ゴルフスイングは体のさまざまな動きにより構成されており、そのうちの1つがアームローテーションです。
正しいアームローテーションはスイングの大切な要素であり、習得できれば正確性や飛距離が格段に向上する可能性があります。
本記事では、アームローテーションのやり方やコツ、おすすめの練習法を解説します。
ゴルフスイングの悩みを抱えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
ゴルフのアームローテーションとは
ゴルフのアームローテーションとは、スイング中に腕を回転させる動作です。
アームローテーションのやり方や動きの大きさは人それぞれで、意識的でもそうでなくても、多かれ少なかれ誰もがアームローテーションを使っています。
重要なことは、アームローテーションを動作として理解し、意識的に使いこなすことができるかどうかです。
「アームローテーションの多用は手打ちにつながる」という悪いイメージを持つ方もいますが、正しい動きを身に付ければ正確性を損なわないスイングができます。
また、アームローテーションは動作が大きければよいというものではなく、むしろ近年は、アームローテーションを抑えたスイングのゴルファーも増えてきています。
フェースローテーションとの違い
フェースローテーションとは、スイング中にクラブフェースが開閉する動きです。
腕の動きであるアームローテーションとクラブの動きであるフェースローテーションは別ものです。
タイミングや動きの大きさは人それぞれですが、正しいフェースローテーションが行われると正確な球を打てるようになります。
ゴルフには覚えておくべき「仕組み」があり、知ると知らないとでは上達へのスピードが違います。その仕組みの一つが「フェースローテーション」です。ボールを打つ面であるフェースは、スイングに合わせて独特の動きをしています。この記事で[…]
「欧米式アームローテーション」がある?
欧米式アームローテーションとは、近年多くの欧米人選手が取り入れているスイング理論です。
体の大きな選手がアームローテーションを最小限に抑えたスイングと強烈なボディターン(体の回転)を行うことで、大きなパワーと正確性を得られるのが特徴です。
しかし、パワーと柔軟性がなければ正しいインパクトにはならないため、誰もが簡単に真似できるスイング理論ではありません。
また、強烈に体を捻る必要があるので、一般的なアマチュアゴルファーが真似をすると腰を痛める可能性もあります。
欧米式アームローテーションはメリットも多いスイング理論ですが、取り入れられるゴルファーは限られているのが実情です。
アームローテーションに特徴があるプロゴルファーは?
PGAツアーで活躍中の松山英樹選手は、基本に忠実で正確なアームローテーションの持ち主です。
ドライバーからウェッジまで常に一定のアームローテーションが加わったスイングで、力強く正確なショットを生み出しています。
もちろんアマチュアゴルファーが松山英樹選手のような正確性を手に入れるのは難しいですが、正しく行えば正確なショットが打てることがわかる、よいお手本です。
アームローテーション「しない」のもあり?
ゴルフスイングでアームローテーションを完全になくすのは不可能ですが、極力抑えることはできます。
たとえば、ボディターン(体の回転)で補えば、アームローテーションを抑えても正確で力強いショットを打てます。
しかし、アームローテーションを押さえると球を捕まえるのが難しくなり、スライス系の球が出やすくなります。また、ヘッドスピードが遅くなりやすく、飛距離が落ちる方もいます。
初心者には難易度が高いので、まずは基本スイングをマスターしてから取り組むのがおすすめです。
アームローテーションのやり方
アームローテーションをマスターするためには、両肘と体全体の回転をコントロールしなければなりません。
ここでは、正しくアームローテーションするための体の動かし方を部位ごとに解説します。
左肘・右肘の回転
ゴルフスイングにアームローテーションを取り入れるためには、右打ちの場合(以下同)、左肘の回転が必要です。
- まず、左肘が右肘よりも上になる状態でテイクバックします。
- トップからダウンスイングにかけて徐々に腕を回転させます。
- インパクトの瞬間には左肘と右肘がアドレス時の形に戻します。
- フォロースルーにかけては左肘と右肘の関係性が反対になり、最終的には右肘が上の状態でフィニッシュしましょう。
動かし方のイメージとしては、よく車のハンドルに例えられます。
テイクバックでは車のハンドルを右に切るように肘を回転させ、ダウンスイングからフィニッシュにかけてハンドルを左に切るように動かします。
肘の回転で大切なのはインパクト時の形です。タイミングよくアドレス時の位置関係に戻せなければ、なかなか正確なショットは打てません。
体の回転
本来は、アームローテーションを取り入れるからといって、体の回転の仕方が変わるわけではありません。
しかし、肘や腕の回転を意識しすぎて体の回転が疎かになる方が多いのも確かです。肘や腕を意識しすぎて体が回転しないと手打ちになり、正確性・飛距離・安定感がすべて低下します。
アームローテーションを生かしたスイングをするためには、体の回転を止めないように意識しましょう。
下半身の使い方
下半身を効率よく使うと、ムチのような鋭いスイングが手に入ります。
テイクバックで右側に腰を回し、ダウンスイングからインパクトに向けて左側に旋回させます。下半身で上半身を引っ張るように、お尻を回転させるイメージが大切です。
