ラウンド中に突然起きてゴルファーを悩ませる、シャンク。一度シャンクが起こると繰り返してしまい、自信を持ってショットができなくなります。
一方で、シャンクは「レベルアップの過程で経験すること」、「ナイスショットと紙一重」とベテランゴルファーから言われたことがあるかもしれません。もしそうだとしても、不安な気持ちシャンクが起こるのにはどのような理由や原因があり、どうすれば解決するのかわからないと不安ですよね。
今回は、そんなシャンクと向き合うために必要な基本的なことを紹介していきます。
シャンクの種類
シャンクとは、膝から足首の間の部分である「脛(すね)」を指す英語。ゴルフクラブを人の足に例えて、脛に当たる部分(ヘッドとシャフトのつなぎ)で打つことをシャンクと呼びます。
このシャンクには、いくつか種類があります。まずは、ゴルファーを悩ませるシャンクの種類を3つ紹介します。
アウトサイドイン軌道が原因のシャンク
ゴルフスイングでアウトサイドインの軌道が強すぎる場合に、ヘッドのネック部分でボールをとらえてしまうことによって起こるシャンクです。ヘッドの操作を苦手とする初心者に多く起こります。
インサイドアウト軌道が原因のシャンク
インサイドアウトの軌道でフェースが戻りきらない時に、ネック部分に当たってしまい起こるシャンクです。上級者やプロでも起こりえます。
ヘッド位置のズレで起こるシャンク
ストレート軌道のゴルフスイングでも起こるシャンクです。インパクト時にヘッドがずれて当たってしまうことが原因で、無意識にヘッドを動かしたり体重移動ができていなかったりすることによって起こります。
ゴルフの練習しすぎとシャンクは関係ある?
ゴルファーにとって気になるのが、シャンクは練習のしすぎによって、ネック部分にボールが当たるようになるのかということでしょう。
結論から言うと、正しく練習をしていれば、練習のしすぎがシャンクの原因になることはほとんどありません。ただ、練習をしすぎることによってシャンクが起こる状況を作り出してしまう可能性はあります。
練習のしすぎで疲れてシャンクは出やすくなることも
1日に数百球のボールを打つような過度な練習をした場合、疲れが蓄積して集中力や握力がなくなってくることが考えられます。そうすると正しいスイングができない場合などにシャンクが起こってしまいます。
握力が低下するとクラブヘッドやフェースのコントロールが難しくなって、ネック部分でインパクトしてしまうことに繋がります。また、疲れている状態ではゴルフスイングが乱れてインサイドインができなくなったり腕の力に頼ったスイングになったりする可能性もあるでしょう。
練習のしすぎによって身に付いた習慣やクセが原因でシャンクが起こる
ゴルフの練習は、素振りやショット練習の積み重ねで、スイングの型を作り上げていくことです。
この時に正しいスイングが身に付けばいいのですが、極端なアウトサイドインやインサイドアウトなど間違った習慣やクセが身についてしまうと、当然練習すればするほどシャンクが出やすくなってしまいます。
また、間違ったゴルフスイングに気付いたり修正することが難しくなるという、悪循環にはまることも考えられます。
「自己流のクセがついてしまい、自己練習だけでは行き詰まってしまった…」という方にはステップゴルフへ!当社認定コーチが丁寧に解決へと導きます。
練習のしすぎだけじゃない?シャンクの原因とは
アドレスの時には、ボールとクラブフェースを合わせているのにネック部分にボールが当たるのはなぜでしょうか。
ここで、練習のしすぎ以外のシャンクの原因を紹介します。
アウトサイドイン軌道がシャンクの原因
ゴルフスイングは、ターゲットラインと呼ぶ「ボールと目標点を結んだ線」を基準として、トップからのダウンスイング、インパクトしてからのフォロースルーが、このターゲットラインよりも体側で移動する軌道を描くインサイドインが理想とされています。このインサイドインの軌道であれば、フェースコントロールがしやすく、インパクト時にフェースが開いたままという可能性が少なくなるので、シャンクも起こりにくいのです。
