ゴルフの指導経験がなくても、1ヶ月で一人前のコーチに!
研修担当者が語る「ステップゴルフ流・コーチ育成術」

ステップゴルフがインドアゴルフ業界で日本一の店舗数・会員数を達成している最大の理由。それは、店長兼コーチによるレッスンの質の高さです。そのためにステップゴルフでは、採用や教育を担う「アカデミー」による店長・コーチ研修を徹底してきました。今回取材したのは、アカデミーで主に技術指導をしている山川泰弘さん。ゴルフインストラクターを経て2019年に入社、2022年よりアカデミーで研修担当として活躍しています。幾多のコーチを育て上げてきた指導術とはどのようなものか。さらに、ステップゴルフのコーチとして活躍できる人の特徴についても語っていただきました。

「初心者にゴルフの楽しさを伝える」コンセプトに惹かれて入社

――山川さんは自動車業界の営業職、ゴルフ場スタッフ、インストラクターを経て2019年にステップゴルフへ入社しています。入社の理由は何でしたか?

私がゴルフ場で働きながらインストラクターをしていたころ、主なお客様は一定の経験を持つゴルファーでした。しかし、ゴルフ人口は徐々に減っていく傾向にあり、将来に不安を感じていたのです。そんなときに、当時立ち上がったばかりのステップゴルフがメインターゲットとしていたのは、ゴルフ初心者。「敷居が高いと思われがちなゴルフを幅広い人に楽しんでいただく」というコンセプトに、強い将来性を感じました。その予感通り、現在の店舗数は入社当初の3~4倍にのぼる100店舗以上にまで増えています。

――入社後は複数の店舗で店長兼コーチとして活躍すると同時に、新店立ち上げにも関わっていますね。どのようなことが印象に残っていますか?

多摩センター店、川崎店、府中店の3店舗で、新規立ち上げと店長兼コーチを務めました。特に印象に残っているのは最初の多摩センター店ですね。当時は今ほど店舗拡大の仕組みが整っていなかったこともあり、新人コーチである私も店舗立ち上げに向けた販促に奔走していました。近隣の企業回りはもちろん、雪のちらつく日に路上でティッシュ配りをしたことも。無事オープンセレモニーを迎えたときには安堵と感動で涙が出たことを覚えています。

――今とは違うご苦労があったのですね……。山川さんは前職もゴルフインストラクターでしたが、ステップゴルフのレッスンならではの特徴はどのような点にありますか?

レッスン時間が短いことと、初心者の会員様が多いことですね。一般的なゴルフスクールと違い、専門用語を極力使わず、シンプルな指導を繰り返すことを大切にしています。会話を楽しみながら心地良い時間を過ごしていただけることも、ステップゴルフの魅力です。そうしてゴルフの楽しさを知ってくださった会員様は、自ずと技術も向上するもの。初心者の会員様はわずか数ヶ月で別人のように成長し、コースデビューやスコアアップなどの目標をどんどん達成されます。そうした会員様の成長を見ると、コーチとしてモチベーションが高まりますね。

新人コーチの不安を和らげ、「楽しいレッスン」のコツを伝授

――山川さんは2022年、コーチとしての実績が認められ、本社のアカデミーへ異動となりました。アカデミーの役割と、その中で山川さんがしている仕事を教えてください。

当社の新入社員は、店長兼コーチになるため入社後に1ヶ月間の研修を受けます。この研修を実施しているのがアカデミーです。研修では、店長としての店舗運営業務と、コーチとしての技術指導業務の両方を教えており、私は主に技術指導を担当しています。新入社員研修の修了後も、3ヶ月後と半年後にフォローアップ研修があり、1年ごとのコーチ免許更新制度もありますので、継続的にコーチを育成しています。

――最近は会員様向けのレッスンメソッドの開発にも挑戦しているそうですね。

ステップゴルフのレッスンメソッドは、初心者の育成に強いという特長があります。今後はこれに加えて、中・上級者のさらなる上達に向けた指導も強化していきたい。そこで今、ステップゴルフのエグゼクティブコーチであるプロコーチの吉田一尊氏の監修を受け、新しいレッスンメソッドを開発している最中。日本一のインドアゴルフスクールで、プロとしてもコーチとしても著名なゴルファーと一緒にレッスンメソッドをつくれるなんて、夢のような仕事だと思います。

――新メソッドの完成が楽しみですね。新人コーチを指導する上では、どのようなことを大事にしていますか?

