ゴルフの打法にはさまざまな種類があり、スイングに取り入れることで大きな効果を得られます。
飛距離を伸ばしたい、ショットを安定させたいという方は、自分に合った打法を見つけることで、スコアアップに期待できるはずです。
この記事では、振り子打法やツイスト打法、左一軸打法などの安定性を高めるものから、地面反力打法やスクワット打法などの飛距離を伸ばす打法まで紹介します。
スイングやスコアに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
ゴルフスイングの基本的な考え方
初心者が覚えておくべきなのは、ゴルフスイングの正解は1つではないということです。
初心者がスイングを覚えるとき、教える人によって多少の差はありますが、「基礎」とされる型から学ぶことが多いです。
しかし、体の柔軟さや筋力などは個人差が大きいので、上達の過程で、その「基礎」と全く逆のことをするようになることもあります。トップクラスのプロゴルファーも、細かく見ればそれぞれが違う動きをしていますよね。
だからこそ、ゴルフの世界には多くの「スイング理論」が存在します。今のスイングに新たな理論を加えることで、飛距離や安定性を高めたり、自分の弱点を克服したりすることが可能になります。
従来のスイングではタブーとされていることを推奨する理論もあり、「間違っている」と揶揄されることがありますが、ゴルフの先達が試行錯誤した中から生まれた理論は、どれも誰かにとっては正解になり得るのです。
ゴルフの打法18選!メリット・デメリットや打ち方、練習方法は?
ゴルフの打法には多くの種類があり、それぞれ効果が異なります。ここでは、人気や知名度のあるゴルフの打法を18種類紹介します。
人によって向き・不向きもあるので、打法ごとのメリットやデメリットを踏まえ、練習に取り入れてみてください。
- ツイスト打法
- 振り子打法
- 二重振り子打法
- ノーコック打法
- サイドベンド打法
- 左一軸打法
- 右軸打法
- 地面反力打法
- スクワット打法
- 腹筋打法
- Z打法
- ボーリング打法
- トンカチ打法
- うねりスイング打法
- でんでん太鼓打法
- 8の字打法
- 4時打法
- スナップ打法
各打法について順に解説します。
ツイスト打法
ツイスト打法とは、インパクトで腰を右方向へ回転させ、上半身と下半身の捻じれを使う打法です。
通常のスイングではダウンスイング開始から腰は左方向へ回転させますが、ツイスト打法ではインパクト直前で腰を一瞬右方向へ回転させます。
右方向といっても、実際に腰だけ逆方向へ回すのではなく、腰の回転にブレーキをかけるイメージです。
この動きを入れることで反作用の力が働き、腕が左へ引っ張られます。ヘッドが走るため、飛距離が伸びるのがこの打法のメリットです。
ツイスト打法の練習は、体が開かないようベタ足でスイングするのがポイント。頭と体が左に流れないようにし、体の正面でボールを捉えることを意識しましょう。
ただし、逆回転の動きは体への負担が大きいというデメリットがあります。ケガのリスクもあるので、体が硬い方は注意が必要です。
振り子打法
振り子打法とは、ブランコのような振り子運動をスイングに取り入れた打法です。
頭から首の付け根を支点に振り子運動させることで、規則的なスイング軌道になり、ショットを安定させることができます。
そのため、アプローチショットなど、正確性を求められる場面で活躍する打法です。
振り子打法で重要なのは、腕をまっすぐ伸ばし、体の正面でインパクトを迎えること。肘が曲がらないようにスイングすることで、正しい軌道でクラブが下りてくるため、ショットのミート率が上がります。
デメリットは、飛距離を伸ばしづらいことです。ドライバーなど距離を出したい場合は、次に紹介する「二重振り子打法」を意識するとよいでしょう。
二重振り子打法
二重振り子打法は、肩とグリップ部分に支点を作り、2つの振り子運動を組み合わせたスイングのことです。
肩を支点とする第1振り子で規則的なスイング軌道を生み出し、グリップを支点とする第2振り子でヘッドが走るようになります。
