自分のスイングが、「なんとかカタチになってきたな」と自覚できると、「もっと遠くに飛ばしたい」とか「曲がらないスイングがしたい」など、スイングを改善したい欲求が出てくるものです。
こんなときにマスターしておくと便利なのが、左一軸打法(スイング)です。
本記事では、左一軸打法(スイング)を実践しているプロゴルファーの実例をはじめ、どのような人に向いているのか、その特徴やメリット・デメリットなどを解説します。
さらに、左一軸打法(スイング)上達のための具体的な練習ドリルも紹介しますので、これを読みながらスイング改善に向けての一歩を踏み出してみませんか。
左一軸打法(スイング)とは
まずは、ゴルフスイングの左一軸打法について解説します。
右利きのゴルファーの場合、左足付け根あたりに軸を置きながら余計な体重移動をせずに行うスイングが左一軸打法です。
左一軸打法を実践し、一軸を左に置くことで、体の回転による飛距離アップや、方向の操作性アップなどの効果が期待できます。
左一軸打法(スイング)の基本モーション
左一軸打法の基本モーションを紹介します。
まず、左足と右足の体重を6:4ほどの割合で構えます。そして左足に軸を置きながら無理なくテイクバックにもっていきます。この際、左膝をやや前に出すと楽に肩が回せますよ。
さらにダウンスイングの際には、右足を伸ばすようなイメージで振り下ろすと、無理なくインパクトまで寄せていくことができます。
このように左一軸打法(スイング)は、余計な体重移動がない分、左寄りの重心のまま体を回すので、シンプルなスイング理論といえます。
ただし、左一軸打法は全く体重移動を行わない打法ではありません。「軸を固定しながら余計な体重移動を行わない」という意味であることを覚えておきましょう。
右一軸打法(スイング)とは
前章で紹介した左一軸打法(スイング)とは対照的な右一軸打法(スイング)は、右足の付け根付近に重心を置くイメージでスイングする打法です。
右一軸打法も、余計な体重移動をしないのが特徴です。
右足に軸を置くので、テイクバック時に左足の膝が極端に前に出ることはありませんが、プレイヤーによってはダウンスイングからインパクトにかけて左足が軽く浮くような感覚を覚えるでしょう。
これは、右足に一軸を置いたままで振り抜くことにより、左足方向に重心が移らないことが影響しています。
左一軸打法(スイング)を取り入れているプロゴルファー
プロゴルファーで左一軸打法(スイング)を取り入れているのは、男子プロのタイガー・ウッズ選手をはじめ谷原秀人選手や石川遼選手、そして女子プロではイ・ボミ選手や稲見萌寧選手が挙げられます。
タイガー・ウッズ選手の場合、全盛期と、ケガを克服した後でスイングに多少の違いはあるものの、いずれも左一軸打法が基本になっているようです。
体重移動が少ないこの打法を取り入れながら、今でも飛距離を保っているプロ選手の存在は、左一軸打法を取り入れようと考える一般のアマチュアゴルファーの励みにもなるでしょう。
左一軸打法(スイング)が向いている人の特徴
スイングを改善したいと思いながらも、左一軸打法を試すべきかどうか迷っている方もいるでしょう。
この章では、左一軸打法が向いている人の特徴を紹介します。
ドライバーショットが安定しない人
アイアンショットに比べて体重移動が顕著なドライバーショットで、右や左にボールがバラついてしまうような人は、一度左一軸打法を試してみるとよいでしょう。
左一軸打法は、体重移動が少なくバランスを保ちやすいからです。
ドライバーショットが安定しない人は、体重移動で軸がズレている可能性があるので、軸の意識をつかめるまで左一軸打法を試してみることをおすすめします。
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トップやダフリがある人
ゴルフコースのフェアウェイやラフで、力みすぎによるダフやトップといったミスは、誰もが経験したことがあるでしょう。
特に2打目や3打目でグリーン周りに寄せたとしても、アプローチショットでトップやダフリがあると、パープレイからも見放されてしまいます。
まさにアプローチショットのような短めの距離では、左一軸を意識したスイングが役に立ちます。
打ち方のコツは、左足に重心をかけながら軸を固定し、距離に合わせた小さめのスイングモーションを意識しながら、テイクバックからインパクトまでもっていくイメージをもつことです。
飛距離アップを目指す人
筋力などのパワー任せではなく、コツや工夫によって遠くに飛ばしたい人や、シニアでも飛距離を稼ぎたい人は、左一軸打法が向いているといえます。
ここでは、ドライバーとアイアンのケースに分けて解説します。
ドライバー
ドライバーショットの場合、左足かかと付近にボールをセットして右上からボールを見下ろすようにアドレスをとるのが一般的です。
このアドレスで、左一軸を意識しながら体重移動をしないようテイクバックをとると、肩がスムーズに回転することに気づくでしょう。
このままダウンスイングからインパクトに入ると、インサイドからクラブが入る感覚があり、一気に振り抜くことで、ボールの勢いが増します。
アイアン
アイアンショットで飛距離アップを目指すには、ダウンブローで打つのが効果的であり、これには左一軸打法が適しています。
ハンドファーストでアドレスをとりながら左に軸を置くことで、右足への余計な体重移動をせずに腰の回転がしやすくなり、ダウンブローへのインパクトも自然に入るでしょう。
腰痛気味な人
ゴルフを愛する人のなかには、腰痛で悩む人も多いでしょう。
左一軸打法は、腰の要である骨盤を左のポジションに添えるので、スイング時に体が自然に回転しやすくなり、腰への負担が軽減されます。
ただし、左一軸打法にはその他の向き・不向きの要素もあるので、腰が痛むときの応急措置程度に留めましょう。
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反対に右一軸打法(スイング)が向いている人とは?
