ティーショットはそのホールに大きく影響する重要なショットであり、失敗すると大叩きする可能性が高くなります。
逆にいえば、ティーショットがうまくできればセカンドショット以降のゲーム運びがラクになり、スコアアップも期待できます。
この記事ではそんなティーショットについて、打ち方のコツから初心者がやりがちなルール違反など、細かく解説します。
ティーショットとは
ゴルフでは、各ホールの最初に打つショットをティーショットといい、ティーグラウンドと呼ばれる指定された範囲から、ティーまたは地面から直接ボールを打ちます。
ティーショットはスコアに大きく影響を与える重要なショットなので、早いうちから対策しておく必要があります。
ティーイングエリア(ティーグラウンド)とは
ティーイングエリアとは、各ホールのティーショットを打つ場所のこと。ティーグラウンドには左右にティーマーカーと呼ばれる小さな板、もしくは球体が置かれており、その間からボールを打ちます。
ティーイングエリアは、色によって難易度や距離が変わります。
青色のティーマーカーはバックティーと呼ばれ、グリーンまでもっとも距離の長いティーグラウンドです。白色のティーマーカーはフロントティーと呼ばれ、もっとも距離の短いティーグラウンドで、使用頻度が高いティーグラウンドでもあります。
ほかにも女性専用のティーグラウンドである赤色のレディースティー、70歳以上の人専用のシルバーティーなど、レベルや体力のハンデを埋めるために、さまざまなティーグラウンドが用意されています。
ティーショットを打つ順番
ティーショットは、基本的に前のホールでスコアの良かった人から順番に打ちます。各ホールで最初に打つ人をオナーといい、ゴルフでは名誉のあることとされています。
しかし、時間の節約などの目的で、準備が先にできた人から打つこともあり、ルールでも認められています。
ティーショットに関するルール
この章ではティーショットに関するルールについて解説します。
OBの処置方法など、知っておけば役立つルールも紹介するので、ゴルフ初心者の方は要チェックです。
ティーショットを打つ位置は?
ティーショットは基本的に、ティーイングエリアにある、左右のティーマーカーの外側を結んだ線の内側で打ちます。奥行きはその線からクラブ2本分で、この区域の中から打たなければなりません。
この区域の外から打つとルール違反となり、2打罰のペナルティが課されます。
ティーショットでOBしてしまったら?
ティーショットでOBした場合、次の2つの選択肢から処置方法を選べます。
特設ティー、プレイング4から再開する
特設ティーと呼ばれる、グリーンから100〜150ヤード付近に設定されているティーイングエリアから、4打目として打つことができます。
この方法は使用頻度がもっとも高く、プレーファストにもつながるので、ゴルフ初心者は迷わず特設ティーから4打目として打つのをおすすめします。
ただし、特設ティーが設定されていないホールもある点は覚えておきましょう。
1打罰を受け、打ち直す
ティーショットでOBした場合、「暫定球を打ちます」と宣言することにより、3打目として打ち直すことができます。
ただし、もし暫定球を打つと、プレイング4(特設ティー)は使用できなくなるので注意しましょう。特設ティーが使用できるのはティーショット(各ホールの1打目)がOBになったときだけです。
ティーショットでチョロを出してしまったら?
ティーショットでチョロを出した場合、チョロをした打球がティーグラウンド内に留まっていれば、2打目をペナルティなしでティーアップすることができます。
チョロした打球がティーイングエリアから出た場合はインプレーとなり、その状態で2打目を打つことになります。
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ティーグラウンドを間違えてしまったら?
ティーグラウンドを間違えたら、2打罰のペナルティを受け、3打目から指定されたティーグラウンドでティーショットを打つことになります。
ティーグラウンドを間違えると、指定されたティーグラウンドから出て打ったとみなされ、立派なルール違反になります。ティーグラウンドは間違えないように注意しましょう。
ティーショットで空振りしてしまったら?
