プロやゴルフ上級者が好んで使うクラブのひとつにマッスルバックアイアンがあります。
シャープでプロ好みの見た目に、憧れを持つゴルファーも多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではマッスルバックアイアンについて、基本情報からメリット・デメリット、それが合う人の特徴を解説していきます。
さらに、「初心者はやめたほうがいい」と言われる理由や、初心者におすすめの商品もご紹介します。
マッスルバックアイアンとは
マッスルバックアイアンとは、ヘッドが小ぶりで、バックフェースに厚みがある、アイアンの原型のような形をしたクラブのことをいいます。
昔ながらの形状と、フェースの裏に凹みがなく1枚の板のような作りで、ゴルフの玄人好みのルックスです。
マッスルバックアイアンを使う人は、ゴルフ上級者が多い傾向にあります。実際、多くのプロも使用しています。
使用感としては、操作性に優れているものの、重心が高めでスイートスポットエリアが小さいため、難易度の高いクラブと言われています。
マッスルバックアイアンの飛距離平均は？
マッスルバックアイアンはスイートスポットエリアが狭いため、芯を外しやすく、結果的に飛距離が落ちることがあります。
そのため、平均飛距離で考えた場合は、飛距離が出にくくなる可能性があります。
特にスイングが安定していない初心者ほど、飛ばないと感じることが多いでしょう。
「マッスルバックアイアン」と「キャビティバックアイアン」の違い
ゴルフ上級者に使う人が多いマッスルバックアイアンの一方で、初心者から上級者まで幅広く使われているのがキャビティバックアイアンです。
それぞれの違いと特徴について、以下の表にまとめました。
| マッスルバックアイアン | キャビティバックアイアン | |
|---|---|---|
| 重心距離 | 短い | 長い |
| スイートスポットエリア | 狭い | 広い |
| 飛距離 | 芯を外すと飛ばない | ミスしてもロスが少ない |
| 打ち出し角 | 低い | 高い |
| バックスピン量 | 多い | 少ない |
| 特徴 | ミスに弱いが、コントロール性に優れる | ミスに強いが、操作性で劣る |
両者を比較してみると、キャビティバックアイアンのほうが扱いやすく、メリットが多いように感じるかもしれません。
しかし、マッスルバックアイアンを使うメリットも多くあります。
次章では、マッスルバックアイアンのメリット・デメリットについて解説していきます。
マッスルバックアイアンのメリット・デメリット
初心者には扱いが難しいと言われるマッスルバックアイアンですが、使いこなすことで得られるメリットもあります。
ここでは、マッスルバックアイアンのメリット・デメリットについて解説します。
マッスルバックアイアンのメリット
マッスルバックアイアンのメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 打感がやわらかい
- 操作性が良い
- アイアンショットの上達につながる
それぞれ解説していきます。
打感がやわらかい
マッスルバックアイアンは、芯を食った時の打感が良いことで人気があるクラブです。
キャビティバックアイアンと違い、バックフェースにはくり抜きのような凹みがないため、その分フェースに厚みがあります。
フェースが厚いと打感がやわらかくなり、芯を捉えたショットでは体に伝わってくる打感の気持ち良さが感じられるはずです。
ショット時に体に伝わる感覚が、プレーに与える影響は大きいため、打感を重視する方には手放せないクラブとなるでしょう。
操作性が良い
マッスルバックアイアンには、クラブヘッドが小さい分、操作しやすいというメリットもあります。
ヘッドのスイートエリアからシャフトまでの重心距離が短いため、フェースを開閉しやすいのが大きな特徴です。
そのため、フェースの開閉によって、ドローボールやフェードボール、弾道の高さなどをコントロールしやすいのです。
また、マッスルバックアイアンはダウンブローでスイングする必要があるため、キャビティバックアイアンよりもバックスピンが多くかかります。
グリーン上でバックスピンをかけ、ピタリとボールを止めたい場合にも有利となるでしょう。
アイアンショットの上達につながる
マッスルバックアイアンのスイートスポットは、キャビティバックアイアンと比べると高い位置にあります。
そのため、上から叩くようなダウンブローのスイングと相性が良いのが特徴です。
