ゴルフでラウンドするとき、キャディバッグ(ゴルフバッグ)に入れておけるクラブの本数は最大で14本です。14本以下であれば何本でもOK。
初心者の場合、ラウンドに何本くらいのクラブが必要なのか、どんなクラブを持っていけばいいのか、悩みますよね。
この記事ではラウンドで必要なクラブの本数や選び方を説明していきますので、クラブ選択の参考にしてください。
ゴルフクラブの本数は最低何本必要?
そもそも14本というルールには、合理性があるのでしょうか。
このルールが決まるまでは何十本もクラブを用意している人もいて、重すぎてキャディが運べない、クラブを選んでいると時間がかかりすぎるなど問題が生じていました。そこで1939年にクラブの本数に関するルールが決まったのですが、実は、14本という数字の根拠は明確にはなっていないようです。
結局、ラウンドには、最低何本のクラブが必要なのでしょうか。
14本もいらないって本当?
ルールでクラブの本数は14本までとなっているので、14本をキャディバッグに入れている人は多いのではないでしょうか。
でも、ラウンド後に自分が使ったクラブを考えてみてください。14本全部のクラブを使ったでしょうか。
上級者の場合は使っているかもしれませんが、初心者の場合、答えはおそらく「ノー」だと思います。
ラウンドで最も多く使ったクラブを思い出すと、一番使ったクラブはパターでしょう。すべて2パットだったとして36回も使用しています。ドライバーはロングホールやミドルホールで使いますが、ラウンドで最大14回。多いのはサンドウェッジ、ピッチングウェッジといったショートアイアンになっているのではないですか。つまり、ロングアイアンやフェアウェイウッドなどは利用の回数が少ないことがわかります。
ロングアイアンは使い方が難しく、初心者はバッグに入っていても使ったことがない、という人も多くいます。つまりラウンドで14本のすべてが必要ということはないのです。
クラブセッティングは本数が少ないほうがよい?
14本のクラブセッティングの場合、キャディバッグの重量を入れると、全体では結構な重さとなってしまいます。
ラウンドではカートに載せるのであまり気にすることはありませんが、持ち運びでは大変です。初心者が最初から14本のフルセットを準備すると、練習場に行くとき、コースに行くときに、その重さで気持ちが滅入ることもあります。
また、フルセットのクラブをすべて購入すると初期投資が大きな金額になってしまいます。最初はラウンドできるだけの少ない本数をそろえ、上達した段階でフルセットを考えてもいいのです。
本数が少ないとクラブの選択肢が少なくなりますから、コース上で迷うことがなくなります。初心者は、迷いがなくなると思い切ったゴルフをすることができるようになります。上達して、持っている番手の間の番手が欲しいと思えるようになったときにセッティングの変更を考えるようにしましょう。
完璧なクラブセッティングは人によって異なる
プロゴルファーのクラブセッティングは少しずつ異なっています。
例えば、「ウェッジを多く入れるかわりにミドルアイアンを減らす」といったセッティングです。
極端な場合、ドライバー、もしくはパターを2本入れるというプロゴルファーもいます。また、試合の行われるコースによってもクラブのセッティングを変えるということをしています。
アマチュアも「フェアウェイウッドがあまり得意ではないからユーティリティを入れておく」という場合もあります。さらに男性と女性でもクラブのセッティングは異なってきます。
このようにゴルファーによって何が正しいセッティングなのかは違ってくるのです。
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「ゴルフクラブが7本で十分」とは?
