ゴルフをやっていると、フックに悩むことがあるかと思います。
フックとは、打ったボールが左に曲がってしまうことを言います。
今回の記事では、フックをテーマにフックがおこる7つの原因や、フックを解消する練習方法などをわかりやすく解説していきます。
ゴルフのフックとは
まずは、ゴルフのフックについて解説していきます。
ゴルフのフックとは、ボールが左に曲がっていく球筋のことを指します。
ドライバーやアイアンで打つような、空中でボールが左に曲がることはもちろんのこと、パッティングの際に、グリーンの傾斜によって左に曲がることもフックといいます。
パッティングの場合は、傾斜の影響で曲がりますが、ドライバーやアイアンの場合はスピンの影響によってフックが起こります。
ボールが左に曲がる原理
ボールが曲がるのには、風の影響を除くとサイドスピンによる影響があります。サイドスピンがかかることで、右や左に球が曲がっていくのです。
ゴルフボールの表面には、ディンプルという凸凹がついています。この凸凹は、ボールが空気抵抗によって安定して飛ぶための仕組みです。
フックの場合は、インパクト時にフェースがかぶってしまうことでボールが左に傾いて回転します。
これが、空気抵抗によってフックの球筋を作り出します。
また、ボールの曲がり具合はスイング軌道とインパクト時のフェースの向きで決まってきます。
9つの球筋
実際に、どのような組み合わせでどのような球筋になるのでしょうか。
ここでは、スイング軌道とインパクト時のフェースの向きの組み合わせごとに9つの球筋を紹介していきます。
まずは基本となるスイング軌道とフェースの向きの種類を覚えておきましょう。スイング軌道は、アウトサイドイン、ストレート、インサイドアウトの三種類があります。
アウトサイドインは、外側から内側にかけてクラブヘッドが通ります。ストレートの場合はまっすぐクラブヘッドが通ります。インサイドアウトの場合は、内側から外側にかけてクラブヘッドが通ります。
続いてフェースの向きは、オープン、スクエア、クローズの3種類があります。
オープンはターゲット方向より右側を向きます。スクエアはターゲット方向を向きます。クローズはターゲット方向より左側を向きます。
ここからは、それぞれの組み合わせごとに9つの球筋を紹介します。
- アウトサイドイン軌道
- フェースがクローズ→左に飛び出してさらにフックがかかる(プルフック)
- フェースがスクエア→左に真っ直ぐ引っかける(プルストレート)
- フェースがオープン→左に飛び出してスライスする(プルスライス)
- ストレート軌道
- フェースがクローズ→まっすぐ飛び出して最後にフックする(ストレートフック)
- フェースがスクエア→まっすぐ飛んでいく(ストレート)
- フェースがオープン→まっすぐ飛び出して最後にスライスする(ストレートスライス)
- インサイドアウト軌道
- フェースがクローズ→右に飛び出してフックする(プッシュフック)
- フェースがスクエア→右に飛び出してまっすぐ飛ぶ(プッシュストレート)
- フェースがオープン→右に飛び出してスライスする(プッシュスライス)
自分がどのタイプなのか、ぜひ確認してみてください。
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フックの種類
先ほどの9つの球筋を見ると、フックと名のつく球筋が3種類あることがわかります。
ここからはそれぞれのフックについて、具体的な特徴について解説していきます。自分のフックがどれにあたるのかも確認してみてください。
ストレートフック
ストレートフックは、スイング軌道がストレートかつインパクト時のフェースがクローズの状態で起こります。
ボールは一度ターゲットラインに打ち出されますが、徐々に左に曲がります。
フェースがクローズ(フェースが閉じた状態)ということは、ロフトも立っているのでやや強めの球筋になります。
そのため、ランも含めて飛距離がでるので、場合によっては左側のOBに突っ込んでしまうこともあります。
