ゴルフのスイングを片手だけで行う「片手打ち」。
スイング改善に効果があるとされ、多くのプロやゴルフ上級者も練習に取り入れています。
この記事では、ゴルフの片手打ちの効果や自宅で毎日できる練習方法などについて解説します。
片手打ちには「意味がない」という否定的な意見についても触れるので、練習に取り入れるべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
ゴルフの片手打ちとは?
ゴルフの片手打ちとは、その名のとおり片手だけでクラブを振るスイングのことで「左手打ち」と「右手打ち」があります。
片手ずつスイングすることで、左右の手や腕の動かし方や力の入れ具合などが確認でき、正しい腕の使い方を習得するのに役立ちます。
ゴルフは通常両手でスイングしますが、ボールに当てたい、遠くへ飛ばしたいと思うほど余計な力が入りやすくなり、シャンクやダフリ、トップなどのミスの原因になります。
というのは、利き腕を使いすぎたり、手打ちになっていたりするなど、スイングに何らかの問題があるからです。
片手打ちは左右の手がどう動いているかがわかるため、スイングの問題点を浮き彫りにすることができます。
最初はボールに当てることすら難しいですが、それは下半身と上半身が連動した正しいスイングが身についていない証拠。
上級者になればなるほど、片手打ちで芯を捉えたショットが打てるようになります。
また、スイングの確認として片手打ちを練習に取り入れているプロも多いため、初心者から上級者まですべてのゴルファーに効果を発揮する練習方法といえるでしょう。
少し地味な練習に感じるため敬遠する人も多いですが、スイングの確認や改善に効果的です。
ゴルフの片手打ちの効果
ゴルフの片手打ちには、スイングの基礎を身につける効果があります。
片手打ちをすることで、正しいスイングをするための体全体の使い方がわかるようになるからです。
両手でのスイングでは、力を入れすぎたり、手打ちになったりしやすくなるため、ミスショットが多くなってしまいます。
しかし、片手打ちをすることで、左右の腕の使い方や体の使い方がわかるようになるため、正しいスイングが身につくのです。
具体的には、以下の3つの効果が期待できます。
- 正しいスイング軌道が身につく
- 手打ちの癖が直る
- 飛距離が伸びる
順に詳しく解説します。
正しいスイング軌道が身につく
ゴルフの片手打ちには、正しいスイング軌道が身につくという効果があります。
片手打ちをすることで、左右の腕の役割が徐々にわかってきて、正しく動かせるようになるため、クラブを正しい軌道で振れるようになります。
片手打ちは腕力だけでスイングするのは難しいため、体の回転を使ってスイングせざるを得ません。
しっかり脇を締めて振らないとボールに当たらないので、自然と正しい軌道のスイングが身につきます。
特に利き腕は無意識に余計な力が入りやすく、スイングが正しい軌道から外れがちです。
右利きの場合、左腕を伸ばしてスイングすることで、ボールとの距離感を一定に保つことができます。
スイングを安定させるポイントは、両腕を正しく動かすことであるため、片手打ちは正しいスイング軌道が身につけるのに効果的なのです。
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手打ちの癖が直る
片手打ちには、手打ちの癖が直るという効果もあります。
というのは、片手打ちをすることで体とクラブが同調したスイングを身につけることができ、ショットの方向性を上げることができるからです。
手打ちとは、手でクラブを上げたり、腕力だけでスイングしたりすることで、手打ちの癖がある方はショットが不安定になります。
そのため、ダフリやトップなどのミスショットの原因になり、体の捻転不足によってスライスが出ることも多くなります。
片手打ちを練習すれば、体の回転でスイングすることができるようになります。
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飛距離が伸びる
片手打ちの効果として、飛距離が伸びることが挙げられます。
片手打ちによりクラブの軌道が安定することで、ハンドファーストでインパクトするスイングが身につくからです。
ハンドファーストとは、インパクトの際にボールよりも手が前に出ていること。ハンドファーストをマスターすると、しっかりとボールを捉えやすくなるため、飛距離が伸びるのです。
さらに、クラブの軌道が安定するだけでなくミート率も上がるため、片手打ちは飛距離を伸ばすのに効果的な打ち方といえるでしょう。
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ゴルフの片手打ちには「意味ない」という意見もある?