「ゴルフクラブは7本で十分だ」という意見があります。ここで、なぜ7本なのか、その理由を考察してみます。
7本で十分という人が言いたいこと
ゴルフでラウンドするときは、クラブ7本あればスコア100を切ることができます。上級者であれば、90切りも可能です。
14本を入れているのは、向かい風の場合は1つ番手を大きくしたいなど、微妙な調整ができるからです。ある程度ラウンドできるようになると、あるクラブとクラブの間の距離を打てるクラブが必要だな、と思うようになってきます。
「7本で十分」は、このような欲求がでるまでは、少ない本数で確実にラウンドするほうがよいという意味でしょう。
また、ハーフショットの活用で上達できることも理由のひとつ。練習場でハーフショットの飛距離とフルショットの飛距離をしっかりと覚えておけば、コースでも自然と打ち分けができるようになります。
ちなみに、ハーフショットとはフルショットの半分くらいの振り幅で打つのですが、実はハーフショットでも飛距離は7割から8割くらいは出ます。
7本で十分である理由
初心者向けに販売されているゴルフクラブのハーフセットは、基本的に7本セットです。
なぜ7本になるのでしょうか。ドライバーとパターは必要ですので、残りの5本がどのように必要になるのかを考えてみましょう。
ゴルフコースのほとんどは、ハーフの9ホールでパー3が2ホール、パー5が2ホール、パー4が4ホールという設定になっています。
レギュラーティーの場合、パー5は距離が約500ヤード、パー4は320~380ヤード、パー3が120~180ヤードが中心です。
この前提で、以下のケースを考えてみましょう。
例)7番アイアンで140ヤード程度の飛距離を持っている人が、ティーショットから7番アイアンだけでショットをした場合
パー5では、3打目で420ヤード(残り80ヤード)です。パー4では、2打目で280ヤード(残り40~100ヤード)です。
残りの40~100ヤードは、サンドウェッジやピッチングウェッジを使ってグリーンオン。つまり、7番アイアンだけでボギーオンできます。パー3も含めてすべてボギーオン+2パットで回ったとすると、スコアは90です。
とはいえ、すべて7番ばかりでは、ゴルフの面白さは薄れてしまいます。なので、やはりドライバーやウッド系のクラブは欲しいですよね。
そうするとユーティリティを含むウッド系のクラブを2本、ミドルアイアンが2本、ショートアイアンが2本、これにパターを加えると7本です。
これで十分、ゴルフのラウンドはできますし、ゴルフを楽しみながらスコアも良くすることができるのです。
「5本でラウンドを回れる」という声も
既に、理論上、7番とウェッジとパターで90程度のスコアは出せると説明しました。これにドライバーを加えると、更にスコアアップの可能性が高まります。バンカー用のサンドウェッジと100ヤード前後が打てるアプローチウェッジかピッチングウェッジがあれば十分にラウンドができます。ドライバー、7番アイアン、ウェッジ2本、パターの合計5本です。
実際に5本でラウンドしている人は多くないと思いますが、7本でのプレーはコースで頻繁に見ることができます。
ゴルフクラブの7本セッティング、内訳は?
7本でラウンドするときにはどのようなクラブのセッティングをすれば良いのか、具体的に説明していきましょう。
アマチュア男性の場合、ドライバーのヘッドスピードは38〜40m/sと言われています。このヘッドスピードの場合、クラブの番手別のロフト角と飛距離の目安は次の表のようになります。
なお、ロフト角とそれぞれの番手はメーカーによって大きく異なりますので、あくまで参考としてご覧ください。
ロフト | 飛距離(ヤード) | |
---|---|---|
ドライバー | 10.5 | 220 |
フェアウェイウッド #3 | 15 | 200 |
ユーティリティ #3 | 19 | 180 |
ユーティリティ #4 | 21 | 170 |
アイアン#5 | 24 | 160 |
アイアン#6 | 27 | 150 |
アイアン#7 | 30 | 140 |
アイアン#8 | 34 | 130 |
アイアン#9 | 39 | 120 |
ピッチングウェッジ | 44 | 110 |
アプローチウェッジ | 50 | 90 |
サンドウェッジ | 56 | 70 |
ウェッジ | 60 | 60 |
パター | – | – |
この表のクラブの本数は14本ですので、ここから7本を選択することになります。
ドライバーとパターは必須ということで考えると、残り5本を選びます。
フェアウェイウッドかユーティリティか
初心者向けのクラブのハーフセットにはフェアウェイウッドの3番がセットされている場合が多いようです。
しかし、フェアウェイウッドとユーティリティを比較した場合、ユーティリティのほうが簡単に打つことができます。難しいフェアウェイウッドを入れるより、やや飛距離は落ちますがユーティリティの3番にすることも検討しましょう。
アイアンは何番?
ミドルアイアンはおおよそ140〜150ヤードの飛距離を目安として選びます。
上の表から考えると7番か6番です。アイアンのロフト角が少なくなるほどボールのコントロールは難しくなるので7番のほうが安全かもしれません。最近のゴルフクラブのセットは7番までが標準で、6番や5番はオプションというケースも多くなっているので、その意味でも7番が無難です。
ピンまで160〜170ヤードのショートホールもあります。この場合、適切なクラブがないように思えますが、ショートホールの距離表示は、グリーンのセンターまで。つまり、手前のエッジからは10ヤードから20ヤード程度離れています。140ヤード程度飛べば、グリーンオンも可能なのです。
ショートアイアンは、ロフト角の間が空きすぎないように9番アイアンがよいでしょう。ロフト角はゴルフクラブのメーカーによって違いがあるので、7番と9番は同じメーカーのクラブにすることも検討しましょう。
ウェッジはどれを選ぶ?