右一軸打法が向いているのは、スイングの速さや飛距離に自信がある人です。
右一軸打法は、右足の付け根あたりの軸を意識しながら、テイクバックからダウンスイングにかけて重心が右に乗ったまま回転して打つような動きが特徴です。
そのため、左一軸打法よりもパワフルな打球が期待できます。
従って右一軸打法は、比較的筋力に自信のある人や若い人向きの打ち方といえるでしょう。
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左一軸打法(スイング)のメリット・デメリット
この章では左一軸打法を取り入れるメリット・デメリットについて詳しく解説します。
メリット
向いている人の特徴で紹介したとおり、左一軸打法のメリットには、「ショットの安定」をはじめ、「トップやダフリをなくすこと」が挙げられます。
また、筋力やパワーに自信のない人でも、飛距離アップが期待できるでしょう。
デメリット
左一軸打法は、スイングの調子が悪いときの対処法や、通常のスイング理論で続けてきた人の矯正方法として取り入れられるケースが多いようです。
つまり、基本的なスイングができていない状態で左一軸打法に手を出すと、メリットがあるどころか、スイングが崩れるなどのデメリットになりかねません。
例えば、左一軸打法でテイクバック時に体がうまく回せなかった場合、胸がひらき、クラブフェースも開いた状態でインパクトを迎えてしまいます。
これにより、極端に右側にダックフックすることもあるでしょう。
このように、左一軸打法はメリットとデメリットが表裏一体となっていることを覚えておきましょう。
左一軸打法(スイング)の練習ドリル
ここでは、左一軸打法の習得に役立つ具体的な練習ドリルを紹介します。
軸の置き方をつかむドリル
左一軸打法習得の基本は、軸の置き方を体に覚えさせること。
具体的には、左足の付け根付近に重心を置くことを意識しながら、素振りを繰り返す方法が有効です。
ゴルフ練習場や広めの庭がある方であれば、クラブで素振りができますが、自宅の室内などスペースがとりにくい場合は、市販の「素振り棒」を使うとよいでしょう。
右足との連動ドリル
左一軸打法は左足だけでは完成せず、右足の使い方も重要です。
特に、ダウンスイングからインパクトまでの右足の使い方が身に付けば、両足がうまく連動した左一軸打法ができるようになるでしょう。
右足の使い方を身に付けるには、以下の方法が効果的です。
まず、アドレスで左足付け根付近に重心を置くことを意識しながら、テイクバック時に左膝をやや前に出します。この動きがうまくできれば、体が回転しやすくなります。
そして、ダウンスイングからインパクトの瞬間まで、体を回しながら右足をぐんと伸ばしましょう。これにより、力強いインパクトがイメージできます。
この動作を繰り返すことで、左足と右足が連動する感覚をつかめるでしょう。
左足打ちドリル
左一本軸の感覚を養うためのドリルです。
具体的には、左足を極端に前に出した状態で、(もしくは完全に左足だけで立ちながら)右足を後ろに引いてクラブを構えます。
このとき、左足付け根あたりに軸があることを意識しながら、左膝を軽く前に出してスイングを繰り返します。
このドリルを何度か繰り返した後、両足でスタンスをとると左足に「軸」を感じられるでしょう。
スイング改善には、プロのコーチからレッスンを受けるのがおすすめ◎
左一軸打法(スイング)の理屈が理解できても、独学で練習するのは不安という方もいるかもしれません。
課題が明確で、改善を考えるのであれば、プロのコーチから直接指導を受けたほうが効率的です。
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