ゴルフのアプローチショットで起こりやすい二度打ち。
意図せず突然出るミスなので、どう対処すれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ゴルフの二度打ちの原因や防ぐ方法について詳しく解説します。
アプローチ時やパター時といったシーン別の原因や、ルール上のペナルティ、二度打ちを防ぐための練習方法についても解説するので、二度打ちのミスに悩む方の参考になるはずです。

ゴルフの二度打ちとは
ゴルフの二度打ちとは、1回のスイングでボールを2回打ってしまうことです。
ラフからのアプローチやバンカーショットなど、ボールをフワッと浮かせたい場面でよく起こります。
二度打ちは、打球とクラブが同じ方向へ動き、打ったボールにクラブが追いつくことで発生します。
スイングの仕方だけでなく、ライの状況や精神的な問題でも起こるため、二度打ちはプロや上級者にもよくあるミスです。
二度打ちはアプローチイップスと関係ある?
二度打ちは精神面の影響も大きく、ネガティブな気持ちが生まれると起こりやすいと言われています。
アプローチに苦手意識がある人は、ボールを上げようとすくい打ちをしてダフることが多く、それを避けようとすると今度はトップのミスが出ます。
ダフリとトップを繰り返すうちに、二度打ちやシャンク、空振りといった普段出ないようなミスが起き、イップスに陥るケースも少なくありません。
「ボールを上げなければならない」「カップ方向へ打たなければならない」と考えすぎることが、スイングを乱す原因の1つです。
二度打ちに効果的な練習方法については後述しますので、ターゲット方向へ真っ直ぐ打てるスイングを習得し、自信をつけましょう。
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二度打ちはペナルティの対象?
ゴルフルールの規定では、以前まで、二度打ちはペナルティの対象となっていました。
しかし2019年にルールが改正され、二度打ちの処置にも変更がありました。
ルール改正で二度打ちは無罰に変更
2019年、意図せずおこなった二度打ちは公正の理念に反するものではないという考えがルールに反映され、ペナルティがなくなりました。ボールを2回以上打った場合でも、カウントは1ストロークのみです。
改正前 | 1ストロークでボールを2回打った場合、そのストロークを1打カウントし、さらに1打罰のペナルティを受け、合計で2ストロークとなります。 |
改正後 | ペナルティなし。 |
二度打ちのペナルティに悩まされていた方にとっては、このルール改正は救いとなったことでしょう。
とはいえ、二度打ちはあくまでもミスショットのため、方向性や距離感を大きく狂わせます。ペナルティはありませんが、改善は必須でしょう。
二度打ちの場合、打数はどうなる?
二度打ちをした場合でも、打数は1打としてカウントします。
前述した通り、新ルールの規定では二度打ちにペナルティはないので無罰です。
たとえば、3打目のアプローチショットで二度打ちをした場合でも、次のパターショットは4打目としてプレーできます。
また、パターショットの二度打ちも同様に無罰となるため、ペナルティはありません。
ただし、ボールを押し出したり、かき寄せたりといった行為は二度打ちに該当せず、2打罰のペナルティがつくので注意しましょう。
【シーン別】二度打ちが起こる原因
二度打ちは具体的にどういった原因で起こるのでしょうか。
ここでは、ショットのシチュエーションや使用クラブ別に、二度打ちが起こる原因を解説します。
アプローチ時
とくに二度打ちが起こりやすいシーンが、アプローチショット時です。
狙いどころへ正確にショットしたいという気持ちから、クラブをターゲット方向へ振り抜くことが主な発生原因といえます。
打球とクラブが同じ方向へ動くと、ボール初速が遅いアプローチではクラブがボールに追いつきやすくなります。その結果、空中で再びクラブがボールに当たるのです。
この現象は、バンカーショットでも多く見られます。
ボールを上げようとするあまり、下から上にクラブを振ることが二度打ちの原因です。
パター使用時
パターショットでは、ボールの転がるスピードよりクラブのスイングスピードのほうが速いことが原因で二度打ちが起こります。
ショートパットなどの短い距離を打つ際に起こりがちで、フォロースルーを長く出そうとすることでさらにヘッドが加速しやすくなります。
