ゴルフはマナーを重んじる紳士・淑女のスポーツです。初心者の中には、「くだらない」「めんどくさい」と感じる方もいるようですが、皆がマナーを守ることでプレーが成立し、楽しむことができると言っても過言ではありません。
今回は、ゴルフのマナーについて徹底解説します。初心者向けとして、これだけを押さえておけば大丈夫!というポイントもお伝えしますので、ぜひラウンドに出る前に確認してくださいね。
なぜゴルフはマナーが大切なの?
さまざまなスポーツがある中で、なぜゴルフではこんなにもマナーが重視されるのでしょうか。
ゴルフには審判がいません。ほかのスポーツに比べて、紳士的な言動・行動を自分で判断することを前提としている特殊なスポーツです。
もともとは貴族の社交場として発展してきたと言われるゴルフ。今でも多くのゴルフ場でその名残りがあり、皆が気持ちよくプレーするためのマナーや配慮は、ゴルファーとして誰もが守るべきものとされています。
マナーを知らないと周りに迷惑をかけてしまうだけでなく、自分が恥をかいてしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも、ラウンド前に最低限のゴルフマナーを知っておくことはとても大切です。
ここではゴルフのマナーにはどんなものがあるのかを紹介します。
ゴルフのマナーを一覧で確認しよう!
ゴルフにおけるマナーを一覧で紹介します。
あとで詳しく解説しますが、まずはゴルフにはどんなマナーがあるのかをさらっと確認しておきましょう。
- ドレスコードに違反しない服装をする
- コース内で騒がない
- ショットするときはしゃべらない・動かない
- ティーグラウンドでは打つ人の視界に入らない
- 打つときに時間をかけすぎない
- カートに乗るときは素早く
- バンカーショットのあとはならしておく
- グリーン上は走らない
- ディボット・ピッチマークを修復する
- クラブハウスへは泥を落としてから入る
- ゴルフ場への到着は時間に余裕を持つ
ゴルフのマナーとエチケットの違いは?
ゴルフには「マナー」と「エチケット」がありますが、この違いは何なのでしょうか。
マナーとは、社会的に望ましいとされる言動や態度のことです。
ゴルフでいえば、プレーのスピードが遅くならないようプレーファーストを心がけたり、バンカーをならして次の人が打ちやすい環境にしておくなどがあります。
エチケットとは、特定の人と接するときの言動や態度のことで、相手を不快にさせないための配慮という意味合いが強いです。
ゴルフでいうと、ショットする人の邪魔をしない、ミスショットにイライラしても態度に出さないなどがあります。
どちらもゴルフをする上では重要な「礼儀・作法」といえます。
ゴルフの基本的なマナー・エチケットを身につけ、ゴルファーとして恥ずかしくない行動を心がけましょう。
ゴルフでマナー違反をするとどうなる?
この章では、ゴルフのマナー違反にはどんなリスクがあるのかを解説します。
ゴルフのマナー違反をすると、自分が恥をかくだけでなく周りに迷惑をかけてしまうことも。「知らなかった」では済まされない場合もあるので注意が必要です。
実際にマナー違反をするとどうなってしまうのか紹介していきます。
マナー違反で入場・プレー拒否されることがある
各ゴルフ場には利用規約というものがあり、コースでプレーするにはこの規約に同意する必要があります。
利用規約には禁止事項の記載もあり、違反すると入場拒否やプレーを断られてしまうかもしれません。
特に注意すべきはドレスコードです。
入退場時やプレー中の服装にドレスコードを設けているコースがほとんどなので、ドレスコードとしてふさしくないと判断されれば注意されることがあります。
格式の高いコースでは入場拒否されてしまう場合もあるので、事前にゴルフ場のホームページや問い合わせで確認しておくと安心です。
また、プレー中の行動にも注意が必要です。
ショットがうまくいかずにクラブを叩きつけたり、コースに傷をつけるような行為は禁止されています。
同伴者に不快な思いをさせる発言・態度もNG行為です。
あまりにも度が過ぎた場合は、今後そのコースへの出入りが禁止されることもあります。
同伴者や前後の組に嫌な思いをさせてしまう
初心者が特に注意したいのが、スローペースによる後続組への影響です。
ゴルフは1本の道を順番に回っていく道路のようなシステムです。自分の組がノロノロしていると、その後ろのプレーヤー全員が渋滞してしまい、迷惑をかけることになります。
プレーの遅延は同伴者にも迷惑をかけます。コース内では1人ずつ順番にショットするので、1人がもたつくといつまでも打順が回ってこない同伴者をイライラさせてしまうかもしれません。
また、プレー中に騒いだり大声でしゃべったりすると、周りは集中できずに「うるさい」と感じるので、前後の組に不快な思いを与えてしまうでしょう。
周りのプレーヤーを不快にさせてしまうと、コースから注意を受けたり、ほかのプレーヤーに怒鳴らたりなんてこともあり得ます。
楽しくプレーするには、周りを気遣える配慮が必要です。
不快に感じるゴルファーは誘われなくなる?
