ゴルフ初心者の中でも、苦手意識を持つ人が多いバンカーショット。
バンカーから抜け出せず、大たたきしてしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、バンカーからうまく脱出できるようになるために、バンカーショットの原理や基本的な打ち方を解説します。
バンカーの硬さやピンまでの距離といった状況別の打ち方も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
バンカーからボールが出ない……その原因は?
バンカーショットでは、フェアウェイやラフからのショットと違い、砂の上にあるボールを打ちます。通常のショットとは異なる状況なので、普通に打ってもうまくいきません。
ショットの前にクラブが砂に触れるとペナルティになるため、ソールを浮かせて構える必要があります。
ゴルフ初心者がバンカーからボールを出せない原因は、大きく2つあります。
- 砂の中にフェースが潜ってしまうから
- 砂にソールが弾かれてしまうから
砂の中にフェースが潜ると、ボールを打つ前に砂の抵抗でクラブが止まってしまうため、ボールは前に飛ばず、バンカーから脱出できません。
初心者はバンカー脱出のために、ソールでボールをすくうように打つ「すくい打ち」となってしまう人が多く、クラブヘッドが砂の中に潜りやすくなります。
また、グリーンまわりからのバンカーショットで、オーバーしてしまうことを恐れてインパクト時に力を緩めてしまったことはないでしょうか。インパクト時に力を緩めると、ソールが砂に弾かれてトップしてしまいます。
これらの原因を解消するためにも、正しいバンカーショットを覚えましょう。
バンカーショットの原理
バンカーからのショットは、ピンまでの距離に応じて打ち方が変わります。
フェアウェイの横にあるような、ピンまで距離を残したバンカーでは、飛距離を出すためにボールをクリーンに捉える必要があります。
そのため番手は、砂の抵抗により飛距離が落ちることを計算に入れて、大きめのものを選びましょう。
グリーンまわりのバンカー(ガードバンカー)は、砂が柔らかくアゴも高いため難易度が高まります。
ガードバンカーから打つときは、バックスピンをかけてグリーンを狙う必要があるため、ボールの手前の砂を爆発させて直接ボールにコンタクトすることが重要です。
普通に打つとトップしてグリーンを超えてしまったり、砂の抵抗に負けてバンカーから抜けられなかったりするので、正しい打ち方を覚えましょう。
バンカーから出しやすいクラブの特徴
ゴルフクラブの中には、バンカーから出やすいショットが打てる作りでできているものがあります。
バンカーから出しやすいクラブの特徴は以下の2つです。
- バウンス角が大きい
- ソールの幅が広い
バウンス角は、ソールの角度がどれだけ出っ張っているかを表す数値です。バウンス角が大きいほどフェースが砂に潜りにくくなるため、スプーンですくうようにボールを捕まえることができます。
また、ソールが幅広で分厚いタイプのクラブは砂に当たる面積が広く、砂の上をヘッドが滑るように抜けていくため、フェースが砂に潜らずに打てるでしょう。
12度以上のバウンス角があれば、普通にスイングしても砂を爆発させてインパクトできるため、初心者におすすめです。
「絶対出るバンカーショット」は存在する?
どんな状況でも確実に脱出できる、魔法のようなバンカーショットは残念ながらありません。
傾斜や砂の状態、アゴの高さ・アゴまでの距離によっては、上級者でも苦戦することも……。
ただし、後述する「バンカーの簡単な打ち方」を身につけることで、初心者でも高確率でバンカーから脱出できるようになりますよ。
【基本・初心者向け】バンカーの簡単な打ち方・コツ
バンカーショットは、普通に打つと砂にソールが弾かれてトップしたり、フェースが砂の下に潜って飛距離が出せずに脱出できなかったりと、苦手意識を持ちやすいショットです。
しかし、正しい打ち方を理解していれば、バンカーからの脱出は難しくありません。
ここでは、初心者向けに基本的なバンカーショットの打ち方を解説します。
ボールの位置は真ん中?右寄り?