ゴルフの片手打ちには「意味がない」「逆効果」という意見も、一部にあります。
これは本来両手でスイングするゴルフにおいて、片手では十分な効果が得られないという考えがあるためです。
片手打ちはクラブの制御がしづらいため、クラブの軌道やフェース管理が難しくなり、スイングの再現性が下がるという人もいます。
体の回転でスイングする意識を持っていても、脇を締めて腕を体から離さないようにすると、片手では力不足になることが考えられるからです。
また、片手でスイングをしようとすると、クラブが重いために腕で力一杯振ってしまうことも考えられます。
体の回転でスイングする目的で始めた片手打ちによって、かえって手打ちの癖がついてしまっては元も子もありません。
さらに、慣れない片手打ちを無理に行うことで、手首や肘を痛めることもあります。
これらのことから、片手打ちはフルスイングではなく、ウェッジやショートアイアンを使ったハーフスイング・ショートスイングで行うのが適切です。
スイング時の両手の動きを確認したり、アプローチショットなどで芯を捉えやすくしたりするために行うのがよいでしょう。
ゴルフの片手打ちのやり方・極めるためのコツ
片手打ちは通常のスイングよりも難易度が高く、間違った方法でやると逆効果になるおそれがあります。
そこで、正しい方法で取り組むために、片手打ちのやり方と極めるためのコツを詳しく解説します。
ここでは右利きの場合の片手打ちを解説するので、左打ちの方は左右を逆に置き換えて読んでください。
クラブは、サンドウェッジなどの短いクラブから始めることをおすすめします。
右手での片手打ちのやり方
まず、右手での片手打ちのやり方について解説します。
最初は両足を閉じて立ち、グリップを短く持つと打ちやすくなります。
ボールは真ん中からボール1個分右に置き、ハンドファーストになるように構えましょう。
そこから右膝の高さまでテークバックしますが、このとき手でクラブを上げず、体を回転させてテークバックを行います。
コツは、アドレスでできた手首の角度を保つこと。右脇を締め、体の回転にクラブがついてくるように意識します。
体をしっかり回すように動かせば、自然と体重移動も行えるはずです。
そして、ダウンスイングでも体全体でスイングする意識を持ち、左膝の高さまでクラブを振ります。
左手での片手打ちのやり方
左手も同様に膝から膝までのスイングを行い、手首の角度を保ちながら、体の回転と同調させるようにスイングしましょう。
左手の場合は、インパクトで打点がブレないよう、スイング中に肘が曲がらないように意識することがポイントです。
はじめは、振り幅を小さくするのがうまく打つためのコツです。慣れてきたら、少しずつ大きなスイングにしていきます。
1人で練習していると正しいやり方でできているのか不安ですよね。プロに見てもらいながら上達したいならステップゴルフへ!
ゴルフの片手打ちの練習方法
ゴルフの片手打ちはクラブが重く感じるため、最初は思うようにスイングできないことが多いです。
片手でもしっかりボールを打てるようにするため、自宅で毎日できる練習方法を紹介します。
テークバックの始動時にクラブの重みでスイングがふらつく場合は、使っていないほうの手で肘を支えてみましょう。
やり方は、空いている手を構えた腕の下に入れ、手の甲で下から肘を支えます。
腕が安定するので、この状態で素振りをすることから始めてみてください。
注意点は、肘を腕の上から押さえつけたり、肩を押さえたりしないことです。
このようにすると、スイングが安定せず体の動きも制御されるため、手打ちのスイングになりやすいからです。
腕の下から肘を支えるようにして、体の回転でスイングを行いましょう。
これでもうまくボールに当たらない場合は、手首の角度をキープできているかどうかを確認してみてください。
また、アドレスの時点で手首の角度に問題があるケースも多いです。
片手で構える前に、一度両手でハンドファーストの形を作り、そこから片手を離してアドレスしてみましょう。適切な手首の角度で、構えられますよ。
【FAQ】ゴルフの片手打ちでよくある疑問
ゴルフの片手打ちについて、よくある疑問は以下の4つです。
- 片手打ちはルール上問題ない?
- ゴルフ初心者に片手打ちは難しい?
- 片手打ちは何番のクラブで練習するべき?
- クラブが重くて振れないときの対処法は?
それぞれの疑問に対して、回答します。
片手打ちはルール上問題ない?
ゴルフのプレーにおいて、片手打ちによるショットはルール違反にはなりません。
ゴルフ規則10.1によると、「ストロークはクラブヘッドで球を正しく打つことによって行う」とされているので、片手や片足でのストロークは問題ないといえます。
ただし、クラブを体で押さえて固定する打ち方はルール違反となるので注意しましょう。
ゴルフ初心者に片手打ちは難しい?
片手打ちはすべてのゴルファーに効果のある練習方法ですが、特殊な打ち方のためスイングが安定していない初心者には難易度が高いといえます。
しかし、もう片方の腕で補助したり、振り幅を調節したりするなど、練習方法を工夫することで初心者でも片手打ちを取り入れることは可能です。
正しい片手打ちを習得するには、知識と技術を持った人からのアドバイスが有効です。
片手打ちは何番のクラブで練習するべき?
片手打ちは、ウェッジなどの短いクラブで始めるのが一般的です。
クラブが長くなるほど難易度が上がるため、ウェッジ、ショートアイアン、ミドルアイアンと徐々に番手を上げていくとよいでしょう。
長いクラブで片手打ちができるようになれば、両手で打つ際により体の回転を使ったスイングができるようになります。
クラブが重くて振れないときの対処法は?
クラブが重くて片手打ちが難しい場合は、逆の腕で肘を支える方法が有効です。
また、慣れないうちはクラブの代わりに傘や杖を代用したり、男性ならレディース用のクラブを使ったりしてクラブを軽くすれば、スイングしやすくなります。
ケガのリスクもあるので、はじめは無理をしないで練習しましょう。
ゴルフスクールのマンツーマンレッスンなら正しい片手打ちを練習できる!
ゴルフの片手打ちは、正しいスイングを身につけるのに効果的ですが、両手で打つよりも難易度は高めです。
間違った打ち方で練習していると、手打ちの癖がついたり、ケガをしたりするリスクがあります。
正しい片手打ちをマスターするには、独学よりも専門的な知識を持ったプロに指導してもらうのがおすすめです。
ゴルフスクールでは、プロのコーチによるマンツーマン指導が受けられるため、片手打ちのような特殊なスイングも素早く習得できます。
また、マンツーマンレッスンでは個人の悩みに合わせた指導を受けられるため、上達が早いという特徴があります。
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