下半身で上半身を引っ張ることにより腕やクラブを振る力が強くなり、力みなくスイングできれば自然にアームローテーションが加わります。
また、上半身よりも下半身が先に始動する点もポイントです。下半身に力を入れて上半身を脱力させるように心がけましょう。
アームローテーションのコツ
ここでは、アームローテーションのコツを解説します。
ヘッドの重心を感じる
クラブヘッドには重心があり、スイング中の向きによって手で感じ取れる感覚が変わってきます。
たとえば、クラブヘッドを極端に開いた状態と極端に閉じた状態では振り心地が違うはずです。
ヘッドの重心と向きを手で感じ取れるようになると、適切なタイミングでアームローテーションを入れられるようになります。
また、ヘッドの重心を感じるためには力みのないスイングが必要です。
力まずヘッドの重心を感じられれば、自然にアームローテーションが加わる効率のよいスイングが身に付きます。
フォロースルーで左肘を引かない
フォロースルーで左肘が引けて曲がってしまうのは、アームローテーションができていない方の典型的なスイングといえます。
左肘を引きやすい方は、インパクトで左手のひらを上に向けるように意識してみましょう。
その意識でスイングすると、アームローテーションが起こりやすく、左肘の引けも改善できます。
それでもうまくいかない方は極端に左手のひらを上に向けてみましょう。
ゴルフで新たな練習法やスイングを取り入れる際は、大げさすぎるほどのイメージを持つことが意外と効果的です。自身が思っているより数倍大げさに意識するくらいで、ちょうどよくなることもありますよ。
ドライバー使用時のコツ
ドライバーはほかのクラブよりも曲がり幅が大きくなりやすいクラブなので、正確にアームローテーションできなければ球筋が安定しません。
ドライバーで効果的にアームローテーションを入れるコツは上半身を脱力することです。
飛距離を稼ぎたいドライバーでは上半身が力みがちですが、無駄な力が入ると体が回転しづらくなりアームローテーションが入りません。
ドライバーこそ余計な力を抜き、柔らかく腕を振ることが大切です。
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アームローテーションの練習方法・ドリル
アームローテーションの練習法で効果的なのは、「クラブを水平にして素振りするドリル」です。
やり方は簡単です。
- まず好きなクラブを選びます。
- 地面と水平になるようなイメージで前方に向けて構えます。
- そこから左右にクラブを振ります。
この状態でしっかり振れば、自然にアームローテーションができます。
また、左右の肘の上下を入れ替える意識で振ると、アームローテーションの意味を理解できていない方でも感覚をつかめるはずです。
【比較】ほかのスイング方法との違い
ここでは、アームローテーションとほかのスイング方法を比較します。
ボディターンとの違い
アームローテーションは腕や肘の動きですが、ボディターンは体全体の動きを指します。
ボディターンは特に体幹部の動きを指すので、アームローテーションとは意識する体の部位が違います。
ボディターンはアームローテーションと同じくゴルフスイングの基本であり、多かれ少なかれすべてのゴルファーが取り入れている動きです。
アームローテーションを取り入れたスイングを目指す方も、別でボディターンを学ぶとよいでしょう。
リストターンとの違い
リストターンは手首を回転させる動きです。
リストターンを取り入れることでクラブフェースが回転し、力強い弾道のショットが打てます。
アームローテーションは腕の回転で、リストターンは手首の回転です。腕と手首はつながっているので両者の動きをばらばらに考えるのは難しいです。
そのため、アーム(腕)からリスト(手首)までを1つのパーツと考え、同時に練習すると混乱せずに上達できるはずです。
アームローテーションとグリップの相性
アームローテーションとグリップの相性を解説します。
ストロンググリップ
ストロンググリップ(別名、フックグリップ)は、フェース面が閉じた状態で構えるグリップ法です。
ストロンググリップで握るのなら、アームローテーションを抑えるのが基本です。
このグリップでは、アドレス時にインパクトの形に近いフェースの状態ができているため、アームローテーションを取り入れすぎると引っ掛けのミスが出やすくなります。
ストロンググリップでうまくインパクトができない方は、アームローテーションを抑えるように意識してみるとよいでしょう。
ベースボールグリップ
ベースボールブリップとは、手のひら全体で野球のバットを握るようにグリップする方法です。
よくあるオーバーラッピングやインターロッキングとは異なり、握力がなくても安定してグリップできるのが特徴です。
腕や肩に余計な力が入りにくく、手首の自由度が高いため、リストターンやアームローテーションを行いやすいといえます。
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アームローテーションはゴルフスイングでとても大切な動きであり、使いこなすことができれば正確性や飛距離が格段に向上します。
しかし、やり方を誤るとスイングが崩れたりミスを誘発したりします。
また、正しく練習できなければケガの原因にもなりやすく、誰にも教わらずに独学でアームローテーションをマスターするのは簡単ではありません。
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