バンカーショットの基本は、ボールを真ん中か左寄りにセットすることです。特に、アゴが高くて球を上げたい場合は左寄りにセットするとよいでしょう。
先述した通り、バンカーショットでは手前の砂を爆発させてボールに直接インパクトします。左寄りにボールをセットすることで、クラブの最下点がボールの手前にくるため、砂を爆発させながらインパクトしやすくなるのです。
右寄りにセットすると、クラブが鋭角から入ってくるため、砂にヘッドが突き刺さってインパクトが詰まってしまいます。
ヘッドが突き刺さった経験のある方は、ボールをセットする位置に気をつけてみましょう。
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フェースは開く?閉じる?
バンカーショットでは、基本的にフェースを開いて構えます。
フェースを開いて構えることでクラブが鈍角に入りやすくなり、フェースが砂に潜りづらくなるでしょう。
ただし、フェースを開くと球が上がりやすくなる一方で、開きすぎると砂に負けてしまうことがあるので注意しましょう。
フェースを開いて構える際のポイントは、グリップをし直すことです。グリップをしてからフェースを開くと、開いたフェースがインパクト時にもとに戻ってしまいます。
スタンスはオープン?クローズ?
バンカーショットではフェースを開いて構える必要があるため、スタンスはややオープンに構えます。
スクエアに構えると、体の右側にスペースがなくなり、振り抜けなくなってしまうからです。この状態では目標に対して体が左に向くため、慣れていないと打ちづらさを感じるでしょう。
しかし、先述したようにフォローが出しやすく、入射角が鈍角になることで球も上がりやすくなります。このとき、砂に足を少し埋めるようにして固定すると、より安定したスイングになるでしょう。
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インパクトで力を緩めないこと
バンカーでよくある失敗として、インパクトで力を緩めてしまい、砂の抵抗に負けてしまうことがあります。
グリーンまわりからのバンカーショットは、グリーンをオーバーしないようにインパクトで力が緩みがちです。インパクトが緩むと、ヘッドが砂に弾かれてトップしたり、砂を爆発させられずに脱出できなかったりとミスショットにつながります。
バンカーでは多少オーバーしても構わないので、思い切りインパクトするように心がけましょう。
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コース本番では、さまざまな状況からバンカーショットを打つため、基本的な打ち方だけでは対応できないこともあります。
本番でもバンカーにハマらないためには、砂の硬さやアゴの高さ、砂の量によって打ち方を変える必要があるでしょう。
ここでは、基本的な打ち方は身についている人向けに、状況別のバンカーの打ち方を解説します。
硬いバンカーの打ち方
砂が硬いバンカーは、砂が柔らかいバンカーよりも簡単に打つことができます。硬いバンカーはボールが埋もれないためソールが滑りやすく、ダフリづらくなるからです。
一方で、ボールを高く上げづらくなるので注意しましょう。
硬いバンカーの打ち方には2つのポイントがあります。
- フェースは開かずスクエアに構える
- AWやPWを使う
硬いバンカーからのショットで通常のバンカーショットの打ち方をすると、バウンスによってクラブが跳ね返されてしまうので、トップします。
これを防ぐために、フェースは開かずスクエアに構えることが必要です。
また、SWではバウンス角が大きいため、AWやPWを使うことも効果的でしょう。砂を爆発させるのではなく、ボールごと「砂を薄く削る」ようなイメージで打つとスピンがかかり、バンカーから脱出しやすくなります。
柔らかいバンカーの打ち方
柔らかいバンカーの場合は、砂にボールが埋もれていることもあり、通常のバンカーよりも難易度が高くなります。
クラブヘッドも砂に潜りやすくなるため、ミスショットにつながりやすいでしょう。
砂が柔らかいときのポイントは3つあります。
- 足場を固める
- フェースを大きく開く
- フォローは大きくしっかり振る
それぞれ詳しく解説します。
足場を固める
