ゴルフクラブを買うとき、カタログなどに「ロフト角」と記載されているのを見たことはないでしょうか?
ロフト角は、ゴルフクラブ選びの重要な要素です。ロフト角が変わると、飛距離やスライスが改善されることもあります。
今回は、ロフト角について、概要やクラブごとの飛距離の目安を解説します。
初心者向けのロフト角についても紹介するので、クラブ選びの参考にしてみてください。
ロフト角とは
ロフト角は、ゴルフクラブのスペックの一つです。ロフト角によって、飛距離やスピンのかかり方が変わります。
まずは、ロフト角の概要について解説します。
ゴルフのロフトとは
ゴルフクラブのロフト角とは、グリップとヘッドをつなぐシャフトに対するフェースの角度です。
フェースが地面に対して垂直に近いクラブほど「ロフト角が小さい」と、いわれます。
ロフト角が小さいほど飛距離が出しやすく、ロフト角が大きくなるとスピン量が増えます。
ドライバーやウッドのように飛距離を出すクラブはロフト角が小さく、ショートアイアンやウェッジのようなショットの精度が求められるクラブはロフト角が大きく設計されるのが一般的です。
また、パターはボールを転がすためのクラブなので、ロフト角がもっとも小さく設計されています。
ロフト角によって、飛距離やボールの打ち出し角度、スピン量が変わるため、自分のスイングに合ったロフト角を選ぶようにしましょう。
ロフト角の測定方法
ロフト角の測定は「ヘッドスペック計測器」を用いて行います。自分のゴルフクラブのロフト角が知りたい場合は、ヘッドスペック計測器を置いているゴルフショップで計測してもらってください。
参考までに、実際に計測した数値をリアルロフト角といい、カタログなどに記載されているロフト角を「表示ロフト角」といいます。どちらもロフト角ですが、クラブの製造には0.5〜1.5度程度の誤差が生じるため、このふたつの数値は必ずしもイコールになるとは限りません。
ロフト角とライ角の違い
ゴルフクラブのカタログやスペック表には、「ライ角」というスペックも記載されています。
ロフト角は、シャフトに対するフェースの角度ですが、ライ角は、構えたときのシャフトの角度です。
補足すると、クラブの底の部分を地面と平行においたときの、シャフトと地面の角度をライ角といいます。
ライ角は、構えたときのフェースの向きに影響するため、自分の身長や腕の長さに合わせたクラブを選ぶことが基本です。
なお、ライ角は調整が可能なので、打感をあまり感じられないなど、自分に合っていないと感じたときは、ゴルフショップなどで相談してみましょう。
ゴルフクラブのロフト角がショットに与える影響
ロフト角は、飛距離やスピンなど、ショットにさまざまな影響を与えます。
適切なロフト角に変えるだけで、飛距離やスライスが改善されることもあるほどです。
では、ロフト角の大きさは、ショットにどのような影響を及ぼすのでしょうか 。
ロフト角と飛距離の関係
ロフト角と飛距離には、密接な関係があります。
基本的に、ロフト角の小さいクラブほど飛距離が出しやすくなります。ロフト角が小さいと、スピンがかからないためランが出やすく、その分、距離が稼げるからです。
ドライバーやフェアウェイウッドなど飛距離を出したいクラブはロフト角が小さく、グリーンを狙うショートアイアンやウェッジなどはロフト角が大きく設計されています。
しかし、単純にロフト角を小さくすれば飛距離が出るというわけではありません。
ヘッドスピードの遅い人がロフト角の小さいドライバーを使うと、球が上がらず飛距離が落ちてしまいます。
ロフト角が小さいとスライスしやすい
ロフト角が小さいと球が捕まりづらくなり、バックスピンも減るため、スライスしやすくなります。
フェアウェイウッドよりもドライバーでスライスしやすい人は、ドライバーのロフト角が合っていないのかもしれません。
ロフト角を大きくすると、バックスピンの量が増えるため、その分、サイドスピンを減らせます。
ドライバーのスライスを改善したい場合は、ロフト角を見直してみましょう。
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打ち出し角度とバックスピン量
ロフト角が大きくなるほど、打ち出し角度が高くなり、バックスピン量が増えます。
アイアンやウェッジの特徴のひとつは、ボールが真っすぐ飛ぶように、ロフト角を大きくしてバックスピン量を増やす設計にしていることです。
打ち出し角が高く、バックスピン量が増えるとランが出ないため、狙った位置にピタッと止めることもできます。
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【ゴルフクラブ別】ロフト角と飛距離一覧
ロフト角は、クラブの役割に応じて設定されています。
ここでは、クラブ別にロフト角と飛距離の目安を紹介しましょう。
ドライバーのロフト角と飛距離
ドライバーやフェアウェイウッドなどのウッド系のクラブは、飛距離が出るようにロフト角を小さく設計しています。
ウッド系クラブ(ドライバー)のロフト角と飛距離の目安を男女別に表にまとめました。
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
番手 | ロフト角(度) | 飛距離(ヤード) | ロフト角(度) | 飛距離(ヤード) |
1 | 10~12 | 210~220 | 11~13 | 150~160 |
3 | 15~16 | 190~200 | 16~17 | 130~140 |
5 | 18~19 | 180~190 | 19~20 | 120~130 |
7 | 21~22 | 170~180 | 22~23 | 110~120 |
9 | 24~25 | 160~170 | 25~26 | 100~110 |
アイアンのロフト角と飛距離
アイアンは、飛距離よりもコントロールの精度やグリーン上でボールを止めることが求められます。
そのため、ドライバーなどのウッド系に比べるとロフト角が大きい設計です。
ここでは、アイアンの標準的なロフト角とその飛距離を紹介します。
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
番手 | ロフト角(度) | 飛距離(ヤード) | ロフト角(度) | 飛距離(ヤード) |
5 | 24~26 | 150~160 | 25~27 | 100~110 |
6 | 27~29 | 140~150 | 28~30 | 90~100 |
7 | 31~33 | 130~140 | 32~34 | 80~90 |
8 | 35~37 | 120~130 | 36~38 | 70~80 |
9 | 39~41 | 110~120 | 40~42 | 60~70 |
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初心者におすすめのロフト角は?