しかし、アウトサイドインのスイングの場合、テイクバックのトップの位置からダウンスイングに切り返すときに、クラブが8の字を描くようなスイング軌道を描きます。手の位置で考えるとわかりやすいのですが、テイクバックの時は身体に近い場所を手が通過して、トップからのダウンスイングでは手が体から遠い場所を通過する軌道です。
このスイングの場合、アウトサイドからヘッドが入ってくるので、インサイドへクラブを逃がそうと体は開いた状態となってしまいます。そのためフェースが戻らないままネック部分にボールが当たってしまっています。
体を使ったスイングではなく、腕の力でクラブを振るとこのアウトサイドインの傾向が強くでます。そのため体を上手く使えない初心者ゴルファーに多く見られます。
右手の動きがシャンクの原因になる
アウトサイドインの軌道とは反対の軌道を描くインサイドアウトのスイングも、フェースが開いたままのインパクトでシャンクの原因となってしまいます。
インサイドアウトのスイングでは、左手よりも右手の方に力が入っていることがポイント。右手主導でテイクバックを行うことによって、ターゲットラインよりも体側に寄ったトップの位置となり、そこからのダウンスイングは体に近い場所を通過しながらインパクトを迎え、右手で押し出すようなスイングとなり体から遠い側へフォロースルーをおこないます。これがインサイドアウトのゴルフスイングです。
この場合、インパクトを迎えるときにフェースを返せないと、ネック部分にボールが当たりやすくなりシャンクしてしまうのです。ドローボールやフックボールなどのコントロールショットを打つ時のスイングでもあるため、上級者でもシャンクがでることがあります。
トゥシャンクは前傾姿勢と体重移動・シャンクへの恐怖心が原因
ネック側ではなく、フェースの先端側にボールが当たってもシャンクと同様のミスショットが生まれます。これをトゥシャンクと呼びます。
このシャンクが起こる原因として、かかと側への体重移動があります。ゴルフスイングの基本は前傾姿勢ですが、この姿勢が維持できないままスイングをしたり、飛ばそうと力み過ぎたスイングをしたり、ボールの行方が気になり頭が上がってしまったりすると、かかと側へ体重が乗りやすくなります。そうするとインパクト時にフェースのトゥ側へボールが当たります。
またトゥシャンクの原因には、シャンクをしてしまうんじゃないかという恐怖心によって、インパクトの瞬間にネック部分にボールが当たらないように、トゥ側へずらしてしまうことでも起こります。
ゴルフ練習場でシャンクが止まらないときの対策
シャンクはゴルファーにとって悩ましいミスショットです。
もしシャンクが止まらなくなった場合は、難しく考えずに落ち着いてシャンクの原因となる状況を取り除くことを考えましょう。ゴルフスイングの基本を再確認するだけでシャンクが止まるなんてこともあります。
ここでは、シャンクが止まらなくなった場合の解決方法を紹介します。
アドレスなどのルーチンを確認
自分自身のいつも通りのゴルフスイングができていないことがシャンクの起こる原因のひとつです。アドレスからフォロースルーまでの動作などを確認してみましょう。
- ボールとの距離感に違和感がないか確認
- グリップ位置などアドレスの形が正しい位置になっているか確認
- 素振りをしてインサイドインになっているか確認
- ボールの位置がいつもより右に寄っていないか確認
- きちんとした前傾姿勢を保てているか確認
スイング軌道を確認する
シャンクは、フェースが開きやすい状態であることが最大の要因であるといえます。スイングの軌道やフェースの向きを確認して、それを取り除きましょう。
- ターゲットラインを再確認
- スイング軌道がアウトサイドインやインサイドアウトになっていないか確認
- フェースが開かないように意識をしてスイングする
- インパクトでしっかりとボールを捉えるイメージをする
ゴルフスイング時の身体の動きを確認する
シャンクは、ボールとの距離感の変化やクラブフェースの向きの変化によって起こります。そのためスイング軌道だけではなく、体の動きを意識してスイングすることも大切です。
- ダウンスイングで右膝が前に出ていないか確認
- 腕ではなく体の回転で振っているか素振りをして確認
- シャンクを恐れるためにインパクト時に手元が動いていないか確認
「シャンク病」が重症な方の練習方法は?
