ゴルフを始めたばかりの初心者ゴルファーだけでなく、ベテランゴルファーやアスリートゴルファーもぶつかったことのある壁といえば「スライスの悩み」でしょう。
今回は、多くのゴルファーが悩むスライスの基本情報から原因など、幅広く解説します。
ゴルフのスライスとは
スライスとは、打ったボールが右打ちのゴルファーなら右へ、左打ちのゴルファーなら左へ曲がっていく軌道のことです。
スライスでボールにサイドスピンがかかることにより、利き腕の方向に想定外の曲がりが生じます。これにより、飛距離を大きくロスしたりOBになったりして、スコアに影響が出てしまうわけです。
スライスの種類
ゴルフのスライスには3つのタイプが存在します。それぞれに特徴があるため、自分がどのスライスで悩んでいるのかをまず知ることが大切。ここでは右打ちを例に説明します。左打ちのゴルファーは左右を反対にして考えましょう。
プッシュスライス
プッシュスライスは、ターゲットに向かって右に打ち出されたボールが、さらに右に曲がっていく軌道です。はじめから右へ出るため、大きく右へ逸れてしまうことになり、OBのリスクがありスコアへの影響度も高いスライスです。
ストレートスライス
ストレートスライスは、出だしはターゲットに向かって飛んでいくものの、途中から右側へ曲がっていく軌道のスライスです。打球がターゲットに向かって飛び出しているので、3つのスライスのタイプのなかでは一番改善しやすいスライスといえます。
プルスライス
プルスライスは、出だしはターゲットに向かって左側に飛び、そのあと右側へカーブしていく軌道のスライスです。左側へ低く打ち出されるスライスのため、フェアウェイに戻ってくることもありますが、狙いを定めることが難しく、右側へOBとなるリスクもあります。
以下、3つのタイプを表にまとめました。
| スライスの種類 | ショットの出だし方向 | 特徴 |
|---|---|---|
| プッシュスライス | 利き腕側方向 | 大きく逸れOBの可能性大 |
| ストレートスライス | ターゲット方向 | 比較的改善しやすい |
| プルスライス | 利き腕と反対方向 | 初心者に多い傾向 |
スライスとフックの違いは？
ゴルファーが経験するショットの悩みとして、スライスのほかにフックがあります。スライスは、利き腕の方向に大きく曲がることですが、フックはその反対側に想定外の曲がりが生じることをいいます。
スライスとフックにはボールに逆のサイドスピンがかかる違いがありますが、大きくカーブする軌道によりOBのリスクとスコアへの影響度が高いという点では同じです。
スライスとフェードの違いは？
スライスと同じ方向へ曲がるショットにフェードがあります。この2つの違いはコントロールできているかどうかです。スライスでは想定外の曲がりが生じますが、フェードは曲がり幅をコントロールした、少し曲がるショットです。
つまり、フェードはフェアウェイやグリーンなどのターゲットにボールを運びたいときに有効なショットだといえます。
ゴルフでスライスが出る原因
ここからはスライスの原因について解説していきます。スライスの原因は主にスイングの軌道とインパクト時のフェースの向きという2つの要因で起こります。スライスの原因としてもっとも多いのが以下の3つです。
- アウトサイドインのスイングになっている
- インパクト時にフェースが開いている
- 体がスウェーしている
詳しく解説していきます。
スライスの種類とその原因を表にしてまとめました。自分のスライスの原因の判明に役立てください。
スイング軌道がアウトサイドインになっている
スイングの軌道がアウトサイドインになっていると、スライスの原因になります。
アウトサイドインはいわゆるカット打ちと呼ばれる軌道ですが、ボールに対してクラブが外から内側に入ってくるのでサイドスピンがかかりやすいです。アウトサイドインのスイングは、手打ちやこすり打ちとも呼ばれ、スライスの原因になるスイング軌道です。
プルスライスに悩む人も、アウトサイドインの軌道になっているでしょう。
インパクト時フェースが開いている
全てのスライスに共通した原因は、インパクトの瞬間にフェースが開いているということです。インパクト時にフェースが開くと、どんなに素晴らしいスイングでも、目標に対して右方向へスライスしてしまいます。
体がスウェーしている
スイング中に体がスウェーすることによって、スライスが引き起こされることもあります。
これはスウェーすることによって、体の軸がぶれて、インパクト時にフェースが開いてしまうためです。スライスに悩む人は、スイング中に体がスウェーをしていないか確認してみましょう。
【種類別】ゴルフでスライスが出る原因
ここでは、スライスの種類別によくある原因を紹介します。
まず、スライスの種類とその原因を表にしてまとめました。
| スライスの種類と考えられる原因 | アウトサイドインスイング | フェースが開いている | スウェー |
|---|---|---|---|
| プッシュスライス | ✕ | ◯ | ◯ |
| ストレートスライス | △ | ◯ | △ |
| プルスライス | ◯ | ◯ | ◯ |
3種類のスライスが出る原因を考えるうえで大切な、クラブとボールが接するインパクトの瞬間についてみていきます。インパクトでは、以下のようなスイングしたクラブの軌道とクラブのフェースの向きの組み合わせがポイントです。
