スイングするときに、左膝をどのように動かせばよいのかを意識したことはありますか?
今まで意識したことがない人は、使い方を見直すことでフォームの悪い癖を改善できるかもしれません。
この記事では、ゴルフの左膝の使い方をスイングのポジションごとに解説します。
「左膝を前に出す・出さない」など、疑問を抱きやすい部分にも触れるので、スイングに迷いがなくなるはずです。また、左膝が痛む場合の原因と対策についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
ゴルフスイングにおける左膝の役割とは
スイングは体を回転させて行う動きなので、体が左右にブレてしまうとボールにうまく力を与えられません。
左膝を上手に使うことができれば、上半身のバランスが保たれ、正しい位置でインパクトを迎えることができます。
また、バックスイングで体を捻転させる際も、左膝の使い方が重要です。
上半身だけでテイクバックを行うと捻転不足になり、スライスや引っかけといったミスを起こしやすくなります。
さらに、左膝はスイングの力をボールへ効率良く伝える役割もあるため、正しく使えば飛距離アップにもつながります。
このように、スイング時に左膝を正しく使うことによって、ミスショットの軽減や飛距離アップなどの効果を期待できます。
ポジション別!ゴルフスイングにおける左膝の動き・使い方
ここではスイングを以下の5つの動作に分け、それぞれのポジションでの左膝の動きを解説します。
- テイクバック
- バックスイング
- 切り返し
- ダウンスイング
- インパクト
テイクバック
スイングの初期動作となるテイクバックでは、左膝を内側へ回す動きをスイングの始動とします。
左膝を内旋させることで十分に腰を回せるようになり、体を使ったスイングになります。
このとき、左膝の位置が右へ流れると上半身が左右にブレてしまう「スウェー」が起こりやすくなるので、その場で膝を内側に回すように心がけましょう。
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バックスイング
バックスイングは背骨を軸にして、体を右へ回転させるのが理想です。
腰が右へスライドすると上体がスウェーするため、その後のダウンスイングからインパクトにかけてクラブを元の位置に戻すのが難しくなります。
スウェーを防ぐには、バックスイングで左膝を前に出すのがポイント。膝が右へ動くこともスウェーの原因となるので、前方のボールに左膝を近づけるイメージが大切です。
そして、左膝を前に出しながら右腰を後ろへ引くように回転させましょう。
こうすることで、肩を十分に回転させたバックスイングができます。
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切り返し
バックスイングからトップオブスイングにかけては、左足から右足へ体重が移動しているはずです。
「切り返し」というのは、パワーをボールに伝えるために行う左足への重心移動のこと。左膝に体重を乗せることで体重移動がスムーズになり、下半身主導のダウンスイングへと繋げられます。
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ダウンスイング
ダウンスイングは、左膝を左へ外旋させる動きから始めます。
左膝を目標方向へ回しますが、左へ流れないようにするのがポイント。膝が横に動くと下半身全体が左へスウェーするため、振り遅れの原因となります。
左側に壁があるイメージをもつと、膝の横移動を防げますよ。
左膝をガニ股に開き、左腰を後ろへ引くように回すと、スウェーしにくい理想的なダウンスイングを行えるはずです。
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インパクト
インパクトでボールにしっかり力を伝えるには、ダウンスイングからインパクトにかけて左膝を伸ばすことが重要です。
左膝で地面を踏み込んだ状態から膝を伸ばすことで、地面からの反発を使って飛距離を伸ばせるようになります。
この力を「地面反力」といい、筋力以上のパワーをボールに伝えることができるゴルフ打法の1つです。
また、インパクトで左膝を伸ばすことで、腰を目標の方向へ回しやすくなります。
腰がしっかり回転することで左腕が引っ張られ、スイングスピードが上がるので、インパクトでは左膝をしっかり伸ばすことを意識しましょう。
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【FAQ】ゴルフでの左膝の使い方に関するよくある質問
左膝の間違った使い方は、スイングの再現性の低下や飛距離ロスの原因となります。
しかし、スイング時にどんな意識で左膝を使えばよいのか分からない方も多いはず。
そこで、左膝の使い方でよくある質問について解説していきます。
左膝は内に入るのが正解?
