アイアンのシャフトにはカーボンシャフトとスチールシャフトがあり、それぞれ特徴が異なります。
これまでは「カーボンシャフトアイアンはパワーがないゴルファーが使うもの」というイメージが定着しており、若者やパワーのある男性ゴルファーにはほとんど利用されませんでした。
しかし、近年は硬くて重量が重いモデルが続々と発売されており、多くのゴルファーがカーボンシャフトアイアンを選択できるようになっています
本記事では、カーボンシャフトアイアンの特性やメリット・デメリットを解説します。
さらに、カーボンシャフトアイアンの打ち方や選び方も解説するので、アイアンのシャフト選びで迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
カーボンシャフトアイアンとは
カーボンシャフトアイアンとは、文字どおりカーボン製のシャフトが装着されているアイアンです。
ここでは、カーボンシャフトアイアンの基本情報について解説します。
そもそもカーボンシャフトって何?
カーボンシャフトとは、シート状のカーボン(炭素繊維)を巻きつけるようにして作られたシャフトです。
カーボンシャフトはドライバーやウッドのシャフトとして多く流通しており、アイアンやウェッジにも装着できます。
軽量でありながら剛性が高いのがカーボンシャフトの特徴。女性や子ども用のアイアンにはカーボンシャフトが装着されているのが一般的です。
また、ヘッドスピードが比較的ゆっくりでもシャフトがしなり、パワーがない方が飛距離を出しやすいのも特徴です。
ただし、スチールシャフトとしなり方の特性が異なるので、カーボンシャフトアイアンを使ったことがない方は慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
スチールシャフトアイアンとの違い
カーボンシャフトアイアンとスチールシャフトアイアンの違いを表にまとめました。
項目 | カーボンシャフトアイアン | スチールシャフトアイアン |
---|---|---|
飛距離 | 飛ばしやすい | 飛ばしにくい |
安定性 | 低い | 高い |
コントロール性 | 低い | 高い |
重量 | 軽い | 思い |
金額 | 高い | 安い |
カーボンシャフトはスチールシャフトに比べて軽く、飛距離を出しやすいといえます。
しかし、しなりが大きいため安定性や操作性が低く、スチールアイアンのような繊細なコントロール性は得られません。
また、カーボンシャフトは製造コストが高く、金額自体もスチールシャフトより高い傾向にあります。
重いカーボンシャフトアイアンもある?
近年は、パワーがある男性向けの重量のあるカーボンシャフトも登場しています。
男子プロが使用するような100グラム以上のカーボンシャフトも流通しており、カーボンシャフトアイアン=軽いという常識は変わってきています。
カーボンシャフトアイアンを使用するプロは増えている?
カーボンシャフトアイアンを使用するプロゴルファーは増加傾向にあります。
たとえば、ショット力に定評のある女子プロの稲見萌寧選手は、カーボンシャフトアイアンを使用しています。
また、PGA選手はアイアンによってシャフトを変えているケースが多く、全米オープン・全米プロを連覇したブルックス・ケプカ選手は、3番アイアンだけカーボンシャフトを使用しているのが特徴です。
飛距離や高さを出したいロングアイアンでカーボンシャフトを使用するのは常套手段となっており、国内外問わず多くの選手が取り入れています。
若者でも扱えるカーボンシャフトアイアンが増加傾向
これまで、カーボンシャフトはその軽さから、力があまりない女性や高齢のゴルファー向けのもの、という認識が浸透していました。
しかし、先述の通り、近年は剛性の高いカーボンシャフトアイアンが増えており、重量があるモデルならパワーのある若者でもその恩恵を受けられます。
また、近年は軽くて硬いシャフトのほうが飛距離を出しやすいとされており、スチールシャフトアイアンよりも効率よく飛ばせる場合があります。
上記の理由から、今後さらにカーボンシャフトアイアンを使用する若者が増えるかもしれません。
カーボンシャフトアイアンのメリット・デメリット
ここでは、カーボンシャフトアイアンを使用するメリットとデメリットを解説します。
メリット
カーボンシャフトアイアンを使用する主なメリットは以下の通り。
- 軽量でパワーがなくても振れる
- しなりが大きく飛距離や高さを出しやすい
- 軽くて硬いモデルもある
カーボンシャフトアイアンは軽量なので、パワーがないゴルファーでも適正ヘッドスピードで振れます。
たとえば、60グラム以下のアイアン用スチールシャフトはほとんど販売されていませんが、カーボンシャフトなら30グラム台のモデルも発売されています。
近年はスチールシャフトの軽量化も進んでいますが、カーボンシャフトよりも軽いモデルが販売されることはないでしょう。
また、カーボンシャフトはスチールシャフトに比べて大きくしなるので、高さや飛距離が出しやすいという特徴も持っています。
さらに、軽量で硬いモデルであれば、パワーがあるゴルファーでも飛距離を出すのに有用です。
軽量というカーボンの特性を活かしてさまざまなモデルが開発されているので、幅広いゴルファーが利用できるのがカーボンシャフトアイアンのメリットといえます。
デメリット
カーボンシャフトアイアンをのデメリットは以下の2点です。
- しなりが大きい分曲がりやすい
- 値段が高額な傾向にある
カーボンシャフトアイアンは、しなりが大きく曲がりやすいのがデメリットといえます。
とはいえ、最近では硬くてしなりすぎないモデルも発売されています。そのため「しなりが大きすぎる」という特徴は、必ずしもカーボンシャフトアイアンのデメリットとはいえなくなってくるでしょう。
もう1つは、値段が高額な傾向にあり、気軽に購入できない点です。
スチールシャフトに比べて5倍から10倍近く高いモデルもあるので、気軽に購入できるものではないでしょう。
ただし、純正でカーボンシャフトを採用しているアイアンもあるので、コスパ良く利用したい方は探してみてくださいね。
カーボンシャフトのアイアンは難しい?
