ゴルフでは昨今、シャロースイングというスイング方法が注目されています。現代の最新のスイング理論であり、正しく習得すれば飛距離も伸び、打球も安定するでしょう。
しかし、シャロースイングは習得が難しいスイングでもあるため、打ち方や練習方法など正しい知識を持つことが重要です。
この記事では、シャロースイングの打ち方やコツ、習得するためのおすすめの練習方法まで詳しく解説しています。
シャロースイングに興味のある人や飛距離を伸ばしたい人は、ぜひ参考にしてください。
シャロースイングとは
シャロースイングとは通常のスイングより、クラブを寝かせた状態でインパクトするスイングです。
シャローとは日本語で「浅い」という意味で、クラブを振り下ろす際に浅い角度でスイングすることから、シャロースイングと呼ばれています。
シャロースイングは、低重心化が進んでいる現代のゴルフクラブに最適なスイング軌道ともいわれ、多くのプロゴルファーが取り入れているスイングです。
シャロースイングを取り入れているプロゴルファーは多い?
シャロースイングの使い手でもっとも有名なゴルファーは、PGAツアーで活躍するマシューウルフ選手でしょう。彼は独特なスイングの持ち主ですが、切り返しからインパクトにかけてクラブを極端に寝かせて振り下ろしています。
日本人として、世界を舞台に戦う松山英樹選手や小平智選手もシャロースイングを取り入れています。なかでも松山英樹選手はシャロースイングを取り入れたことにより、2021年のマスターズを制覇したともいわれています。
シャロースイングのメリット・デメリット
シャロースイングにはメリットがある反面、デメリットも存在します。メリット、デメリットを知り、シャロースイングについて正しく理解しましょう。
シャロースイングのメリット
まずは、シャロースイングのメリットを紹介します。
飛距離が伸びる
シャロースイングの最大のメリットは、飛距離が伸びることでしょう。
シャロースイングは通常のスイングより、クラブが遠回りしてインパクトする分、クラブヘッドが加速しやすくなります。
またボールに対してクラブの入射角が緩やかになるので、ボールのバックスピン量が減り、低スピンの力強い打球が打てるようになります。
打球が安定する
シャロースイングを取り入れると打球が安定しやすくなります。シャロースイングでは手首の動きを抑えて、体の回転を積極的に行います。
その結果、フェースローテーションの動きが少なくなるので、打球の方向性も安定します。
スライスがなくなる
スライスの原因の大半は、スイング軌道がアウトサイドインによるものです。シャロースイングでは、スイング軌道が必然的にインサイドアウトとなるので、スライスが出にくくなります。
シャロースイングのデメリット
続いてデメリットです。
習得が難しい
シャロースイングの最大のデメリットは、習得が難しいことでしょう。
シャロースイングは、クラブの入射角を緩やかにする動きやアドレス時の前傾姿勢の維持など、通常のスイングとは違う動きをとる必要があります。
これらの動きを取り入れ、使いこなすためにはたくさんの練習が必要です。
コースで使いにくいと感じることも
シャロースイングは、払い打ちのようにボールを横から打つため、地面の影響を受けやすくなります。よって、ラフや悪いライでは打ちにくいといったデメリットがあります。
ゴルフコースでは、さまざまなライやシチュエーションでボールを打たなければならないので、コースで使いにくいと感じることもあります。
体に負担がかかることも
シャロースイングでは、体を積極的に回していくので、体に負担がかかります。
特に、これまで手首や腕を積極的に使って打っていた人はきついと感じるかもしれません。
そのような人がシャロースイングを取り入れるとなると、練習に加えて、筋力トレーニングなどの身体強化も必要でしょう。
シャローイングは「古い」「不要」という声も?
シャロースイングのクラブを寝かせる動きをシャローイングといいます。このシャローイングですが、「アマチュアゴルファーには必要ない」という意見もあります。
理由は、シャローイングを正しく理解していないと、スイングが乱れやすくなるからです。
シャロースイングは、スイング中に通常のスイングとは違う動きが入ります。アマチュアゴルファーが独学で習得を目指した結果、誤った知識や体の使い方が身についてしまい、スイングが乱れてしまうのです。
よって、「シャローイングは不要」という意見が一部のゴルファーから出ています。しかし、シャローイングには大きなメリットもあるのも事実。
重要なのは、シャロースイングを取り入れる際に、正しい知識と練習方法を理解することです。
ステップゴルフの魅力は、一人ひとりのレベルや課題に合わせたオーダーメイドのカルテをもとにした上達のサポートプログラムが整っていることです◎
シャロースイングの打ち方のコツ
ここからは、シャロースイングの打ち方やコツを解説します。
スイングの軌道は?
