ゴルフにおいて、クラブのヘッドを走らせる動きは飛距離アップに必要な技術です。
ヘッドを走らせることができると効率よく飛距離が稼げるだけでなく、応用力も身に付ければコントロールショットやアプローチにも好影響を与えます。
本記事では、ヘッドを走らせる原理やメリットを解説し、習得するためのコツや練習ドリルを紹介します。
飛距離を伸ばしたい方は、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。
ゴルフの「ヘッドを走らせる」とは
ゴルフでいう「ヘッドを走らせる」とは、スイング中にインパクトに向けてクラブのヘッドを加速させる動作を指します。
もう少しかんたんにいうと、インパクトのときにヘッドが加速していれば「ヘッドが走っている」状態といえます。
ゴルフスイングにおける加速方法は、主に以下の3種類があります。
- 加速しながらインパクト(ヘッドを走らせる動作)
- 減速しながらインパクト(インパクトがゆるむ動作)
- 等速でインパクト
上記3つでもっとも飛距離が出やすいのは、「加速しながらインパクト(ヘッドを走らせる動作)」であり、多くのゴルファーが目指すスイングです。
「ヘッドが走る」の原理
ヘッドが走る原理は、主に以下3つの動作によって構成されます。
- シャフトのしなり戻り
- 手首のリリース(アームローテーション)
- フェースの開閉(フェースローテーション)
これらを見てわかるとおり、ヘッドは手首から先の動きにより走らせることができます。
ゴルファーの中にはヘッドを走らせることを「クラブに仕事をさせる」と表現する人もいるほどです。
基本的には、腕や体よりもクラブヘッドが速く動いていれば、ヘッドが加速している状態だといえます。
仮に腕を振るスピードとヘッドのスピードが同じならば、ヘッドスピードが速いほうが「よりヘッドを走らせている」のです。
ヘッドが走る感覚ってどんな感じ?
ヘッドが走っていることを感覚的に捉えるには、素振り時のフォロースルーで「びゅん」という音がするか注目してみましょう。
フォロースルーのとき、体の左側(右打ちの場合)で風切り音がするのが、インパクトの後もヘッドが加速している証拠です。
このような感覚で素振りができれば「クラブを走らせるスイングができている」と認識してよいでしょう。
また、インパクト付近でヘッドが手元を追い越す感覚も、ヘッドが走っていることを示します。
インパクトに向けて手元よりもヘッドを先行させる感覚をつかめば、走らせ方をコントロールできるようになるはずです。
ゴルフでヘッドを走らせるメリット
ゴルファーならば誰もが飛距離アップを望むものですが、ヘッドを走らせる技術を身に付ければ、飛距離だけでなく、さまざまなメリットを得られます。
ここでは、具体的な3つのメリットを紹介します。
飛距離アップにつながる
ヘッドを走らせると、ヘッドスピードが上がり飛距離アップにつながります。
少ないパワーで効率よくヘッドが動くため、短期間で5m/s上がる人もいるほどです。
飛距離アップは、ほかの要素も含め長期的に取り組むべき課題ですが、筋トレや肉体改造といった時間がかかるトレーニングに比べて、ヘッドを走らせる技術の習得が、近道であることは間違いありません。
とくに初心者のうちからヘッドを走らせる効率のよいスイングを習得するメリットはとても大きいといえます。
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インパクトで力みにくくなる
ヘッドを走らせるためには適度な脱力が必要なため、習得すればインパクトで力むミスが減ります。
力みは方向性や飛距離に良い影響を与えず、ゴルフでミスをする大きな原因になります。
脱力感のあるスイングはドライバーだけでなくアイアンやアプローチなど、多くのショットに好影響を与えるため、ゴルフ全体の安定感が向上します。
また、無駄な力が入らずにスイングできると、ケガをしにくくなるでしょう。
ヘッドを走らせない感覚も身に付く
意図的にヘッドを走らせることができるようになれば、逆にヘッドを走らせない打ち方もできるようになります。
ヘッドを走らせないスイングは基本的に悪とされていますが、アプローチでは有効な場合があります。
例えば、意図的にボールの勢いを殺したい場合、ヘッドを走らせないスイングをすることがあります。
ゴルフではヘッドを走らせないほうがよい状況もある?