マナーの悪いゴルファーは、今後プレーに誘われなくなる可能性があります。
コースを大事にしなかったり、同伴者のミスショットを笑ってしまったり、ボールを勝手に動かしたり、スコアを不正申告したり……など。
一緒にプレーしていて不快感を与えるゴルファーは、周りから「もう2度と一緒にプレーしたくない」と思われてしまいます。
気心の知れた会社の仲間や友人とのラウンドだとしても、最低限のマナーとエチケットは守る必要がありますね。
ゴルフの服装のマナー
ここでは、ゴルフの服装マナーについて詳しく解説していきます。
ゴルフ場によってドレスコードの内容は多少異なりますが、基本的な部分は同じです。
これを押さえておけばどこへ行っても恥ずかしくない!という服装のポイントを紹介します。プレー中だけでなくゴルフ場への入退場時の服装にも注意が必要です。
男性と女性に分けて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
男性の服装マナー
男性の場合、ゴルフ場への入退場時にはジャケットやブレザーを着用します。ボトムスはスラックスやチノパン・綿パンツなどが好ましいでしょう。
コースによっては革靴を指定される場合もあります。
プレー中の服装は、ポロシャツやタートルネックなどの襟付きシャツが基本です。ボトムスはチノパンや綿パンツなどの長ズボンがおすすめです。
シューズは必ずゴルフ専用のものを用意してください。スニーカーやサンダルはマナー違反なので避けましょう。
女性の服装マナー
女性の場合も、ゴルフ場の入退場時にはジャケットの着用が基本です。中に着るものはポロシャツや襟付きのブラウスなど清潔感のあるものが良いでしょう。ボトムスはロングパンツや膝丈のスカートなどが好ましいです。靴はパンプスや革靴などのフォーマルなものを選びましょう。
プレー中の服装は、男性同様ポロシャツやタートルネックなどの襟付きが基本です。女性の場合はワンピースなども着用OKですが、肌の露出が少ないものを選ぶと好印象です。
ボトムスはロングパンツやキュロットがおすすめ。短すぎないスカートも着用可能です。シューズは男性と同じくゴルフ用シューズが理想です。
ゴルフウェアで入退場してもいいの?
わざわざゴルフウェアに着替えるのが面倒で、ウェアに着替えてからゴルフ場に向かいたいと思う方もいるでしょう。
ゴルフウェアでゴルフ場に出入りしても良いのでしょうか?
多くのゴルフ場では、ゴルフウェアでの入退場が認められています。
ただし、ジャケットの着用が必須のコースも多いので、入退場時はウェアの上から羽織っておくのが好ましいです。
また、ゴルフシューズでの入場を禁止しているコースもあるので、事前に確認しておきましょう。
ステップゴルフは、これからゴルフを始める初心者ゴルファーが安心して通えるインドアゴルフスクールです。
ゴルフのコースでのマナー
ここでは、ゴルフのラウンド中に気をつけるべきマナーを紹介します。
コース内で守るべきマナーは以下のとおり。
- 大声で騒がない
- 人が打つときはしゃべらない・動かない
- ティーグラウンドでは邪魔にならない位置に立つ
- 素振りは1回まで!待っている人がいるのを忘れない
- 次に使いそうなクラブを2,3本持っていく
- カートに乗るときは素早く移動する
- バンカーは次の人のためにならしておく
- グリーン上は走らない
- ディボット跡の目土・ピッチマークの修復をする
- 危険な打球は「フォアー」で知らせる
- クラブハウスへ戻るときは、シューズの泥や芝を落としてから
それぞれ詳しく解説します。
大声で騒がない
同伴者とのおしゃべりもゴルフの楽しみのひとつですが、大声で話していると周りの迷惑となります。
ほかの組と離れていると思っても、コース内では割と声が聞こえるものです。打つときは集中しているので、ショットする人にとってはかなりうるさく感じてしまいます。
特に、ティーグラウンドで前の組を待っているときは要注意。
ティーショット時にカート内から聞こえる声や笑い声は、打つ人の気を散らすので気を付けましょう。
人が打つときはしゃべらない・動かない
同伴者がショットするときは、しゃべったり動いたりしないのがマナーです。
