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ゴルフの野球打ちとは?スイングの特徴やメリット・デメリットを解説

野球経験のあるゴルファーが陥りやすいのが、野球打ちと呼ばれるスイングです。周りから「野球打ちになっている」と指摘されたことがある人も多いのではないでしょうか。

この記事では、ゴルフの野球打ちについて、スイングの特徴やメリット・デメリットを解説します。

スライスが止まらずに悩んでいる方の改善方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ステップゴルフ野口コーチ
監修者 野口
ボールを迎え打つ野球と止まっているボールを打つゴルフではボールを捉える感覚が異なります。ゴルフに適したグリップやアドレス時の姿勢などを身に付けましょう!

ゴルフスイングの「野球打ち」とは

ゴルフの野球打ちとは、野球のバッティング動作に近いゴルフスイングのことを指します。

ゴルフのスイングに比べて両足のスタンスを広く取り、右足(右利きの場合)に体重を乗せた状態でインパクトするのが特徴です。

グリップの握り方は通常のゴルフスイングと同じですが、野球経験のある人の場合、左右の手を離して握るベースボールグリップになっていることがあります。

スイングに関しては、インパクトで体が開いているのが特徴。

野球では、飛んでくるボールの勢いに負けないようピッチャー方向に体を回転させて打つため、野球打ちの人はクラブが振り遅れたスイングになりがちです。

また、手元が高い位置のままスイングする人は、野球の縦振りが癖になっているかもしれません。

野球打ちは打球の方向性が安定しづらいことから、一般的には悪いスイングとされています。

野球打ちのメリット・デメリット

野球打ちのスイングを注意されるのは、ショットするうえでデメリットがあるためです。

しかし、「野球打ちは飛ぶ」と言われることもあり、直したほうが良いのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

ここでは、野球打ちのメリット・デメリットについて解説します。

メリット1)飛ぶ・飛距離がでる

野球打ちは飛距離を出すには有利な打ち方です。

その理由は、トップポジションで肘が高く上がるため。バックスイングでシャフトが立ち、クラブの重さを利用して縦に振り下ろすことで、ボールに強い力を伝えられるのです。

また、野球でバットのグリップエンドをボールに向けて振る動きは、テコの原理で手首を返すため、強い打球になります。ゴルフでも、大きく飛ばすにはダウンスイングでグリップエンドを前に出す動きが必要です。

野球経験者に飛ばし屋が多いのは、効率良くクラブを振る感覚が身についていることが大きな理由といえます。

メリット2)下半身リードのスイングが身につく

ゴルフは下半身主導のスイングが基本とされていますが、実は野球打ちも下半身主導でスイングするという共通点があります。

下半身リードで体を回転させることで、上半身と下半身のねじりを利用してボールに大きな力を伝えられるのです。

また、下半身主導は正しい軌道でスイングできるというメリットもあります。

手打ちになる人は、切り返しで下半身よりも上半身が先に動き、右肩が前に出ることでアウトサイドインの軌道になっていることが多いです。

左へ引っかけたり、ボールを芯で捉えられなかったりするのは、下半身リードができていないためです。

野球打ちのメリットには、こういった下半身主導のスイングを身につけやすい点もあります。

デメリット1)スライスしやすい

野球打ちのデメリットは、スライスしやすいことです。

体がターゲット方向に開くため、手元が先行した振り遅れのスイングになります。その結果、インパクトでフェースが開くので右に大きく曲がるスライスが出るのです。

野球打ちは飛距離が出る分、大きく曲がるようなショットが出ると、OBになる可能性が高くなります。

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デメリット2)ボールを捕まえにくい

野球打ちは、捕まったボールを打ちにくいというデメリットもあります。

野球では外角低めのボールをライト方向へ流し打ちすることがありますが、ゴルフの場合、この打ち方ではボールを捕まえられません。

また、軸上に重心があるバットと違い、ゴルフクラブはフェースがある分やや前方に重心があります。

ゴルフクラブはフェースが開きやすく閉じにくい特性があるため、野球のバットを振る感覚ではボールを捕まえにくいのです。

このような特性から、野球打ちはショットの方向性が安定しないため、ボールの落とし所が狭いゴルフコースでは不利となります。

野球打ちのプロゴルファーはいる?