シャンクの症状がずっと続く場合や、どのクラブでもシャンクする場合は、重症な「シャンク病」といえるかもしれません。ここで重症な「シャンク病」の場合におすすめの練習方法をご紹介します。
シャンクを治すためのショット練習
シャンクは、フェースでしっかりとボールを捉えることができていないことが原因です。だからこそ、ボールを捉える感覚を身に着ける練習が効果的です。
【ボールを2つ使ったショット練習】
- ①ボールを縦に2つ並べて手前のボールだけを打つ。
- 手前に本当に打つボールをセットします。縦にボールが2つ並ぶように、クラブヘッドの先にもう一つボールをセット。シャンクがひどいゴルファーは2つとも打ってしまうかもしれませんが、何度も繰り返して手前のボールだけをしっかりと捉えられるように練習しましょう。
- ②ボールの感覚を変更するなどの工夫しながらショット練習を繰り返す。
- ボールを捉えて打てていれば、シャンクをしないということがわかりやすく、シャンクを解消できていることを実感しやすい練習方法です。アドレスからショットまでのいつもの流れを確認したり、ボール同士の感覚を狭くしたりするなどの工夫をして練習すれば、より効果的にボールを捉える感覚をつかめることが可能です。
シャンクをしないためのスイング練習
スイング軌道がインサイドインになっていないこと、頭の位置や膝の使い方などが原因となっていることもあります。そのためあまりにもシャンクがひどい場合には、ゴルフスイングを基本から見直すスイング練習もおすすめです。
アドレスからフォロースルーまでの一連の流れと身体に使い方を基本から見つめなおしてみましょう。鏡の前でスイングをしたり、いろんな角度から動画撮影したりすると、わかりやすいのでおすすめです。この機会に自身のゴルフスイングを再確認しましょう。
シャンクの恐怖心を取り除く
「もしかしたらまたシャンクするかも……」という恐怖心自体がシャンクを引き起こす原因となっていることもあるでしょう。ショットすること自体にネガティブなイメージが作り上げられていると、さまざまな練習をしてもあまり効果がありません。イメージが払拭されるまで、ショット練習を控えることも1つの考え方です。コースマネージメントについて考えてみたり、パターの練習期間に充てたりするなどして、ネガティブなイメージを取り除きましょう。
シャンクでゴルフをやめるなんてもったいない!
あまりにもシャンクの症状がひどいとゴルフをやめたくなるかもしれません。確かにシャンクは気持ちのいいものではありませんが、ゴルファーならだれもが経験するミスショットのひとつです。
しっかりと練習することで、シャンクを解決する手段はあります。シャンクを克服して、これまで以上に自然の中で気持ちの良いラウンドを楽しみましょう。
ゴルフの上級者でもシャンクが出ることもある
シャンクは、初心者ゴルファーだけではなく上級者ゴルファーにも出てしまうミスショットです。ちょっとしたスイングの意識や気持ち次第で起こるのがシャンク。だからこそ、ナイスショットとシャンクは紙一重といわれるのでしょう。シャンクを克服できてこそ上級者ゴルファーだと思えば、乗り越えてみたいと感じることもできるのではないでしょうか。
シャンクが出るのは上達の手前という意見も
レベルアップするなかで避けては通れない試練ということもいえるのかもしれません。空振りをせずにボールを前に飛ばすことがやっとだった初心者の頃を考えると、さまざまな経験をして今に到達しているはずです。
シャンクを乗り越えた先には、スコア100切りや理想のゴルフが待っていることでしょう。
シャンクの矯正はゴルフスクールがおすすめ
どうしてもシャンクが治らない場合には、ゴルフスクールの利用がおすすめです。自己流の解決方法より、専門家にしっかりとサポートしてもらうことは、シャンク克服の近道となることでしょう。
体調不良の時に市販薬で改善しなければ、病院を受診しますよね。それと同じ感覚だと考えれば、ゴルフの不調はゴルフの専門家に相談するのもおすすめ。ゴルフスクールを上手く活用して、さらなるレベルアップを実現させましょう!
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