- クラブの軌道（インサイドアウト・インサイドイン・アウトサイドイン）
- フェースの向き（オープン・スクエア・クローズ）
この3種類×3種類の9つの組み合わせがインパクトで成立し、ボールの軌道が生まれます。
インサイドアウト×オープンがプッシュスライスの原因
プッシュスライスは、クラブの軌道がインサイドアウトとなっているため、体側から外側へボールにコンタクトすることになり、ボールが右へ飛び出してしまいます。加えて、フェースの向きがオープンの状態でインパクトを迎えるため、右へカーブする回転がかかってしまうわけです。
インサイドイン×オープンがストレートスライスの原因
ストレートスライスは、クラブの軌道はターゲットに向かっていますが、フェースの向きがオープンなので、まっすぐ飛び出して右へ曲がっていきます。ターゲットに向かって正しく振れている点から、比較的改善しやすいといえます。
アウトサイドイン×オープンがプルスライスの原因
プルスライスはクラブの軌道がプッシュスライスの逆のアウトサイドインとなっているため、左へボールが飛び出します。さらにこの場合も、フェースの向きがオープンでインパクトするため、右へ曲がる回転がかかってしまった結果、左に出たボールが右へ飛んでいくのです。
スライスが出る原因がわからない場合は、プロのコーチに相談するのが最適！
ドライバーだけスライスがひどい原因は？
「アイアンだとあまりスライスしないのに、ドライバーだけはなぜかいつもスライスする」というゴルファーもいます。
これは、アイアンとドライバーのクラブの違いに原因があります。
ドライバーは、すべてのクラブのなかで一番長く、ヘッドが軽いため、振り遅れやすいクラブです。振り遅れるとインパクト時にフェースの向きがオープンになり、スライスが出てしまいます。
また、ロフト角が小さいクラブであるため、アイアンなどに比べるとバックスピン量が倍以上少ないのです。このバックスピン量が少ないと、サイドスピン量の影響を受けやすくなります。
この2点が、アイアンよりドライバーのほうがスライスしやすくなっている原因です。
そもそもスライスしないドライバーはある？
先述の通り、ドライバーはほかのクラブよりもスライスしやすいクラブです。まったくスライスが出ないドライバーはありませんが、スライスしにくいスペックのドライバーを手に入れることは可能です。
ロフト角、重心角度、シャフトのしなりが大きいスペックのドライバーがおすすめ
ロフト角が大きいとバックスピン量が増えるため、サイドスピンの影響が減りスライスが抑えられます。
重心角度が大きいとヘッドターンしやすく、フェースがオープンしたままインパクトするのでスライスの可能性が減少。そしてシャフトのしなりが大きいとボールをしっかり掴まえやすく、ボールをこすりうちしてスライスが出ることも防げます。
スライスの出やすさはシャフトと関係がある？
スライスが出る要素には、ゴルフクラブのシャフトの硬さが関係しています。
ゴルフクラブのシャフトには、柔らかいほうからR・SR・Sなどの種類があり、自身のヘッドスピードに合わせて選ぶことがポイントです。ゴルフでは、ヘッドスピードが速いほうがボールは遠くへ飛びやすい傾向があります。
そのため、ヘッドスピードが遅い場合、ボールをより遠くへ飛ばすために、柔らかいシャフトのしなりで遠心力を効かせてヘッドスピードを補います。
もし、ヘッドスピードが速いゴルファーが柔らかいシャフトのクラブを使用すると、シャフトがしなるため振り遅れた状態でインパクトしてしまい、スライスが出てしまうわけです。
このように、シャフトはヘッドスピードに影響を受けるので、自分のスイング、ヘッドスピードに合ったシャフト選びがポイントになります。
ゴルフのスライスの直し方・防止策
スライスの直し方は、主に以下の5つです。
- アドレスを見直す
- グリップを変えてみる
- バックスイングで右膝を動かさない
- ハーフスイングで練習する
- ボールの位置を変える
スライスの種類によっても適切な対策は変わってきます。
詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてくださいね。
ドライバーを使うとスライスになり、OBばかり打っていませんか？ゴルフを始めたばかりの初心者が最初に当たる壁、それは「スライスによるOB多発」でしょう。猛練習をしてアイアン、アプローチが上達しても、ドライバーだけが苦手という人も少なく[…]
ゴルフのスライスに悩む初心者は、ゴルフスクールでの改善が近道！
ゴルフのスライスは、ドライバーを変えたり、グリップやボールの位置を変えたりする小手先の解決方法ではどうにもならないこともあるでしょう。正しいスイングや自分に適したスイングを身に付ける必要があるかもしれません。
そんなときは、ゴルフスクールに通うことがスライス改善の近道になることもあります。
スクールでプロにみてもらうこと、テクニックを学ぶこと、いろんなレッスンを受けることによって新しい発見があるかもしれません。
無料体験などで雰囲気を味わうことができるスクールもあります。一度、ゴルフスクールの利用を検討してみるのもよいでしょう。
ステップゴルフは累計会員数、店舗数ともに業界ナンバーワンのゴルフスクールです。とにかく安く、早く、ある程度のレベルまでうまくなりたいという方にぴったりなので、ぜひお近くの店舗をのぞいてみてくださいね。