ラフの長く伸びた芝にボールがすっぽりと埋まってしまったときは、ワンペナを宣告された気分になりますね。
プロの選手を見ているとラフからでも大きなクラブで簡単にグリーンオンさせていますが、わたしたちアマチュアゴルファーも、練習すれば同じように打つことはできるのでしょうか。それとも、最初から脱出することだけを考えた方がよいのでしょうか。
この記事では、ラフからの打ち方やラフの状態に合わせたクラブ選択をご紹介します。

ゴルフのラフとは
ラフとは、「フェアウェイの外側の刈り込んでいない芝生や雑草の生えている部分のこと」です。
ゴルフ場によっては「ファーストカット」と呼ばれる短い芝生の部分とさらに深い芝生の部分の2段階にラフが作られているところもあります。
ボールがラフに入ったときには、芝生の深さや密集度によって脱出するための難易度が変わるので、ボールの状況をよく確認してから正しい対処をすることが大切です。
ラフの種類
ゴルフ場のラフは、その土地の気候などにより種類がちがいます。日本はほとんどが高麗芝など茎も葉も固い日本芝で、北海道など一部の寒冷地帯で柔らかく密集している西洋芝が用いられます。
ラフは芝生の種類によってボールが深く沈むこともあれば浅く乗るようなこともあり、沈み方がどの程度か見極めたうえでクラブの選択とショットの考え方を決めます。ラフの種類について、もう少し詳しく説明します。
深いラフ
芝生が長く伸びていたり柔らかかったりすると、ボールがすっぽりと埋まるような深いラフになります。
深いラフにつかまったときは、アマチュアゴルファーは決して無理をせずに9番アイアン以下のクラブで「まずフェアウェイに出すこと」を心がけるとよいでしょう。
プロの選手でも深いラフにつかまったときはグリーンオンをあきらめてフェアウェイに出すだけのショットをすることもあります。
ボールが半分沈むラフ
ボールの側面が見えている程度のラフの場合、アマチュアゴルファーはフェアウェイと変わらない気持ちで打ってしまうことが多いのではないでしょうか。
しかし、夏のラフは元気で、思った以上に抵抗が強いです。
芝生とボールの間にクラブが入るスペースがあるかどうかもクラブ選択に影響するポイント。
特にグリーンまで距離がある場合は無理をせずに「花道狙い」がおすすめです。
浅いラフ
芝が固く密集していれば、ボールが芝に浮くような浅いラフになります。
ボール全体が見えていてティーアップしたような状態のラフは普通に打てます。しかし、どうしても手前側の芝がボールとクラブの間に入るので、スピンがかからずグリーンオーバーというケースも想定しておく必要があります。
ボールへの芝生のかかり具合と芝生が順目か逆目かをチェックしてからクラブを選択しましょう。
深いラフからの脱出は難しい
先述のとおり、打ったときのクラブへの抵抗力が強いので、深いラフからは出すだけでも至難の技です。
ボールが真上からしか確認できないような深いラフにつかまったときは、ピッチングウェッジのような短いクラブで上からフェースを入れる打ち方など、かなりテクニックを要します。
初心者や初級者ゴルファーであれば、最悪「アンプレアブル」という選択肢もあることを頭に入れておきましょう。アンプレアブルとは「プレー不可能」という意味で、1打罰を受ける代わりに所定の場所からプレーを再開できるルールです。
ラフからのショットで起きがちなミス
よくプロのトーナメントで解説者が「ファーストカットで止まるかラフに入るかは天国と地獄ほどの差がある」と表現しますよね。
それだけラフに入ると次の一打が難しくなるんです。
アマチュアゴルファーにありがちなのは、距離を稼ごうとして大きいクラブで打ったら長い芝生に跳ね返されてフェースが開いてしまい、全く飛ばずに次のショットもまた同じラフの中というミスです。
また、グリーンオンを狙って手にしたユーティリティやフェアウェイウッドでの空振りも起こりがちなミスです。
ラフからのショットは無理をしないほうがよいでしょう。
初心者向け!ラフの打ち方
初心者のゴルファーの多くは「ラフに入ったからといって特に打ち方を変える必要はない」と思っているのではないでしょうか。
しかし、そんなことはありません。ラフに入ったら、「ラフの打ち方」できちんと対処する。それだけでスコアをまとめられることもあるんです。
ここで、具体的なラフの打ち方をみていきましょう。
短いクラブを使う
グリーンを狙うのではなくまずはフェアウェイに戻すことが最優先です。
なので、残り距離に合わせてクラブを選択するのではなく、あえて短いクラブで打つとよいでしょう。
芝生の抵抗に負けないためにクラブをやや短めに持つのもおすすめです。
グリップはやや強めに握る
ラフからのショットはグリップをやや強く握りましょう。
思った以上に抵抗が大きいので、浅いラフだと思って普通の柔らかいグリップのまま打つと、ボールの手前の芝生に負けてフェースが開いてしまい距離が出ないことがあるからです。
ややグリップを強めに握ることで芝生に負けないスイングができます。
ただし初心者のゴルファーはグリップを強く握ると上半身全体に力が入ってしまうことがあるので、その点は要注意。
深いラフならクラブを上から入れる打ち方をする
深いラフからのショットは技術が必要です。
