ゴルフインストラクターの中には、組織に所属せず、独立して仕事をしている人もいます。
この記事では、個人事業主としてのゴルフインストラクターについて、メリット・デメリットや、独立する際のポイントを解説します。
開業までの流れや、収支に関することにも触れていきますので、ゴルフインストラクターで独立を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
個人事業主のゴルフインストラクターとは?
個人事業主のゴルフインストラクターとは、個人でゴルフコーチのビジネスを開業し、運営していく人を指します。
組織に属さない、いわゆるフリーランスという働き方です。
開業の手続きから、集客やスケジュール管理、運営コストや税金の対策まで、コーチの仕事以外にも多くの業務をこなす必要があります。
つまり、ビジネス全体の責任をすべて自分で持つのが、個人事業主のゴルフインストラクターということです。
そのため、ゴルフのコーチングスキルだけでなく、営業や運営マネジメントなど、経営者としての能力も必要となります。
個人と組織では、雇用形態以外にも異なる部分があり、独立には向き不向きもあるため、事前に違いを知っておくことがポイント。
次章では、個人事業主として開業する場合の、メリット・デメリットについて触れていきます。
個人事業主のゴルフインストラクターになるメリット・デメリット
個人事業主のゴルフインストラクターは、組織に所属する場合に比べて、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ここでは、ゴルフスクールに所属してレッスンをおこなう場合と比較しながら、個人事業主のメリット・デメリットを解説します。
個人事業主 | ゴルフスクール所属 | |
---|---|---|
収入の安定性 | 受講数によるため不安定 | 給料制のため安定 |
スケジュールの自由度 | 自由に管理可能 | スクールの運営に準ずる |
集客・宣伝 | 個人で集客・営業が必要 | スクールが集客 |
ブランディング | 個人のスキルや実績が必要 | スクールのブランド力を活用 |
資格 | 資格保有者が有利 | 無資格でも可能 |
福利厚生 | なし | 健康保険や雇用保険など充実 |
個人事業主ならレッスンの売上がすべて自分の収入となるため、人気が出ればサラリーマン以上に稼げるようになるでしょう。
また、営業スケジュールを自分の都合で組めるのも大きなメリット。柔軟なスケジュール管理ができるので、仕事とプライベートを両立させやすいです。
さらに、自分をブランディング化できるのも魅力。個人で有名になれば、ゴルフインストラクター以外の仕事につながることもあります。
一方、デメリットもあります。
例えば、高収入を目指せると言っても、安定した集客力があることが前提。受講生の数によって収入額が決まるので、固定給のあるゴルフスクールに比べると、収入は不安定です。
また、健康保険などの福利厚生がありません。安心のために、自分で保険に加入することも検討しなくてはなりません。所得税の支払いや、確定申告の手続きなども自分で対処する必要があります。
ゴルフインストラクターとして独立する際のポイント
個人がゴルフインストラクターとして独立する場合、開業の手続きや、集客のためのPRなどを自分でおこなう必要があります。
組織に所属する場合とは異なる部分があるため、独立する際は以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 開業届の提出が必要になる
- 小規模な事業から始める
- 資格を取得すると有利になる
順に解説します。
開業届の提出が必要になる
ゴルフインストラクターに限らず、個人事業主として税金面で優遇されたい場合は、税務署へ開業届の提出が必要になります。
開業届は、事業開始から2カ月以内におこなうのが原則です。
個人事業主は、一般的な会社員に比べて銀行などからの融資を受けにくいので、開業や運営の資金繰りに困ることも考えられます。
開業届を提出しておくことで、国から事業の補助金や助成金を援助してもらえることがあるので、こういった国の補助制度を活用するのがポイントです。
また、開業届けと同時に「青色申告申請書」を提出しておくと、確定申告の際に控除を受けられます。
後述しますが、税金の支払いを抑えることも、個人事業主には必要な対策といえるでしょう。
小規模な事業から始める
どんなビジネスにもいえることですが、開業当初は小規模な事業から始めるのが原則です。
開業資金やランニングコストに多額の費用がかかってしまうと、経営を続けられなくなる恐れがあるからです。
ゴルフスクールを始める場合は、物件費用や賃料、人件費など、売り上げが少なくてもコストはかかります。
また、収入を安定させるには、立地や料金設定なども重要となります。
駅近などアクセスの良い場所は、受講生が集まりやすい傾向です。スクールが無名なうちは、通いやすい料金設定を組み、ゴルフレッスンのハードルを下げておくのもよいでしょう。
資格を取得すると有利になる
ゴルフのティーチングに関する資格を持っていると、ゴルフインストラクターとしての信用を高めるのに効果的です。
すでにブランド力のあるゴルフスクールとは違い、個人事業主では自分のブランドで集客する必要があります。
自分のブランドを高めるには、経験や実績も大事ですが、資格という肩書きは効果的なアピール材料になるでしょう。
ゴルフインストラクターとしての資格は、以下の表をご参照ください。
認定団体 | 取得難易度 | |
---|---|---|
JPGAティーチングプロA級・B級 | 日本プロゴルフ協会(JPGA) | 難しい |