プロゴルファーで野球打ちの人は、ほぼいないというのが結論です。

ゴルフでは方向性を安定させるほうがスコアを崩しにくいため、正確な場所へショットするには野球打ちは不向きとされています。

飛距離が出やすい反面、OBになる確率も上がるため、スコアを良くするには野球打ちは改善すべきといえるでしょう。

しかし、プロゴルファーの中には野球経験のある人も多くいます。

甲子園の優勝投手として有名なジャンボ尾崎こと尾崎将司プロをはじめ、谷口徹プロや藤田寛之プロ・岩田寛プロなど、野球の経験を生かしたスイングで活躍する選手も多いです。

野球打ちにはデメリットがありますが、改善することで野球経験を生かしたスイングを習得できます。

ゴルフと野球、スイングの共通点と違い

野球打ちは悪いスイングとされることが多いですが、切り返しでの手首のタメや、下半身主導のスイングなど、ゴルフと野球のスイングには共通する動きもあります。

これらの動きはゴルフスイングにおいても重要なため、野球打ちが一概に悪いとは言い切れません。

しかし、ゴルフと野球のスイングには次のような決定的な違いもあります。

  • ボールを捉える感覚の違い
  • インパクトでの手首の使い方
  • スイングに適した道具の違い

順に確認してみましょう。

ボールを捉える感覚の違い

ゴルフと野球では、ボールを捉えるインパクトの位置に違いがあります。

ゴルフの場合、ドライバー以外のクラブでは地面にあるボールを打つため、レベルブローからダウンブローの軌道でスイングするのが基本。

そのため、インパクトでは手元が低い位置にきます。

一方、野球は空中のボールを打つため、手元が高い位置でインパクトすることになります。

また、前後の位置にも違いがあり、ゴルフは長いクラブでも肩幅程度の範囲でインパクトするのに対し、野球は体より手が前にある状態でインパクトするのが基本です。

インパクトの位置が大きく変わるため、スイングでボールを捉える感覚に違和感を覚えることがあります。

インパクトでの手首の使い方

ゴルフと野球のスイングで最も異なる点が、手首の使い方です。

ゴルフではバックスイングからダウンスイングにかけて、左腕が上にある状態でスイングし、インパクトでは手首を返すリストターンをおこないます。

フェースが閉じるため、ボールをまっすぐ打ち出すことができるのです。

これに対し、野球は常に左腕が右腕の上にある状態でスイングします。

この動きをゴルフクラブでおこなうと、フェースが開いた状態でインパクトするため、スライスボールが出るのです。

スイングに適した道具の違い

ゴルフと野球は、どちらも道具を使ってボールを打つスポーツですが、それぞれの道具には種目に適した特性があります。

まず1番の違いは、ゴルフクラブとバット

クラブにはフェースがついているため、重心がシャフトから少しズレた位置にあり、フェースが正面を向いた状態でボールに当てる必要があります。

対して野球のバットは、手元の延長線上に重心があるので、バットの向きは基本的に関係ありません。

また、どちらもスイング時にグローブを使用しますが、ゴルフのほうが繊細なコントロールを求められるため、ピタッと密着するような薄い生地で作られるのが一般的です。

シューズに関しては、どちらもスイング時に滑りにくいシューズを使用します。

野球のスパイクは大きな刃がついているため、ゴルフシューズより力強いスイングが可能。スイング時のブレが少なくなるでしょう。

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野球打ちの直し方

野球打ちは方向性が安定しないため、スコアを縮めにくいスイングといえます。正しいスイングを身につけたい人は、早めに直したほうがよいでしょう。

ここでは、野球打ちを直すための考え方と練習方法について解説します。

改善のための考え方

野球打ちを改善するには、ゴルフは地面に止まっているボールを正確に打つ競技ということを念頭に置きましょう。

ボールを迎え打つ野球とは違い、スイング始動のタイミングや体重移動の度合いなど、自分の動き方が大きく打球に影響します。