基本的な打ち方としては、とにかくすくい打ちにならないようボールを右足寄りに置いて、やや左足に体重をかけます。
そして、クラブを上から入れるイメージで打つといいでしょう。
ステップゴルフのコースレッスンでは、ラフの対処方法や傾斜の打ち方などをわかりやすくレクチャーします。
ラフからの脱出に適したクラブの選択
ラフに入ったらクラブを短く持つのがよいですが、ボールの状況によってはほかのクラブを持つという選択肢もあります。
ここで、クラブの選択肢を紹介します。
ラフ専用もある「ユーティリティ」
ユーティリティは浅いラフなら若干トップしても距離を稼げるので、ラフからのショットでも有用性が高いです。
特に芝生とボールの間にクラブが入るスペースがない場合は、ユーティリティならクラブを滑らせて打てるので、ダウンブローに打つ必要がありません。
2022年のサントリーレディースで4年ぶりにツアー優勝した青木瀬令奈プロのコーチとして知られる、大西翔太コーチなどがこれを推奨しています。
また、ソール部分が三角形になっていて芝生の抵抗を受けにくい設計の「ラフ専用ユーティリティ」と呼ばれるクラブもあります。
ラフに強い「アイアン」
深いラフではショートアイアンを使うのが基本です。ゴルフ初心者は8番か9番のショートアイアンで事足りるでしょう。
ちなみに、アイアンの中でラフに強いといわれるクラブもあります。それはアスリート系ゴルファーが使う、フェースが小さいマッスルバックのアイアンです。
フェースが小さければ芝生の抵抗も小さくなるため有用ですが、フェースが大きく低重心のキャビティバックタイプを使っている方が多いので、あえて用意しなくてもよいかもしれません。
ラフに強い「フェアウェイウッド」
ラフでも芝生の上にボールが乗って浮いている状態なら、フェアウェイウッドで距離を稼げます。
フェアウェイウッドはソールが広いので多少手前を打ってもソールが滑ってくれるという利点もあります。
特に地面との接触面積を減らしたオールラウンドソール形状のフェアウェイウッドはラフに強いフェアウェイウッドといえるでしょう。
「ウェッジ」
深いラフの場合、自信がない方は「迷わずウェッジを持つ」くらいの気持ちでもよいかもしれません。
予選落ちが少ないことで有名な南アフリカ出身のレジェンド、アーニー・エルス選手は「深いラフにつかまったら7番より大きいクラブは持たない」といっています。
だからこそ彼は、ラフが深いことで知られている全米オープンで2勝もしているんですね。
ゴルフのラフショットの練習方法
ラフショットの練習は、つま先上がりやつま先下がりなどの傾斜地ショットと同じで、普段から意識して取り入れていないと、いざコースに出てから「どうするんだっけ?」となってしまいます。
もちろん実際の芝生で練習するのがベストですが、いつもの練習場や狭いスペースでもできる練習方法があります。
ぜひ参考にしてみてください。
アプローチ練習場のあるコースを探す
実際にラフの上で打ってみるのが効果的ですが、それでは練習機会が少なすぎますよね。
そこで、ゴルフコースによっては併設されていることがあるアプローチ練習場の活用をおすすめします。
短い時間でいろいろな練習ができるので、ここでラフの深さを変えながらアプローチショットを打ってみると芝生の抵抗の大きさを実感できます。
また、クラブも9番アイアンからサンドウェッジまで打ち比べてみることで実践的な練習ができるでしょう。
練習場でできるダウンブローの練習法
ラフショットの練習なら、実際のラフでなく普通の練習場でもできます。
たとえば、やや低くティーアップしたボールをショートアイアンでダウンブローに打つ練習です。
ボールを打ったあとにクラブがマットを叩けばダウンブローに打てているといえます。
逆に、クラブがマットに触れない場合はすくい打ちになっているので、上から叩くイメージで打つ練習を繰り返しましょう。
また、自宅の庭の鳥かごケージやスポーツクラブの中などの狭い打席では、マットを前にずらして最後方にボールを置いて打つ練習も効果的です。
ダウンブローに打てないとマットの端を叩いてマットが動いてしまいます。自分で工夫しながらダウンブローに打つ練習をしましょう。
クラブを短く持つ練習を取り入れる
いきなりコースで短めに持ってもボールとの距離感が合わずうまくヒットできないことがあるので、あらかじめクラブを短めに持ってダウンブローに打つ練習をしておくと、ラフショットで活きてきます。
目安として、普段から約20発はクラブを短く持ってダウンブローに打つ練習をする、などしておくと効果的ですよ。
深いラフ対策はコースでのピンポイントレッスンで
深いラフ対策はなんといっても実践的なコースレッスンが最適です。
コースレッスンであれば、ラフの深さによってどの番手を選べばいいのか、またラフの形状やボールの位置などによる打ち分けの方法など、コーチが実際のコースで指導してくれます。
コースレッスンにもさまざまな種類があり、実際に一通りラウンドを回るレッスンもあれば、普段練習場では練習しにくいバンカーやラフからの脱出に焦点を当てたピンポイントレッスンなどもあります。
まずはコースレッスンを行っているゴルフスクールで相談をしてみてはいかがでしょうか。
ステップゴルフのコースレッスンでは、初級者から上級者まで各自のレベルに合わせた多様なレッスンを用意しております!