一般的にアイアンショットのときは、ダウンブローのほうが、クラブ性能を引き出しやすいと言われています。
マッスルバックアイアンで芯を捉えられるようになるには、ダウンブロースイングの習得が必須になりますが、日々練習を重ねることで、理想的なスイングが身に付くはずです。
マッスルバックアイアンで正しく打てるようになれば、キャビティバックアイアンに戻した際に思い通りの打球を打ちやすくなりますよ。
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マッスルバックアイアンのデメリット
一方、マッスルバックアイアンのデメリットは、以下の3つです。
- 芯を外すと飛ばない
- 弾道が低くなる
- ミスの寛容性が低い
それぞれ解説していきます。
芯を外すと飛ばない
キャビティバックアイアンは、フェース裏の凹み分をソール側に持ってくることで、芯を外してもヘッドが走り飛距離も出やすいのが特徴です。
しかし、前述したようにマッスルバックアイアンのヘッドは小ぶりで、芯を外しやすく、外してしまうと大きな飛距離ロスにつながってしまいます。
飛距離を出すためには正確に芯を捉える技術が必要になるのです。
弾道が低くなる
マッスルバックアイアンは重心が高いため、キャビティバックアイアンと比較した場合、打ち出し角や弾道が低くなる傾向にあります。
マッスルバックアイアンで打球の弾道を上げるためには、ボールにかけるスピン量を増やす必要があるので、ある程度のヘッドスピードが求められます。
ソール部分に重量のあるキャビティバックアイアンはボールが上がりやすいため、もともとショットの弾道が低い方には扱いづらく、飛ばしにくいクラブだといえるでしょう。
ミスの寛容性が低い
マッスルバックアイアンは、その小ぶりなヘッドや重心の高さから、ミスしたときの寛容性が低いこともデメリットのひとつです。
慣れないうちはヘッドが安定せず、意図せずにフェースが開閉してしまい、スライスやシャンクなどのミスにつながる可能性があります。
フェースを開閉しやすいという操作性の良さがある反面、それがデメリットになる場合もあるのです。
マッスルバックアイアンを使いこなすには、スイングを安定させ、ボールをコントロールできる技術を身につけることが必須の条件です。
今までキャビティバックアイアンを使っていた方にとっては、マッスルバックアイアンは使いにくいと感じる点が多いでしょう。
しかし、うまく使いこなせれば、大きな武器になります。ゴルフ上級者になるほど、マッスルバックアイアンのデメリットを最小限に抑え、メリットを最大限活かせるようになりますよ。
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マッスルバックアイアンが合う人・合わない人
ここまで述べたように、マッスルバックアイアンは扱うのが難しいため、自分がマッスルバックアイアンをうまく扱えるのか、不安に感じた方も多いのではないでしょうか。
ここで、マッスルバックアイアンに向いている人の傾向を知っておきましょう。
ヘッドスピードが速く弾道が高い人にぴったり
マッスルバックアイアンは、ヘッドスピードの速い人に向いています。
マッスルバックアイアンはその名の通り、主に力のある人向けに作られたクラブです。ある程度ヘッドスピードが速い人の方が、ショット時にバックスピンが多くかかり、弾道が高く上がります。
そのため、マッスルバックアイアンを導入することで、飛距離アップも期待できるでしょう。
アマチュア男性の平均ヘッドスピードは、38〜42m/sと言われています。
それ以上のヘッドスピードの方であれば、マッスルバックアイアンは扱いやすいクラブになるはずです。
ダウンブローで打てて、ミート率が高い人におすすめ
マッスルバックアイアンできれいに芯を捉えるには、正しいダウンブロースイングが必須です。
上から叩くようなスイングが身についている方にも、マッスルバックアイアンは向いていると言えるでしょう。
また、マッスルバックアイアンは正確に芯を捉える必要があることから、ミート率の高い方、もしくは「これからミート率を高めていきたい」という向上心のある方にも向いていますよ。
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アイアンにやさしさを求める人には不向き
マッスルバックアイアンは、アイアンの中でも打つのが難しい部類のクラブです。
簡単にボールが上がり、ミスすると飛距離が伸びないクラブであるため、アイアンショットにやさしさを求める方には向いていないでしょう。