打ち出し角度やバックスピン量、飛距離などに影響するロフト角。
ゴルフ初心者は、どのように選べばよいでしょうか。初心者におすすめの選び方を紹介します。
ドライバー
一般的なドライバーは、男性は9度〜11度、女性は11度〜13.5度ですが、ゴルフ初心者は、ロフト角が大きめのドライバーを選びましょう。男性なら10.5度や11度、女性なら13度以上のドライバーです。球が捕まりやすくなります。
ロフト角の小さいほうが飛距離は出しやすいのですが、大きなロフト角を選んだ飛距離のロスよりも、スライスによる飛距離のロスのほうが大きくなるためです。
また、球が真っすぐ飛んだほうが、コースマネジメント(コースの攻略方法を考え、実践すること)もしやすくなります。
ただし、ヘッドスピードが速い人は、小さめのロフト角も選択肢です。
お店などで自分のヘッドスピードを計測して、スイングに合ったクラブを選びましょう。
ユーティリティ
ユーティリティは、フェアウェイウッドやロングアイアンなどのクラブに比べて扱いやすいため、初心者にもおすすめのクラブです。
男性なら21度前後、女性なら25度前後のロフト角を選ぶとよいでしょう。
どちらもフェアウェイウッドとロングアイアンの間くらいのロフト角なので、ウッドとアイアンの間の飛距離を補えます。
5番アイアンやフェアウェイウッドは初心者には扱いづらいため、代わりに同じくらいのロフト角のユーティリティを持っておくのもおすすめです。
アイアン
アイアンのロフト角は、大きく分けて「飛び系」と「標準」に分かれますが、初心者には、標準的なロフト角のアイアンが良いでしょう。
7番アイアンの場合、男性なら31〜33度、女性なら32〜34度です。
飛び系のアイアンは、標準よりもロフト角が小さく設計されているため、ヘッドスピードの遅い人でもある程度の飛距離は出せますが、バックスピン量が減るためコントロールは難しくなります。
アイアンは、飛距離よりもショットの精度が大事です。初心者のうちから精度を意識する感覚が身につくと、上達も早まるでしょう。
ロフト角の調整は自分でもできる?
クラブの中には、自分でロフト角の調整ができるものもあります。
「カチャカチャ機能」がついたドライバーが、その代表で、ロフト角やライ角、フェース角、重心位置を自分で変えることができます。
ただし、製品によってできることに違いがあるため注意してください。
カチャカチャ機能のないドライバー、アイアンなどのクラブは、お店で調整してもらいましょう。
費用は、1本あたり500円程度です。
ただし、どんなクラブもロフト角の調整が可能というわけではないので、その点はご注意ください。
上記以外でロフト角を調整したい方法が、クラブを新調することです。
スイングが安定している中級以上の人は、ロフト角の調整で、飛距離アップやスライスの改善が見込めます。
一方、まだスイングが安定していない初心者の人は、ロフト角を調整するよりもスイングを安定させることに注力したほうがよいでしょう。
飛距離アップなどゴルフ上達を目指すならゴルフスクールがおすすめ◎
今回は、ロフト角について解説しました。
自分に合ったロフト角のゴルフクラブを使うことで、飛距離アップやスライスの改善といった上達が見込めます。
しかし、ゴルフの上達には、ゴルフクラブだけでなく、自身のスキルも重要です。スイングが安定していないと、自分に合ったクラブを見つけることができません。
とはいえ、独学で正しいスイングを身につけるのはなかなか難しく、時間もかかります。
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