自分が打つときに声が聞こえたり、ウロウロされたりしたら気が散りますよね。プレー中は常に、ショットする人の集中を妨げないよう気をつけましょう。
また、ほかの人が打つ時だけではなく、ショットをする準備に入った時点で、動いたりしゃべったりするのは控えましょう。
ゴルフは周りの環境やメンタル面が強く影響する競技です。たとえ仲の良い友人とのラウンドでも、集中している人を妨害するような行動はしないようにしましょう。
ティーグラウンドでは邪魔にならない位置に立つ
ティーグラウンドでは、ショットする人の視界に入らないような位置に立つのがマナーです。
基本的には打つ人の斜め後方あたりが良いでしょう。
このとき、ボールを打つ延長線上の後方に立つ方がいますが、打つ人の視界に入るので邪魔だと思われることがあります。
ティーグラウンドのスペースが狭いこともあるので、自分の打順がくるまではなるべくティーグラウンドの外で待機するのがおすすめです。
素振りは1回まで!待っている人がいるのを忘れない
自分の打順が回ってきて「さあ気合を入れて打つぞ!」と、何度も素振りをするのはマナー違反です。
失敗したくない気持ちはよくわかりますが、ほかの人が待っていることも忘れてはいけません。
自分の番が回ってきたら素振りは1回まで。あらかじめ打つ方向や使うクラブを決めておき、スムーズにショットできる体勢を整えておきましょう。
普段の練習時から素振りは1回までと決めて練習しておくと、本番でも同じリズムで打てますよ。
次に使いそうなクラブを2,3本持っていく
ボールの落ちた場所に行ってみたら、持っているクラブでは打てない状況も多いものです。
そこからカートにクラブを取りに戻っていると時間のロスとなり、同伴者や後続組に迷惑がかかります。
ボール地点に向かう際は、使いそうなクラブを2,3本持っていくようにしましょう。
その先にバンカーがあるならウェッジを持っていったり、グリーンが近い場所ならパターも持っていくなど、ある程度予想をたててクラブを用意しておくとスムーズです。
カートに乗るときは素早く移動する
ショット後にカートに乗って移動する場合は、小走りでカートへ向かうと印象が良くなります。
特に同伴者がカート内で待っている際は、早く先に進めたい気持ちがあるのでなるべく急いでカートへ乗り込みましょう。
また、カートへは進行方向へ向かって斜めに移動して乗り込むとなお良いです。
バンカーは次の人のためにならしておく
バンカーショットのあとはバンカーレーキでならしておくのが、ショットした人の義務です。
ショットの跡でぐちゃぐちゃになったバンカーは、次に打つ人が苦労しますのでキレイにならしておきましょう。
また、バンカーへ入るときはなるべく低い位置から入るのがマナー。なるべくバンカー内を荒らさないよう心がけましょう。
グリーン上は走らない
グリーンはとても繊細で整備に時間と手間がかかっています。
ゴルフシューズには滑り止めのソフトスパイクや凹凸がついており、走るとグリーンを引っ掻いて傷をつけてしまう可能性があります。
傷のついたグリーンはボールの転がりに影響を与えるため、ほかの利用者に迷惑がかかります。グリーン上で急ぐときは早歩きするようにしましょう。
また、パター以外のクラブはグリーン上ではなく、グリーン外へ置くというのもマナーの1つです。
ディボット跡の目土・ピッチマークの修復をする
ショットした際に芝をえぐって土が見えた状態のことを「ディボット跡」といい、この修復もマナーの1つ。
カートに目土袋が用意されているはずなので、地面を削ってしまったときは目土しておきましょう。
また、グリーンにボールが落下したときにできるへこみを「ピッチマーク」といいます。この修復もグリーンフォークというものを使ってプレーヤーがおこなう必要があります。
グリーンフォークはゴルフ場に用意されていることも多いですが、ゴルファーなら1つは持っておくのがおすすめです。
危険な打球は「フォアー」で知らせる
打ったボールが隣のホールや人がいる方向に飛んでいってしまったら、危険を知らせるために大きな声で「フォアー」と叫びます。
硬いゴルフボールが頭や顔に直撃したら一大事です。かがんだり物陰に隠れる時間を作るためにも、危険と感じたら迷わず「フォアー」をかけましょう。