アイアンは、カーボンシャフトかスチールシャフトかによって難易度が変わることは少ないでしょう。
ただし、自身の体格やスキルに合った重量のモデルを使うことが大切。
両シャフトはキックポイント(シャフトがしなる位置)やしなり方が異なるので、慣れるまでは難しく感じる方も多いはずです。
スキルや体格によって使いやすいシャフトは異なるので、自身が「打ちやすい」と感じるモデルを扱うようにしましょう。
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カーボンシャフトアイアンの打ち方
カーボンシャフトアイアンを打つ際は、緩いダウンブロー(上から下に向かってスイング)で打つように心がけましょう。
比較的しなりやすいカーボンシャフトアイアンで、ダウンブローのインパクトをすると適正なスピンが入りやすく、高くてまっすぐな弾道を実現できます。
また、しなり戻りが鋭いのもカーボンシャフトアイアンの特徴。インパクトでクラブヘッドを返す(手元でクラブを振る)動きが強すぎると左へのミスが多くなります。
ヘッドを返さなくても球を捕まえてくれるので、カーボンシャフトアイアンで左へのミスが多い方はインパクトの形を意識してみましょう。
アイアンのカーボンシャフトの選び方
アイアンのカーボンシャフトを選ぶ際にチェックしたいポイントと選び方を解説します。
重量(重さ)
アイアンのシャフトを選ぶ際は、重量に注目しなければなりません。
自分に合わない重さのシャフトを選ぶとスイングが崩れる原因になります。
一般的な適正重量を表にまとめました。
重量 | 適正ゴルファー |
---|---|
~70g | 女性・ジュニア |
80g | 女性・パワーがない男性 |
90g | パワーがある女性・パワーがない男性 |
100g | 一般男性 |
110g~ | パワーがある男性 |
アイアンシャフトの重量は「振り抜けるか」がポイントなので、適度なパワーで振り抜けるモデルを探してみましょう。
いくつかのモデルを試打をして選ぶのがおすすめですよ。
フレックス(硬さ)
カーボンシャフトアイアンを選ぶ際には、フレックス(硬さ)にも着目する必要があります。
柔らかすぎれば制御できず、硬すぎれば球を飛ばすことができません。
自分に合うフレックスはヘッドスピードから確認できるので、以下の表を参考にしてください。
フレックス | ドライバーのヘッドスピード |
---|---|
L | ~34m/s |
A | 35~36m/s |
R | 37~40m/s |
SR | 41~44m/s |
S | 45~48m/s |
X | 49m/s~ |
上記の表はほかのクラブ(ドライバーやウッドなど)を選ぶ際にも活用できます。
ただし、スイングタイプによって上記が必ずしも当てはまるわけではないので、ゴルフレッスンや試打室でアドバイスを求めてみるとよいでしょう。
キックポイント(調子)
キックポイント(しなる位置)もアイアンを選ぶ際のチェック項目です。
特に、カーボンシャフトはしなりが大きくキックポイントの影響を受けやすいので、選ぶモデルによって性能が異なります。
キックポイントの主な特徴を以下の表にまとめました。
キックポイント | 特徴 |
---|---|
先調子 | ・球を上げやすい ・左に曲がりやすい |
中調子 | ・クセがない ・安定感がある |
元調子 | ・右に曲がりやすい ・高さをコントロールしやすい |
キックポイントは球のコントロールにかかわるポイント。自分の打球やスイングの傾向に合わせて選ぶとミスの防止に繋がります。
たとえば、球が上がりにくい方が先調子を使うと安定した弾道になりやすく、グリーンを狙うショットが打ちやすくなるはずです。
また、シャフトの影響を受けずにスイングしたい方は、中調子を選ぶとクセのないしなりで安定した出球を実現できますよ。
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【FAQ】アイアンのカーボンシャフトに関するよくある質問
アイアンのカーボンシャフトに関するよくある質問に回答します。
アイアンのカーボンシャフトの値段はどれくらい?
アイアン用カーボンシャフトの販売金額は5,000円台から50,000円台と幅広く、モデルによって金額が変わってきます。
一般的には10,000円台から30,000円台のモデルが多く、アイアンセットすべてをカーボンシャフトにするためには100,000万円程度の予算が必要です。
ただし、上記はカスタムシャフトの金額であり、アイアン購入時に純正のカーボンシャフトを装着すればスチールシャフトと同党の金額で購入できます。
そのため、安くカーボンシャフトアイアンを使用したい場合は、あらかじめカーボンシャフトが装着されているアイアンを購入しましょう。
アイアンのカーボンシャフトの手入れの仕方は?
アイアンのカーボンシャフトの手入れは、乾いた布で汚れを拭き取る程度でよいでしょう。
さらに、専用のクリームを塗布すればシャフトの劣化を防げます。
カーボンシャフトはスチールシャフトと異なり錆びないため、手入れが簡単です。
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カーボンシャフトアイアンは女性やシニアゴルファーだけでなく、パワーがある若い男性でも使えるシャフトといえます。
飛距離や高さを出しやすいのでアイアンショットの難易度が下がり、使いこなせばグリーンを狙うショットの精度が上がるでしょう。
ただし、コントロールの難しさや料金が高いことで、誰でも気軽に手に入れたり、使いこなせたりできないのも実情です。
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