グリーン周りでのアプローチの技術が向上するとロングパットが少なくなるため、パット数の改善にも期待できます。
この記事では、アプローチの技術の1つ、ロブショットの打ち方や使うシチュエーションについて解説します。
ロブショットとは
ロブショットはグリーン周りで使うアプローチの技術の1つで、グリーンエッジからピンが近くに立っている場面や、グリーン面が下り傾斜で転がしたくないシチュエーションで使います。
ここでは、ロブショットとグリーン周りのショットの違いについて解説します。
ロブショットとピッチショットの違い
ロブショット同様にボールを高く上げるアプローチをピッチショットといいます。
ロブショットとピッチショットの違いはランの長さです。
ロブショットはフェースを開いて高さで止めるのに対し、ピッチショットはフェースを開かずにロフトなりの高さで打ち出すため、ランを計算して打つ必要があります。
平らなグリーンであれば、キャリーとランの割合が以下のように異なります。
ショット名 | キャリーとランの割合(目安) |
---|---|
ロブショット | 9:1から8:2 |
ピッチショット | 5:5から6:4 |
ロブショットとバンカーショットの違い
ロブショット同様にフェースを開いてボールを高く打ち出すショットに、バンカーショットがあります。
ロブショットとバンカーショットは、実はシチュエーション以外にスイングの違いはないといわれます。
ただし、ボールを高く上げるためのスイングは同じですが、ロブショットはフェアウェイやラフでバンスを滑らしてインパクトします。
それに対してバンカーショットは、インパクトでボール直接ではなく、手前にある砂ごとインパクトするため、砂の抵抗を受けます。同じスイングをしようとしても砂の重みの分、フォロースルーが小さくなってしまいがちです。
また、砂の硬さによってはクラブが砂に潜り過ぎてしまったり、固いバンカーではホームランが出てしまったりするため、状況をしっかりチェックしてスイングすることを意識しましょう。
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ロブショットの基本的な打ち方
ロブショットは、クラブを一定の速度でゆっくりスイングすることが基本です。
通常のスイングと同じようにクラブを早く動かしてしまうと、ボールに伝わる力が上方向ではなく前方向になってしまい、高くではなく遠くに飛んでしまいます。
ここでは、ロブショットの基本的な打ち方を解説します。
ロブショットのアドレス
ロブショットは通常のスイングと異なるため、アドレスから変える必要があります。
- まず、ボールをロフト以上に高く上げるため、フェースを開きます。
この時、グリップをした後にクラブを開く動作をすると、インパクトでクラブが閉じる動きになりやすいため、フェースを開いた状態からグリップするのがポイントです。 - 次に、スタンスをオープンにします。
打ちたい方向に対して、ボール1〜2個分オープンスタンスにすることで、フォロースルーでフェース面が閉じる動きを抑えることができます。 - 最後に、ボール位置は左足寄りにセットします。
ドライバーと近い位置にボールをセットすることになるため、クラブ位置はハンドレイトになります。ボールが真ん中から右足寄りにあると、アドレスではハンドファーストになり、インパクトではダウンブローの形になり、低く強い球が出てしまいます。
また、ボールを高く上げるためには、レベルスイングからややアッパーブローの軌道で打つ必要があるため、スイング軌道の最下点になる左足寄りにアドレスするようにしましょう。
ロブショットのスイング
ロブショットを使うシチュエーションでは、遠くに飛ばすよりも高く上げることが求められるため、体や腕をゆっくりと動かす意識が必要です。
スイングの方向はターゲットではなく、オープンスタンスのラインに沿って振ります。
ヘッドの動きが速くなりがちな捻転やコックについては極力使わず、スイング中は開いたフェースを閉じないよう、アドレス時の状態のままスイングしましょう。
また、スイングアーク(スイングの円軌道)はスリークォーター程度とします。
高く上げるロブショットには体重移動が不要なため、フィニッシュを取る必要もありません。
ロブショットを実践で使えるレベルにするには、繰り返し練習することが必要ですが、自己流だと正しいスイングを身につけることは難しいかもしれません。
練習場では平らなマットでヘッドが滑ってくれるため、実践的なロブショットの練習機会も多くはありません。
ロブショットをいち早く身につけたい方は、インドアゴルフスクールなどで学ぶと実践的なスイングを身につける近道になります。