バンカーから脱出するためのサンドウェッジは必要です。すると選択肢は、ピッチングウェッジかアプローチウェッジのいずれかです。ロフト角の配分を考えながら、最適なウェッジを選びましょう。
なお、ウェッジはメーカーによって名前が違ったり、ロフト角が大きく異なったりします。ウェッジの名称ではなくて、実際のロフト角で選ぶことをおすすめします。
シンプルなクラブセッティングのメリット・デメリット
14本すべてのゴルフクラブをゴルフバッグに入れておくか、少ない本数にしておくか。メリットとデメリットから見てみましょう。
シンプルなクラブセッティングのメリット
シンプルで少ないクラブのみをゴルフバッグにセッティングすると、運搬が楽という物理的なメリットがあります。キャディバッグの重量は3〜4kg程度、軽量タイプでも2kg以上あります。これにクラブを14本、ボールや雨具などラウンドに必要なものを入れると総重量は10kgを超えることもあります。ハーフセットの場合は6〜8kg程度ですみます。
更に、クラブの選択肢が少ないので、ハーフショットなどを多用することになり上達が早くなる可能性があります。何本ものクラブを使い分けるより、1本のクラブでいろいろな距離を打てるようになれば、早く上達できます。実際、サンドウェッジだけでロブショットから転がしのアプローチまでをできるように推奨しているレッスンプロも多くいます。
シンプルなクラブセッティングのデメリット
シンプルで本数が少ないクラブのセッティングの場合、100~150ヤード程度の微妙な距離の調整が難しくなります。
例えばグリーンセンターまで残り130ヤード、手前はクリーク(小川)、奥はバンカーという場合、7番ではオーバーしてバンカー、9番では短くて少し弱いとクリークに入ってしまうということになります。この場合、「8番があれば……」という悩ましい状況になります。
つまり、選択肢が少ないことがデメリットにもなりうるのです。
ゴルフの初心者におすすめのクラブの本数は?
初心者におすすめのクラブの本数は何本でしょうか。すでに紹介したことを踏まえて、整理しましょう。
初心者はクラブの使い分けをしすぎないほうが良い
あくまでこの記事での結論ですが、ここまで紹介した7本に、飛距離のことを考えアイアンの8番を加えた8本というセッティングが初心者の方には適切といえます。
ゴルフは、ほかの球技に比べて道具に頼る部分が大きいスポーツです。そのため、多くのクラブを使い分けるとスイングが崩れてしまうことがあります。
ユーティリティはアイアンに近い感覚でスイングすることができますが、フェアウェイウッドはドライバーに近い感覚になります。フェアウェイウッドとユーティリティを多く使うと、スイングが安定していない初心者の場合は、何が正しいのかわからなくなることがあります。このようなリスクを避けるためにも、極力シンプルにすることをおすすめします。
シンプルなゴルフクラブの揃え方は
ゴルフショップでは、初めてゴルフをする人向けに、キャディバッグ込みの7本セットのクラブを格安で販売しています。最初からすべてのクラブを揃えるのは費用的に厳しいので、「安いセットから始めてもらおう」という意図からです。
しかし、ある程度ゴルフが上達するとフルセットがほしくなり、すべてを買いなおすことになります。これからゴルフを長くやりたいと思っている方は、このことを踏まえて決めましょう。
おすすめの方法は追加購入できるクラブを選ぶことです。上達して、欲しい番手ができたら追加購入するのです。ウェッジの場合はロフト角に注意すればメーカーが同じではなくてもいいですし、フェアウェイウッドやユーティリティの場合も同様です。
また、フルセットで購入しておいて、ラウンドの時には7本か8本しか使わない、という方法もあります。上達してきたらほかのクラブも使うというのも有効です。
クラブのタイプも考慮しよう
少ない本数でクラブセッティングしても、わざわざ難しいクラブを選ぶと上達を妨げることがあります。
特にアイアンは、キャビティバックタイプとマッスルバックタイプがあり、要注意です。キャビティバックタイプはスイートスポットが広いためミスに強いですが、操作性には難があります。マッスルバックタイプは操作性に優れていますが、ミスをすると大きく距離をロスします。初心者にはミスに強い、キャビティバックタイプがよいでしょう。
このように、本数だけでなく初心者が扱いやすいクラブを選ぶことも大切です。
初心者は、ゴルフスクールでクラブセッティングを学ぼう
自分にあったクラブセッティングは何が良いのか迷いますよね。自分のスイングがどのようなものなのか、それにあったクラブはどんなものなのか。また、7本、8本を選ぶとしても自分がやりたいゴルフに合った選択はどのようにしたらいいか、など決めかねます。
ゴルフショップでもアドバイスをしてくれますが、短い時間、スイングを見るだけなので、どうしても無難なアドバイスになってしまいます。
そのようなときは、ゴルフレッスンでセッティングをアドバイスしてもらうことを考えてみてください。レッスンで個人個人のスイングの癖をみてくれるので、適切なアドバイスをもらうことができます。
例えばフェアウェイウッドが良いのか、ユーティリティが良いのかなどは個人ではなかなかわかりませんが、経験を積んでいるコーチなら、その人にあったアドバイスをしてくれます。
これからクラブの購入を考えている人は、專門的なコーチがいるゴルフスクールに入ることも検討しましょう。
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