日本のゴルフコースで見かける「高麗グリーン」は、ベントグリーンとは異なる芝質と特徴を持っています。
高麗グリーンを使用した際に「パターショットが合わない」と感じる人が多いのは、普段のプレーでベントグリーンに慣れており、高麗グリーン独特の芝の性質に合わせたパッティングをできていないことが原因です。
この記事では、高麗グリーンの特徴をはじめ、芝目の読み方や効果的な攻略方法を詳しく解説していきます。

高麗グリーンとは
高麗グリーンは、日本のゴルフ場でよく使われる高麗芝で作られたグリーンの一種です。
特に暖かい地域で採用されることが多く、密度の高い芝が特徴です。夏場に強く、耐久性も高いことから、管理のしやすさが理由で多くのゴルフ場で採用されています。
一方で、芝目がはっきりしており、ボールの転がりが芝目の影響を受けやすいことも特徴です。
高麗グリーンの特徴
高麗グリーンは、暖かい季節に強く成長する「暖地型芝」を使用しています。葉の幅が広く、芝が密に生えているため、見た目は濃い緑色で硬い印象を受けるでしょう。
季節によってその状態は変わりやすく、夏場は生き生きとしている一方、冬場は成長が鈍く枯れやすいのが特徴です。
また、高麗グリーンは芝目がはっきりと現れるため、パッティングの際に芝の流れを読む技術が必要になります。
高麗とベントの違い
ゴルフ場のグリーンにおいて、高麗グリーンと同様に代表的なのが「ベントグリーン」です。
高麗グリーンとベントグリーンの違いを以下にまとめました。
項目 | 高麗グリーン | ベントグリーン |
---|---|---|
見た目 | 濃い緑色でしっかりとした表面 | 淡い緑色で柔らかい表面 |
芝目の影響 | 芝目が強く、ボールに影響を与える | 芝目が少なく、転がりがスムーズ |
季節への強さ | 夏場に強く、暑さに耐える | 夏場に弱く、手入れが必要 |
プレーヤーの印象 | 難易度が高く、芝目を読む技術が必要 | 比較的やさしく、スムーズに転がる |
日本のゴルフ場では、全体の約2割程度が高麗グリーンを採用しているといわれています。
特に暖かい地域のゴルフ場で広く使われており、管理がしやすい点も高麗グリーンを採用している理由の1つです。
一方で、ベントグリーンは現在の主流で、プロが試合を行うコースの多くはベントグリーンを採用しています。ベントグリーンは転がりがスムーズなため、試合の公平性や難易度調整をしやすい点が主流となっている理由の1つです。
高麗グリーンが難しいと言われる理由
ベントグリーンに比べ、高麗グリーンでのショットは意識すべきことが多く難しいといわれています。
そのため、芝の性質や特徴を理解し、適切に対処することが重要です。
ここでは、高麗グリーンが難しいとされる理由について解説します。
芝目の影響が大きくボールの転がりが読みにくい
高麗グリーンは芝目がはっきりと現れるため、ボールの転がりが芝の流れに大きく左右されます。芝目に逆らうようなラインでボールの転がりが遅くなるのは、芝の影響を強く受けているためです。
一方、芝目に沿うとボールが速く転がるため、距離感をつかむのが難しくなります。
さらに、グリーン上の芝目が傾斜や日照条件によって複雑に変化することも、高麗グリーンを難しくしている原因の1つです。
ベントグリーンに比べてボールが芝の影響を受けやすいため、状況を正確に読む技術が求められます。
表面が硬くボールが止まりにくい
高麗グリーンは芝が密に生えているため、表面が硬くなりやすいのが特徴です。そのため、アプローチショットやパットでボールが「止まらない」と感じることが多々あります。
特に夏場は芝が成長し、さらに硬さが増すため、ボールが勢いよく跳ねてカップをオーバーすることも少なくありません。
この硬い表面ではスピンを効かせたショットでも止めるのが難しいので、ピンポイントで狙う精度が必要になります。
グリーンの速さが安定しない
高麗グリーンは季節や気候、芝の管理状況によって速さが大きく変わります。特に朝露が残る時間帯や雨上がりでは芝が湿り、ボールの転がりが遅くなる傾向です。
一方で、日中の乾燥した状態では芝目が強くなり、順目ではボールが予想以上に速く転がることもあるでしょう。
このような速さの変動は、1ラウンドの中でも変わることがあり、プレーヤーからすると距離感を合わせるのが難しくなります。
高麗グリーンの芝目の読み方
高麗グリーンでのプレーには、芝目を読む力が不可欠といえます。
芝目はボールの転がりに大きな影響を与えるため、正確に把握することでパットの精度が向上するでしょう。
ここでは、高麗グリーンで芝目を読む際に役立つポイントを4つ紹介します。
カップの縁を観察する
カップの周りをよく観察することで、芝目の方向を簡単に確認できます。
カップの縁にかかる葉先がどちらを向いているかを確認してみましょう。
葉先が向いている方向が芝目の流れといえます。これは、芝が成長してカップ周辺で倒れているためです。
また、カップ周りに注目すると、芝目の影響を受けたボールの動きがイメージしやすくなります。パット前にカップの縁を1周してみることで、芝目と傾斜の関係がより明確に見えてくるでしょう。
池や太陽などの自然環境を参考にする