シャロースイングをするときは、トップから切り返しのときに積極的にクラブを寝かせましょう。
ポイントは、手や腕に意識を向けてクラブを寝かせるのではなく、一瞬だけ脱力して、肩からクラブヘッドが自然と下に落ちる感覚で寝かせることです。
切り返しでクラブを寝かせたら、しっかりとボディーターンをしてクラブを振り下ろしましょう。手先でボールを捕まえにいくのではなく、野球のスイングのように、体の回転でボールを捕まえにいくイメージです。
シャロースイングでは、必然的にスイング軌道がインサイドアウトになります。シャロースイングでスライスが出る場合は、トップの場面で左手首を掌側に倒すと、打球がまっすぐになりますよ。
切り返しのコツは?
シャロースイングの切り返しでは、しっかりとクラブを寝かせましょう。
ただし、腕の力を使って無理やり寝かせるのではありません。切り返しでクラブを寝かせるときは、一瞬だけ脱力をして、自然とクラブが寝る形になるのが理想的です。
グリップはストロンググリップがおすすめ
シャロースイングでは、ストロンググリップがおすすめです。ウィークグリップだと手首が動きやすく、インパクト時にもフェースが開きやすくなってしまいます。
ストロンググリップなら手首が固定され、フェースも開きにくくなります。
ドライバーとアイアンでシャロースイングの打ち方は異なる?
基本的に、ドライバーでもアイアンでもシャロースイングの打ち方は変わりません。
どんなクラブでもシャロースイングをするときは、前述したとおりにスイングしましょう。
シャロースイングの練習方法
ここからはシャロースイングのおすすめの練習方法を紹介します。シャロースイングを習得するには、たくさんの練習時間が必要です。コツコツと練習に取り組み、シャロースイングを習得しましょう。
鏡の前で素振り、練習
シャロースイングを習得するには、まず鏡の前で素振りの練習をすることから始めましょう。
アドレス・テークバック・トップ・切り返しでシャローイング・インパクト・フォロースルーの1連の流れを鏡の前で確認しながら、素振りの練習をしてください。
素振りができるようになったら、練習場に行って、実際にボールを打ってみましょう。練習場も鏡の前の打席が望ましいです。自分のイメージしたシャローイングができているか、スイング軌道がアウトサイドインとなっていないか、などを確認しながら練習しましょう。
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回転ドリル
鏡の前で練習できないときは、回転ドリルがおすすめです。
回転ドリルとは、切り返しでクラブをぐるぐると回転させて打つ練習ドリルであり、シャローイングでボールを打つ感覚が身につきます。
やり方は簡単。まず、スイングのトップの場面で、腕を使ってクラブを反時計回りにぐるぐると3回転させます。そしてクラブを3回転させたら、そのまま振り下ろして、ボールを打ってみましょう。
クラブを反時計回りに回転させることによって、必然的にクラブが寝た状態でインパクトを迎えるので、自然にシャロースイングができます。
ポイントはクラブを回転させてから、インパクトに向かう際に、体をしっかりとボディーターンさせてクラブを振り下ろすこと。しっかりとボディーターンすることによって、打球が安定する感覚もつかめれば最高です。
シャロースイングの練習に役立つ練習器具
シャロースイングを習得したい人には、「シャローベルト」がおすすめです。
これを巻いてスイングすれば、強制的に手の動きが制限されるため、効果的にシャロースイングが身につきます。スイングの矯正にピッタリの練習器具です。
PGAツアーの選手も、同様の練習器具を使ってシャロースイングを習得しているので、その効果は保証済みです。
シャロースイングが「難しい」「当たらない」という方は、ゴルフレッスンで教わるのがおすすめ◎
シャロースイングを習得すれば飛距離も伸び、打球が安定します。現代のゴルフクラブにあった最新のスイング理論でもあるので、習得すればさらなるスコアアップも望めるでしょう。
しかし、シャロースイングは通常のスイングとは異なる動作をするので、慣れるまでには時間も努力も必要です。また、練習場で打てるようになっても、実際のゴルフコースではライやアンジュレーションの違いによって、うまく打てないなんてこともしばしば……。
そんな人にはゴルフスクールの活用がおすすめです。ゴルフスクールならプロのコーチから、シャロースイングのコツや打ち方を教えてもらえるだけでなく、自分の悪いクセや問題点も指摘してもらえます。
特にインドアゴルフスクールなら、シミュレーターやスイング解析機を使用できるので、自分のスイングを映像で確認しながら、科学的に正しい練習ができます。
また、室内であれば練習状況が天候に左右されないので、暑い夏や寒い冬、雨の日なども快適にレッスンが受けられます。
シャロースイングは難しいスイングですが、プロのコーチから教わり、最新の練習機器を使って学ぶことで、効率的に習得できるでしょう。