重力を生かしたスイングができるため、ヘッドスピードを上げやすいというメリットもあり、飛距離を伸ばすためにも効果的です。
ドライバーやロングアイアンなど、フルショットするスイングは、基本的にこの二重振り子になるといえるでしょう。
振り子打法でスイングするには、手首を柔らかくすることが重要。
クラブと腕が一体化していると、重力とクラブの落下スピードをうまく活用できません。手首を柔らかく使うために、グリップはゆるゆるに持つようにしましょう。
ただし、第2支点の振り子を使うため、ヘッドが返って引っかけやすくなるデメリットがあります。
状況に応じて、振り子スイングと二重振り子スイングを使い分けるのがミスを減らすコツです。
なかなか飛距離が出ない、スイングが安定しないなど、ゴルフにはさまざまな悩みがつきものです。そんな悩みを解決するヒントになるのが、今回紹介する「二重振り子」。この記事では、ゴルフの二重振り子について、基本動作や習得のための練習[…]
ノーコック打法
手首を折らずにショットするスイングを、ノーコック打法といいます。
コックを入れないことで、バックスイングとダウンスイングで同じ軌道を描きやすく、ショットが安定するのがメリットです。
ノーコック打法を習得するには、腕ではなく、体の回転でスイングする意識を持ちましょう。
ノーコック打法のデメリットは、飛距離を出しづらいこと。スナップを効かせたショットができないため、飛距離を伸ばすには向かない打法です。
サイドベンド打法
サイドベンドとは左右の脇腹(腹斜筋)のことです。
ゴルフの場合、右の脇腹を伸縮させてスイングし、このスイング法をサイドベンド打法といいます。
インパクトで右脇を側屈させることで肩が縦の動きになり、ボールをまっすぐ飛ばす効果のある打法です。
ダウンスイングでフェースの開閉を抑えられるため、慣性モーメントを高めた最新のクラブとの相性が良い打ち方といえるでしょう。
一方で、側屈のタイミングや動かし方を間違えると、ダフりやすいというデメリットがあります。
ダウンスイングでいきなり側屈を入れるのではなく、インパクト直前で右脇を縮める動きを練習しましょう。
左一軸打法
左一軸打法とは、テークバックからフィニッシュまで左足に体重を乗せたままスイングする打法です。
この打ち方のメリットは、体重移動が不要なためミート率が上がること。ダフリやトップなどのミスショットを減らす効果があります。
また、インパクトで左足に重心があるため、しっかりと飛距離を出すこともできるのです。
左一軸打法は、トップで体の軸が左側に傾いてしまう、いわゆるリバースピボットの症状がある人に効果を発揮するでしょう。
しかし、体重移動がない分、左腰を回転させて打とうとすることで上体が開きやすいデメリットがあります。
左一軸打法を活用するには、体の開きを抑えてスイングする練習をおこないましょう。左足1本でショットする練習が効果的です。
右軸打法
右軸打法は、重心を右に固定してスイングする打法です。
右足に体重を乗せることで、テークバックで体を捻転させやすくなります。そして、ダウンスイングでも右に重心を残すことにより、左へスウェーすることなく、つかまったボールを打てることがメリットです。
インパクトで体が突っ込んでしまい、スライスしてしまう方に向いています。
練習では、左足を1歩下げてつま先立ちにし、右足1本でスイングしてみましょう。
右軸打法のデメリットは、体重移動が少ない分、ダウンブローのスイングがしにくいことです。
アイアンショットよりも、アッパー軌道のドライバーショットに向いている打法といえるでしょう。
地面反力打法
地面を踏み込む力をスイングパワーに変えるのが、地面反力打法です。
地面を足で押し込むと、同じ大きさの力が地面から返ってきます。この反作用の力を体の回転に変え、飛距離を伸ばすことが最大のメリットです。
コツは、切り返しの直前で左足を踏み込むこと。地面反力の力を有効活用するには、この踏み込むタイミングを意識するようにしましょう。
