ゴルフ好きの中には「ゴルフを仕事にしたい。ツアープロは無理でも、コーチならどうだろう?」と考える方もいるのではないでしょうか。
そこでわき上がってくるのが「ゴルフコーチはどのくらい稼げるのか」という疑問です。ゴルフコーチの懐事情は、どんな具合なのでしょうか。
この記事では、ゴルフコーチの平均年収、資格の有無による収入の違いのほか、働き方による収入相場にも迫りながら、解説していきます。
稼げるコーチの特徴、年収を上げるためのコツもお伝えするので、ゴルフコーチになりたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
【目安】ゴルフコーチの年収(給料)は?
じつはゴルフコーチの年収は、200万円ほどの人もいれば1,000万円以上の人もいるなど、千差万別です。
平均年収.JPの調査によると、プロゴルファーの平均年収はおよそ800万円ですが、ここにはツアープロやプロコーチなどのトッププロの収入も含まれています。
一般的なゴルフコーチの場合、年収は300〜400万円ほどで、会社勤めの人とほぼ同じくらいです。
ただ、ひと口にコーチと言っても、アマチュア向けスクールレッスンのコーチ、ツアーを回るプロのコーチなど、さまざまなスタイルがあります。また、雇用形態などの条件も、収入を左右する要素です。
そういったことをふまえながら、ゴルフコーチの働き方による年収の違いを見ていきましょう。
ただし、現実的には個人差があり、お伝えするのはあくまで目安であることをご承知おきください。
ゴルフ場で働く場合の年収
複数の求人募集を比較してみると、ゴルフ場のスタッフとして働く場合の月収は、およそ20〜30万円。年収にすると240〜360万円ほどが相場となっています。
ゴルフ場勤務の場合、普段はマスター室業務やキャディ業務などをこなし、予約が入ったらレッスンをするというスタイルが一般的です。
ゴルフ場に勤務するので、安定した収入を見込める点がメリットですが、レッスンの予約が少ないと、雑務や裏方仕事のほうが多くなってしまうかもしれません。
ゴルフ場でのもうひとつの働き方として、業務委託でコーチを請け負うという方法もあります。
コース所属コーチとして、必要なときにレッスンをするというスタイルです。
この場合の収入は、練習場でのレッスンやラウンドレッスンの歩合制になります。歩合制の場合、レッスン回数が増えれば月収30万円以上も可能ですが、レッスンが入らなければ収入はゼロという厳しい世界です。
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ゴルフスクールで働く場合の年収
ゴルフスクールのインストラクターとして働く場合、年収相場は300〜400万円ほどです。ゴルフ場勤務の年収とほぼ同じですが、ゴルフのレッスンを目的とした施設のため、コーチの仕事がまったくないということにはなりません。
受付や清掃業務を兼任することはありますが、メインの仕事はコーチです。
多くの生徒を受け持つことができれば安定した収入が得られることはもちろん、人気が出て評判になれば、収入アップも期待できるでしょう。
また、生徒募集は本部やスクールがしてくれるので、営業力や企画力に自信がなくても安心してコーチを務めることができます。
ツアープロコーチの年収
ツアープロの育成や試合で優勝させることを最大の目的とするのが、プロコーチです。
年収は500万円以上という人が多いのですが、有名なツアープロを育て上げて数千万円を稼ぐ人もいるなど、知名度や人気度によって年収には開きがあります。
さらに、ノウハウと知名度を生かし、ゴルフスクールを運営して収入を増やしているプロコーチもいます。プロコーチなら、独自のカリキュラムで生徒を集めることも可能です。
有資格者と無資格者で収入額は違う?
ゴルフには「ティーチングプロ」という資格があります。ただ、資格がなくてもゴルフコーチとして教えることは可能です。
たとえば、ゴルフインストラクターの研修を受けたゴルフスクールのコーチは、指導もできますし、レッスンプロとしても十分に活躍できます。
では、資格の有無で収入額に違いはあるのでしょうか?
