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新飛球法則「Dプレーン理論」の完全ガイド。仕組みや応用まで解説

Dプレーン理論は、1999年にセオドア・ヨーゲンセン博士が提唱した弾道分析理論です。

Dプレーン理論をひとことで説明すると「ボールの打ち出し方向を決める要因はフェースの向きであり、ボールが曲がる要因はスイング軌道である」というもの。

近年急速に進化した弾道測定機器とスロー映像により、ドローやフェードといった弾道の打ち分けが、広く知られている理論とは真逆の力学が働いていることがわかってきました。

この記事では、Dプレーン理論の仕組みや応用について解説します。

ステップゴルフ野口コーチ
監修者 野口
近年の測定・映像技術の進歩はめざましく、ゴルフ界においてもそれらの技術を取り入れた最新の理論が続々と登場しています。今回はそんな中から「Dプレーン理論」にスポットを当てます!

新飛球法則「Dプレーン理論」とは

旧理論では、ボールの打ち出し方向を決めるのはスイング軌道といわれてきました。

ドローを打ちたければインサイドアウトの軌道でボールを右に打ち出し、フェードを打ちたければアウトサイドインの軌道でボールを左に打ち出し、曲がり幅についてはフェースの向きで調整することが一般的だったのです。

レッスンや上級者に教わる際、フックを打ちたいときはクラブのフェース向きを左にかぶせて、インサイドアウトに打つと教わった方も多いのではないでしょうか。

しかし、Dプレーン理論により実際のボールの動きは真逆であることがわかりました。

ボールの打ち出し方向を決める最大の要因はフェースの向きで、ボールが曲がる要因はスイング軌道だったのです。

つまりこれが、ドローを打ちたければ「フェースを開いてインパクトして右に打ち出し、インサイドアウトの軌道で打つことで左に曲げる」というDプレーン理論の基本方針です。

スライス気味のミスショットのときに、フェースが開いてインパクトすることを「こすった」と表現しますが、Dプレーン理論では「スイング軌道がカットに入った」が正しい表現です。

Dプレーン理論のメカニズム

Dプレーン理論では、フェースの向きとスイング軌道、回転軸によって弾道を説明しています。

ここでは、Dプレーン理論のメカニズムについて解説します。

打ち出し方向を決めるメカニズム

Dプレーン理論では、打ち出し方向はフェースの向きとインパクト時のクラブ軌道で決まるといわれています。

それぞれが与える影響はクラブにより異なり、アイアンの場合はフェースの向きが約70%、インパクト時のスイング軌道が約30%影響するといわれています。

ドライバーの場合はさらに10%ほど影響が大きく、フェースの向きが80%、インパクト時のスイング軌道が約20%とされています。

例えば、ドライバーショットでフェースの向きが1度右を向いている場合、スイング軌道が4度アウトサイドインになることで、打ち出し方向はストレートになります。

<計算式>
フェース向き:1×0.8=0.8度右に打ち出す
スイング軌道:4×0.2=0.8度左に打ち出す
フェースの向きとスイング軌道を合わせると0度

これらはスイートスポットでインパクトしたときの計算式で、トゥ(つま先)側でインパクトしたり、ヒール(かかと)側でインパクトするときはこの限りではありません。

これはギア効果と呼ばれ、トゥ側でインパクトしたときはボールにフック回転がかかり、ヒール側でインパクトしたときにはスライス回転がかかります。

これらは打球のバラつきを減らしてくれる機能でもありますが、Dプレーン理論で練習しているときは混乱の原因にもなりますので、ギア効果についても理解しておきましょう。

曲がり幅を決めるメカニズム

Dプレーン理論では、サイドスピンという概念はありません。

あるのはバックスピンのみで、バックスピンの回転軸が水平ならストレートに飛び、右へ傾けば右に曲がり、左に傾けば左に曲がります。

曲がり幅には、フェースの向きとインパクト時のスイング軌道のずれが影響します。

例1:フェースの向きが開いていて・スイング軌道がストレートの場合

  • 打ち出し方向:フェースが開いているため右に打ち出される
  • 曲がる方向:スイング軌道は真っすぐだがフェースが開いていることにより回転軸が右にずれ、スライス軌道の球になる

例2:フェースの向きが開いていて・スイング軌道がインサイドアウトの場合

  • 打ち出し方向:フェースが開いているため右に打ち出される
  • 曲がる方向:スイング軌道により回転軸が左にずれ、ドロー軌道の球になる

例3:フェースの向きが開いていて・スイング軌道がアウトサイドインの場合

  • 打ち出し方向:フェースが開いているため右に打ち出される
    ただし、スイング軌道も20-30%程度打ち出し方向に影響するため、大きくスイング軌道がずれている場合はストレートに近い打ち出しになる場合もある
  • 曲がる方向:フェースの向きとスイング軌道により回転軸が大きく右にずれるため、右に出た球が右に曲がるスライスの球になる