一方デメリットは、体が一瞬沈みこむ形になるため、ダフりやすいということ。さらに、地面反力の影響で体が上に伸び上がり、トップしやすいという欠点もあります。
体の軸がブレないように練習を重ねる必要があります。
スクワット打法
スイングの中にスクワットのような動きを取り入れた打法が、スクワット打法です。
ダウンスイングで膝を曲げ、体をグッと沈みこませることで、クラブを振り下ろすスピードが上がります。
そこから、今度は膝を伸ばしながら腰を回転させることで、クラブに大きな力が伝わるため、飛距離アップの効果がある打法です。
地面反力打法の一種ともいえるスイング法ですが、スクワット打法では右膝の曲げ伸ばしも積極的に使います。両足の地面反力を使うことで、より大きなパワーが生まれるのです。
練習する際は、ダウンスイングで膝を曲げ、インパクト直前で膝を伸ばす意識で素振りをしてみましょう。
ただし、地面反力打法と同様に、ダフりやトップに注意が必要です。
腹筋打法
腹筋打法は、腹筋の力を利用してスイングする方法です。
上半身や下半身の力みが少なくなり、クラブと体の連動をスムーズにする効果があります。
また、テークバックとダウンスイングで腹筋を捻ることにより、体の軸がブレないスイングとなり、正しい軌道でクラブを振ることができるでしょう。
練習では、上半身に力が入らないよう注意しなければなりません。腹筋の捻転を利用してスイングする意識を持つのが大切です。
普段あまり腹筋を鍛えていない方は、筋肉痛になりやすいので注意しましょう。
Z打法
Z打法とは、体の回転ではなく、腰を切って上体の左右を入れ替える打ち方です。
バックスイングでは右腕を後ろへ引き、ダウンスイングで右腕を前に突き出す動きでスイングします。こうすることで、ボディーターンよりも体の入れ替えが速くなり、飛距離アップにつながるという理論のスイングです。
また、体重移動が最小限になるため、再現性の高いスイングが可能な点もメリットといえるでしょう。
練習では、まず素手で左右の手を交互に押し引きする感覚を掴むのがポイント。右腰を切りながら右腕を引き、その場で左腰を切りながら右腕を前に突くイメージです。
体の面が入れ替わることで、フェースターンが自然とおこなえるようになります。
デメリットは、フェースターンを意識して使う人にはあまり向かないということ。このタイプの方がZ打法を取り入れると、左へ引っかけやすくなります。
ボーリング打法
ボーリングをする時の動きを取り入れた打法が、ボーリング打法。
スイング時のフェースの向きを変えず、まっすぐボールを打ち出すのに向いたスイング法です。
ボーリングの球を投げる際、手首をこねたりせず、目標に向かってまっすぐ腕を振り下ろしますよね。ゴルフでも目標に向かってショットを打ち出すためには、フェースの向きが正しい方向を向いている必要があるので、ボーリングの投球をイメージするのが有効とされています。
また、左足を踏み込んでから球を投げる感覚もゴルフと似ている部分。左足体重でスイングする感覚が身につくでしょう。
デメリットは、ボーリングの感覚をゴルフのスイングに結びつけるのが難しいこと。ボーリングは体の正面方向へ投球するのに対し、ゴルフは体の左方向に目標があるため、イメージを掴むのに時間がかかるかもしれません。
トンカチ打法
自然な手首の使い方を身につけるのに有効なのが、トンカチ打法です。
トンカチで釘を打つ際は、肘を動かす意識が強くなります。その動きの惰性で手首が動いているはずですが、ゴルフのスイングでもこの動きを意識することで、手首を無理に返す動きがなくなるはずです。
つまり、肘の動きに合わせて手首が自然と連動するようになります。
このスイングを練習するには、手首の力を抜いて柔らかくすること。手首ではなく、肘の動きが主体となるようにスイングしてみましょう。そうすることで、手首に自然なコックが入りやすくなります。
引っかけが出る場合は、グリップの握り方に問題があるかもしれません。ストロンググリップで引っかけてしまう場合は、スクエアグリップで試してみてくださいね。
うねりスイング打法
体をうねるように動かすスイングを、うねりスイング打法といいます。