ステップゴルフの新入社員の中には、指導経験がない人がほとんどです。ゴルフへの情熱は人一倍あるけれど、店長兼コーチという初めての仕事を前に不安を感じている方も多くいます。ですので、研修担当としてまず大切にしているのは、彼らの不安を取り除き、各自の良いところを引き出してあげること。「指導」というよりは、パフォーマンスを出せる環境をつくり、背中を押してあげるイメージです。

――具体的には、新人に対してどのような指導をしているのですか?

ステップゴルフのレッスンメソッドや、お客様との接し方を伝えています。あとは、研修生からの質問には気軽に応じるようにしていますね。「会員様のスイングをチェックするにも、何をどう見れば良いのかわからないのですが……」といった初歩的な相談も大歓迎。何を聞かれても丁寧に答え、不安そうな人には「大丈夫だよ」と優しく励ますようにしています。

――1ヶ月の研修で、研修生の不安はすべて解消されるものですか?

いえいえ(笑)、なかなかそうはいきません。研修の後半には実店舗でのOJTもあり、実際の店長兼コーチ業務も経験できますが、やはり先輩に助けてもらいながら働くのと、一人で店舗を運営するのとではかなり違います。研修で一通りの知識・技術は身に付いているので、あとは腹をくくって実務に慣れていくしかありません。3ヶ月後・半年後のフォローアップ研修やコーチ免許更新の際に顔を合わせてみると、ほとんどの新人コーチは研修時とは別人のように成長しています。そうした姿を見ると、アカデミーの研修担当になって良かったと思いますね。

コミュニケーションが好きな人にこそ、コーチにチャレンジしてほしい

――これまで数多くのコーチを指導されてきた中で、どのような方が特にステップゴルフで活躍していると感じますか?

技術的な指導が上手であることも大事ですが、それ以上に会員様との会話を楽しめる方がコーチとして活躍していますね。ステップゴルフの会員様の多くは初心者で、中には「家族や会社の義理でやむなくゴルフを始めた」という人もいます。そういう方に、いきなり技術ばかり詰め込んでもゴルフが楽しくはなりません。「ゴルフ以外の会話もほどよく楽しみながら、スイングも上達する」というレッスンが喜ばれます。一方、ストイックにスイングの上達を目指す会員様もいらっしゃるので、そういう方向けには密度の高い指導が必要。会員様の変化を察知し、柔軟に対応できるコミュニケーション力がコーチには求められます。

――これまで指導した中で、印象に残っているコーチとのエピソードを教えてください。

若い新人コーチの場合、「自分にできるのだろうか」と不安を感じている方が多く、「どうすれば自信をもてるようになるのですか」という質問をよく受けます。私がよく言うのは、「最初はみんな不安しかないし、自信をもつ根拠もない。僕もそうだった。それなら、まずは“根拠のない自信”をもてばいい。チャレンジを繰り返していくうちに、本当の自信につながっていくから、大丈夫だよ」ということ。ある女性の新人コーチが、研修修了の認定式のときに、私のその言葉が心の支えになったと伝えてくれました。そのときは自分の想いが届いたと感じ、嬉しかったですね。

――最後に、これからステップゴルフの店長兼コーチとして働きたいと考えている方に、アドバイスやエールをお願いします。

「ゴルフが大好きで、その楽しさを多くの人に伝えたい」と思っている方にとっては、店長兼コーチはとても楽しく、やりがいのある仕事に違いありません。指導経験がなくて不安な人も、素晴らしい研修制度があるのでご心配なく。私も一生懸命サポートするので、ぜひ一歩を踏み出してください。そして、最初にもお話しした通り、ステップゴルフはインドアゴルフのトップブランドとして飛躍的な成長を遂げつつあります。これからもまだまだ事業拡大していくので、皆さんの活躍の場もさらに広がっていくでしょう。


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