「ゴルフ関連のビジネスを自分で経営したい」という希望をお持ちで、もし経営自体は経験が無い場合、フランチャイズ(FC)という選択肢があります。
未経験者でもスムーズに事業を始められるように設定され、フランチャイズ本部企業のサポートを受けながらビジネスを運営できる「安心」が売りのビジネス形態です。
この記事では、ゴルフのフランチャイズビジネスの種類やメリット・デメリット、そして気を付けたいポイントなどを網羅しています。ゴルフのフランチャイズ経営に興味をお持ちでしたら、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ゴルフのフランチャイズ(FC)とは
ゴルフのフランチャイズ(FC)は、フランチャイズ本部が運営しているゴルフビジネスの運営マニュアルやブランド、ノウハウなどを伝授してもらうことで、個人や法人がビジネスを経営し、対価を本部に支払う仕組みです。
フランチャイズに加盟した個人や法人が本部に支払う対価は、主に「ロイヤリティ」や「加盟金」があります。
フランチャイズ本部としては、すでに成功していて収益になると分かっているビジネスを運用してくれる新しいオーナーを増やし、新規の店舗を出店してもらう事で事業を広めるられるメリットがあります。
フランチャイズは短い期間に成果が出るようにビジネスに必要な内容をパッケージ化しているため、未経験者でも商売を行えるようにセットアップされています。
ゴルフビジネスでフランチャイズ経営をすること
ゴルフビジネスでフランチャイズを経営するには、自身でビジネスを始めるのと同様に、原則として開業資金が必要となります。しかし、本部が店舗設備をあらかじめ用意し、備品の費用を毎月一定額返済する場合や、金融機関から融資を受ける場合もあります。融資を受けたい場合は現実的な経営計画や、マネジメント経験など、信頼を得るための入念な下準備が欠かせません。
また、ブランドイメージを守るため、フランチャイズは本部が設けた「ルール内」で経営していくことになり、ある程度窮屈に感じることがあるかもしれません。しかし、逆に本部の多岐にわたるサポートを受けながら運営していけることは独立開業したい方にとっては大きな安心となります。
フランチャイズのビジネスモデルには性格的な面で向き・不向きがあるので、決断する前に自身がどのようなタイプであるか理解しておきたいところです。以下はその一例です。
向いているタイプ
- アドバイスを受けることに抵抗がない
- 決まりの中でも自分なりに工夫ができる
- 本部との関係を良好に保てるコミュニケーション力がある
向いていないタイプ
- アドバイスを受けるのが苦手
- すべて自分の思い通りに経営したい
- 本部との信頼関係の構築に自信が無い
自身がどのような気質があり、何を希望していているのか、また「やりたいこと」や「優先順位」も明確にしておくことが、フランチャイズ成功への道のりの一部です。
ゴルフのフランチャイズで考えられるビジネスモデル
それではここからゴルフのフランチャイズにはどういった種類があるのか、その特徴を含めて紹介していきます。
ゴルフスクール
野外で練習できるゴルフスクールのフランチャイズ。すでに屋外の施設を運用している方、もしくは屋外練習場で個人レッスンしている方などが加盟し、分校として生徒を紹介してもらう仕組みです。
ゴルフスクール(インドア)
「成長市場」といわれるインドアのゴルフスクール。日中はコーチが常駐しレッスンに使用し、夜間は無人営業での練習場として運用する、といった施設をフル活用したビジネスも可能です。
また、本部が作ったコスト別のプラン提供でユーザー満足度をあげ、解約率を抑える工夫がされているスクールなどもあります。
ゴルフショップ
中古のゴルフクラブを取り扱う路面店のフランチャイズなどがあります。在庫の費用は運営を開始してから一定額を本部に支払う、といった形を取り、初期費用を抑えて開業することが可能です。
練習場に併設されたショップを運営する場合は、安定した動線がすでに確立されているため収益があげやすいというメリットがあります。
ゴルフ練習場
コース付きの練習場だと広大な土地が不可欠なため、初期投資費用が大きいですが、その代わりにフランチャイズとしてはまだ少ないビジネスモデルのため差別化を図ることができます。開業費用だけで3,000万円ともいわれるため、資金に余裕があることが必須です。
