長い距離が残っているときに使いたい5w(5番ウッド)と3ut(3番ユーティリティ)。どちらがミスが少なく使いやすいのか、クラブ選択に悩んでいる初心者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、5wと3utの違いや特徴、コースでの使い分けについて解説します。
それぞれのクラブの得意な場面・苦手な場面を理解することで、どちらが自分に必要なのかがわかるはずです。
また、初心者はどちらを使うべきなのかについても触れるので、クラブセッティングの参考にしてください。
5wと3utの特徴をおさらい
5wと3utは、どちらも同じくらいのロフト角を持つクラブです。
メーカーやモデルによって多少違いはありますが、おおむね18度〜20度のロフト角で設計されています。
4番アイアンや3番ウッドなどは打つのが難しいため、グリーンまで距離があるがミスをしたくないときに重宝されるクラブです。
5w(5番ウッド)とは
5wは、18度前後のロフト角を持つフェアウェイウッドの1つです。
長さがあって飛距離が出るため、セカンドショットはもちろん、ドライバーが使えないホールでのティーショットにも使えます。
5wより長くて飛距離が出るフェアウェイウッドに3wがありますが、球が上がりづらく、芯で捉えるのが難しいクラブのため、一般的に初心者の方には不向きです。
飛距離が出て扱いやすい5wは、3wを苦手とする方が持つフェアウェイウッドとして定番のクラブといえるでしょう。
3ut(3番ユーティリティ)とは
3utは、主に18度〜19度前後のロフト角で設計され、フェアウェイウッドとアイアンの中間の特徴を持つクラブです。
アマチュアゴルファーの場合、アイアンは5番か6番までを入れる方が多いのではないでしょうか。
セッティングに入れているアイアンでは距離が足りない場合に活躍するのが3utです。
ユーティリティはロングアイアンの代用として使いやすく、ロフト角が22度〜24度前後の4utや5utをバッグに入れている方が多い傾向。3utは、それより飛距離を出したい場合に有効なクラブです。
ちなみに、ユーティリティはハイブリッドとも呼ばれ、フェアウェイウッドに近い形状のものとアイアンに近い形状のものがあります。
球が上がりやすくミスに強いのはウッド型ユーティリティです。本記事で扱うユーティリティについては、ウッド型形状のもの(ウッド型ユーティリティ)を指して解説していきます。
ユーティリティはウッドとアイアンの間のような見た目をしたクラブ。初心者にとっては、どのようなタイミングで使うべきか悩むところです。しかし、選び方や扱い方を間違えなければ、とても便利に使えるクラブです。今回は、ゴルフ初心者のユ[…]
5wと3utの違い
どちらも、ドライバーとアイアンの間の飛距離を出せる5wと3ut。ほぼ同じロフト角を持つこの2つのクラブには、どのような違いがあるのでしょうか。
この項目では、5wと3utの飛距離や見た目、打ち方の違いについて解説します。
飛距離の違い(どっちがより飛ぶ?)
同じロフト角の5wと3utで飛距離を比べた場合、遠くへ飛ばしやすいのは5wです。
理由は、5wのほうが長く、スイング時の遠心力が大きくなるからです。
3utで5wと同じ飛距離を出すには、5wよりもロフト角が2度〜3度立ったモデルを選ぶ必要があると覚えておきましょう。
また、5wのほうがヘッドが大きいぶん、スイートスポットが広くなっていることも飛距離に関係しています。
芯でボールを捉えやすいため、遠くへ飛ばすには5wのほうが有利といえるでしょう。
ただし、ランが出やすいのは3utです。
風の強い日など、キャリーでの飛距離が落ちる状況では、ランの出やすい3utのほうが有利になる場合もあります。
見た目の違い
5wと3utの最も大きな違いはヘッドの形状です。
フェアウェイウッドである5wは、ドライバーを小型にしたような形になっています。
一方、ユーティリティである3utは、アイアンよりもバックフェースが長くなっており、アイアンとフェアウェイウッドの中間のような形状になっているのが特徴です。
ヘッドが大きい5wのほうが構えたときに安心感がありますが、クラブ自体の長さは3utのほうが短いため、操作しやすいのは3utといえるでしょう。
打ち方の違い
5wと3utはヘッド形状の違いから、それぞれの打ち方に違いがあります。
前述したとおり、5wはドライバーを小型にしたような作りになっているため、払い打つような打ち方に適したクラブです。
ヘッドの最下点でボールを捉えるレベルブローのスイングが理想とされています。
一方、3utはアイアンとフェアウェイウッドの中間的な構造を持っているため、ややダウンブロー気味にクラブを入れ、フォローでソールを滑らすように打つクラブです。
3utはスイングにアイアンの要素が含まれるため、ヘッドの形状と同じように、フェアウェイウッドとアイアンの中間的なスイングが向いています。
【クラブセッティング】5wと3utはどっちが必要?
