今回は「ゴルフで起業をしたい……」と考えている方に向けて、ゴルフで起業するメリット・デメリットやおすすめの業態、必要な資金などをまとめました。
夢に挑戦するため、この記事を参考に一歩前進してください。
ゴルフで起業するメリット・デメリット
ゴルフ好きがゴルフで起業することには、たくさんのメリットがあります。ここで、デメリットとあわせて紹介します。
ゴルフで起業するメリット
趣味を活かせる(好きなことを仕事にできる)
すでに業界に詳しい方なら、起業前のリサーチにおいて大きなアドバンテージを持ちます。市場調査やターゲット分析、戦略立案……あらゆる面でメリットになります。
また、仮にわからないことがあっても、その知識を吸収するのが苦にならないこともポイント。起業後は想定外の連続、勉強の連続なので、「好きなことだから」という武器があるのは強力です。
経営者層と出会える
起業するということは、あなたも経営者になることを意味します。
ゴルフをする若者が増えつつあるとはいえ、やはり中心は40代以降の方々です。コミュニケーションの場としてゴルフをする経営者も多いので、人脈を広げる意味でも有効でしょう。
また、会社員として接待ゴルフなどを経験した方は、今度は同じ経営者として出会うことで、今までは想像もつかなかった景色が見えてきます。
コロナ禍でも底堅い
上の2つとは少し切り口が変わりますが、ビジネス的にもゴルフという商材にメリットがあります。
コロナ禍において、ゴルフは「3密」を避けやすいため、一定の人気を保つことができています。また、リモートワークの普及により平日でも楽しめるようになり、女性や若者のプレー人口が増えており、単純に追い風を感じられます。
最近では松山英樹プロのマスターズ優勝、稲見萌寧プロの東京オリンピック銀メダルなど、世界的な活躍もゴルフ業界に好影響を与えているでしょう。
ゴルフで起業するデメリット
競争相手が多い
人気スポーツとあり、十分な戦略を立てられなければ、資本力や実績のある会社に負ける可能性が高いでしょう。
例えばゴルフショップを開くのなら、豊富な品揃えの他店といかに差別化をするかが重要です。同じ商品でもネット上で安く購入できる場合も多いので、価格競争に巻き込まれることもありえます。
選択肢が限られている
新しいビジネスモデルを構築できるケースは、非常にまれです。であれば、基本的には、ゴルフ場経営やゴルフスクール経営、ゴルフショップ経営など、起業の選択肢がある程度限られ、差別化をするのが難しくなります。
対策として、フランチャイズ加盟などを検討するのはおすすめです。詳しくは後述しますが、一からノウハウを構築する必要がないため、起業後の見通しが立ちます。本部によるサポートも期待できるので、既存のモデルで起業を検討している方は、候補にいれておくとよいでしょう。
ゴルフで起業するなら何がおすすめ?
次は「ゴルフで起業する場合、どのジャンルがよいのか」という疑問にお答えします。
今回はゴルフ起業の代表的な形態である、ゴルフスクール、ゴルフショップ、ゴルフ工房について紹介していきます。なお、ゴルフ場は規模が大きいため、ここでは割愛します。
ゴルフスクールは儲かる?
顧客獲得や店舗運営など経営者としてのノウハウが求められますが、かなり高い確率で投資回収が見込めるビジネスです。
また、継続利用やリピーター獲得を考慮すると、スクール生のスコアや技術向上が経営のカギになるため、優秀なコーチを採用することが重要です。
詳しくは後述しますが、うまく経営できる場合は儲かる選択肢になるといえます。
「ゴルフスクール」の一般的な開業フロー
- スクール方針の決定(見込み客の選定など)
- トレーニングメニューの開発
- コーチの採用・育成、人の採用
- 競合スクールのリサーチ
- 物件選び
- 資金調達
- 設備の仕入
- 集客(ホームページ・広告チラシ作成など)
- 開業
ゴルフレッスンで独立なら別のメリットも
ご自身が高いゴルフスキルを持っている場合は、レッスンプロとして独立するかたちになります。そうであれば、優秀なコーチの採用や雇用のコストが発生しないため、経営のリスクを低減させることができます。
ゴルフショップは儲かる?
ゴルフクラブやゴルフウェアなど、ゴルフに関わる物品の仕入先を見つけられればスタートできるので、ゴルフ起業で思いつく方は多いのではないでしょうか。
しかし、ゴルフグッズはモデルチェンジが頻繁に起こるので、在庫管理にノウハウが必要です。新たな人気選手の登場など、流行に左右されることも少なくありません。売れ残りで在庫を抱えすぎることがないように、常に最新の情報収集をすることも必要でしょう。
また、ゴルフは暖かい時期に行う人が多いので、そのタイミングで商品需要が増え、逆に寒い季節は売れづらくなるなどの傾向もあります。
「ゴルフショップ」の一般的な開業フロー(実店舗の場合)
- 立地の決定(商圏調査)
- 物件選び(スケルトン物件、居抜き物件)
- 資金調達
- 店舗の内外装工事・什器など必要設備の購入
- 仕入先・商品の決定、人の採用
- 集客(ホームページ・広告チラシ作成など)
- 開業
ゴルフ工房は儲かる?