空振りでも、「ボールを打つ意志があった」とみなされると、1打としてカウントされます。
基本的に意志があったかどうかは自己申告制ですが、周りが満場一致で空振りと判断すれば、空振りになってしまうので、素振りなどはティーから離れた位置で行いましょう。
ちなみに、ティーショットで空振りをした際、風圧などでティーからボールが落ちても、チョロのケースと同様で、ティーグラウンド内であれば再度ティーアップすることができます。
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「でべそ」でティーショットを打ってしまったら?
でべそとは、体は指定されたティーイングエリアに入っているが、ボールがティーイングリアから出ている状態を指します。
これはティーグラウンド外から打ったとみなされるので、ルール違反となります。
でべそで打った場合は、ティーグラウンドを間違えたときと同様に、2打罰を受け3打目から正しく打ち直さなければなりません。
ティーショットに時間制限はある?
ティーショットに限らず、ゴルフでは打順が自分の番に回ってきてから40秒以内に打たなければなりません。
これは2019年にプレーファストを目的として設定されたルールで、1回目で1打罰、2回目で2打罰、3回目には失格というペナルティが課されます。
仲間内のラウンドではそこまで気にする必要はありませんが、スムーズなプレー進行のためにも、自分の順番がきたら40秒以内にティーショットを打つようにしましょう。
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ティーショットの基本の打ち方とコツ
ここからはティーショットの打ち方やコツについて解説します。
ティーショットをじょうずに打つためには、スイング前の行動や考え方が重要です。
ティーショットの狙い方
ティーショットでは、しっかりとターゲットを決めて打つのが基本。
セカンドショットやアプローチではピンを狙って打ちますが、ティーショットではターゲットが曖昧で、「なんとなく」打つ人が多いです。これでは打球がばらつき安定しづらくなります。ティーショットでもセカンドショットやアプローチと同様、ターゲットや落とし所をしっかりイメージして打ちましょう。
また、ターゲットを決めるときは、コースの形状や自分の持ち球を理解することが重要です。
持ち球がドローボールなら、フェアウェイセンターより右寄りにターゲットを定め、フェードが持ち球なら、センターより左にターゲットを定めるとよいでしょう。
ほかにも、フェアウェイだけを見るのではなく、ラフを含めてコース全体を見てターゲットを決めることで、OBのリスクも格段に減ります。
ティーショットを安定させるには?
ティーショットを安定させるには、ターゲットに対してスクエアに構えるのがポイントです。
ターゲットからボールを結んだ線に対して、スクエアにアドレスできるようにしましょう。そのためには、普段の練習からターゲットへの意識を持つことが大切です。
ティーショット時の目線
ティーショットでは目線も重要です。
目線を水平にすることで、スイングや球筋が安定します。打ち上げや打ち下ろしのホールで、目線が上がったり下がったりしてしまうと、アドレスやスイングが乱れてしまいます。
そのため、打ち上げの場合はフェアウェイの中腹に、打ち下ろしの場合は遠くの山や空に目線を合わせるのがコツです。
ティーショット時の目線はアドレスに影響するため、ミスショットの原因になることもあります。目線が水平になるようにアドレスをとりましょう。
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参考:ティーショットに飛距離は重要?