5wと3utの違いを把握したうえで、自分には一体どちらが必要なクラブなのかを見極めていきましょう。
結論として、打ちやすいほうのクラブを使うのがおすすめです。
以下の2つを基準に、5wか3utかどちらが自分に合うのかを確認してください。
- ドライバーが得意なら5w
- アイアンが得意なら3ut
それぞれ詳しく解説します。
ドライバーが得意なら5w
5wはその名のとおり、ウッドの一種です。
1wであるドライバーと同じ仲間に分類され、スイングもドライバーの感覚に近いといえます。
そのため、ドライバーが得意な方は5wを打ちやすいと感じることが多いでしょう。
ティーアップして打つドライバーはアッパー軌道なのに対し、芝の上から打つ5wはレベルブローと、厳密にはスイングが異なりますが、スイングの感覚が似ているので習得しやすいはずです。
アイアンが得意なら3ut
ドライバーは苦手だけどアイアンは得意という方は、3utのほうが打ちやすいと感じることが多いです。
ユーティリティは、4番アイアンや5番アイアンなどのクリーンに打つのが難しいアイアンの代わりに、よりやさしく打てるクラブとして人気があります。
打ち方の違いでも解説した通り、ユーティリティはスイングにアイアンの要素が入っているため、6番アイアンや7番アイアンで弾道の高いショットを打てる方に向いているクラブです。
ただし、3utはロフト角が18度〜19度と立っています。のちほど解説しますが、4utや5utより難易度が高いことは心得ておきましょう。
5wと3utの両方を持っておくのもあり?
5wと3utを両方使いたい方は、どちらもクラブセッティングに入れておいて問題ありません。
双方の特徴やショットの弾道の違いを活かし、状況によって臨機応変に使い分けることができれば、スコアアップに有利となることも多いです。
ラウンドでの5wと3utの使い分けについては後述しますが、アマチュアゴルファーでも5wと3utを両方使用する方はいます。
たとえばフラットな場所から飛距離を優先したショットをする場合は5w、アゲインストの状況で距離を稼ぎたいときはランが出やすい3utを使うなど、同じくらいの距離でも弾道を変えることで、よりスコアに有利なショットを打ち分けられるでしょう。
クラブセッティングに空きがある場合は、両方入れておくことを検討するのもありです。
参考:フェアウェイウッドとユーティリティは「いらない」という人もいる?
ゴルファーの中には、グリーンに乗せるまでをドライバー1本とアイアンだけでプレーする方もいます。
このケースに当てはまるのは、7番アイアン前後のクラブのみでプレーする初心者か、3番アイアンや4番アイアンをしっかり打てる上級者のパターンが多いです。
初心者の場合は、そもそもロングアイアン以上の長いクラブを打つスキルがないため、ウッドやユーティリティを使いたくても使いこなせないケースがほとんどでしょう。
ロングアイアンを使いこなす上級者の場合は、3番アイアンや4番アイアン、場合によっては2番アイアンなど、打つのが難しいアイアンを駆使しています。
アイアンだけで200ヤード前後飛ばせるため、距離や方向性がバラつきがちなウッドやユーティリティをあえて使う必要はないと考える方もいるのです。
しかし、こういったロングアイアンは、5wや3utよりはるかに難易度が高いクラブ。
初心者や中級者の方は、わざわざ難しいクラブを使うよりも、やさしく飛ばせるクラブを使ったほうがスコアを縮めやすいのは間違いないでしょう。
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初心者には5wと3utのどっちがおすすめ?