ゴルフショップのように物品を多く仕入れる必要がなく、腕一本で勝負する人もいます。資金を抑えられ、固定客を掴めば安定した経営をしていけるのが特徴です。
ゴルフ工房を目指す方の多くは、自身で道具の調整や改造を行っています。しかし、未経験でも「ゴルフクラフトマンコース」などを行っている学校もあるので、そこで技術を磨いてから独立するという道を描くこともできます。
「ゴルフ工房」の一般的な開業フロー
- 立地の決定
- 物件選び(スケルトン物件、居抜き物件)
- 資金調達
- 店舗の内外装工事・工具の購入
- 仕入先・商品の決定
- 集客(ホームページ・広告チラシ作成など)
- 開業
ゴルフで起業するために必要な資金はどれくらい?
起業するなら、「何に」「いくらかかるのか」を事前に把握しておき、必要な金額をどのように調達できるかを考えておかなくてはなりません。
ここでは、前述の3つの形態について紹介していきます。賃料については、立地が重要なスクールで30万円、立地不要でスペースが必要なショップで20万円、個人でも開業できる工房は15万円としています。
ゴルフスクール(インドアゴルフスクール)の開業資金と内訳の例
物件費用 | 保証金(6ヶ月分) | 180万円 |
---|---|---|
仲介料(1ヶ月分) | 30万円 | |
店舗の工事・設備の購入 | 内装工事 | 500万円 |
空調設備など | 150万円 | |
必要設備購入 | 500万円 | |
外装工事 | 150万円 | |
その他 | 仕入 | 200万円 |
合計 | 1,710万円 |
受付スタッフやコーチを採用する場合は、採用コストや人件費などが発生します。
ゴルフショップの開業資金と内訳の例
今回は実店舗での起業を想定しています。
物件費用 | 保証金(6ヶ月分) | 120万円 |
---|---|---|
仲介料(1ヶ月分) | 20万円 | |
店舗の工事・設備の購入 | 内装工事 | 250万円 |
空調設備など | 60万円 | |
必要設備購入 | 200万円 | |
外装工事 | 100万円 | |
その他 | 仕入 | 400万円 |
合計 | 1,150万円 |
このほか、場合によっては販促費や人件費が発生します。
ゴルフ工房の開業資金と内訳の例
物件費用 | 保証金(6ヶ月分) | 90万円 |
---|---|---|
仲介料(1ヶ月分) | 15万円 | |
店舗の工事・設備の購入 | 内装工事 | 100万円 |
空調設備など | 40万円 | |
必要設備購入 | 100万円 | |
外装工事 | 70万円 | |
その他 | 仕入 | 100万円 |
合計 | 515万円 |
ゴルフで起業するために必要な準備は?
資金はもちろんですが、起業の際にはさまざまな準備が必要です。
開業資金を調達する
起業の際は、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の活用を考えてみましょう。日本政策金融公庫は財務省が管轄している政府系金融機関で、個人事業主や中小零細企業の支援を目的としているので、今までのビジネス経験なども不問です。
「新創業融資制度」は新しく事業を始める方を対象に、一定の要件を満たすことで最高3,000万円を無担保・無保証人で融資しています。
自分1人では心配という方は、専門家に相談してみるとよいでしょう。
開業に必要な公的な手続き
開業をするにあたり、公的な手続きを行う必要があります。個人事業主として起業する場合、法人として起業する場合をそれぞれ簡単に紹介していきます。
個人として起業する場合
税務署に「開業届」「青色申告承認申請書」などを提出しましょう。提出期限が原則「開業から1ヶ月以内」なので、期限内に行うようにご注意ください。ちなみに「青色申告承認申請書」の提出は必須ではありませんが、確定申告時に節税効果を高めるメリットもあるので、検討してみることをオススメします。必要書類はクラウド会計での作成もできるので、検索して参考にしてみてください。
法人として起業する場合
以下、簡単な流れです。
- 基本情報の決定(会社名、所在地、事業目的など)
- 資本金の準備(現在は1円でも会社を設立できます。)
- 定款の作成(会社の法律のようなもの)
- 法務局で登記申請
このほか、社会保険なども含めるとかなり多くの公的手続きが必要になります。すぐに必要でないものも多いので、ある程度形ができてからは専門家に任せることも考えましょう。
手堅い起業ならフランチャイズもおすすめ
ここまでゼロからの起業を前提にお伝えしてきましたが、初めて自身でビジネスを行うことを考えている方には難しいと感じるかもしれません。
そこでおすすめなのが、フランチャイズビジネス。大手ゴルフショップ、ゴルフスクールからの「のれん分け」のような形で始められるため、さまざまなメリットがあります。
計画が立てやすい
開業前に毎月の売上や経費などのデータもある程度共有されるため、精度の高い事業計画を立てられます。ケース・バイ・ケースですが、加盟している人同士でのコミュニティが生まれることがあるため、情報交換により計画をブラッシュアップできるでしょう。
また、フランチャイジー(本部)の姿勢にもよりますが、充実したサポートが期待できます。
安定した集客が期待できる
ゼロからの起業では、集客を一から自分自身で行わなければなりません。しかし、フランチャイズならすでに強力な知名度があり、また、本部が販売戦略を練る手伝いをしてくれることもあります。かわりに広告宣伝をしてもらえたり、顧客の紹介をしてもらえることもあります。手数料がかかる場合もありますが、余計なことに頭を悩ませることがないので、大きなメリットでしょう。