砂が柔らかいとスイング中に足元がズレてしまい、ミスショットの原因になります。
足がずれないように、しっかりと腰を落として、スタンスも広めに開きましょう。少し砂の中に足を埋めるようにすると、より固定しやすくなります。
ただし、穴を掘ったり必要以上に砂を叩いて固めたりするとペナルティになるので注意しましょう。
フェースを大きく開く
通常のバンカーでもフェースは開きますが、砂が柔らかいときは、さらに大きく開きましょう。
フェースを大きく開くことで、バウンス角を活かして砂を爆発させやすくなります。
フォローは大きくしっかり振る
柔らかい砂の場合、インパクトで砂の抵抗が大きくなるため、振り切れないことがあります。
そうならないように、しっかりと左足に重心をかけて、砂に負けないように大きく振りましょう。
アゴが高いバンカーの打ち方
グリーンまわりのバンカーはアゴ(バンカーのフチのこと)が高いことが多く、脱出が難しくなります。
アゴが高いバンカーから脱出するためには、ボールを高く上げる必要があります。そのポイントは以下の3つ。
- フェースを開く
- 右足重心で低く構える
- アウトサイドインで振る
フェースを開く
ボールを高く上げるには、フェースを大きく開く必要があります。フェース面が上を向くくらい、しっかり開いて構えましょう。
右足重心で低く構える
両足を砂にめり込ませて重心を低く構えます。
若干右足に体重を寄せてダフらせるように打つと、手前の砂を爆発させてボールを高く上げることができます。
低く構える分、グリップを短く持つこともポイント。
アウトサイドインで振る
フェースを開いている分オープンに構える必要があるため、クラブの軌道はスタンスに合わせてアウトサイドインになります。
アウトサイドインで振れば、フェースを開いていてもスムーズに振り切ることができるため、球も高く上がっていくでしょう。
砂が薄いバンカーの打ち方
砂が薄い場合は、通常のバンカーショットのように砂を爆発させるように打てません。
砂が薄いバンカーからのショットでは、「バンカーと思わず芝の上から打つ」感覚で振りましょう。砂が少ないためスイングを邪魔するものがなく、フェアウェイとほとんど変わりません。
砂が薄いバンカーでは焦らずに、花道からアプローチする感覚で打ちましょう。
距離によって変えるバンカーの打ち方
距離によってもバンカーの打ち方が変わります。
グリーンまわりからのバンカーショットは砂が柔らかいことが多く、スピンもかける必要があるため、フェースを開いて手前の砂を爆発させる打ち方が求められます。
フェアウェイの横にあるような、距離が残っているバンカーは砂が硬いことも多いため、大きめの番手で払うように打つことで距離を稼ぎます。
ただし、グリーンまわりでも砂が硬いことや、フェアウェイ横でも砂が柔らかいこともあるので、砂の状況に応じて番手や打ち方を変えましょう。
バンカーに入ってしまったら、距離が残っていても脱出することを優先したほうが、スコアがまとまりやすくなります。
自宅でもできる?バンカーの練習方法
バンカーを苦手に感じてしまう理由は「練習できる機会が少ない」という点にあります。
練習場の中でもバンカーが付いている場所は、あまり多くありません。
バンカー付きの練習場が近くに無い場合は、どうしたらいいでしょうか。
バンカーでの打ち方を再現できれば、砂がなくてもバンカーの練習が可能です。
詳しい練習方法は以下の記事をご覧ください。
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バンカーショットは芝の上からのショットと違い、バウンスをうまく活用して砂を爆発させるような、特殊な打ち方が必要です。
加えて、砂の硬さや残りの距離に応じて打ち方を変えなければいけません。
練習場所も限られており、なかなか習得が難しいバンカーショットですが、ステップゴルフのラウンドレッスンなら確実にマスターできます。
ラウンドレッスンなら、実際のコースにあるバンカーを使って、さまざまな状況からバンカーショットの練習が可能です。レッスンプロの指導もあるため、正しい打ち方を確実に身につけることができるでしょう。
さらに、レベルに合わせてさまざまなコースを用意しているので、初心者でも安心して受講できます。
バンカーに不安のある人は、ぜひ無料体験から検討してみてくださいね。