常にヘッドを走らせることばかりを目指すのが良いわけではなく、コントロールできることが大切です。
むやみにヘッドを走らせることに集中するあまり、安定感が失われては、スコアアップにはつながりません。
例えば、ヘッドを走らせないスイングはフェースの向きが変わりづらいため、方向性を重視したいときに用いられます。
また、ヘッドの走らせ具合で高さの調整もできるため、加減がコントロールできれば弾道の操作も可能です。
つまり、ヘッドを走らせる技術をさらに応用し、場合に応じたスイングができるようになることが最終的な目標といえるでしょう。
ゴルフでヘッドを最大限に走らせるスイングのコツ
ゴルフ初心者がヘッドを走らせるスイングを習得するのはかんたんではありません。
ここでは、初心者の方がヘッドを走らせる感覚を身に付けるために有効なコツを3つ紹介します。
ヘッドの走らせ方がうまく理解できない方は、ぜひ参考にしてください。
手首を柔らかく使う
ヘッドを走らせるためには、手首の脱力が不可欠です。どれほど体を効率的に動かしても、手首に力が入るとヘッドは走りません。
手首を支点とした振り子のようにクラブを扱うと、手首を柔らかく使えます。
例えば、てこの原理をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
- 力点:腕
- 支点:手首
- 作用点:ヘッド
作用点であるヘッドに最大限のパワーを伝えるためには、支点である手首の柔軟性が大切です。
練習前に手首のストレッチをするなど、なるべく柔らかく使えるように工夫しましょう。
ダウンスイングでタメを作る
ダウンスイングでタメを作ることで、ヘッドを走らせる準備ができます。
反対に、ダウンスイングでタメがないとヘッドが走る余地がありません。
アーリーリリース(手首のリリースが早い)状態にならないように、グリップエンドからダウンスイングに入るイメージを持ちましょう。
グリップエンドからダウンスイングに入り、インパクトに向けて一気にパワーを開放すればヘッドが走ります。
ビハインドザボールを意識する
ビハインドザボール(インパクトの際にボールよりも後ろに頭がある状態)を意識すると、ヘッドが走りやすくなります。
この動きを取り入れると、インパクト時にクラブヘッドが投げ出されるような感覚になるでしょう。
上記の感覚を得られれば、クラブが体を追い抜いた状態(ヘッドが走る)となっており、ヘッドスピードが上がります。
また、ビハインドザボールは前傾キープにもつながる動きのため、ダフリやトップのミスが多い方にもおすすめです。
ゴルフスイング以外でヘッドを走らせる方法
ヘッドを走らせるためには、スイング以外の要素に目を向けたほうがよい場合があります。
スイング以外でヘッドを走らせることに関わる要素は、以下の2つです。
- グリップ
- シャフト
グリップは細いほうがアームローテーションを入れやすく、ヘッドを走らせるのがかんたんです。
一方、グリップが太いとヘッドが走りづらいため、コントロールショットが打ちやすくなります。
また、シャフトは柔らかいほうがしなりが大きくなり、ヘッドが走ります。
しかし、シャフトが柔らかすぎるとヘッドの制御が難しくなるため、あまりにも柔らかすぎるモデルはおすすめできません。
【クラブ別】ゴルフでヘッドを走らせるコツ
ゴルフスイングでヘッドが走る原理は、基本的にどのクラブでも同じです。
しかし、ヘッドが走る感覚やコツは微妙に異なるため、クラブに合わせたスイングができると効率よく習得できます。
ここでは、ドライバーとアイアンでヘッドを走らせるコツを紹介します。
ドライバー
一般的なドライバーには、しなりが大きいカーボンシャフトが使われており、ヘッドを走らせやすいクラブといえます。さらに、もっとも長いクラブのため「走る」感覚もつかみやすいです。
これらの理由から、多くの方がドライバーでクラブが走る感覚を身に付けます。
ドライバーでヘッドを走らせるコツは、タメとリリースです。
ダウンスイングに入ってすぐに手首をリリースせず、まずはグリップを下に引っ張ります。
グリップを下に引っ張りながら手首が腰くらいの高さまで降りてきたら、一気にアームローテーションを入れてクラブヘッドを前方に送り込みましょう。
手首をリリースする際は、クラブを前方に投げるような感覚で、勢いよく動かすことが大切です。
アイアン
アイアンはドライバーに比べてシャフトがしなりにくく、ヘッドを走らせるのが難しいクラブです。
したがって、まずはドライバーでヘッドを走らせる感覚を身に付け、その後にアイアンで練習しましょう。
アイアンはドライバーよりも重量があるため、重さをうまく使うとヘッドを走らせやすくなります。
ドライバーは体の動きによってヘッドを走らせる感覚が重要ですが、アイアンはさらに力を抜いてクラブの遠心力を感じることが大切。
最大限に脱力した状態でクラブの重さと遠心力を感じられれば、自然にヘッドが走り始めます。
ゴルフでヘッドを走らせるのに役立つ練習ドリル
最後は、ヘッドを走らせるのに役立つ練習ドリルを3つ紹介します。
小指を外してスイング
小指を外してスイングすると、ヘッドを走らせるための脱力感を身に付けられます。
小指を外すだけでグリップを握る力が弱まるため、手首を柔らかく使う練習に効果的です。
このドリルはドライバーでもアイアンでもできるため、ラウンド前のルーティンとして取り入れるのも有効です。
ドライバーを左手で片手打ち
クラブの遠心力を使う感覚を養うには、ドライバーを左手1本でスイングするドリルが効果的です。
左手だけでドライバーを振ると力が入らず、遠心力で自然にヘッドが走ります。
ヘッドを走らせる動作は基本的に力まなければ実現できるため、片手打ちで、力まず遠心力を活用するスイングを強制的に体に覚えさせましょう。
足を閉じた状態でスイング
足を閉じた状態でスイングすると、ヘッドが走る感覚を覚えられます。
ドリルのポイントは、バランスを崩さない程度に大きく振ること。
足を閉じた状態では体の動きが制限されるため、クラブの運動量を増やさなければ大きくスイングできません。
そのため、足を閉じた状態でバランスを崩さず大きなスイングができるようになると、ヘッドを走らせる動きを身に付けられるでしょう。
ゴルフで飛距離を伸ばすために必要な練習はゴルフスクールで学ぼう!
ヘッドを走らせるとヘッドスピードアップにつながり、習得すれば飛距離アップが期待できます。
ヘッドを走らせるスイングはプロゴルファーならできて当然の動作ですが、初心者の方がかんたんに習得できる動きではありません。
ヘッドを走らせるためには効率の良いスイングを身に付ける必要があり、さまざまなクラブの使い方を習得しておく必要があります。
しかし、それらを独学で習得するのは難易度が高いため、プロのコーチに指導してもらうのがおすすめです。
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ヘッドが走る動きを身に付ければ応用力も格段に上がるため、ステップゴルフで手早くスキルを習得してみてはいかがでしょうか。
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