ゴルフのフランチャイズオーナーになるメリット・デメリット
それでは、フランチャイズを行うメリットはなにか、そして事前に知っておきたいデメリットはなにか紹介していきます。
フランチャイズのメリット
なんといってもフランチャイズのメリットは個人で事業を「何も無い」ところから始めるのとは違って、本部のブランド力や経営のノウハウを享受できるところ。スタートダッシュの状態で始め、軌道に乗せるまでの時間、労力、コスト、を最小限に抑えることが可能です。それではメリットをそれぞれ細かくみていきましょう。
高い年収が期待できる
フランチャイズのビジネスモデルは年間収益が数千万と高額です。投資回収目安期間も3年を謳っている企業もあり、高い年収が期待できます。
特にハイスペックのシミュレーター、スイング解析機などを導入することで、初期費用は膨らみますが、高単価のサービスを展開することも可能です。
ノウハウが提供される
未経験でもフランチャイズ経営をしていけるように、運営マニュアルや研修が用意されているの一般的です。
また、なかにはネットで共有在庫を管理しているフランチャイズもあり、最寄りの加盟店とシェアすることで不要な在庫、在庫不足のどちらも回避できる効率の良いシステムの恩恵にあずかることが可能です。
そのほかにも本部の提供している予約システムを使用することで効率的にスクールや練習場を運営できる、といったメリットもあります。
ブランド価値を利用できる
人間の心理として、親しみのある、もしくは何度も見たことがある方を信頼する傾向にあります。すでに確立されているブランドやその商品を使用できるということは、ゼロからスタートする身としては大きなメリットです。
施設、設備、備品などの開業費に加え、水道光熱費などのランニングコストをなんとかやりくりしなくてはいけない創業時。「広告費のことまでとても頭が回らない…」という時にすでに周知されているブランド力があれば「勝手に」集客してくれます。
自身はお客様のLTV(Life Time Value: お客様がどれくらい店舗でお金を使用してくれるか)など、さらなる収益に繋がるサービス向上に注力できるため、好循環がうまれます。
フランチャイズのデメリット
何事も良い点があれば悪い点があるように、フランチャイズにもデメリットがあります。デメリットもしっかりと押さえ、自身の納得のいく判断を下すための材料にしてください。
本部の見極めが必要
フランチャイズ本部の善し悪しによって、フランチャイズ事業が成功するか失敗するかが左右されると言っても過言ではありません。そのためにも本部の見極めが最重要です。
次章でも説明しますが、収益性や開業資金などの数字を実際に比較するのが有効な手段です。そのほかにもウェブサイトやマニュアルの充実度、商品力、開業サポートや開業前研修が十分か、なども指標となります。
また、自身と本部との「相性」も忘れてはいけないポイントです。本部のビジネスを受け継ぎルールを尊守しながら運営するので、もちろん深い関わりを持つこととなります。事前の説明会や、問い合わせの際の担当者の対応などから考察し「ずっとお付き合いしていける相手か」という目線の見極めも重要です。本部の経営理念やビジョンなども参考にするとよいでしょう。
加盟にお金がかかる
フランチャイズ加盟にかかる費用として「加盟金」そして「ロイヤリティ」があります。加盟金は文字通りフランチャイズ本部の加盟店になる際に支払う一時金です。ロイヤリティはフランチャイズ本店の商品やブランド、著作権や商標権を使用する対価として支払う費用です。ロイヤリティは毎月一定額、もしくは売り上げに対して決まった%を支払う方法があります。
この「加盟金」や「ロイヤリティ」が高額すぎると、経営を圧迫します。ただ、自身で一からビジネスを始める際にかかる膨大な労力、開業費用や広告費用と比較した場合に「加盟店」や「ロイヤリティ」の支払いのほうが場合によっては安くつくことも。予め数字を比較して、合理的な判断が必要になります。
また、フランチャイズを契約途中で解約すると違約金が発生する場合もあるので、契約を結ぶまえの確認が必須です。
フランチャイズなら、インドアゴルフスクールがおすすめ?