クラブを持ち上げるのではなく、体の回転で引き上げ・引き戻すという動きでスイングするため、トップでシャフトがクロスするのを防ぐ効果があります。
また、ダウンスイングで右の脇腹を引いてから肩を回すことで、上半身と下半身の捻転差が生まれ、ヘッドスピードが上がるメリットもあります。ボールを叩くのではなく、クラブを引く力でスイングするため、強いパワーを伝えることが可能です。
練習する際は、肩と腰の捻転差が生まれる意識を持つことが重要。ダウンスイングでは、まず右脇腹を後ろへ引き、肩は回転させずに我慢するように意識しましょう。
でんでん太鼓打法
でんでん太鼓は、中心の棒を回すことで紐の先端についている球が回転し、太鼓の動きから遅れて面に当たります。
この時間差を使ったスイングが、でんでん太鼓打法です。
テークバックで体を捻転させると、遅れて腕とクラブが振られ、ダウンスイングで左に回転すると、腕とクラブもそれに遅れてついてきます。
体の回転でスイングできるため、手打ちの癖を直すのに効果的です。
また、このスイングを基本とし、グリップエンドがお腹を向くように意識すると、ヘッドが手元を追い越して走るようになります。ヘッドスピードが上がるので、飛距離アップも期待できるでしょう。
コツは、背骨を中心に回転するイメージです。
腕に力が入るとでんでん太鼓のような動きにはなりません。腕をぶらぶらさせて、体の回転についてくる感覚を練習で身につけましょう。
8の字打法
クラブヘッドを8の字の軌道でスイングするのが、8の字打法です。
アウトサイドにテークバックし、インサイドでダウンスイングすると、自分から見て∞の形にヘッドが動きます。
スイング軌道がインサイドアウトになるため、スライスで悩む方や、ドローボールを打ちたい方におすすめの打法です。
ただし、8の字打法は体の回転が止まりやすくなるため、過度なインサイド軌道でチーピンが出やすくなる場合があります。
弾道の変化を確認しながら練習に取り入れるのがよいでしょう。
4時打法
ボールの円を時計に見立て、午後4時のあたりを狙ってスイングすることを、4時打法といいます。
ボールの真後ろではなく、4時の位置を狙って打つことで、正しい軌道で楽にクラブを振れるようになるという考え方です。
4時の位置にヘッドを入れる意識を持つと、自然とインサイドからクラブが下りてくるため、スイング軌道の改善に効果があるでしょう。
ボールを打ちにいくようなスイングが染み付いている方は、正しい軌道のスイングが身につくはずです。
デメリットは、インサイド軌道によって手前をダフリやすくなること。ヘッドの軌道が変わるため、慣れるまではショットが安定しづらくなります。
スナップ打法
右手首のスナップを効かせて打つスイングが、スナップ打法。
「手首は使うな」と教わった方も多いと思いますが、この打法では右手首を積極的に使い、そのスナップ力を飛距離アップにつなげます。
テークバックは手でクラブを上げ、切り返し直後に右手のスナップを使うことで、ヘッドが加速し、強いインパクトが生まれるのです。
右手のスナップを使うには、両手を離して握るスプリットハンドでの練習が効果的です。右手の動きが分かりやすくなるため、手首を使う感覚が身につきやすいでしょう。
デメリットは、手首を使うタイミングを掴むのが難しいこと。慣れないうちは、打球が左右へバラつきやすくなります。
自分に合う打法を習得するならゴルフスクールがおすすめ!
ゴルフの打法には、自分の弱点を克服したり、強みを強化したりする理論が多くあります。
自分に合った打法を取り入れることで、スコアアップに期待できるでしょう。
しかし、特殊なスイング法は身につけるのが難しく、本当に自分に合っているのか分からない方も多いはず。
自分に合ったスイングを習得するには、専門家であるプロの指導を受けるのがおすすめです。
プロのレッスンなら、間違ったスイングや、自分に合わない打法を取り入れることがないため、効率良く上達が目指せます。
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