フェースの向きが閉じている場合は、例に挙げたパターンと逆の球筋になります。

自分にあったスイング理論はプロのゴルフコーチに聞いてみよう◎

Dプレーン理論の応用

Dプレーン理論をうまく活用することで、インパクト時のフェースの向きとスイング軌道で球筋を打ち分けることができます。

ここでは、Dプレーン理論を使い、狙った球筋を打つ方法を解説します。

Dプレーン理論で打つドローボールとスイングの注意点

ドローボールを打つための理論を2つ解説します。

打ちたい球筋:真っすぐに打ち出し、狙った方向よりも少し左に曲がるドローボール

  • フェース向き:スクエア
  • スイング軌道:インサイドアウト

フェース向きとスイング軌道の影響により、ボールは真っすぐからやや右方向に打ち出されます。

インサイドアウト軌道にインパクトされた球は回転軸が左に傾き、理想的なドローボールになります。

打ちたい球筋:狙いよりも右に打ち出し、狙った方向に戻ってくるドローボール

  • フェース向き:オープン
  • スイング軌道:インサイドアウト

フェース向きとスイング軌道の影響により、ボールは右に打ち出されます。

インサイドアウト軌道にインパクトされた球は回転軸が左に傾くため、狙った方向に戻ってくるドローボールになります。

スクエアにインパクトするドローボールが理想ですが、少しでもフェースがかぶって入る(クローズ)と、打ち出し方向が左になり、さらに左に曲がるフックボールになるため注意が必要です。

また、フェースがクローズになるだけでなく、軌道がストレートからアウトサイドイン軌道になると、大きく左に曲がるチーピンのような球になります。

ドローボールを意識すると、フェースがクローズになることが多いため、ボールの曲がりはスイング軌道を意識しましょう。

Dプレーン理論で打つフェードボールとスイングの注意点

フェードボールを打つための理論を2つ解説します。

打ちたい球筋:真っすぐに打ち出し、狙った方向よりも少し右に曲がるフェードボール

  • フェース向き:スクエア
  • スイング軌道:アウトサイドイン

フェース向きとスイング軌道の影響により、ボールは真っすぐからやや左方向に打ち出されます。

アウトサイドイン軌道にインパクトした球は回転軸が右に傾き、理想的なフェードボールになります。

打ちたい球筋:狙いより左に打ち出し、狙った方向に戻ってくるフェードボール

  • フェース向き:クローズ
  • スイング軌道:アウトサイドイン

フェース向きとスイング軌道の影響により、ボールは左に打ち出されます。

アウトサイドイン起動にインパクトした球は回転軸が右に傾くため、狙った方向に戻ってくるフェードボールになります。

スクエアにインパクトするフェードボールが理想ですが、少しでも開いてインパクトする(オープンフェース)と、右に打ち出した球がさらにスライス回転で飛んでいくことになるため注意が必要です。

まずは、クローズフェースを意識することで左に打ち出し、徐々にアウトサイドイン軌道で曲がり幅を意識することで、理想的なフェードボールになるスイングバランスをみつけましょう。

Dプレーン理論が学べる本

ここでは、入射角によるボールの高さやロフト角によるスピン量など、より深く知りたい方に、Dプレーンが学べる本を紹介します。

最速!ゴルフ上達「4plane+2face」

著者はツアープロコーチの山田直知氏。

Dプレーン理論をわかりやすく改良し、スイング形式に取り入れた練習方法を考案しています。

60日間の練習プログラムやラウンド当日の練習方法、ラウンド時の応用編など、実際に体を動かして練習することでDプレーンを理解したい方向けにおすすめの一冊です。

東大ゴルフ部が実践!ゴルフを科学する

著者は東大ゴルフ部監督を務める井上透氏。

Dプレーン理論のような、既存の概念を覆す理論や、最新機器を用いた視点で、スイングや球筋に対して正しい知識を紹介してます。

ボールコントロールやスイング、球筋を理論的・科学的な視点から理解したいにおすすめです。

スイング理論の知識を深めたいならゴルフスクールのレッスンがおすすめ◎

Dプレーン理論は、打ちたい球筋を打てるようになるだけでなく、正しく理解することでさまざまなシーンで役に立つ理論です。

ラウンドでは、OBや池など、どうしても打ちたくない方向や曲げたくないシーンがあります。

そのような場面では、Dプレーン理論のフェース向きやスイング軌道を通常のショットよりも意識的に行うことで、危機を回避できるでしょう。

また、理想の球筋を打てるようになると、スコア改善にもつながります。

ただし、インパクト時のフェースの開閉やスイング軌道は、通常の練習のなかで個人が判断するのは容易ではありません。

スコア改善に役立つDプレーン理論を最短で理解したい方には、プロのコーチによるレッスンがおすすめです。

店舗数・累計会員数ともに業界ナンバーワンのステップゴルフでは、プロによるレッスンだけでなく打席に最新のシミュレーターが完備されている施設もあるので、打ち出し方向やスイング軌道をチェックしながら練習できますよ。

レッスンの様子は無料の体験レッスンで感じることができるので、まずはお近くの店舗をのぞいてみてはいかがでしょうか。

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