現在人気が高まっているインドアゴルフスクールは、収益性も高いビジネスモデルだといわれています。
ここからは収益性をはじめ、複数の項目別にフランチャイズビジネスを比較していきましょう。それぞれ表を用いて説明します。
収益性で比較
まずは収益性による比較です。
ビジネスモデル | 年間売上 | 収益性 | 補足 |
---|---|---|---|
ゴルフスクール(屋外) | 2,000万円〜 | 中 | |
ゴルフスクール(インドア) | 3,000万円~ | 高 | 夜間に無人営業の練習場として開放すれば、さらなる収益が見込めます |
ゴルフショップ | 1,500万円〜(開業5年目) | 中 | 仕入れ費用が発生します |
ゴルフ練習場 | 1,000万円~ | 中 |
ゴルフスクールの売上シミュレーションは以下のとおりです。
例)月15,180円(月2回レッスン) × 12カ月 × 生徒120名 = 21,859,200円
ただし、かならず120名が1年間在籍するかは不安定な要素であること、そして120名を毎日欠かさず2人レッスンするとしても最低でも2名のコーチが必要です。
開業資金で比較
開業資金は、運営を始めたあとの経営資金に大きな影響を与えるため、最小限に抑える、もしくは、なるべく早く投資費用を回収できるビジネスモデルが理想です。
ビジネスモデル | 開業資金 | 補足 |
---|---|---|
ゴルフスクール(屋外) | 0円〜 | すでに施設がある、もしくは個人レッスンをおこなっている方は0円から始められるでしょう。ただ、だれでも参入できるビジネススタイルではなく、施設の購入などからスタートする場合は、多額の資金が必要となります。 |
ゴルフスクール(インドア) | 2,500万円~3,000万円(6打席) | 投資回収の目安は約3年で、運営開始から早期のうちに回収が可能です。 |
ゴルフショップ | 600万円〜 例)加盟金200万円+保証金100万円+開業費300万円 | |
ゴルフ練習場 | 3,000万円~(土地代含まない) | 土地取得費用を含めると5,000万円以上の場合もあります。 |
運営の手間で比較
ビジネスモデル | 運営の手間 |
---|---|
ゴルフスクール(屋外) | 重 |
ゴルフスクール(インドア) | 中 |
ゴルフショップ | 重 |
ゴルフ練習場 | 中 |
例え同じ額の収益でも、手間が少ない方が実質的には収益性が高いといえます。それではそれぞれ見ていきましょう。
ゴルフスクール(屋外)
レッスンの場合、月15,180円の収入を得るには、2時間のレッスンが必要。
最大120名の場合240時間は指導のため拘束されます。
さらに事前準備、片付けもあります。
施設を運営する場合はメンテナンスや水道光熱費もあり、手間および経費はある程度かかります。
ゴルフスクール(インドア)
初期費用を抑える為には、経営者自ら受付業務などをおこなう必要があります。
コーチを雇いレッスンを請け負ってもらい、本部のネットの予約システムなどを活用すると、経営者自身の手間は最小限に抑えられます。
ゴルフショップ
初期費用を抑えるためには、経営者自ら店頭に立ち接客する必要があります。
また、ショップの営業時間は店頭に立ち、その他の時間に事務作業をおこなうため、長時間労働になる可能性も否めません。
ゴルフ練習場
施設のサイズが大きければ大きいほど、運営の手間がかさみます。
評判のよいゴルフフランチャイズの見極め方は?
やはり評判の良いフランチャイズを選びたいものですよね。どれか一つだけの情報だと偏ってしまう可能性がありますが、総合して判断するとよいでしょう。
店舗数を調べる
フランチャイズを行っているゴルフ業界の企業を調べておくことをおすすめします。そうすることで、漠然としたリサーチで検索上位の企業のみを見て、偏った判断になることを避けられます。(ただし、検索上位の会社も広告に成功しているという一つの指標にもなります)
それぞれのウェブサイトを調べるとフランチャイズの店舗数を公開している会社が多いので、数を比べ成功度をはかれます。
閉店数を調べる
こちらは店舗数同様、フランチャイズ展開しているゴルフ企業を調べ、その会社のウェブサイトを調べることで分かる事が多いのです。なかには、閉店ゼロ!という企業もあるので、成功しているかどうかの一つの判断材料になります。
信頼できる口コミを調べる
ゴルフのフランチャイズで検索すると、権威性のあるゴルフフランチャイズ紹介サイトや、ゴルフフランチャイズに関しての情報を専門的に集めたウェブサイトを見つけられます。これは全てのウェブサイトに関しても言えることですが、権威性、網羅性、信頼性があるサイトであれば口コミも参考にできます。
ただやはり、ネットだけの情報を鵜呑みにするよりは、自身の優先事項や信念を明確にし、気になる企業は直接話を聞くなど積極的な情報収集が成功へのカギとなります。