ではゴルフ初心者の場合、5wと3utのどちらを使うべきなのでしょうか。
結論として、一般的な体格の方には5wのほうがおすすめです。
5wは3utに比べて重心の位置が深いため、あまり力のない方でもボールを上げやすいという特徴があります。
飛距離を出すためには前に進む力のほかに、ボールをどれだけ長い間空中を飛ばせておけるかが重要なため、5wは飛距離の面で有利となるでしょう。
また、長さも5wのほうが長いため、遠心力も大きくなります。
ヘッドスピードが速くなることでボールに伝わる力も大きくなるので、より飛距離を伸ばしやすいのが5wです。
3utは難しいって本当?
「ユーティリティの中でも3utは難しい」と聞いたことがあるかもしれません。
クラブセッティングの章でもお伝えしたとおり、実は3utは4utや5utよりも難易度が高くなります。
難しいとされる理由は、ほかのユーティリティより長いということもありますが、初心者が1番苦戦するのはボールが上がらないということです。
5wに比べて3utのヘッドは小さく、スイートスポットが狭いという特徴があります。
さらに、重心の位置がフェース寄りで浅いため、ヘッドスピードが足りない場合、弾道に高さが出ません。
3utで十分な高さのショットを打つには、ドライバーのヘッドスピードが42m/s以上は必要といわれます。
初心者のうちは十分なスピードでスイングできないことが多いため、3utでボールが上がらない場合は4utや5utを使ったほうがよいでしょう。
【ラウンド】5wと3utの使い分け方
実際のコースでは、5wと3utをどのように使い分けるのが正しいのでしょうか。
この章では、5wと3utをコースの状況に応じて使い分けるポイントを解説します。
ポイントは以下の3つです。
- グリーンでボールを止めたいときは5w
- ライが悪いときは3ut
- ラインを出したいときは3ut
順に解説します。
グリーンでボールを止めたいときは5w
2打目・3打目でグリーンを直接狙う場合は、弾道が高い5wのほうが有利です。
ボールが高く上がり、バックスピンが多くなりやすいため、グリーンで止めるショットを打つには3utより5wのほうが向いています。
ライが悪いときは3ut
ボールがラフや傾斜などにある場合は、短い3utのほうがクリーンに当てやすくなります。
ヘッドが小さいため操作性が良く、ラフの芝が絡みにくい点でも有利です。
ただし、ボールが沈むほどの深いラフや、無理な姿勢になるほどの急傾斜などでは3utでもミスショットになりやすいため、アイアンとセットで使い分けるとよいでしょう。
ラインを出したいときは3ut
3utは5wに比べて弾道が低くなりますが、方向性を重視したライン出しのショットには3utが向いています。
左右が狭いホールや、バンカー・池などの障害物を避けたいときなど、飛距離よりも狙った場所へ正確にボールを運びたい場合は3utのほうが有利です。
また、3utでショットしたボールは強い弾道になるため、風の影響を受けにくいことも利点。
目標まで直線的に狙いたい場合には3utが活躍するでしょう。
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5wと3utにはそれぞれメリット・デメリットがあり、うまく使えば有利にラウンドを進めることができます。
しかし、自分の体格やスイングによって向き・不向きがあるのも事実。本当に扱えるのかは実際に打ってみなくては分かりません。
クラブを購入する前には、まず試し打ちをしてみるのがおすすめです。
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気になるクラブを使いながら、そのクラブをうまく打つためのアドバイスも受けられるため一石二鳥です。
打ち方やスイングだけでなく、自分に合ったクラブセッティングも相談できるので、クラブ選びに悩んでいる方はステップゴルフをのぞいてみてはいかがでしょうか。