プッシュフック
プッシュフックは、インサイドアウト軌道かつインパクト時のフェースがクローズの状態で起こります。
ボールは一度ターゲット方向よりも右に打ち出され、左に曲がります。一度ターゲット方向からズレた後、フックしてターゲット方向に戻ってくるような球筋です。
最終的にターゲット方向に飛んでいくため、フックの中では比較的結果の良いコントロールされた球筋となります。そのため、大きなミスになりづらいです。
プルフック
プルフックは、アウトサイドイン軌道でインパクト時のフェースがクローズの際に起こります。
ターゲットラインよりも左にボールが打ち出され、さらに左にボールが曲がってしまいます。
フェースが閉じた状態で、アウトサイドイン軌道のため、クラブヘッドの入射角がきつくボールは低く飛んでいきます。その分ランが出るような球筋です。
そのため、コースから大きく外れてしまい、OBになるケースもあります。フックの中では最も大きなミスに繋がりやすいため、注意が必要です。
フックがでる7つの原因
ここからは、フックが出てしまう原因を7つ紹介していきます。
フックの原因を知ることで、フック改善に向けた練習がより効果的になるのでぜひ参考にしてください。
身体が回転していない
フックが起こる原因の1つ目は、身体の回転ができていないことです。いわゆる手打ちの状態です。
手打ちになることで、手首が返りやすくなるため、インパクト時にフェースが被り、フックが起こります。手打ちは、フックだけでなくダフリやトップといったさまざまなミスの要因になります。
また、先ほど紹介した3つのフックの中でも、特にOBなどのミスに繋がりやすいプルフックを引き起こしやすくなります。
身体の回転でクラブを動かすように意識してスイングをおこないましょう。
左手を被せすぎている(ストロンググリップ)
2つ目はグリップの握り方です。
ストロンググリップと呼ばれるような、右手を下から握るグリップは、フックになりやすいと言われています。
ストロンググリップでは、力を入れやすく手首が使いやすくなります。そのため、力が足りない方やフェースが返りづらく、球がつかまらない人におすすめです。
一方で、人によってはフェースが返りすぎてしまうことがあります。インパクト時にフェースがクローズの状態ではフックが起こります。
手首の返し(リストターン)が強い
3つ目は手首の返しです。
ゴルフのスイングでは、インパクト時に手首を返す動作が必要です。手首が適切に返ることで、フェースがスクエアになり、まっすぐ飛んでいきます。
スイングに必要な手首の返しですが、強すぎることでフックを出してしまいます。インパクト時に手首を強く返しすぎることで、フェースが被るためです。
また、手首の返しが強い場合、アウトサイドイン軌道にもなりやすいため、フックの中でもプルフックが起こりやすくなります。
プルフックは、先述したとおりOBになる可能性もあるため、なるべく避けたいミスです。手首を必要以上に使いすぎないように注意しましょう。
グリップを短く持っている
4つ目はグリップを短く持っていることです。
グリップを短く持つことで、クラブの操作性が高まります。そのため、手首が使いやすくなり、球を捕まえやすくなります。
3つ目の手首の返しと同様、スイング時にフェースが返りやすくなるためフックを起こす原因になります。
短く持つ場合は、手首の使いすぎに注意しましょう。
身体の軸がブレている
5つ目は、身体の軸がブレていることです。上級者や比較的ヘッドスピードが早い方に多いです。
体の軸が右足方向に傾くことで、フックを出します。右足方向に身体が傾くと、フェースが返りやすくなるためです。
フェースが返ると、インパクト時のフェースはクローズになり、フックを起こします。
特に、ドライバーなどで球を上げようとすると、下からすくい上げるような打ち方になり、身体の軸が右足側にブレます。
ボールと接する面の向きが悪い(フェースの向き)
6つ目はフェースの向きです。
構えたときからフェースの向きがかぶっていることは無いでしょうか?