野球打ちは飛距離を伸ばしやすい特徴がありますが、まずはボールをまっすぐ飛ばすことを意識するのがおすすめです。

矯正のための練習方法

野球打ちを直すには、以下の3つを意識して練習するのが効果的です。

  • リストターンを使う
  • 右サイドでクラブを振る
  • 体重移動をおこなう

まず、野球打ちの特徴であるスライスを改善するには、インパクトで手首を返し、フェースを閉じる動きを身につける必要があります。

インパクトで左脇が開いていると手首を返せないので、フォローまでしっかり左脇を締める練習をおこないましょう。

また、インパクトで体を開かないためには、体の右サイドでクラブを振り下ろす練習が効果的です。

リストターンと右サイドで振るスイングを習得できれば振り遅れを防げるため、スライスを防いで捕まったボールを打てるようになります。

さらに、アイアンでダフリなどのミスが出る場合は、切り返しからしっかり左足に体重移動するよう心がけましょう。

頭の位置は右に残しつつ、体重を左足に乗せることでダウンブローの軌道でスイングできます。

野球打ちを直すにはスイングの改善以前に、ゴルフに適したグリップの仕方やアドレス時の姿勢など、基本を身につけることが何より重要です。

レッスンなどで構え方やスイングの基礎を見直しておくと、その後の上達が早くなります。

レッスンを受ける場合は、スイング解析機などの設備が充実しているインドアゴルフを利用すると効果を感じやすいでしょう。

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【FAQ】ゴルフの野球打ちに関してよくある質問

この章では、野球打ちを直したい人が抱きやすい疑問について解説します。

野球経験者はゴルフで有利な理由は?

野球経験のあるゴルファーは、バットを効率良く振る動きが身についているため、初めからヘッドスピードが早いというメリットがあります。

ゴルフで飛距離を伸ばすには、ヘッドスピードが重要な要素となるため、野球のバッティング経験は大きな武器となるでしょう。

スライスしないスイングを身につけられれば、短期間で上達しやすいのが特徴です。

野球で左打ちの人はゴルフも左打ちにしたほうがいい?

野球で左打ちの人は多く見られますが、ゴルフで左打ちにする人は少数派です。

この理由は、練習場の打席数や選択できるクラブが限定されるなど、デメリットが大きいことが考えられます。

しかし、野球の左打ちに慣れている場合は、スイングしやすいのは左打ちです。

違和感がないため、ゴルフでも安定したスイングができるでしょう。

ただし、生まれつき左利きの人でも、ゴルフでは右打ちにする人も多くいるので、練習環境やスイングのしやすさなどを考慮して選ぶ必要があります。

野球経験がないのに野球打ちになるのはなぜ?

野球経験のない人でも野球打ちになっている人が多くいます。特にゴルフ初心者に多い傾向です。

これは、スイング時に力を入れすぎていることが大きな原因。

右利きの場合、右手や右腕の力でクラブを振ろうとすると、右肩が前に出て野球のバッティングのような動きになりがちです。

また、ボールを強く打つ意識が強いことで、体が前のめりになることも原因といえます。

さらに、野球はメジャーなスポーツのため、スイングに対してバッティングの動きをイメージしやすいのも原因の1つかもしれません。

それほど、ゴルフのスイングは特殊な動きであるということがいえます。

正しいスイングを身につけるには、ゴルフに適した体の動かし方を学ぶ必要があるのです。

野球打ちの矯正にも、定額通い放題のステップゴルフがおすすめ!

野球打ちは飛距離が出しやすい反面、スライスが出やすいデメリットがあります。

スライスが出るのを怖がるあまり、本来のスピードでスイングできなくなる人もいるので、早めに直しておくのがよいでしょう。

野球打ちを効率良く直すには、プロのレッスンを受けるのが効果的です。

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