足かかとがめくれるまで膝を回す
それぞれ解説します。
バックスイングで右足のかかとに重心を乗せる
バックスイングでは、右足のかかとに体重を乗せてトップの形を作ります。
かかと重心にすることで、ダウンスイング時に遠心力がかかっても前に倒れなくなり、前傾姿勢をキープしたスイングができるはずです。前傾姿勢が崩れたり、フィニッシュで前に倒れそうになったりする方は、つま先に体重がかかっていないかチェックしてみましょう。
ただし、アドレスの時点ではかかとに体重を乗せすぎないように注意してください。
はじめからかかとに体重をかけると、背中が立って腰に体重が乗りやすくなり、正しい姿勢をキープできません。
アドレス時は土踏まずに体重を乗せるよう意識しましょう。
バックスイングからトップに移行するなかで、徐々に右足のかかとへ体重を移動させるのがポイントです。
右膝を右方向に回転させる
バックスイングで腰を回転させる際は、右膝を外側(右側)へ回すように回転します。
こうすることで、右腰の回転がスムーズになり、上半身を深く捻転できるはずです。
インサイドからクラブが下りてくるため、スライスの改善にも役立つでしょう。
ただし、このときやってはいけないのが、膝を右方向へスライドするように動かすこと。
これでは下半身が不安定になり、軸のブレたスイングになります。
右膝は右へ移動するのではなく、腰の回転に合わせて右へ回すイメージで動かしましょう。
フォローで右足のかかとがめくれるまで膝を回す
ダウンスイングからインパクトにかけては、スイングパワーをしっかりボールへ伝えるために、右足に乗せた体重を左足へ移動させていきます。
ダウンスイングからインパクトに向けて、右足の太ももと膝を目標方向に向けて回転させます。
フィニッシュで右膝が左足にくっつくように、右足を回転させるのがポイントです。
左へしっかりと体重移動ができていれば、フィニッシュで自然と右足のかかとが浮きます。
かかとが上がらない場合は、右足に体重が残っています。バックスイングで右足のかかとに体重を乗せ、ダウンスイングからフィニッシュにかけて左足のかかとに体重を移動させる意識を持ちましょう。
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ゴルフスイングの「足の裏」の使い方
スイング時に足の裏で意識することは、重心の移動です。
まず、アドレスでは両足の真ん中に重心を置いて構えます。土踏まずに重心を乗せる感覚です。
そして、ここからバックスイングで右足かかとへ重心を移動し、ダウンスイングで左足かかとへ重心を移動させます。
このとき意識する場所は、両足の母指球(ぼしきゅう)。足裏の親指付け根にあるふくらみの部分です。
左足の母指球でグッと地面を踏み込むことで、バックスイングの始動がしやすくなり、前傾姿勢も保てます。
また、インパクトからフォローにかけて、左足の裏がめくれると体が左へ流れやすくなりますが、母指球で地面を掴んでおくと、体のブレを防ぐのにも効果的です。
ダウンスイングでも、右足の母指球をスイングの始動点にすることで、左足へスムーズに重心を移動させることができるでしょう。
足の裏の重心移動のまとめは、以下のとおりです。
- アドレス時の重心は足裏の真ん中(土踏まず)
- バックスイングで右足かかとへ重心を移動し、左足は母指球に軽く重心を残す
- ダウンスイングで左足かかとへ重心を移動し、右足はつま先で軽く支える
スムーズに重心を移動させるコツは、両足の母指球をスイングの始動にすることです。
使うクラブによって足の使い方は違う?
クラブにはドライバーからサンドウェッジまでがあり、それぞれ長さが大きく異なります。
クラブごとで足の使い方に違いはあるのでしょうか。
結論として、足の使い方は基本的に同じですが、クラブの長さによって使うタイミングが異なります。
スイングでは上半身と下半身の捻転差を利用してボールを飛ばしますが、クラブが短いほど、上半身と下半身が同じタイミングで回転し、長くなるほど上半身と下半身に回転差が生まれます。
クラブの長さによって捻れのタイミングが異なるため、足を使うタイミングも変わるのです。
すべてのクラブで同じ足の使い方をした場合、ドライバーなどの長いクラブはボールが右に曲がりやすくなり、サンドウェッジなどの短いクラブでは左へ引っかけやすくなります。
アイアンではまっすぐ打てるのに、ドライバーになるとスライスするというのは、こういった原理が働くから。
下半身リードのスイングが理想とされますが、クラブが長くなるほどその傾向が強くなるため、クラブによって足の重心移動のタイミングも変わるといえるでしょう。
ゴルフスイングの足の使い方を習得する練習ドリル
足を使ったスイングは、ショットを安定させるために欠かせません。
ここでは、正しく足を使うための練習ドリルを紹介します。
以下の3つの練習法を取り入れてみましょう。
- 左足を浮かせるドリル
- つま先を右に向けてスイングするドリル
- 足の使いすぎを防ぐドリル
順に解説します。
左足を浮かせるドリル
体重移動の感覚を掴むには、左足を浮かせてバックスイングするのが効果的です。
野球の一本足打法のような形でバックスイングをし、左足で地面を踏み込むと同時にダウンスイングを開始します。
バックスイングで右足一本になるため、右に体重が乗る感覚が身に付きます。また、左足を踏み込むと同時にダウンスイングすることで、左に重心を移動する練習にもなるでしょう。
足の使い方が自然と身に付き、スムーズな体重移動の感覚を掴むのに効果的なドリルです。
つま先を右に向けてスイングするドリル
体重移動を意識するあまり、インパクトで体が左に流れてしまうことがあります。
いわゆるスウェーという動きですが、こうなると体が中心から外れ、ミスショットの原因となります。
スウェーを防ぐには、両足のつま先を右斜め45度に向けてスイングするドリルが効果的です。
つま先が右を向いていると体を左へ動かせなくなるため、体重を移動してもダウンスイングで左の壁を感じることができます。
また、右足のつま先も右へ向いているので、バックスイングで右へ捻りやすくなり、深い捻転が生まれます。
自然とフェースローテーションがおこなわれ、スライスの改善にも役立つでしょう。
足の使いすぎを防ぐドリル
足を使うことは大切ですが、使いすぎると体が起き上がったり腰がスウェーしたりと、かえってスイングを崩してしまいます。
フェアウェイウッドでトップが出るなど、長いクラブがうまく当たらない方は、足を使いすぎているかもしれません。
足の使いすぎを防ぐには、両足の上にクラブを置き、腰から上でスイングするドリルが効果的です。
このドリルでは、両足の上に置いたクラブを落とさないように、腰と上半身の回転でスイングします。
余計な足の動きを抑制できるので、下半身主導の意識が強すぎてミスが出る方に効果的な練習ドリルです。
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スイングの軸となる足の使い方をマスターすれば、安定したショットや飛距離アップが期待できます。
ただし、正しい足の動きができていることが前提です。
足の動きは自分では確認しづらいため、正しい使い方を身に付けていない人が多いのも事実。独学では限界を感じる方もいるでしょう。
足の使い方に不安のある方は、プロのコーチとのマンツーマンレッスンがおすすめです。
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