JLPGAティーチングプロフェッショナル | 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA) | 難しい |
NGFプロインストラクター | 米国ゴルフ財団(NGF) | 難しい |
USGTF レベルⅠ〜Ⅲ | USGTF | 普通 |
スクールインストラクター | 各ゴルフスクール | 比較的やさしい |
ティーチングの資格は、取得難易度が高いほど信用性も高くなります。
ゴルフの技術だけでなく、基礎知識や指導スキルも求められるので、簡単に取れるものではありませんが、インストラクターとして独立するには大きな武器となるはずです。
ゴルフスクールのインストラクターは、資格のない未経験者でも始められるのが魅力です。
研修制度が充実しているので、スクールのインストラクター資格は比較的取得しやすいといえるでしょう。
個人事業主のゴルフインストラクターの収支(年収)の目安
個人事業主として独立を考える場合、収入と支出のバランスは気になるところですよね。
毎月どれほどの収入があれば生活できるのか、ゴルフインストラクターの収支の目安を解説します。
- 収支に関すること
- 支出に関すること
- 開業に必要な資金について
上記の項目について、順に解説していきます。
収入に関すること
個人事業主のゴルフインストラクターの収入は、ほとんどがレッスンによる受講料です。
そのため、人気度やレッスン内容によって、収入に大きな差が出ます。
有名なプロのレッスンをおこなうコーチの中には、年収1,000万円以上稼ぐ人もいますが、一般的な平均年収は300〜400万円ほどと言われています。
個人事業主と言っても、個人でゴルフレッスン場を持つ人もいれば、練習場と業務委託契約をしている人や、ラウンドレッスンのみおこなう人もいます。
雇用形態やレッスン内容によって、収入額は千差万別です。
受講生の数がそのまま収入に反映するので、より多くの受講生を獲得する工夫が必要になるでしょう。
支出に関すること
個人でゴルフインストラクターをおこなうには、事業を運営するために必要なコストにも、自分で対処しなければなりません。
支出にかかる費用は、主にレッスンに使うボールやマットなど、備品の定期的な交換が多いです。シミュレーター等の設備を使う場合、導入や整備などで高額な費用がかかることもあります。
また、スタッフを雇う場合は、毎月の人件費も必要です。施設の賃料や光熱費も当然かかるので、毎月の利益をいかに多く出せるかがポイントとなります。
さらに、個人事業主の場合は、税金の支払いも忘れてはなりません。
所得税など、事業で得た収入に対する税金を自分で払う必要があります。
確定申告で経費として計上できるものもありますが、税金の支払いに必要な支出があるということにも注意しておきましょう。
なお、確定申告の際、事前に青色申告承認申請書を提出していれば、最大65万円の控除を受けられます。
収入が増えれば、所得税や住民税の支払額も増えるので、税金の支出対策も重要です。
開業に必要な資金について
個人でゴルフインストラクターを始める場合、最初に開業資金が必要になります。
毎月の支出とは別にかかる初期費用です。
初期費用は、施設物件や事業の規模によって大きく変わるため、開業前に事業内容を考えておきましょう。
たとえば、既存の練習場などと業務委託契約を交わす場合や、オンラインスクールを開業する場合であれば、開業資金は手続きにかかる少額のものだけで済みます。
一方、自身でゴルフスクールを始める場合は、物件を用意しなければなりません。アウトドアゴルフは広い敷地が必要で、最初に莫大な資金がかかるため、インドアゴルフのほうが現実的ですね。
インドアゴルフは、ビルの一角ほどのスペースがあれば開業できますし、駅近や繁華街など立地の良い場所を選べるメリットがあります。
ただし、シミュレーターなどの設備は数百万円以上必要になり、スタッフを雇う場合は人件費もかかるので、その点まで考慮できなくてはなりません。
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ゴルフインストラクターが安定収入を得るための考え方
独立してゴルフインストラクターを始める場合、安定した収入を得るには、ゴルフレッスン以外のことも考えておかなければなりません。
まずは、事業の戦略や競合の分析、市場リサーチなどをおこない、事業計画を立てることが大切です。
そして、受講生を獲得しやすくなるような料金設定や、通いやすい立地なども考慮しましょう。
また、事業を拡大させるには、マーケティングやセールススキルを学び、受講生を増やしていく必要もあります。
収支の計算以外にも、税務に関する知識も必要となるため、イチプレーヤーとしてではなく、経営者として必要な知識を身につけておきましょう。
ゴルフスクールのインストラクターなら収入安定◎
ゴルフインストラクターとして独立することは、メリットも大きいですが、リスクもあるため、少しハードルが高いと感じるかもしれません。
いきなり独立することに不安を感じる方は、まずはゴルフスクールのインストラクターとして経験を積むのもおすすめです。
インドアゴルフスクールの「ステップゴルフ」では、独自のカリキュラムに沿った研修制度が充実しているので、ゴルフコーチ未経験でも始められます。
資格を持っていなくても、ゴルフインストラクターとして活躍できるのが魅力です。
すでに集客や経営のノウハウを持っているので、安定した収入が見込めるでしょう。
ゴルフインストラクターを検討している方は、ステップゴルフのコーチ募集をのぞいてみてはいかがでしょうか。