フックが起こる原因はインパクト時のフェースがかぶっているためだと先述しました。
そのため、最初からフェースがかぶっていると、インパクト時にもフェースがかぶりやすくなり、フックを引き起こす原因となります。
クラブが合っていない
7つ目はクラブが合っていないことです。
ゴルフクラブには、同じ型番のものでも、長さやシャフトの硬さを選ぶことができるためかなり種類が多いです。自分に合っていない硬さや長さのものは、それだけでミスを引き起こす原因にもなります。
試打によって、自分に合ったクラブがわかることもあるので、ぜひ試してみてください。
フックを矯正するための練習法
ここからは、実際にフックを矯正するためにはどうしたらよいのか、その練習方法について解説していきます。
左脇にもの等を挟んでスイングする
1つ目は、左脇にものを挟んでスイングすることです。
挟むものは何でも良いですが、タオルなどがおすすめです。左脇に挟んだものが落ちないようにスイングしてみましょう。
左脇が開いてしまうと、手打ちの状態となり、身体を使ったスイングになりません。
この練習では、フックの原因の一つである、手打ちの改善に繋がります。
スイング時に右肩を回す意識をする
2つ目は右肩の回転を意識する練習です。
スイングには身体の回転が重要とよく言われますが、実践するのはなかなか難しいです。
そこで、右肩を回す意識を持ってスイングしてみましょう。
右肩が回転しながらバックスイングをおこなうことで、身体全体の回転を促すことができるようになります。
手打ちの改善にもなるため、フックの矯正に役立ちます。
左右の手を重ねず握って打つ(スプリットハンド)
3つ目は、左手と右手のグリップを少し離れて握るスプリットハンドでのスイングです。
手を離して握ることで、違和感はあるかもしれませんが、正しい感覚をつかみやすくなると言われています。
手首の返しすぎを防ぐことができ、両手の正しい動きがわかるようになります。ヘッドが返りすぎていると、右腕に力が入ります。
この状態で、何球か球を打つことで、両手の動かし方が分かってきます。
ラウンド中にフックが出始めた際には、スプリットハンドで素振りをすることで次のショットから改善を図れるでしょう。
フックを出さない「防止法」
フックを出さないためには、練習以外にもできることがあります。
自分のスイングをしっかりチェックして、分析することです。人によってスイングの癖は違うため、自分にあった防止方法を見つけていく必要があります。
まず自分のスイングをチェックする
まず、自分のスイングをしっかりとチェックしていきましょう。
スイングのチェック方法はいくつかあります。もっとも手軽な方法は動画撮影することです。スマートフォンなどを使って、自分のスイングを撮影してみましょう。
スロー撮影ができる場合は、インパクト時の動きを確認するためにもスローで撮影してみることがおすすめです。
少々お金がかかりますが、計測器を使うのも選択肢の一つです。個人でもつかえるようなコンパクトな計測器がおすすめです。
最近はスマホと連動して、スピンやスイング軌道、フェースの向き、ヘッドスピードなどさまざまなデータを取得することができるものも売られています。また、練習場にも計測器が設置されている場合もあります。
原因と照らし合わせて改善点を見つける
自分のスイングをチェックすることができたら、原因と照らし合わせて改善点を見つけていきましょう。
自分のスイングが、手打ちとなっているのか、スイング軌道はどうなっているのか、手首は返しすぎていないのかなど、フックの原因はさまざまです。
先に紹介した、7つの原因と照らし合わせることで、改善点を見つけていきます。
自分のスイングをチェックせずに練習をおこなうと、間違った練習方法を試してしまい、一向にフックが改善されない…なんてこともあります。
しかし、初心者のうちからスイングを分析して正しい練習方法を見つけるのは簡単ではありません。
正しい練習方法で着実に上達するには、スクールに通うというのも選択肢の一つです。
客観的な視点から、プロの指導者がスイングを分析し、正しい練習方法に導いてもらえます。フックに限らず、スイングの悩みがある場合はスクールもおすすめです。
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