安全に配慮してプレーすることも、ゴルファーの守るべきマナーです。
クラブハウスへ戻るときは、シューズの泥や芝を落としてから
お昼休憩やラウンド終了後にクラブハウスへ戻る際は、シューズについた芝や泥を落としてから入るのがマナーです。
ラウンドした後のシューズには芝や泥が付着しています。そのままハウスに入るとあっという間に床が汚れてしまうでしょう。
多くの場合、キャディーマスター室前やクラブハウス入り口付近に、高圧の空気を噴射するエアガンが設置されていますので、シューズについた芝や泥を吹き飛ばしておきましょう。
クラブハウスを清潔に利用することも大切なマナーです。
その他のゴルフマナー
ゴルフのマナーとして、服装やプレーに関すること以外にも気をつけるべきことがあります。
普段はあまり気にしないことも、ゴルフでは致命的なミスとなってしまうかもしれません。
この章では、ゴルファーとして知っておいてよかったと思えるマナーについて解説します。
接待ゴルフで気をつけるべきマナー
会社やの接待としてゴルフを利用することもあるでしょう。
接待ゴルフの目的は、相手を気持ちよくおもてなしすることなので、いつも以上にマナーに気をつける必要があります。
服装は派手目なものや高級ブランドは控え、清潔感のあるウェアを心がけましょう。
また、良いスコアが出ると気分が良いのは当然です。接待相手に良い気分になってもらうためにも、フラットな場所が多いコースや距離の短いコースなど、良いスコアを出しやすいコースを選ぶのもポイントですよ。
「接待ゴルフ」と聞くとなんだかマイナスなイメージがありますよね。休みの日は1日潰れるし、取引先の人とラウンドするから、気を使わないといけないし……。「接待ゴルフなんて、意味ないし時代遅れだよ」このように感じている方は少なくな[…]
喫煙は指定場所で!カート内ではなるべく吸わない
喫煙する場合は、指定された場所でするようにしてください。
昨今では喫煙エリアを縮小するコースが増えているので、愛煙家にはつらいかもしれませんが、灰皿のない場所での喫煙はマナー違反です。
ゴルフ場の多くはティーグラウンドに灰皿を設置しています。喫煙するのは灰皿のある場所にしましょう。
また、カート内に灰皿を設置しているコースもありますが、同伴者に喫煙しない人がいる場合は極力吸わないのがマナーです。
ゴルフ場へはスタート1時間前までの到着を心がけよう
ゴルフ場へは余裕をもって到着するのがマナーです。スタート時間の1時間前、遅くとも最低30分前までには受付を済ませるようにしましょう。
ゴルフは4人1組でプレーするので、1人でもそろわなければスタートできません。
また、ギリギリの到着だとカートの用意が間に合わず、スタート時間が遅れる可能性があります。
遅刻やギリギリの到着は、同伴者やゴルフ場に迷惑をかけてしまうので、時間に余裕をもって家を出るようにしましょう。
ゴルフスクールなら、マナーのことも学べるからおすすめ!
ここまで読んで、基本的なゴルフのマナーについてわかりましたね。それと同時に「たくさんあって難しそう」と感じる方もいるかもしれません。
ゴルフを楽しむためには、ゴルファーが当たり前に知っているマナー・ルールを学んでおく必要があります。初めてコースでプレーをする人は、ゴルフ経験者に同伴してもらうことでマナー違反のリスクを大きく下げられるでしょう。
しかし、周りに先輩ゴルファーがいない場合は、専門家のいるゴルフスクールで学ぶのがおすすめです。
ゴルフスクールではスイングやショット技術だけでなく、マナーやエチケットについてもプロ目線でアドバイスしてもらえます。
また、ゴルフのマナーを覚えるにはラウンドレッスンに通うのが効果的です。ゴルフで守るべきマナーのほとんどは、ラウンド中の行動に関するものです。実際にラウンドを回りながらレッスンを受けることで、コースでの所作を学ぶことができます。
初心者専門のラウンドレッスンを行っているゴルフスクールもあります。マナーを守ってゴルフを楽しみたいけど、教えてくれる人がいなくて不安!という方は、スキルもマナーも学べるゴルフスクールを検討してみてくださいね。