ティーショットでは、飛距離よりも方向性への意識のほうが大切です。
確かに、ティーショットで飛ばすことができれば、セカンドショットが有利になります。しかし、飛距離が出ても方向が悪ければ、深いラフやバンカーなど、厳しいシチュエーションでセカンドショットを打たなければいけなくなります。
そうなると大叩きのリスクも上がるので、ティーショットは飛ばすことよりも、方向性を重視して打つことを心がけてくださいね。
ティーショットでのクラブの選び方
ティーショットの目的は、ボールをフェアウェイに運び、セカンドショットの距離を短くすることです。そのため、飛距離だけでなく精度や安定性も重視する必要があります。
この章ではティーショットでのクラブの選び方や考え方について解説します。
ドライバー
ティーショットで、できるだけ飛距離を稼ぎたいときはドライバーを使用しましょう。ドライバーはヘッドが大きく重量が軽いため、もっとも飛距離が出るゴルフクラブです。しっかりと振り抜いて、ボールを遠くまで運びましょう。
ドライバーの打ち方のコツは、トップからフィニッシュまでしっかりと振り抜くこと。中途半端に当てると打球が曲がりやすくなります。
フィニッシュの形をしっかり作ることで、振り抜くイメージを再現しやすくなりますよ。
アイアン
ショートホールや距離が短いミドルホールでは、アイアンを使ったティーショットがおすすめです。アイアンは方向性重視のゴルフクラブなので、ウッドに比べてOBのリスクが下がります。
絶対にOBをしたくないときや、飛距離を落としてでも方向性を重視したいときは、アイアンを使ってティーショットを打ちましょう。
スプーン(3W)
「飛距離は稼ぎたいけどOBはしたくない」というときは、スプーンを使ってティーショットを打ちましょう。
スプーンはドライバーより飛距離は劣りますが、方向性や安定性は高いクラブです。クラブ自体に重量があるので、ドライバーより直進性が高いというメリットもあります。
スプーンの打ち方のコツはドライバーと同様で、払うように打つことです。クラブのソールを滑らせるようにボールを横から打つことで、打球も安定します。
クリーク(5番ウッド)
スプーンは難易度が高いクラブでもあるので、スプーンが苦手な人にはクリークがおすすめです。クリークはスプーンよりも芯が広く、低重心に作られています。
ティーアップすることにより、さらに打ちやすくなるので、「飛距離は出したいけど、OBが怖い、そしてスプーンも苦手」という人は、クリークを使いましょう。
ティーショットでティーが飛ぶのは良くない?
この章ではティーショットで使うティーの状態について解説します。
ティーショット後のティーの状態で、自分のスイングの良し悪しがわかることもあります。
プロゴルファーはティーが飛ばない?
プロゴルファーの多くは、ティーショット時にティーが飛びません。
理由は、プロゴルファーのスイングの軌道は理想的なレベルブローであり、クラブの芯でボールを打つため、クラブがほとんどティーに当たらないからです。
ドライバーでティーが折れる原因は?
ドライバーショットのときにティーが折れるのは、スイングの軌道が適切ではないことが原因でしょう。
スイング軌道がダウンブローやアッパーブローになりすぎると、ドライバーがティーに当たりやすくなります。
また、ティーアップの高さが適切でない場合も、クラブがティーに当たりやすくなります。
ティーの理想的な高さは、ドライバーを構えたときに、ボールがフェースから半分程度出る位置です。
ティーが後ろに飛ぶのはOK?
ティーが後ろに飛んでも問題ありません。
ドライバーショットでは、レベルブローもしくは、ややアッパーブローのスイング軌道が理想です。理想のアッパーブローでインパクトをすると、ティーの上部が少しだけクラブに当たります。
その結果、振り抜いた瞬間に反動でティーだけが後ろへ飛んでいきます。ティーが後ろに飛んでいくということは、アッパーブローの軌道でドライバーショットができている証拠です。
ティーショットが「苦手」「うまくいかない」ならゴルフスクールがおすすめ◎
ティーショットはそのホールに大きな影響を与える重要なショットです。ティーショットがうまく打てれば、そのホールをスムーズに進めやすくなるため、スコアアップにはティーショットの上達がかかせないといえるでしょう。
ティーショットを効率よく身に付けたい方は、ゴルフスクールに通うことをおすすめします。
ゴルフスクールなら、経験豊富なゴルフインストラクターから自分のスイング軌道やアドレスの仕方、悪い癖の修正方法などを指導してもらえるので、自分ひとりで練習するよりも、早く上達できるでしょう。
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