ミスに強いアイアンに魅力を感じるなら、キャビティバックアイアンか、もしくは、見た目はマッスルバックアイアンに近く、中が空洞になっている、中空アイアンを検討するのがよいかもしれません。
ゴルフ初心者にマッスルバックアイアンは難しい？
ゴルフを始めたばかりの初心者がいきなりマッスルバックアイアンでうまく打つのは、至難の業です。
そのため、基本的には難しいのでおすすめしませんが、基礎を身につけるために使う目的であれば、一概に不向きとは言えないかもしれません。
例えば、上から叩く「ダウンブロースイング」ができなければうまく打てないので、それを習得するのに役立ちます。
また、ミスがそのまま結果として飛距離に出るので、スイングの基礎を一から見つめ直すのにも効果的です。
ちなみに、キャビティバックアイアンに関しては、最近は初心者でも比較的簡単に打てるものが増えています。
多少のミスショットでもクラブの性能によってごまかしが効くので、継続してゴルフを楽しみたい方は、無理をしてマッスルバックアイアンを選ばなくてもよいでしょう。
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初心者におすすめのマッスルバックアイアン3選
少しでも扱いの難しくないマッスルバックアイアンなら、初めて使う方でも挫折しにくくなるはずです。
ここでは、初心者におすすめのマッスルバックアイアンを紹介します。
- フォーティーン：TB-5 FORGED アイアン
- タイトリスト：620 MB アイアン
- スリクソン：Z-FORGED アイアン
上記3選を詳しく解説していきます。
フォーティーン：TB-5 FORGED アイアン
「狼の皮をかぶった羊」がキャッチコピーの、軟鉄鍛造フォージドアイアンです。
精悍な見た目はいかにも扱いにくそうに見えますが、実はアベレージゴルファー向けのやさしいアイアンなんですよ。
ヘッドが大きいため、ヘッドスピードが40m/s前後の方なら打ちやすく、ミスに強い点が特徴的。
バックフェースの段差を無くし、フェースに厚みを持たせることで、心地よい打感とミスへのやさしさを両立させたモデルです。
シャフトには、スチールシャフトより軽く、切り返しでのしなり感が入るカーボンシャフトを採用しています。
初めてマッスルバックアイアンを使う方や、ヘッドスピードにあまり自信のない方に試してほしい1本です。
タイトリスト：620 MB アイアン
精密な軟鉄鍛造技術により、ショットコントロール性能を高めたモダンなタイプのアイアンです。
伝統的でクラシカルな外観は、いかにも上級者が好みそうですが、意外なことに難易度は比較的低めです。操作性の高さに定評があり、初心者や中級者の方にもおすすめできます。
ソール形状に改良を重ね、抜群の「抜け」を実現しています。ラフからの打ちやすさを重視する方にもおすすめですよ。
また、このアイアンはミスに対するやさしさだけでなく、モダンで美しいフェースの形状も魅力のひとつ。クラブを構えたときに自然と気持ちが高揚するでしょう。
スリクソン：Z-FORGED アイアン
操作性を向上させたことから、安定した飛距離を実現できるようになっているマッスルバックアイアンです。
V字形をしたソールは、スイングしたときにヘッドを鋭角に入れやすいので、ボールを捉えやすい特徴があります。
芝との接地を最小限に抑えられるため、抜けが良く、ラフにも強いアイアンといえるでしょう。
バックフェースはフラットな形状のため、初心者でも構えやすく、インパクトをイメージしやすい設計になっています。
マッスルバックアイアンの中ではヘッドが大きく、打感もやわらかいので、マッスルバックアイアンに初めて挑戦するという方におすすめです。
マッスルバックアイアンの練習には、プロのレッスンが受けられるインドアゴルフスクールがおすすめ！
マッスルバックアイアンは、じょうずに使いこなせば周囲から一目置かれますし、洗練されたデザインであることから、所有する喜びも味わえるはずです。
しかし、マッスルバックアイアンを使いこなすには、正しいスイングを身につけることが重要です。
マッスルバックアイアンの扱い方を効率よく習得するには、プロのレッスンが受けるのがおすすめ。
プロの指導では、スイングの基礎はもちろん、マッスルバックアイアンを使いこなすための正しい練習方法や、スイング改善のアドバイスを受けられます。
一度自己流で間違った癖をつけてしまうと、あとからそれを1人で改善するのは困難です。
1人で練習することに不安を感じている方は、インドアゴルフスクールの体験レッスンを検討してみてはいかがでしょうか。