フォローを長く出すことは間違いではありません。重要なのは、ボールの転がる速度と同じスピードでパターをスイングすることです。
振り子のように一定の速度でスイングすることで、インパクト後にクラブが加速しなくなるはずです。
ウェッジ使用時
アプローチ時に二度打ちが起こりやすいとお伝えしましたが、実はアプローチショットに使うウェッジの特性も二度打ちに影響しています。
グリーン周りからのショットは、サンドウェッジやアプローチウェッジを使うことが多いのではないでしょうか。
ウェッジはロフトが寝ているため、自然と弾道は高く上がります。
しかし、多くのアマチュアゴルファーは、フワッと浮かせようと下からすくい上げた打ち方をしがちです。もともと打球速度の出にくいクラブなので、軽く打てば、打球にクラブが追いつきやすくなります。
インパクトで手元が緩むと二度打ちが起こりやすいので、飛距離はバックスイングとフォローの振り幅で調整するようにしましょう。
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二度打ちを防ぐ方法
二度打ちの原因が分かれば、防ぐ方法も見えてくるはずです。この章では、二度打ちを改善する方法を解説します。
ポイントは次の3つです。
- 目標方向より内側へ振り抜く
- ボディターンでスイングする
- 左足体重に構える
順に解説していきます。
目標方向より内側へ振り抜く
二度打ちを防ぐには、フォロースルーでクラブを目標より内側へ振り抜くことを意識しましょう。右利きの場合、体の左側へ振り抜くイメージです。
フォローで内側へ振り抜くことで、ボールの軌道とは異なる方向へクラブが動くため、二度打ちが起こることはなくなるはずです。
しかし、アウトサイドインのスイング軌道には要注意です。
飛球線の外から内に抜ける軌道でスイングすると、スライスや引っかけが出やすくなります。内側から入り内側に抜けていく、インサイドインのスイングを目指しましょう。
ボディターンでスイングする
二度打ちの原因の1つが、手首をこねるように使うことです。
ボールを高く上げようとすると手首を使ったすくい打ちになり、二度打ちが起きやすくなります。
手でクラブを操作しようとすることが正確なスイングの弊害となるので、アプローチなどの飛距離が必要ないシーンでは、手首を固定したボディターンのスイングを意識しましょう。
自然とフォロースルーが低くなるため、クラブがボールに追いつくことはなくなります。
左足体重に構える
すくい打ちによる二度打ちのミスを防ぐには、重心の取り方も有効です。
構える際、左足に体重が乗るようにアドレスしてみましょう。
すくい打ちになる人は、インパクトで重心が右足にかかったままのケースが多いです。アドレス時から左足体重に構えておくと、スイング時の体重移動がなくなり、ダウンブローの軌道で打つことができます。
二度打ちを防ぐための練習方法
二度打ちを防ぐには、ボールを正確に捉えるスイングと、自信を持ってスイングできるメンタルケアが必要です。ここでは、その両方を克服できる練習方法を紹介します。
ショートアイアンを使った練習が有効
ダフリやザックリのミスを避けたい方には、ショートアイアンやピッチングウェッジを使ったアプローチショットの練習がおすすめです。
サンドウェッジはロフト角が大きくバンスの出っ張りがあるため、ダフリやトップが出やすく、アプローチショットには難易度の高いクラブといえます。
一方で、9番アイアンやピッチングは、転がしも高さのあるショットも打てるやさしいクラブなので、まずはこういったクラブを使って練習してみましょう。
二度打ちを防ぐための練習のコツ
フェースのトゥ側(先端寄り)にボールを当てるのがコツです。ヒール側が浮くことでダフリにくく、飛びすぎる心配もありません。
アドレス時にややハンドアップに構えると、よりトゥ側で打ちやすくなるでしょう。
アプローチショットでは、「失敗しそうだ」と感じるほど、体の硬直や手元の緩みが起こります。そのため、練習の段階でショットの難易度を下げて、多くの成功体験を得ることも重要です。
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二度打ちは、ペナルティこそないものの、スコアアップを目指すために極力避けたいミスです。
しかし、二度打ちを防ぐには原因となるスイングの改善が必要なため、どう直せば良いのか悩むことが多いかもしれません。
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