資格を持っていると、コーチとしての信頼性が上がることは確かです。しかし、有資格者も無資格者も収入額相場は300〜400万円ほどで、ほとんど変わりません。
じつは資格の有無よりも、生徒から人気や評判を得て、多くのレッスン生を受け持つことのほうが肝心です。そういった意味では、実力のある有資格者のほうが有利かもしれません。
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稼げるゴルフコーチの特徴
収入に個人差のあるゴルフコーチですが、安定して稼げるようになるためには、どうすれば良いのでしょうか。
じつは稼げるゴルフコーチには、以下のような特徴があります。
- 実績と人気がある
- 生徒に寄り添った分かりやすい指導ができる
- ゴルフコーチとして独立する
それぞれ解説していきます。
実績と人気がある
ゴルフコーチとして大きく稼ぐには、受け持ちの生徒を増やすことが必要不可欠です。
そのためにもレッスンの実績を積み、生徒からの人気獲得を目指しましょう。
レッスンにはお金がかかるため、生徒は支払った金額の対価として本当にゴルフが上達するのか不安に感じています。
そこで稼げるコーチが実践しているのが、過去の実績を示して生徒に安心感を与えること。さらには、接客技術も必要です。厳しいコーチよりも親しみやすいコーチのほうが、やはり人気は得られるようです。
生徒に寄り添った分かりやすい指導ができる
初心者から上級者まで、生徒のレベルに合わせた指導ができるコーチには、生徒が集まります。
じつは、ゴルフの実力と教える技術は、別物です。
どんなにゴルフがうまくても、生徒の実力に合わせた指導ができなければ、上達させることはできません。これでは、生徒の信頼度も満足度も下がってしまいます。
初心者に対しては、難しい専門用語は使わずに基礎から丁寧に指導し、上級者にはポイントに絞ってアドバイスするなど、相手に合わせながら指導できることも、稼げるコーチの特徴です。
ゴルフコーチとして独立する
ゴルフ場やゴルフスクールに所属せず、個人事業主のゴルフコーチとして独立する人もいます。
受講生が増えれば増えるほど収入につながるので、成功すれば大金を稼ぐこともできるでしょう。人気が出て、年収1,000万円以上の収入を得る人もいます。
しかし、実績や知名度がない段階で独立しても、受講生集めには苦労するかもしれません。
独立した場合、レッスンスキルだけでなく、営業力やマーケティング能力も必要なので、ハードルは高いといえます。
ゴルフコーチが年収を上げる方法
ゴルフコーチの年収は一般的な会社員と変わりませんが、できれば少しでも多く稼いでいきたいものです。では、年収を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか。ポイントは以下の3点です。
- 実績と評判をアピールする
- SNSや動画配信を活用する
- 資格を取得する
詳しく解説していきます。
実績と評判をアピールする
前述した通り、ゴルフコーチとしての信頼度を高めるためには、実績を作り、生徒に安心してもらうことがポイントです。
「このコーチに教わればゴルフがうまくなる!」と思ってもらうためにも、今までどれだけの生徒を上達させてきたか、実績をアピールしましょう。そうすれば、アピールに惹かれた生徒が集まり、生徒が集まればレッスン単価を上げることも可能です。
また、仕事量が増えれば、評判もついてきます。口コミや体験レビューによる集客効果は大きいので、収入アップのために良い評判を得ることも意識してみてください。
最初から大きく稼ぐことは難しい面もありますが、実績をコツコツと積み上げれば、強力な武器となるはずです。
SNSや動画配信を活用する
SNSや動画配信を利用して集客につなげることも、収入を増やすコツです。
SNSで有益な情報を発信して拡散されれば、興味を持った人が集まってきます。コーチの人柄や教え方が伝われば、親近感も持ってもらえるでしょう。
また、YouTubeなどの動画配信を活用することも、収入アップにはおすすめです。
動画ならレッスンの様子や指導内容が理解しやすくなりますし、有益な情報は、いつの時代でも需要があります。
再生回数が多くなれば、広告収入も見込めるでしょう。
資格を取得する
ある程度ゴルフの実力があるなら、ティーチングプロの資格を取得して年収アップを目指すという方法もあります。
資格を持っていなくても、スクールの研修をクリアすればインストラクターを名乗ることはできますが、資格を持っている人と持っていない人のレッスン料金が同じなら、有資格所有者に教わりたいと思いますよね。
そう考えると、書類審査や実技試験をクリアしなければならないティーチングプロの資格は、年収アップに期待が持てます。
代表的なティーチングプロの資格は、JPGA(日本プロゴルフ協会)が主催する「JPGAティーチングプロA級・B級」です。
相当の知識と実力を必要とするため、取得するのは簡単ではありませんが、この資格があれば、コーチとしての信頼性はグッと上がります。
また、将来的に資格を取ろうと思うなら、まずはゴルフスクールに所属して、インストラクター経験を積むことが近道かもしれません。
レッスンプロとは、ゴルフを教えることを職業にしている人のことです。ゴルフのレッスンプロにはいくつかの定義があり、決められた試験に合格し資格を取得した人を指すこともあれば、研修を受けた上でお金をもらってゴルフを教える人を指すこともあり[…]
ゴルフコーチに将来性はある?
ところで、ゴルフコーチの将来性はどのような見通しなのでしょうか。
日本のゴルフ人口は減少しており、レジャー白書2022によると2020年は、これまででもっとも少ない520万人でした。
ゴルフ人口の大半を占める団塊世代の引退が増えたこと、新型コロナウイルス感染拡大によるゴルフ場の営業停止などが原因と考えられています。
しかし、3密を避けられるスポーツとしてゴルフが注目されるようになり、翌2021年には、560万人にまで回復しました。以前に比べるとゴルフのカジュアル化、ファッション化が進み、「ゴルフはとっつきにくい」というイメージも解消されつつあります。
そのような背景から、ゴルフを始める若者は増加傾向にあり、ゴルフ練習場やコースの需要は今後伸びていくと予想されています。
現にインドアゴルフ施設は徐々に増えており、人気のある練習場では予約が取れないほど。生徒が増えれば、コーチの需要が高まるのは必然ともいえます。ゴルフコーチに将来性は「ある」と考えても良いのではないでしょうか。
未経験から始められるゴルフスクールのコーチもおすすめ!
ゴルフコーチは、経験と実績を積んでいけば、稼げる職業です。今後、需要が伸びると予想されている昨今、ゴルフが好きなら、モチベーションを維持してコーチ業に取り組むこともできるでしょう。
とはいえ、ティーチングプロの資格を取り、独立してゴルフを教えるのは、かなりハードルが高く、リスクもあります。
リスクを抑え安定した収入を得るには、ゴルフスクールのインストラクターからスタートするのがおすすめです。インドアゴルフなら未経験でもコーチになれますし、集客や運営のノウハウを学ぶこともできます。
好きなゴルフを仕事にしてみたい方は、ぜひ検討してみてください。