芝目は池や川などに向かう水の流れに沿って目の癖がつきやすいので、水場へ向かって順目となることが多いです。
近くに池がある場合は、その場所を参考に芝目を判断するとよいでしょう。
また、芝は太陽に向かって伸びていくため、太陽の位置も判断材料の1つ。午後は太陽が西に傾くため、芝目も西に向かって順目となる傾向です。
傾斜アプリを活用する
高麗グリーンは芝目が強いとはいえ、ボールの転がりは傾斜による影響も受けます。
そのため、正確なラインを読むには足元で傾斜を感じることが重要です。芝目は傾斜の傾きに沿って流れやすく、ボールの転がるスピードにも関わります。
正確に傾斜角度を確認するには、傾斜アプリを活用するのがおすすめ。細かな傾斜角度などを確認できるため、より正確なパッティングラインを把握できます。
ボールの転がりを事前に観察する
パット練習の際にボールを転がし、芝目の影響を直接確認する方法も効果的です。特に、高麗グリーンでは、順目と逆目でボールの速さが大きく変わるため、これを事前に把握しておきましょう。
例えば、ボールが速く転がる順目ではスムーズに進みますが、逆目ではスピードが大きく落ちます。
1~2回試しに転がして、転がり方と傾斜の影響をセットで確認することで、パットラインを正確に把握できるはずです。
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高麗グリーンの攻略方法・打ち方
高麗グリーンでは、芝目の影響や硬さのある表面を考慮した打ち方が重要です。通常のベントグリーンとは異なり、ボールのスピン量やスピード、ライン取りに注意しなければなりません。
ここでは、高麗グリーンに特化した打ち方のポイントを3つ解説します。
ランニングアプローチを活用する
高麗グリーンは表面が硬く、ボールにスピンがかかりづらいため、ふわっと打つアプローチショットはあまり向いていません。
スピンでボールを止めるよりも、ランニングアプローチを意識してボールを転がす戦略が有効です。
ピッチエンドランやロフトの低いクラブを選ぶことで、ボールを安定してピンに寄せることができるでしょう。
特に、硬く乾燥したグリーンでは、スピンよりも距離感の調整を優先しましょう。
パッティングでは強めのタッチを意識する
高麗グリーンでは、芝目や硬さの影響でボールが予想以上に転がらないことが多くあります。
そのため、パットでは「少し強め」のタッチを意識することがポイントです。特に、逆目ではボールスピードが遅くなりやすいため、しっかりタッチする必要があります。
強めのタッチは、逆目でのパットの距離感を安定させるだけでなく、高麗グリーン特有の難しいラインを消す効果もあります。芝目や細かい凹凸を乗り越えやすくなるので、カップインの確率を高めることができます。
芝の硬さに応じてボール位置を調整する
高麗グリーンでは、硬さや状態に応じてボールの位置を調整しましょう。
例えば、グリーンが硬く乾燥している場合は、ボールを中央から少し左側(左足側)に置くことで、クラブのロフトを使ってボールをふわっと浮かせるショットを狙えます。
一方で、朝露が残っていたり、グリーンが湿っている場合は、ボールを中央からやや右側(右足側)に置いてクリーンに打つことがポイントです。
うまく調整できれば、スピン量や距離感を適切にコントロールできるでしょう。
高麗グリーンでのパターの選び方
高麗グリーンで使用するパターは、芝目や硬い表面の影響を受けやすい特徴に合わせて選ぶことが重要です。
まず、芝目が強い高麗グリーンでは、打感がしっかりしたパターが適しています。例えば、ヘッドの重量が重めのマレット型パターは、ストローク中のブレを抑えやすく、安定した打ち出しが可能です。
また、フェース面にミーリング加工やインサートが施されたパターは、ボールをつかみやすくスムーズな転がりを促してくれます。
次に、芝目の影響でボールが減速しやすい逆目のパットでは、ヘッド重量があるパターが有利です。ボールにしっかり力を伝えられ、ストローク時のフェースのブレを抑える効果もあります。
さらに、グリーンが硬い場合や凹凸が多い場合は、ソフトなグリップを選ぶことで、手の感覚を活かした繊細なコントロールが可能になるでしょう。
高麗グリーンでの実践的な練習はコースレッスンがおすすめ◎
今回は高麗グリーンの特徴について解説しました。
高麗グリーンを攻略するには、実際のコースで体験しながら練習することがもっとも効果的です。とはいえ、高麗グリーンのように特定の環境で練習するのは難しく、打ちっぱなしやインドアでは再現ができない要素が多いですよね。
そこでおすすめなのが、実際のコースでプロの指導を受けられる「コースレッスン」の活用です。
ステップゴルフのコースレッスンでは、戦略的なプレーや高麗グリーン特有の芝目の読み方・打ち方など、実践的な経験を積むことができます。
また、インドアゴルフと組み合わせることで、スイングやショットの基礎練習と実践力アップを同時に進められるのも魅力です。
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プロのアドバイスと実際のコースでの体験を通じて、自信を持ってスコアアップを目指しましょう。