バックスイングでは左膝を内旋させますが、このときに多少膝が内側に入るのは問題ありません。
これは、腰と肩を右へ回転させるうえで自然な動きであるため、必要な動きといえます。
ただし、必要以上に内側に入ると体が右へ流れやすくなるため、ミスショットの原因となります。
左膝を内に入れるのはバックスイングの捻転に必要な範囲でとどめ、体の軸がブレないようにしましょう。
左膝は前に出す?出さない?
左膝は、バックスイングで腰と肩をしっかり回すために、やや前に出しましょう。上半身を胸が後方(目標方向と反対)を向くまでねじるのが理想です。
その際、肩を回すだけでは回転が不十分なため、右腰を後ろへ回すように回転させます。左膝を前に出した分だけ右腰を後ろへ回せるので、左肩があごの下に来るまで深く振りかぶることができます。
左膝が前に出すぎるとどうなる?
バックスイングで左膝が前に出すぎると、ダウンスイング以降に体が起き上がりやすくなります。
体の起き上がりは、打点が安定せずにトップやダフリといったミスの原因にもなるでしょう。
また、スイングの軌道がアウトサイドインのカット軌道になりやすく、打球が右へ曲がるスライスボールが出やすくなります。
左膝が前に出すぎる場合は、左の太ももを内側に入れる意識をもちましょう。
こうすることで、左膝をその場で右へ回す内旋の動きができるようになります。
左膝は伸ばす?伸ばさない?
ダウンスイングからインパクトにかけて左膝を伸ばすことで、ボールにスイングの力が伝わります。
地面反力を利用した強いショットをするには、左膝を伸ばす必要があります。
しかし、伸ばすタイミングを間違えるとうまく力が伝わらないだけでなく、方向までも不安定になってしまいます。
左膝は、ダウンスイングでクラブが右腰の高さまで下りてきたタイミングで伸ばしましょう。
また、膝を伸ばすのが早すぎると、インパクトで上体が起き上がりやすくなります。
ダフリやトップなどのミスの原因となり、腰の回転を止めてしまうことにつながります。地面反力も活かせなくなるので気をつけましょう。
左膝は「動かさない」意識が大切?
左膝はスイングに必要な範囲で動かすのが理想です。
体の軸を安定させてスイングするには、左膝は動かさないほうがよいと考える人もいるでしょう。
そういった理論が推奨されることもありますが、その場合、地面反力を使ったスイングは難しくなります。
また、バックスイングにおいても、回転が不十分になるため、正しいスイング軌道になりません。
ただし、左膝の動かしすぎもスイングバランスを崩す原因となるため、適切な範囲で左膝を動かす意識が大切です。
左膝の内旋と外旋とは?
左膝の内旋とは、膝をその場で内側に回す動きのことです。
テイクバックからバックスイングにかけて左膝を内旋させることで、軸を保ったスイングができます。
一方、左膝の外旋とは、その場で膝を外側に回す動きのこと。
トップからの切り返し以降、左膝を外旋させることで腰を回転しやすくなります。
ゴルフスイングの始動は左膝から?
ゴルフは下半身主導のスイングが基本です。
下半身の動きに上半身がついてくるのが理想的ですが、初心者はどうしても腕を使ってクラブを振り上げやすくなります。
そういう方は、左膝の動きをスイング始動のきっかけとするのがおすすめです。
アドレスの静止状態から腰を回すのは、何かきっかけがないと難しいもの。左膝を動かすことで、スムーズにスイングを始動できるでしょう。
スイングの正しい動きは、ゴルフスクールでプロに教わりながらマスターしよう◎
ゴルフで左膝が痛い場合の原因
ゴルフで左膝が痛くなるのには、さまざまな原因があります。
主な原因は以下の通りです。
- 膝を使い過ぎている
- 姿勢や体重のかけ方が間違っている
- 関節が硬い
バックスイングやダウンスイングで左膝を前に出し過ぎたり、必要以上にひねったりすると、靭帯や軟骨などを痛める恐れがあります。
無理な姿勢のまま左膝を動かすと膝関節に負荷がかかり、痛みを感じる場合もあるので注意しましょう。
また、スイング中にしっかり体重移動ができていないと、左膝を無理に動かすことになるため、膝を痛めやすくなります。
膝は本来回転する関節ではなく、構造上ストレスがかかりやすい場所です。十分な筋力や柔軟性がないと痛める原因になってしまいます。
左膝の内側と外側で痛みの原因は異なる?