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【初心者向け】おすすめのロブウェッジの選び方
ロブウェッジは高くボールを上げてくれるクラブで、ロフト角がサンドウェッジよりも大きく、グリーン周りのショットに課題を感じている方におすすめです。
ここでは、ロブウェッジの選び方を紹介します。
ヘッドの選択
ロブウェッジを使ったことがない方には、ソール幅の広いクラブがおすすめです。
ロブウェッジはフェースを開いて使うことが多いため、バンス角が8〜10度のものを選びましょう。
ロブショットで出るミスの1つにダフることが挙げられますが、ソール幅が広いことでクラブが滑ってくれ、ダフリのミスを抑えることができます。
ソール幅が狭いウェッジにはクラブの抜けがよいなどのメリットがありますが、ソールの抜けがよすぎることでボールの下をくぐってしまったり、ダフリのミスも出てしまいます。
シャフトの選択
ロブショットは、シャフトのしなりを感じるようなスイングはしません。
そのため、普段のクラブよりも重く・硬いシャフトがおすすめです。
クラブを重くすることでゆったりとしたスピードでスイングすることができ、硬いシャフトによりインパクトゾーンでヘッドが暴れることを抑えることができます。
クラブセッティング
ロブウェッジを入れることでクラブを1本抜かなければいけない場合は、一番難しくミスの多いクラブを抜きましょう。
得手不得手あると思いますが、ロングアイアンやウッドが、多くのアマチュアゴルファーに当てはまります。
グリーン周りの技術を身につけたのにグリーン周りまでのショットでミスが出てしまっては本末転倒です。
また、練習していないけどなんとなく入れているクラブも外す対象に考えていきましょう。
「ロブウェッジはいらない」の理由と真偽について
ロブウェッジはボールを上げることに特化したクラブでロブショットの精度を高めてくれますが、サンドウェッジで代用できるなどの口コミもあります。
実際、サンドウェッジのバンスを低く設定してフェースを開いてアプローチする技術を持っている上級者であれば、多くのシチュエーションでロブウェッジは不要といえるかもしれません。
ただし、スイングアークの大きくなるロブショットは小さなミスが一大事になるため、普段からフェースを開いて打っていないと実践では使えません。
ロブウェッジであれば、もともとロフト角が大きく開いているクラブのため、必要以上にフェースを開いたりする必要が無く、ミスを抑えることができます。
ゴルフはミスを少なくするスポーツであるといえますので、練習量や技術を補完してくれるロブウェッジは、アプローチに課題を感じている方には有効だといえます。
ロブショットの練習方法
プロのトーナメントでもフォーカスされやすい技術であるロブショットですが、イメージだけで実践で使うと、大きなミスに繋がってしまいます。
特に、グリーン周りでのトップやダフリは、大きくスコアを落とす原因にも繋がります。
ここでは、ロブショットの練習方法を紹介します。
ソールが抜ける感覚をつかむ
練習マットの左端(打ち出し方向の先端)にボールを置き、ロブショットを練習する方法です。
この練習を行うと、インパクト以降にソールの抜けを感じやすくなります。
ロブショットでやりがちなミスがすくい打ちです。
アドレスでアッパーブローになりやすい準備は整っているのに高く上げたいという意識が働くと、手首や腕を使ってすくい上げるスイングになってしまいます。
マットの真ん中で練習するとソールの抜けを感じにくくなりますので、マットの左端にボールをセットして、インパクト以降のソールの抜けを感じながら練習しましょう。
ティーアップで抜ける感覚をつかむ
マットの形状によっては左端でボールを打てない練習場もあります。
その場合は、ティーを一番低くセットして練習しましょう。
スイングの際にはソールが抜ける感覚を意識しつつ、スイングアークの大きさやスピードによって、飛距離の違いを感じながら練習することができます。
また、実践ではラフでボールが浮いたシチュエーションも出てきます。
ティーの高さを高めに変えることで、浮いたシチュエーションの練習になりますが、この時、ティーを打たないようにしましょう。
ティーを打ってしまうと、実践ではボールの下を潜ってしまうミスになります。
ロブショット習得はプロの直接指導が受けられるゴルフスクールが◎
ロブショットは難しいシチュエーションを挽回できるアプローチの技術の1つで、スコアアップに不可欠なショットです。
特に、グリーン周りでスコアを落としがちな方は、ロブショットを身につけることでスコアの改善が期待できます。
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