左膝の内側が痛む場合は、インパクトで体が左に流れている可能性があります。
膝の外側の筋力が弱いため、スウェーを防ぐために膝の内側の筋力に頼ってしまっていることが原因です。
一方、つま先が外側を向いた状態で左膝を内側に入れる「Knee in(ニーイン)」という動きは、左膝の外側を痛めやすくなります。
バックスイングで腰を回転させる意識が強いと起こりやすいため、柔軟性に自信のない人は特に注意が必要です。
ゴルフで左膝が痛くなったときの対策
左膝の痛みは自然に治る軽度のものもありますが、治療が必要なほど重症となる場合もあります。
ここでは、ゴルフで左膝に痛みを感じた際の対策を紹介します。
方法は以下の3つです。
- ストレッチをする
- サポーターを巻く
- 治療する
順に解説します。
ストレッチをする
膝関節の柔軟性が不足していると痛みの原因になります。
膝関節の可動範囲を広げるには、ストレッチが効果的。ケガの予防にもつながるので、次の通りにストレッチしてみましょう。
まず、片足を前に出してかかとを地面につけます。
かかとを軸にして膝が回るように左右に動かしてみましょう。
膝の内旋・外旋運動で、膝関節が柔らかくなります。
ゴルフはほかのスポーツと比べて激しい動きなどがないので、準備運動やストレッチを入念に行わずしてプレーに臨むアマチュアゴルファーの方も多いでしょう。しかし、ゴルフは体の柔軟性が命とも言われており、プレー前はもちろん、日ごろから体を柔ら[…]
サポーターを巻く
左膝の痛みは、スイング中のねじれによる筋肉の動きが原因となるケースがあります。
この筋肉の負担を軽減するのが膝サポーターです。
ただし、一時的な痛みを和らげる効果はありますが、痛みの根本的な解決にはならないため、筋力トレーニングやストレッチと併用するとよいでしょう。
治療する
ストレッチやサポーターで痛みがとれない場合は、治療が必要なほど深刻な症状になっている可能性があります。
重度になると半月板損傷や靭帯損傷、左前十字靭帯損傷など、歩くだけで痛みを感じる状態になるため注意が必要です。
痛みが激しい場合は、すぐに病院にかかりましょう。
処置を遅らせるほど痛みが長引きやすくなるので、なるべく早めの受診がおすすめです。
左膝に負担がかからないゴルフスイングのコツ
左膝に痛みがある場合は、負担のかからないスイングを身につけましょう。
具体的には、膝を固定したままスイングする方法がおすすめです。
膝は曲げるときに体重が乗るため、スイングの度に膝が曲がると負担が大きくなります。
また、膝が曲がっている状態だと上下左右に動きやすくなるので、痛みを感じやすくもなるのです。
痛みがある場合は、左膝を少し伸ばした状態をキープしてスイングしてみましょう。
腰や肩の回転範囲は狭まりますが、膝を固定しているので、スイングの再現性は高まるでしょう。
ゴルフスイングの細かな動作は、プロから直接教わるのが効率的!
ゴルフスイングは繊細な動きが求められるため、左膝のわずかな動きでショットの成功率が変わってきます。
とはいえ、膝の動きのような細かい動作を独学で改善するのは難しいのが実際のところ。
ゴルフスイングの正しい動きを身につけるには、豊富な知識とスキルを持ったプロの指導者に教わるのが近道です。
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